BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
〜鬼白峯迎撃地〜
「なぜ猫娘がここに?それにここは現世!?」
尸魂界で浦原が待ち構えていると思っていた鬼白峯は驚きで辺りを見回していた。
「まぁ喜助と涅が解析勝ちしたということじゃな。」
夜一はわざとらしい敬語を使い鬼白峯に話しかけた。
「それにしてもよもや鬼白峯殿が奴らに協力しとるとは思いませんでしたぞ。」
「ションベン臭い猫娘が斬魄刀を持っておるとは珍しい。」
夜一の腰の後ろに携えた斬魄刀を目にして鬼白峯はバカにするように笑った。
「あなたほどの方と戦うとなれば斬魄刀がなければ。」
「その気持ち悪い敬語をやめろ。」
「そうじゃのう。では鬼婆が鈍っとらんか確かめてやる。」
そう言うと夜一は雷を纏いとてつもない霊圧を放ち始める。
「
「ほう、いきなり飛ばすじゃないか野良猫が。」
「破道の八十八、
「オラァァァァァ!」
夜一は怒号と共に飛竜撃賊震天雷砲を殴り消し飛ばした。
そして雷撃が鬼白峯の方向へと落ちていく。
「縛道の九十八、
立方体の霊子の盾が鬼白峯を囲み雷撃を防いだ。
「まだだよ、破道の九十八、
黒い羽の生えたケロベロスのような生物が夜一へと放たれる。
「猫は犬にでも喰われろ!」
「
ピンク色の刃が羽黒帝猘を小さく包み呑み込んだ。
「なんだい、白哉坊もいたのかい。」
刃が散ると羽黒帝猘はすでに消滅していた。
白哉は夜一の横に立ち、彼女の斬魄刀に目をやった。
「四楓院夜一、貴様何のために斬魄刀を帯同してきたのだ。」
「すまんすまん、久々で鈍っとってのう。いつ解放するか使い時を忘れてしもうた。」
「今しておけ。」
腰に携えた斬魄刀を引き抜くと、夜一は顔を曇らせた。
「持ってきておいてなんじゃがあんまり解放しとうないんじゃ。こやつ面倒臭くてのう。ほらまた怒った。」
「しろ。」
白哉は夜一の言い分を無視して再度解放を促す。
「はいはい、、、、はぁ、、、一応しとくかのう。」
夜一は観念したように霊圧を上げ斬魄刀を解放させた。
「想い隔てろ、
夜一の斬魄刀は蒼白い光を放ち始める。
「初めて見るよ、あんたの解放。」
鬼白峯は、頑なに斬魄刀を使わなかった“白打の天才”の解放を興味深そうに見つめていた。
光が夜一に収束する。その手に斬魄刀は無かった。
「斬魄刀が消えた?」
持ち主の一部となったり、そのまま浅打の形で残る解放は見たことがあった。
しかしいくら鬼白峯と言えども斬魄刀がなくなる解放は見たことがなかった。
「おるよ。儂にくっついとるわい。」
「どういうことだ?」
「こやつはなんじゃ怖くてのう。現代風に言うなら“すとーかー”とか“めんへら”とかいう奴に近い。」
「なんでもこいつが言うには『人への恋は華となり、他の者に触れさせぬ聖なる壁となる』らしい。」
「恋華聖壁はすぐ拗ねる病的な嫉妬女なのじゃ。」
鬼白峯は片方だけ口角を上げ夜一に呼びかけた。
「あいつみたいだね。あのいつもお前の後ろにくっついてる
「砕蜂とは違う。やつはかわいい儂の部下じゃ。」
「四楓院夜一、、、。その言葉決して砕蜂に言うな。舞い上がって『黒猫饅頭』の増販などしてみろ、『ワカメ大使饅頭』の人気が落ちてしまう。」
「はぁ?白哉坊、、、お主、、、」
「お喋りはこれくらいにして、いくかね!破道の六十九、
鬼白峯は黒い船の錨の様な物を何本も繰り出す。
しかしその錨は夜一に当たると弾かれ崩れ落ちた。
「体が硬化しているのか。」
「さぁどうかのう?」
夜一は余裕な表情を見せている。
「破道の九十三、
鬼白峯が地面に手をつくと、まるでなにかが地面に潜り込んでいるかのように盛り上がりながら夜一達に近づいた。
「千本桜。」
千本桜の攻撃を受けるも隆起の動きは止まらず、白哉の下までいくと白哉を岩の壁で囲み、そのまま上へと伸び始めた。
「白哉!」
伸びる速度が速く、すでに見えないところまで伸びていた。
そして鬼白峯が勢いよく拳を握りしめると伸びた岩は崩れ落ち、砂となって風に流されていった。
「そんなことしても転落死はしやせんわい。鬼婆、儂ら死神は霊子で足場を作れることを忘れたか?」
「霊子で足場がね、、、」
鬼白峯は不気味に笑っている。
「あれは!?」
