BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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外伝〜剣術大会〜
戦力外副隊長達の憂鬱①


 

 

〜一番隊隊舎〜

 

 

「四番隊副隊長、虎徹清音!

 八番隊副隊長、行木(ゆき)理吉!

 七番隊副隊長、伊江村八十千和(やそちか)

 九番隊副隊長、小椿仙太郎!」

 

「以上四名の者を今年度剣術大会役員に命ずる。」

 

一番隊副隊長伊勢七緒の凛とした声が隊舎内でこだまする。

 

「ありがとう七緒ちゃん。みんな休んでいいよ。」

 

「休め。」

 

七緒の号令とともに四名の副隊長は休めの姿勢を取り、総隊長の京楽春水が話し始めた。

 

「今年もこの時期だねぇ。去年は色々あったからあっという間な感じがするよ。」

 

「で、例年役員は五席以下が務めるのが慣習になってたんだけど、今年は副隊長四人にやってもらうことにしたんだ。」

 

「な、なぜ副隊長が、、、?」

 

清音が恐る恐る京楽に尋ねた。

 

 

「理由は簡単。四十六室のお偉いさん方や上級貴族が視閲に来るからだよ。」

 

「なぜか定期的に僕らを脅かす敵が現れるだろう?どうもそれに対抗する戦力が護廷隊にあるかどうかを確認したいそうなんだ。」

 

「今回の役員には責任が伴う。だから副隊長四人にやってもらうことにしたんだよ。」

 

「じゃあそういうことで、頼んだね。」

 

 

〜一番隊隊舎廊下〜

 

「うそだろ、、、こんな重責、、、」

 

仙太郎が頭を抱えながら歩いている。

 

「というよりこのメンツって、、、」

 

理吉は京楽に呼ばれた時から頭に浮かんでいた考えを口に出した。

 

「言うな理吉!」

 

理吉の考えを悟った仙太郎は声で理吉を制するが、、、

 

「いえ!言います!これ完全に僕ら剣術大会戦力外ってことですよね!?」

 

その言葉に皆肩を落とす。

 

「くぅ〜、、、、分かっちゃいたが言われると堪えるぜ、、、」

 

「ただ下命された以上、任務を遂行するしかありません、、、」

 

八十千和はメガネを指で押し上げている。

 

「まずは役割を決めましょう。」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

『いいかい?今回四十六室からのお達しは3つだ。』

 

『一つ。出場チームは

   一〜六番隊選抜

   七〜十三番隊選抜

   零番隊選抜

   外世部隊選抜

   副隊長三席合同選抜

   四席以下の新戦力選抜

の6チームで、1チームの出場は7人。』

 

『二つ。外世部隊には必ず全種族を選抜すること。』

 

『三つ。全力を出して戦っても相互に被害を与えない戦場を設けること。』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「零番隊に交渉しに行かなきゃいけないんですよね、、、」

 

理吉は嫌そうに小さな声でそう呟いた。

 

「でもいくら零番隊と言えども四十六室のお達しなら承諾してくれるでしょ!」

 

清音も半ばヤケクソのようになっている。

 

 

「じゃあお前が行ってこいよ!」

 

しかし行きたくないのは皆同じ。

仙太郎がすかさず清音に突っ込んだ。

 

 

「なんであたしが行くのよ!この脇臭口臭おとこ!」

 

「んだと!?この鼻くそおんなが!」

 

 

 

「ここは公平にくじといきましょう!」

 

 

 

 

 

〜現世・黒崎医院〜

 

 

「剣術大会だぁ?」

 

「黒崎さん達は外世部隊として出てもらいたくてですね、、、」

 

理吉は正座で一護の前にかしこまっていた。

 

その横には十三番隊隊長のルキアも座っている。

 

「剣術大会は勝ち抜き方式だが、一護達が出るのはこれではない。」

「護廷十三隊から外世の人員に対して不満が出てな、、、」

 

「不満?」

一護は眉を潜めて復唱した。

 

「護廷十三隊の隊長である私が言うのもなんだが、、正直言って外世部隊の戦力は高すぎる。」

 

「一人一人が隊長格と言っても過言ではない。」

 

「そこで、護廷十三隊で大会を行い、そこから選抜して外世部隊と戦うことになった。」

 

「まじかよ、、、めんどくせぇ、、、」

 

