BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
「先日の浦原喜助の邪悪な研究により空席となった席官を臨時任命する。呼ばれたものは前へ出よ。
二番隊隊長代理 同隊副隊長 大前田希ノ進
三番隊隊長代理 同隊副隊長 射場千鉄
五番隊隊長代理 同隊副隊長 藍染惣右介
七番隊隊長代理 同隊副隊長 小椿刃右衛門
九番隊隊長代理 零番隊 麒麟児天示郎
十二番隊隊長代理 零番隊 修多羅千手丸
二番隊副隊長代理、、、、、」
「そして、以前から空席であった十番隊隊長であるが、十三番隊隊長浮竹十四郎の推薦により、十番隊副隊長志波一心を召喚。隊長3名立会いのもと隊首試験を行い、能力・人格共に申し分ないと判断した。志波一心、前へ。」
「志波一心っす!よろしくお願いします!!」
定例会も終わり各隊長、副隊長は各々の隊舎へ戻っている。
そんな中八番隊隊長の京楽は新人隊長の一心に声をかける。
「いやぁ、志波家は流石名家だねぇ。零番隊、隊長、副隊長が現役でいるんだから。」
京楽は自分が総隊長になる頃にはその全員がいなくなっているとは想像もしていなかった。
「そうすかね?」
「隊長〜!」
金髪の巨乳美人、松本乱菊が一心のもとへ駆け寄ってくる。
「おう、乱菊!」
「これからは副隊長としてお願いします。」
乱菊は三席から副隊長に昇進したのだった。
「乱菊、お前お辞儀すると見えそうで、いいな。」
乱菊からの鉄拳が一心の顔面にめり込む。
「上手くやっていけそうだねぇ。」
京楽は微笑みながら一心と乱菊のやり取りを見守っていた。
〜十二番隊隊舎〜
金色の髪飾り、そして幾つもの骸骨の手。
姫君といったような雰囲気のある美女。
臨時任命式を終え、零番隊の修多羅千手丸は隊舎内確認のため歩き回っていた。
「ここが技術開発局か。」
技術開発局入口の前に白塗りの不気味な男が。
「副隊長代理はそちか?」
その不気味な男は柔らかい口調で、しかし威圧的に修多羅に忠告をする。
「いいかい?私は副隊長代理とはいえ今や局長だヨ。零番隊だろうと私の指示に従ってもらおう。」
「妾は隊長としてここにいるわけだが。」
「ここでは護廷隊の席次よりも局内の地位がものを言うんだヨ。」
「それでは改めて、、、君の上司になる技術開発局局長、涅マユリだ。」
「それでは失礼するヨ。」
「なんじゃあの白玉のような男は。」
修多羅は、パーテーションで区切られた研究机に座って機械を弄っている少年に声をかけた。
「阿近とやら。」
「はい、なんすか隊長代理。」
「ここで把握している零番隊に関する資料はどこじゃ?」
零番隊もただで隊長代理に貸し出しているわけではない。
浦原喜助や涅マユリは零番隊にも発信機など何かしらをつけている可能性が高く、それを探るために派遣されたと言っても過言ではなかった。
「それはわかりませんが、局長室じゃないすかね?」
「では行ってくる。」
「局長いないっすよ、今。」
阿近はパーテーションから顔をのぞかせる。
「構わん。」
それから6時間。
流魂街調査から帰局したマユリは、帰局早々怒り狂うこととなる。
「マユリや。まさか妾の御殿廊下にも霊蟲とやらを仕掛けているとは趣味の悪い男よ。」
「貴様、、、!私の部屋に入ったのかネ、、、!?」
「妾が手をかざすと勝手に開いたのでな。もっと施錠を強化した方が良いぞ、局長殿。」
「この、、、!巫山戯た真似をしてくれるじゃあないかネ、、!」
マユリはタダでは置かないという面持ちで施錠の強化を思い巡らせる。
「次はせいぜい死なないように気をつけることだネ、、、!!」
すると横から、白衣を着ているやせ細った長髪の男が修多羅に声をかてきた。
「隊長代理!四席の仙波逸ノ将と申しますが、少しお時間よろしいでしょうか?」
「お話ししたいことがありまして。」
「分かった。1時間後に隊長執務室で良いか?」
「ありがとうございます!」
仙波は頭を下げその場をあとにする。
マユリはその男、仙波を見て修多羅に忠告した。
「気をつけた方がいいと思うがネ。」
「奴は滅却師研究の担当だが、正直取り憑かれているように研究していてネ。」
「今滅却師の死体を使って研究をしているのだが、奴は生きたまま頭蓋に穴を開けたり、自身の子を殺させたりして研究している。」
「何をしたいのかがわからなくてネ。目的なき研究は三下がやることだヨ。」
「全く、その責任を取るのは局長の私だと言うのに。」
やれやれと両手を挙げながら、マユリはその場を去っていく。
「狂気の研究者という点ではそちと変わらぬがな。」
修多羅はクスクスと笑っている。
〜十二番隊隊長執務室〜
