BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
〜石田病院・総合受付前〜
「成程。そのお前の言い草、卍解に至っているということか。」
一護の身体を乗っ取ったユーハバッハは笑みを浮かべている。
一護の中にある卍解の記憶――朽木白哉と戦ったとき初めて卍解を解放する前の口上。
それと同じだったからだ。
「使ってみせよ、卍解を。完膚なきまでに叩き潰して“絶望”を与えてやろう。」
「必要ねぇよ……切り札ってのはピンチの時までとっとくもんだろ!?」
――一勇、俺の力を使え――
「分かってる!
一勇は融月を振るい黒い斬撃を飛ばす。
「卍解を使うつもりはないか。それとも一護とは違い、ただのはったりだったか?どちらでもいいが、私は容赦はせんぞ。」
「
ユーハバッハの目の前に巨大な弓が現れると、霊圧の矢が何本も射出される。
――一勇、僕の拒絶の能力を――
「おぉ!」
一勇が左手を前にかざすと、ユーハバッハの放った矢がはじけ飛び、霊圧の塵となった。
「何やらよくわからんが、厄介な技を持っているな。」
霧散する橙色の霊子を見たユーハバッハは目を細める。
「まるでお前の母親のような力だ。」
その言葉を聞いた一勇は少し目を見開くと、口角を上げた。
「その感じだと、浦原さんが言ってた“全知全能”って能力はないみたいだな!」
「どうだろうな。」
「さぁ、卍解なしでどこまで耐えれるか試してみようではないか。我が
~銀城サイド~
「この滅却師は、彼らとの大戦のときに一護を足止めしてたやつだ。」
その滅却師――キルゲ・オピーに対峙し刀を構える男、銀城空吾は面倒くさそうに返事をした。
「あー、そうなのか?」
「用意されてた資料読んでなかったのかい?」
「あぁ、なんか写真だけは見たな。」
月島は“はぁ~”とタメ息をついて呆れている。
「まぁでも、お前を行かせりゃ面倒なことになるってぇのはよくわかった。」
そう言うと銀城は前へと歩み出た。
霊圧を上げている。
「その力、使う気になったんだ。今さら一護への罪滅ぼしかい?」
「うるせぇよ月島。」
月島は踵を返し、後退した。
「存分にやりなよ。」
「言われるまでもねぇよ。」
「何ですか?その力は?我々の
銀城は神妙な面持ちで解号を口にした。
「罪を償え、
銀城の斬魄刀の柄は十字架を思わせる形へと変化している。
「お前は今から懺悔の時間だ。俺は牧師じゃねぇけど文句言うなよ。」
「生憎ですが懺悔は必要ありません。私は陛下を絶対神として信仰してい
~苺花・彦禰サイド~
ドゴーーーン
ドン・観音寺が放ったゴールデンキャノンボールがジゼルに直撃した。
彼のゴールデンキャノンボールは雪緒の創り出した“強さが逆転するゲーム空間”によって途轍もない火力となっていた。
揺れ響く爆音と砂煙が収まると、そこにはボロボロになった、そして体全体から青色の線状の模様が浮かび上がったジゼルが立っていた。
「クソっ・・・こんなオッサンに・・・」
勝機が薄いと考えたのか、ジゼルは残る霊圧をすべて
「首を洗って待ってなよ、オッサン・・・!絶対ボクのゾンビにしてあげるからさぁ!」
そう言葉を残してジゼルはその場を去っていった。
「ボハハハハー!バッドスピリットガールよ!私に恐れをなしたか!!」
両腕を胸の前でクロスさせ、不気味に笑う不気味な格好の男。
彦禰は彼の前へと行き、一礼して謝辞を述べた。
「ありがとうございます……」
「いいんだ!これもヒーローの務め!!ボハハハハー!!」
あっけにとられる彦禰の肩を苺花が引っ張った。
「ほら、六車隊長のところへ急ごう……!」
~六車サイド~
「くそっ……攻撃当てても効きやしねぇし、体もデカくなりやがる……」
六車達はジェラルド・ヴァルキリーの攻略法を見いだせずにいた。
「私の弐撃決殺も効果がないとはな……」
「効果がないどころか、相手は体バカでかくなりやがったけどな。」
無敵とも思える相手を前に大前田がヤケクソ気味に声を上げる。
「隊長!前ってこいつどうやって倒したんすか!!」
「莫迦者……記録を見ておけと言っただろうが……」
砕蜂に続いて六車が答えた。
「こいつを倒したのはユーハバッハだよ……!」
「山田の斬魄刀の能力じゃ相手の身体は元に戻らねぇみたいだし、どうしたもんか……」
万事休す、といった状況に現れたのは彦禰と苺花だった。
「六車隊長!」
「彦禰…!お前、あの滅却師は!?」
「ドン・観音寺さんという方が追い払ってくれました!戦況はどうですか?」
「今からボコボコにしてやるところだ……!」
六車から出た言葉は明らかな虚勢だった。
戦況を見ればこれから倒せるような状況ではないことは彦禰にも分かっていた。
だからこそ・・・
「六車隊長、僕に一つ試させてもらえませんか?」
「何?」
「相手の身体は大きくなるんですよね?そしてその体はそのまま動いていると。であれば僕の能力が効果的かもしれません。」
六車は若い隊士の提案に眉を
彼は檜佐木から彦禰の卍解の能力を簡単にだが聞いていた。
聞いていた能力が本当であれば、確かに彦禰の卍解は相手が生き物であれば効果は絶大だ。
しかしそうなれば、相手の攻撃はいやが応にも彦禰に向かうことになる。
六車は難しい選択に迫られていた。
「ったく・・・俺たち大人は何人も揃って情けねぇなぁ・・・」
「お前ら!!これから彦禰を命かけて守れ!!」
「六車隊長……!」
「頼んだぞ、彦禰!」
「はい!!」
無邪気な雰囲気が一変、彦禰から深くドス黒い霊圧があふれ出る。
「皆さん、下がっていてください・・・」
「卍解・・・」
彦禰は卍解の解号とともに、垂直に右手で持った斬魄刀の切っ先に左手を当てると、上から下へと刃元まで左手を押し込み、掌を貫通させた。
彼の血で染め上げられた斬魄刀は次第に上からドロドロと溶け、彼の手を覆っていく。
まるでかつて初代剣八として恐れられた死神の卍解のようだった。
「
To be continued.....