 

 

 

〜ワイハンス・エンタープライズ〜

 

 

プルルルルル

 

ピッ

 

「何だい?僕は今すごい忙しいんだけど。」

 

『申し訳ありません、社長。今受付にボクシング元ヘビー級世界チャンピオンの茶渡泰虎(さどやすとら)様がいらっしゃっています。』

 

「はぁ?」

 

 

 

ガチャッ

 

「すまん、、、忙しいところに、、、」

 

チャドは申し訳なさそうに肩をすくめながら、社長室に入ってくる。

 

「なぁに?ボクシング再開するからまた大会を主催してくれって話?」

 

「ム、、、大会を主催は近いな、、、、ボクシングではないが、、。」

 

「で、そのゴツいおさげのおっさんはだれなのさ。」

 

チャドの左斜め後ろにたたずむ巨漢に目がいったのだ。

 

「八番隊第三席副官補佐、円乗寺辰房(えんじょうじたつふさ)である。」

 

 

「で、その死神の円乗寺さんがなんでうちの会社に来てんの?」

 

「うむ、吾輩の上官である行木副隊長から、暴れても被害の出ない戦場を用意できないかと相談を受け、吾輩調べたところ、黒崎部隊長列伝第四巻第四章第七話、題名《ローディング・トゥ・ライ》において、黒崎部隊長は完現術師(フルブリンガー)の集団《XCUSION》に属する雪緒・ハンス・フォラルルベルナなる者が構築した仮想戦場で鍛錬を積んだと記載されていたのだ。さらになんと!その集団にはかつて黒崎部隊長と共に尸魂界に侵攻した吾輩の好敵手、茶渡泰虎も所属しているとのことではないか!そこで吾輩は現世へと渡り、茶渡泰虎を通じてここへ参ったのである。」

 

「長いよ!どういうことか簡単に説明してよ!」

 

雪緒はチャドの方に向き直り説明を求めた。

 

「ム、、、すまん、、、俺もよく理解できないんだ、、、、」

 

「つまり、ワイハンスプレゼンツで尸魂界剣術大会会場を雪緒のゲームにさせてくれってことさ。」

 

 

「月島、、、!」

 

「さっき一護から連絡があってさ。雪緒のところに会場設営について説明下手な死神が交渉に行ってるって聞いてね。」

 

 

「な、、、!お主は黒崎部隊長列伝第四章第二巻第六話、題名《ナックル・ダウン》において登場した月島秀九郎、、、!」

 

「なんなんだい?この死神は、、、」

 

 

 

〜霊王宮〜

 

 

「勝手にやってくれ給えヨ。」

 

「まぁそう言うなマユリや。楽しそうではないか。」

 

「俺も護廷十三隊の小僧たちの力を見るのは悪かねぇと思うぜ?」

 

「チャンボクの作った斬魄刀をしっかり使ってるかも見たいしNe!」

 

「俺もいいぜ。岩鷲の野郎に直接鍛錬つけれるかもしらねぇしな。」

 

「じゃああたしは大会の炊き出しでも作るとしようかね!」

 

「では、、、!」

 

仙太郎は曇った顔から笑顔へと変わった。

 

「うむ、マユリは儂が説得するわい。おんしらの実力を測るのも一興よ。」

 

 

 

〜一番隊隊舎〜

 

「悪いねぇ、みんな集まってもらって。」

 

「誰かに剣術大会の総大将をお願いしたいんだ。」

 

「朽木隊長はどうだい?」

 

「無理だ。我が隊は、ワカメ大使饅頭の販売で多忙となる。」

 

白哉は悪びれる様子もなく、淡々とワカメ大使饅頭販売計画を発表した。

 

「じゃぁ、砕蜂隊ちょ、、」

 

「我が隊も、夜一さ、、、、黒猫饅頭の販売で手一杯だ。」

 

「うーん、、アシド君は遠征訓練の件があるし、僕は総隊長の仕事があるし、勇音ちゃんは副総隊長の仕事があるし、、、」

 

京楽の反応を見た平子は冷や汗をかき始めた。

 

「おい、これいつものパターンちゃうんか、、、!」

 

「平子隊長頼むよ!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉい!!ちょい待てや!!」

 