「仙波四席参りました。」
「話とはなんじゃ?」
「はっ、十番隊十四席の由嶌欧許を是非技術開発局に迎え入れたいのですが。」
由嶌欧許とは緑の髪をした長髪の男で頭が良く、昔から仙波に一目置かれていた男だ。
「義魂の知識を有しておりまして、我が技術開発局での開発をと。」
「十番隊の志波家の者はなんと言うておる?」
「就任してすぐで分からないからいいようにしてくれ、と仰っております。」
「なら連れて来るがよい。」
「ふぅ、義魂の関係ならやはり妾より曳舟の方がよかったのではないかのう。」
零番隊に昇進して間もなかった元十二番隊隊長曳舟桐生は、霊王謁見や御殿建設など零番隊の着任業務に追われていたため、修多羅が派遣されたのだった。
「時に修多羅殿、次の隊長候補は決まっているのですか?」
「まぁマユリであろう。あやつの卍解修得待ちじゃな。」
「なっ、、涅局長は、、、その、、、蛆虫の巣出身です。」
「それがどうした?」
「隊長は高貴な役職です。相応しくないのでは。」
「高貴かどうかは関係ない。それならば鬼厳城も相応しくはないであろう?」
「そ、そうですが、、、。」
「もうよい、下がれ。」
仙波は隊長執務室の外で立ち尽くした。
怒りが湧いてくる。
「クソっ、涅、、、。」
「蛆虫の巣など屑が生きながらえているだけの場所。」
「それなのに涅マユリは、、、、私が屑に遅れをとるなど許せん。」
翌日マユリが出勤し局長室まで来ると入口に修多羅が立っていた。
「マユリや。そちは義魂の技術に興味があるようだのう?」
義魂関連資料をヒラヒラと涅に見せびらかしている。
「貴様、、、!また、、、!」
修多羅は口元に手を当て上品に微笑した。
「マユリ、そちの鍵は飾りかえ?」
「仙波を見習ってはどうじゃ?あれは本腰を入れねば開けられん。」
修多羅は仙波の部屋の鍵を開けようとしたが時間がかかるため面倒臭くなっていた。
「あんな三下の真似をするなど冗談はよして欲しいものだネ。」
マユリはイラつきながらも修多羅の持つ資料を奪い取り局内に入っていく。
さらに翌日マユリが出勤すると、また修多羅は局長室入口に立って資料をヒラヒラとさせていた。
「マユリ、施錠の腕を上げたようじゃの。少し時間がかかった。」
「なん、、、だと、、、?」
怒り心頭のマユリの顔には血管が浮き出ている。
修多羅は入り口まで来たマユリに資料を手渡す。
「それはそうと、卍解の鍛錬はしておるのか?」
「言われずとも順調だヨ。」
マユリの語気はかなり鋭い。
「妾が鍛錬してやろうか?」
「余計なお世話だヨ。」
「おはようございます。」
そこに仙波が朝の決済書類を持って現れる。
そして遠くから2人の話を聞いていた仙波はマユリに負けたくない一心で修多羅に掛け合ってみた。
「修多羅隊長代理!私はもう卍解に至っております!」
「私は、、!私が隊長候補では如何でしょうか!?」
「ほれ、マユリ。仙波はすでに卍解に至っておるぞ。早くせねば追い抜かされるぞ?」
「な、、、」
「(追い抜かされるだと?まだ卍解にも至っていない涅に劣るというのか?)」
今思えばこの時から仙波の中の何かが一気に溢れ始めたのかもしれない。
「修多羅、、、!涅、、、!」
「ならここで示してやろう!涅をすでに超えているということを!」
「卍解!!」
〜一番隊隊舎〜
「まさかこんなことになるなんてねぇ、、、。」
京楽は浮竹、藍染と立ち話をしていた。
「惣右介君が偶然技術開発局に行ってなかったら危なかったよ。」
「全くだ。しかし仙波がこんなことをするとはな、、、。」
浮竹も普段の仙波を見たことがあったため驚きを隠せない。
「修多羅隊長代理も、涅局長にも大したお怪我なく幸いでした。」
藍染は困ったような顔を浮かべている。
「おっ、山爺だ。そろそろ始まるみたいだね。」
「皆集まっておるか?では臨時隊首会を始める。」
「仙波逸ノ将前へ。」
刑軍に縄を持たれ、手枷をつけられた仙波が山本元流斎の前へ現れる。
「此度の騒動に関し、十二番隊第四席仙波逸ノ将に除隊を命ずる。」
「待て!除隊とは、、!」
「連れて行け。」
仙波は刑軍に引っ張られながら一番隊舎を後にする。
「以上で臨時隊首会を終了する。」
「大前田後は頼む。」
山本総隊長からそう言われた二番隊隊長代理の大前田は刑軍を引き連れある場所へ向かう。
蛆虫の巣。
仙波が最も忌み嫌っていた場所。
仙波は危険分子として妻、息子とともに蛆虫の巣へ収容となった。
「あのときああしていれば、、、、」
「絶対に復讐してやる、、、!」
「浦原喜助、修多羅千手丸、藍染惣右介、、、」
「涅マユリ、、!!」
To be continued.....