BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
〜六番隊区画〜
薙崎に渡された紙片に書かれた公園に来て、公園の長椅子に座って一人俯き色々なことを考えていた。
そうして俯いて地面に目をやっていると、不意に細長い影が視界に入ってきた。
「やぁお嬢ちゃん。一人で浮かない顔をしてどうかしたかね?」
「あなたは、、、?」
希代が顔を上げると、後ろで結った長髪の白髪に、白い無精髭を生やした、いかにも貴族というような和装をした好老爺が立っていた。
そしてその好老爺は左腰に斬魄刀を差していた。
「儂は
「私は大前田希世です、、、。」
すると香合谷は右手を顎に当て考える素振りを見せる。
「ふむ、浮かない顔をしておるが、側に置いてある斬魄刀を見るに、、、」
「鍛錬で思い悩んでおるのか?」
図星だった。
今しがた悩んでいたのは、どうすれば始解を習得できるか、ということだったのだ。
「そうなんです、、、私はパパ上や兄様のように才能がありませんから、、、。」
希代は悲しそうに再度俯いた。
「お嬢ちゃん。よく聞きなさい。」
「儂も昔は護廷十三隊におってな。十一番隊で凌ぎを削っておった。」
「これでもそこそこに名は知れておったんじゃよ。」
香合谷は希代の隣に腰を下ろした。
「儂も昔は、強さを追い求め、自分の才能の無さに嘆き、お主の様にいつも悩んでおった。」
「じゃがな、年を食った今じゃからこそわかる。」
「人が悩む程度の才能の差なんぞ、努力でなんとでもなるとな。」
「人々は皆、更木剣八や藍染惣右介は別格だと言うが、そんなことはない。」
「更木は卯ノ花殿に負けたときも、旅禍の小僧に負けたときもひたすら剣を振るっておったし、藍染も常に学び、試行錯誤し、力をつけていた。」
「努力する姿を見ずして結果だけを見ると、別格だと思い込んでしまう。」
「事実、儂の教え子で、一番出来の悪く、才能のかけらもない奴が、唯一教え子の中で儂を超えた。」
「奴は、誰よりも現状を分析し、足りないところを認め、効率よく鍛錬できるよう毎日試行錯誤しておった。」
「学院高学年では優秀優秀と言われておったが、4年までは、まぁ〜どうしようもならんほどじゃった。」
「お嬢ちゃんもそうだと思わんかね?」
「は、はぁ、、、」
更木剣八や藍染惣右介、卯ノ花烈といった次元の違う存在の話に、希代は素直に同意することができなかった。
「まぁ時期に分かる。」
話を終えた香合谷は立ち上がると希代の前に立った。
「よし一つ鍛錬という名の遊びをしよう。」
「あ、遊びですか?」
「哀れなじじいの頼みと思うて聞いておくれ。」
「は、はい、、、」
「儂の前に立っておくれ。」
突然のことの連続で混乱する希代は言われるがままに正対する形で立ち上がった。
「両手を前に。」
香合谷と希代同時に両手を前に出す。
「そして儂と手を握る。」
「えっ、、、?」
突然香合谷に手を握られた希代は驚いてしまった。
「さぁ、力勝負じゃ!」
そう言われた希世は、少し理解するのに時間がかかって、慌てて力を入れる。
「どうしたお嬢ちゃん!その程度か!?」
圧倒的な力の差によって、香合谷に尻餅をつく形で優しく倒された。
「では次は、、、」
尻餅をついた希代を起き上がらせると、再度手を握ったまま正対した。
「儂が力を入れた瞬間に半身になって引いてみろ。」
「いくぞっ!」
香合谷が力を入れた瞬間、希代は言われた通りに半身となって香合谷を引いた。
すると香合谷は思っていた以上に大きく前方へ倒れ込んだ。
「い、いてて、、、どうじゃ?お嬢ちゃん。」
「これを応用すれば、相手の力より少し強い攻撃ができると思わんかね?」
「相手の力に自分の力を足すのじゃ。」
「これならば自分より強い相手とも戦える気がせんか?」
「まぁもちろん、霊圧差で攻撃が入らんこともあるが。」
すると香合谷は近くにあった鉄棒へと歩いていく。
「ほれ、これの下をくぐってみよ。」
希代は言われた通り自分より少し高いくらいの鉄棒をくぐり抜けた。
「どうじゃ?くぐるのはつらいか?」
「い、いえ、、、つらくはないです。」
「そうか、、、儂はつらい。お主より体を屈まねばならんからな。」
「つまりお主は少ない労力で相手の懐に潜り込める可能性を秘めておる。」
「相手よりも強い力が使えて、少ない労力で懐に潜り込める。」
「こう聞くと、お主は十分強くなる可能性を秘めてないかな?」
「自分が強くなれば、人に頼らずとも大事な者を守れる。」
「それはつまり大事な者を
香合谷はそう言うと、羽織を正して希代に背を向ける。
「まぁ、始解習得はそう遠くないかも知れんぞ?」
そして歩き出すと同時に、背に立つ希代に対して手を揺ら揺らと振って見せた。
「じゃあな、四番隊入隊希望の大前田希世ちゃんよ。」
〜真央霊術院〜
「では、今月も始解習得の授業を始める。」
「準備が出来た者から、、、始めっ!!」
夜一の掛け声で一斉に学生達が斬魄刀を潜神体に突き刺す。
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ーー希代ーー
ーーあなたが強くなりたいと願う理由は何ーー
「大事な人を守りたいから、、、!」
ーーどうやってーー
「私自身が強くなって、皆んなを守る!」
ーーそうーーー
すると真っ暗闇だった周りに、突如花が咲に始める。
「この花は、、、?」
ーーあなたは兄を尊敬しているのねーー
「兄様を、、、?」
ーーだからこそーー
ーーこれが私ーー
「どういう、、、」
ーーまた会いましょう、希代ーー
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目を覚ますと、また真っ白の天井と青鹿の顔があった。
「桃色の、、、花、、、?」
To be continued.........