「俺いっつもやんけ!綱彌代んときも、仙波んときも、思念珠捜索んときも!ってこのやりとりもう飽きたわ!」

 

「そうかい、じゃあ頼むよ。」

 

「全然オッケーしてへんわ!!俺絶対やらへんからな!!!」

 

 

 

 

〜五番隊隊舎隊長執務室〜

 

 

ガチャッ

 

「失礼します。剣術大会の選手表をお持ちしました。」

 

「なんでいっつも俺やねん、、、なんでいっつも俺やねん、、、俺就職決まった後の単位全部取り切ったヒマな大学生ちゃうねんぞ、、、なんでいっつも俺やね、、、」

 

「隊長、、、私も全力でサポートしますから、、、例え私が倒れることになったとしても、、、隊長をお助けしますから、、、!!」

 

雛森は心強い面持ちで自身の右手をぐっと握って見せる。

 

「も、桃ぉ〜、、、、お前は最高の副隊長や、、、」

 

平子は立ち上がるとやる気に満ちた表情を浮かべた。

 

「目が覚めたで!!隊長が副隊長にここまで言わせたらアカン!俺に全部任せときっ!!」

 

 

ドサッ

 

「も、桃?なんや、、、これは、、、」

 

「剣術大会一式書類です。では全部お任せしますので作成お願いしますね!総大将!!」

 

 

ガチャッ

 

「おい、ちょっと待っ、、、」

 

バタンッ

 

 

「コラァ!桃ぉ!!戻って来んかい!!!」

 

まんまと雛森に嵌められた平子は地団駄を踏んでいる。

 

「あいつ真面目すぎやから仕事のサボり方伝授したったらもうマスターしよったな、、、」

 

「ほんま桃のやつ、副隊長やっとった頃の俺に似てきよったで、、、」

 

 

 

 

〜十一番隊隊舎〜

 

 

「み、皆さま、、、お集まりいただきありがとうございます。」

 

「今回剣術大会使役に任命されました七番隊副隊長伊江村です、、、。」

 

 

「今回の剣術大会は、護廷十三隊を二つに分けることになりました。」

 

「つきましては、七〜十三番隊までの皆さまの中から総大将を決めていただきたく、、、」

 

「更木だろ。」

 

九番隊隊長の六車拳西がそう意見する。

 

「なんで俺がそんな面倒臭ぇことしなきゃなんねぇんだ。」

 

指名を受けた更木は心底嫌そうな顔で部下にその責をなすりつけた。

 

「一角、てめぇがやれ。」

 

「いやいやいやいや!こういうのって隊長がするもんっすから!」

 

 

拳西は次のターゲットに目をやると躊躇うことなく指名した。

 

「じゃあぺーぺーだし、阿散井夫婦でやれ。」

 

 

しかし恋次も黙って引き受けるつもりはない。

 

「なんで俺たちなんすか!こういうのって古株の隊長がするもんでしょ!?」

 

「では、六車隊長ということになりますね。」

 

ルキアもどうにかして総大将を回避しようと拳西に指名返しする。

 

「俺は一回リセットされてんだから一番の古株じゃねぇよ。」

 

 

「そうだ、修平、お前やれ。どうせ暇だろ?」

 

 

「なんすか!ヒマって!俺は編集長も兼ねてんですよ!?」

 

そこに恋次が口を挟む。

 

「けど、檜佐木さんじゃなぁ、、、」

 

 

「おいっ!!」

 

 

「古株とか新人とか強いとかより、しっかりした人がした方がいいんじゃないすか?」

 

恋次のその言葉に一同の目がある人物へと集まる。

 

「・・・・・・」

 

 

 

〜十番隊隊舎廊下〜

 

 

「た〜いちょっ♡」

 

金髪美女の松本乱菊が、廊下を歩く日番谷冬獅郎の目の前に飛び出る。

しかし冬獅郎は目をくれることもなく、乱菊を避けて歩き続けた。

 

「ちょっとぉ!無視しないでくださいよぉ!」

 

「あ、そっか!今は隊長じゃないですもんね!日番谷総大将♡」

 

 

「うるせぇ、、、、!」

 

 

 

 

 

順調に進む大会準備だが、役員の副隊長4人はまだ知らなかった。

 

まさかこの後、途轍も無くめんどくさいことが待ち受けていようとは。

 

 

 

To be continued.......

 

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