上空から人が一人入る程度の岩の箱のようなものが落ちてきていた。
「なぜ白哉坊を選んだかわかってないねぇ、猫娘。奴があの中で千本桜を使えば奴自身も細切れさ。」
「くそっ、、、はぁぁぁ!」
夜一が上空へと手を伸ばすと、何層もの青く透明な薄い壁が地面と平行に、岩の箱を受け止めるように現れる。
岩の箱は夜一が出現させた壁を何枚も突き破りながら地上へと落ちていく。
しかし確実にその速度は落ちていっていた。
そして地上から約10メートルのところでやっと夜一の壁によって止められた。
夜一は岩の箱に駆け寄ると手拳で破壊し白哉を救出した。
「白哉坊、じゃから白打もしっかりやれと言うたじゃろ。」
「夜一、あんたの斬魄刀は盾の能力かい。」
鬼白峯は夜一の意外な能力に少し驚いていた。
「あぁ、行け行け押せ押せの儂には合わんじゃろう?」
「そうだね。」
昔と変わらないやりとり。
夜一は鬼白峯が敵側に着く理由がわからなかった。
荒く不器用な性格ではあるものの、常に正しい道を歩いていた厳しくも優しい人生の先輩だったからだ。
「鬼婆、孫が護神大戦で討たれたそうじゃの。それで自暴自棄になったか?」
「そうではない。残された孫の嫁は役に立たん。孫も後継もおらん今、鬼白峯は衰退するしかない。」
鬼白峯の息子は病に倒れ、一人しかいない孫が唯一の跡取だったのだ。
「鬼白峯に未来はない。無様に残るよりは自ら引導を渡した方が幾らかマシよ。」
「破道の九十九、五龍転滅!」
紫色の禍々しい霊圧を放つ龍の一匹が夜一を襲う。
「恋華聖壁!」
夜一は何枚もの盾を張り霊子の龍の衝撃に備えた。
霊子の龍はいとも容易く盾を破っていく。
「まだまだよ、、、!」
夜一は今自分が作ることのできる最硬度の盾を作り出した。
「ハァァァァァァ!」
恋華聖壁と霊子の龍は衝撃波を放ちながら相殺した。
「ギリギリだねぇ!?猫娘。まだ4匹いるよ!」
「いき過ぎた
「卍解。」
「
夜一が目の前の盾を殴り飛ばすと、その殴った所の盾が小さな玉を発した。
霊子の龍の頭を次々と撃ち抜き消滅させていく。
そして夜一は最後に鬼白峯に向けて殴り飛ばした。
「縛道の九十八、
「ほう、、、鬼白峯のこれを破るかね、、、。」
縛道の盾が破られ、鬼白峯の左肩は
「まだまだぁ!オラァァァァァ!」
夜一は目の前の盾を殴り続けた。
「裏破道の四、
鬼白峯は蜂の巣にされながらも鬼道の力で再生を続けている。
「流石は鬼婆よ、、、ここまでやって生きておれるとは、、、。」
「猫娘、白哉坊や。破道は何番まであるか知っておるか?」
鬼白峯は自身の体についた血を払っている。
「九十九ではないと言うのか?」
白哉が怪訝そうな様子で聞き返す。
「ご名答。さぁ鬼道の特別授業の時間だ。」
その瞬間、夜一と白哉は今までに経験したことのない霊圧を感じ取った。
「破道の百、
鬼白峯の両手は青く光り輝いている。
夜一が
「な!?」
白哉も続けて千本桜を向けるが同じように手に触れると消滅した。
「破壊を極めた単純な鬼道さ。」
「だが、、、鬼婆の攻撃も届かんだろう?」
夜一は冷や汗を流しながらもあえて余裕な様に笑ってみせた。
「さぁどうかね。」
鬼白峯が両手の平を近づけると、バチバチと音を立て火花が散り始める。
「強力な消滅させる力同士を合わせるとどうなると思う?」
鬼白峯が手を合わせると、行き場を失った力が前方へ、夜一と白哉の方へ飛んで行った。
「まずいっ!」
夜一は青い盾を、白哉はピンク色の刃でその攻撃を防ごうとするが、足止めにもならなかった。
「これはキツいのう、、、。防ぐ術がない。」
「終わりか?四楓院家、朽木家。」
「おいおい、俺たちを忘れてるぜ!」
上空から突然女性の声が降ってくる。
「散在する獣の骨 尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪 動けば風 止まれば空 槍打つ音色が虚城に満ちる!」
「この詠唱は、、、!」
夜一はこの破道を得意とする者を知っていた。
「破道の六十三、
上空から斜め下に、鬼白峯の方向へ放たれた雷撃は轟音と共に砂煙を立ち上げた。
そしてその人物が夜一の横へ着地した。
「よぉ!夜一、元気してるか?」
「空鶴!」
To be continued.....