BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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第17話 My Sprit Is No Longer With You

 

 

 

〜ザエルアポロ迎撃地〜

 

 

「躍り狂え、絡新妖婦(テイルレニア)。」

 

ロカは包帯でできたようなドレスに身を包まれた。

そして背中からは、虎徹勇音の卍解のような蜘蛛の足が伸びている。

 

 

「それがお前の帰刃(レスレクシオン)か。」

 

 

ザエルアポロがロカとの一騎討ちを望んだからか、偽物たちはスタークの方へと向かっていく。

 

「俺が奴らをやる。あんたザエルアポロをやれるか?」

 

ロカもまた、偽物たちには目もくれず、ザエルアポロにしか意識が向いていない様子だった。

そのロカの様子を見たスタークは、偽物たちの相手を買ってでたのだ。

 

「はい、任せてください。」

 

ザエルアポロはそのロカの言葉を聞き流さなかった。

 

「聞き間違いかな?“はい、任せてください”と聞こえたが?」

 

 

ロカは力強くザエルアポロを見据える。

 

「そう言いました。私が()()あなたを止めます。」

 

ザエルアポロはわかりやすく顔を歪め、憎しみを前面に出した。

 

「お前が倒したのは、脳味噌まで筋肉だったときの(シエン)だ。」

 

「では、あなた()止めます。」

 

そう言うとロカの霊圧は急激に上昇し始める。

 

 

瑞祥(ずいしょう)(ほふ)りて生まれ出で、暗翳(あんえい)尊び老いさらばえよ。」

 

餓樂廻廊(ががくかいろう)。」

 

ロカの周辺に、直径3メートルはありそうな何十もの白色の球体が現れる。

その球体は、鋭い牙の生えた口がついた怪物だった。

 

 

ロカは()()死神の始解を、()()()()()()()()()()()使用したのだ。

 

そしてその始解を目の当たりにしたザエルアポロは不機嫌そうに眉をひそめた。

 

「何故わざわざ解号を口にした?それは、、、皮肉のつもりかい?」

 

それもそのはず。

これにはロカの大きな皮肉が込められていたからだ。

 

ロカが能力を再現するとき、本来その解号は必要ない。

 

わざわざ言う必要はないどころか、相手に対して今から使う能力を伝えてしまうこととなる。

 

ザエルアポロが憤慨した理由は、その始解が七代目剣八刳屋敷(くるやしき)のものであり、ロカがそれを敢えて口にしたからだ。

 

ザエルアポロは七代目刳屋敷剣八と八代目痣城剣八の戦いから二人の能力を研究し、ロカ・パラミアを作り出した。

 

 

そして何よりザエルアポロの気に障ったのが、、、

 

 

「ザエルアポロ様、感じ取られましたか?」

 

「痣城が出来損ない(シエン)を斃したんだろう?」

 

「だからなんだ?八代目剣八が(シエン)を斃し、お前が七代目剣八の能力で僕を斃すとでも言いたいのか?」

 

 

「そう理解していただいて構いません。」

 

 

その言葉にザエルアポロの霊圧は激しく揺れ動く。

 

「お前は本当に、、、生意気な口をきくようになったなぁ!!」

 

そう吐き捨てると、ザエルアポロは肉の滴を3個引きちぎり、その全てを弓にあてがい力強く引き絞った。

 

「これが止められるか!?」

 

 

するとロカは手を地面につき、地面を隆起させた。

車谷の《土鯰》の能力だ。

 

「鬱陶しい!」

 

ザエルアポロは左手から虚の霊圧が混ざった巨大な矢を生成すると、右手でその矢を弓にあてがい勢いよく放った。

 

王虚の閃矢(フレチャ・デル・グランレイセロ)!!」

 

 

餓樂廻廊(ががくかいろう)。」

 

ロカの周りに浮かぶ白い球体の怪物が、大きな口でザエルアポロの放った矢をあっさりと飲み込む。

 

「雑魚の分際で!!クソがぁぁ!!!」

 

 

 

ーースターク集中しろよ!ーー

 

ーーあっちが気になるのはわかるけどさぁーー

 

リリネットが心を通し、スタークに語りかける。

 

「あっちは大丈夫そうだが、、、やっぱこの数の十刃はキツいな。」

 

スタークの目の前には何十体もの偽物たちが蠢いていた。

 

ーーやっちゃう?一気にーー

 

「そうだな。無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)!」

 

スタークは二丁の拳銃から無数の虚閃を放ち、何十体ものネル、グリムジョーの偽物を撃ち抜いていく。

 

