BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
「あんたには辞めてもらう。」
「そ、それだけは、、、私頑張りますから、、、」
希代は何とか勇気を振り絞り食い下がった。
「頑張る頑張るって口だけで具体的に何もない奴ほんと嫌いなの。」
「具体的に、、、?」
四賀田は嘲笑うように無理難題を口にする。
「鬼道の九十番代とか、始解習得とかさ。」
「そうだ!この一年で始解を習得したら評価を5で上げてあげる。」
四賀田は両手を合わせて明るくそう告げるが、その表情は一変する。
「でも無理なら辞めてもらうから。」
始解。
かつては護廷十三隊入隊後に始解を習得するのが通例だった。
しかし霊王護神大戦、綱彌代時灘の事件、仙波の襲撃を受け、護廷十三隊の強化を方針とする四十六室の指示で、霊術院のカリキュラムにも始解習得が組み込まれることとなった。
しかし、実際に学生が始解を習得するのは極めて稀で、この取り組みが始まってからまだ一人しか始解習得に至っていなかった。
むしろその学生が特別だと言ってもいいだろう。
学院では月に一回始解習得の授業が行われる。
つまり卒業するまで70回ほど挑戦しても習得できた学生は唯一人。
それを入りたての一年生が取得するなど、実質辞めろと言われているようなものだった。
「そ、そんな、、、始解なんて、、、」
もちろん希代も始解習得の難しさは理解していた。
現二番隊副隊長で、兄の大前田希千代も護廷十三隊に入ってから始解を習得していたし、習得した日には大喜びで帰ってくるや、家族でお祝いをしたことがあったからだ。
しかし四賀田は無慈悲に突き放す。
「やらなくても結構。辞めてもらうだけだから。」
「はい、じゃあ今日はここまで。じゃあね。」
実質退校宣告を受けた希代は自室に戻って一人涙を流し絶望していた。
「せっかく、、、護廷十三隊に入れたのに、、、うぐっ、、、」
そうしてひとしきり泣き、疲れ果てた希代はいつの間にか寝入っていた。
〜翌朝・学生寮共用自習室〜
「せ、先輩、、、よろしいでしょうか、、、?」
希代は四賀田に対し、完全に萎縮してしまっていた。
しかし勇気を振り絞った希代の問いかけに四賀田の返事はない。
「あ、あの、、、せん、、」
「聞いてるから早く要件喋れ。イライラさせんな。」
四賀田はいつも以上にイラついていた。
「昨日の訓練での鬼道の評価を頂きたいのですが、、、」
「忙しいから後でやるって言ってんでしょ!?何回言わせんの?もうここに置いとけ。」
今日は月に一度の始解習得の授業だったため、四賀田はもちろん、全生徒、特に高学年になるにつれピリついた雰囲気が漂っていた。
「あんたもそんな鬼道の評価を気にするより始解習得に必死になった方がいいんじゃないの?」
四賀田が始解習得に集中する中、別のことを持ち出してきた希代が腹立たしくて仕方なかったのだ。
四賀田はイラついた様子で鞄を机に叩きつけると、椅子を思い切り押して戻し、共用自習室を後にした。
〜始解習得の授業〜
異様な光景だった。
講師を務める夜一の前には、全校生徒が立っていたからだ。
「今日の訓練は、、、2年以上は分かっとるじゃろうが、1年生のために説明しておく。」
すると夜一は左手で支えていた黒色の平べったい人型の板を掴むと自身の前へ置いた。
その人型の板は、生徒達一人一人の目の前に置いてあるものと同じものだった。
「これは
「これは言わば正規の方法ではない。精神にも大きな負担をかけることとなる。」
「そこでお前達の負担を考えて、この授業は月に一回のみ。」
「斬魄刀はお主らに課題を課すかも知れんし、対話を持ちかけるかも知れん。それは千差万別じゃ。」
「まぁそもそも挿しても何も起こらんことがほとんどじゃがな。」
夜一はゴホンと咳払いをすると話を続けた。
「始解は斬魄刀との対話が条件とされていたが、真に必要なのは理解。」
「対話をしてもお互いに理解していなければ意味はない。」
「まぁ詰まりはじゃ。上手くいけば始解を会得できるかもしれんということだ。」
「そんな無茶な、、、」
毎年のことながら1年生たちはざわめく。
するとそれを予想していたかのように夜一はニヤリと口角を上げた。
「お前たちの先輩で習得に成功した者がおるぞ。」
その言葉を聞いた高学年の生徒達が口々にある青年の名を呟く。
ーー
「さぁ、心の準備ができた者から浅打を潜神体に挿せ。」
「では、、、始めっ!!!」
夜一の掛け声とともに生徒達は各々のタイミングで斬魄刀を潜神体に突き刺し始める。
その様子を見た希代も遅れまいと刀を突き刺した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー、、よーー
ーー、れよーー
「だれ、、、?」
ーー希代ーー
To be continued.........