しかし、撃っても撃っても後続が途切れない。

 

「くそっ、まだまだ出てくんな。」

 

スタークは再度無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)を放つが、その合間を抜けて数体がスタークへと飛びかかった。

 

「接近戦はそんな得意じゃねぇんだけどな。」

 

スタークは、《コルミージョ》という霊子のタガーナイフの様なもので、相手を次々と斬り捨てていく。

 

ーースターク!直接攻撃しちゃダメじゃん!ーー

ーーコピーされちゃうんじゃないの!?ーー

 

「仕方ねぇだろ。ゼロ距離で虚閃撃てってのか?」

 

 

リリネットの懸念通り、偽物を通してザエルアポロへとスタークの霊圧情報が送られる。

 

第一十刃(プリメーラ)のデータが入ったようだ。」

 

ザエルアポロの触手に垂れ下がっている肉の雫が膨れ上がり破裂すると、スタークのコピーが生み落とされた。

 

偽のスタークもまたスタークの方へと向かっていく。

 

 

その様子を見たロカがザエルアポロに向き直る。

 

「どうしても私とは一対一で戦いたいようですね。」

 

「お前が僕と《対等》かのように話をしていること自体、許しがたい行為だ。」

 

ザエルアポロはこの間も禍々しく歪んだ霊圧を放っている。

 

「お前のその《対等》という勘違いを、主人直々に正してやろうという慈悲だよ。」

 

 

「そうですか。では私も慈悲で元主人の間違いを正します。」

 

 

「本当にお前は、、、癇に障るやつだ!!」

 

 

「私が今度こそあなたを終わらせます。」

 

急に冷たく、重い霊圧が漂い始めた。

 

 

「なんだ?急に霜が、、、」

 

 

ザエルアポロが辺りの異変に気付き始めた瞬間、地面から伸びた氷柱がザエルアポロの腹を貫く。

 

「これは!?」

 

 

ロカがある隊長格の卍解を再現すると、辺りに霜が降り背後にうっすらと蜘蛛のような銀色の影が現れた。

 

ザエルアポロの腹は超速再生によって、急速に穴が塞がっている。

 

ロカはさらに別の隊長格の卍解を再現すると、頭に二本の角が生え、肌が浅黒く変化した。

そして右手には巨大な斧を携えている。

 

ロカが巨大な斧を振り上げると、ロカの細い腕は裂け、骨は乾いた音を立てて折れてしまった。

 

「くっ、、、」

 

すかさずロカは再生能力を持つ滅却師の霊圧を再現し、強制的に傷を癒す。

 

しかし、何度も裂ける腕の痛みに耐えかねたロカはさらに別の死神の卍解を再現した。

 

すると()()()()()()()()()かのように斧を振り上げ始める。

 

 

ザエルアポロは素早い分析で、ロカが再現した死神達を言い当てた。

 

「更木剣八の卍解で傷ついた体を、アルファラの再生能力で癒し、斑目一角の卍解で痛みを無くしたということか。」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がそこには立っていた。

ロカは腕を振り上げ、目にも留まらぬ速さで、勢いよく斧のような斬魄刀を振り下ろす。

 

 

一閃。

 

ザエルアポロはその場に崩れ落ちた。

 

スタークと対峙していたコピー達は、動きを止めるや否や、灰となって宙に舞っていく。

 

 

Loca para mía(自分自身が為に狂う)とはよく言ったものだよ、、、。」

 

「まさかそこまでして、、、僕を討とうとするとはね、、、」

 

 

「これは主人からの命令だ、、、僕を跡形もなく消せ。」

 

仰向けに倒れているザエルアポロは目線だけを動かし、ロカへ命令した。

 

「涅マユリに回収されるのは、、、ごめんだからね。」

 

 

「あなたはもう私の主人ではありません。今の私はネリエル様の従属官。そしてその主人は黒崎部隊長です。」

 

「ですのでザエルアポロ様の命令を遂行することはできません。」

 

 

「ですが、私の意思であなたを消滅させます。」

 

 

餓樂廻廊(ががくかいろう)、、、」

 

ロカの背後から白い球体が浮かび、ザエルアポロの方向へゆっくりと進んでいく。

 

「またそれか。本当にお前は、、、癇に障る、、、」

 

ザエルアポロは穏やかな顔で、白い球体の怪物に呑み込まれていった。

 

 

 

 

 

To be continued......

 

 

 

 

 

 

 

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