BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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第8話 The Third Moon

 

 

 

〜浦原商店〜

 

 

「クソっ、あいつ浦原さんの弟子じゃなかったのかよ?」

 

「涅さんは微塵もそんなこと思ってないですよ。」

 

「で、仙波という男はどうでした?」

 

「あぁ、悪い、行く前に一勇が交戦してるって聞いたもんだから、、」

 

「ルキアとひよりに任せた。」

 

 

「それより、さっきのあいつ、、、。」

 

「えぇ、黒崎さん達がかつて戦った虚です。」

 

「一度地獄から出た後、咎人に始末されたと思っていましたが。」

 

 

 

 

「おう、喜助帰ったでぇ!」

 

「こりゃまた、大勢で。」

 

ひよりは横に立つ四楓院夕四郎に向け親指を立て指差す。

 

「なんやこいつに聞いたら仙波なんてやつはおらへん言うから、記録見せてみい言うたったんや。」

 

夕四郎はひよりに続いて話し始めた。

 

「二番隊の記録は大戦で焼失してしまったため、大霊書回廊にしかないんです。」

 

「それで大霊書回廊の担当は吉良副隊長なので連絡を取り、、、」

 

夕四郎は吉良の方を向く。

 

「みんな勘違いしてますけど、僕は担当ではないです。阿万門ナユラを知っているので連絡しただけで、、、」

 

 

「そして私の権限で資料を複製し持ってきたのだ。」

 

どこか誇らしげな様子で幼い面影を残した少女、ナユラが一歩前へと出る。

 

 

「とりあえず記録を見てみましょうかぁ。」

 

「あっ、涅サンと阿近サン見つけました。これより後のはずですが、、、」

 

 

「ここから先がないですね。」

 

「消去されたということでしょうか?」

 

夕四郎が誰に問うでもなく呟く。

 

 

するとひよりが、ひらめいた!と言わんばかりに手のひらを叩いた。

 

「妖怪白玉団子に聞いたらええんちゃうんか?」

 

 

「あいつは裏切りやがったよ。研究のために。」

 

一護が吐き捨てるように答える。

 

 

 

「それにおれの虚の力まで、、、、。」

 

 

「あっそうだぁ!各所での交戦記録を集計しました。」

 

「鉄裁サン、スクリーンを。」

 

「かしこまりました店長。」

 

鉄裁が戸の近くの壁にあるボタンを押すと、壁が両側へ開き、スクリーンが現れる。

 

「なんでもありだなここ、、、」

 

 

そしてスクリーンの電源がつき、マユリや更木から《草冠もどき》と言われていた人物の映った画像が表示された。

 

 

「まず草冠さんを名乗っていた男ですが、おそらくこの人物こそ、アタシが探して欲しかった仙波逸ノ将でしょう。」

 

 

「一心さんが少し知っているようで。さっき話の途中で飛び出して行っちゃったもんだからどういうご関係かは知りませんが。」

 

 

「そしてこの少年が仙波の息子だと思われます。」

 

 

画像が切り替わり虚が表示される。

 

「で、これがさっきのシュリーカー。」

 

「あとは、、、」

 

さらに画像を切り替えると、石田や射場と交戦している男が表示される。

 

 

「こいつ、、!」

 

 

吉良とナユラは顔わ見合わせた。

 

 

「シャズ・ドミノ!?」

 

「でも顔が違うような、、、背丈も、、、」

 

 

一護は《シャズ・ドミノ》という名前に反応する。

どこかできいたことがある、と。

 

 

「そいつ!聞いたことあるぞ、どこだ、、、?」

 

 

「僕が四十六室で斬って地下に沈んでいった滅却師です。」

 

 

イヅルが今の体になって初めて()()したときのことだった。

そこで死を覚悟していたナユラを救うこととなったのだ。

 

 

 

「ドミノ、、、ド、、、ド〜、、、」

 

一護は懸命に思い出している。

 

 

ボハハハハハーー

 

「こいつじゃなくて、、、」

 

 

ニーニョ!!

 

「こいつでもねぇ、、、」

 

 

一護待つでヤンス!

 

「それドンドチャッカじゃねえか!」

 

 

「どこだったかなぁ、、、」

 

 

 

「最後はこのフード付きの黒コートの男です。」

 

 

「この男はどうも相手のお仲間では無いようです。」

 

 

「第三勢力か。」

 

ルキアは鋭い眼光で黒コートの男の画像を観察する。

 

 

「その可能性は大かと。」

 

 

「仙波ってやつは何故こうやって仲間を集めて、、、?」

 

一護の問いに対する答えが、戸が開くと同時に聞こえてくる。

 

 

「復讐だろうな。」

 

 

「親父!大丈夫なのかよ!?」

 

一護はこの中でも一番の重症だった一心の身を案じていた。

 

「大丈夫だ。元大鬼道長様に治してもらったからな。」

 

 

一心が腕をグルグルと回しているのを見て一護は胸を撫で下ろす。

 

 

「ほんで、復讐って誰にやねん!?」

 

ひよりが話を元に戻した。

 

 

「修多羅に涅、藍染、あともしかしたらお前も入ってるかも知れねぇぞ。浦原。」

 

一心は端にあった座布団を取り、よっこらせ、とあぐらをかく。

 

 

「あいつはよ、俺が十番隊隊長だったとき、うちから由嶌欧許(ゆしまおうこ)を引き抜きたいって直談判しに来たんだよ。」

 

 

「由嶌欧許って、、、」

 

かつて霊骸を使い、尸魂街を襲った人物だった。

 

 

「仙波は、、、当時の十二番隊隊長代理だった修多羅千手丸と副隊長だった涅の野郎に対し謀反を起こしたが失敗し、除隊を命じられた。」

 

「除隊がどういう意味かお前ならわかるだろ?」

 

一心は浦原に問いかける。

 

 

「除隊になった後、気になって奴の経歴を調べたら非人道的な方法で滅却師を研究していたことがわかった。」

 

 

「まぁそれに関しちゃ涅は特に賛成も反対もしていなかったようだがな。」

 

 

一心はさらに続ける。

 

 

「そして奴は今で言う義骸や霊骸、義魂の研究、あと、、、」

 

 

「死神、滅却師、虚の境界をなくす研究もしていた。」

 

 

 

「ちなみにそのときの謀反を止めたのが藍染だ。」

 

 

「藍染は仙波が自分の計画の妨げになると思ったんだろう。つまりそれだけ厄介な人物ということだ。」

 

 

藍染が一目置く人物というだけで仙波がいかに厄介かが分かる。

 

 

「まぁこれは予想だが、滅却師が攻めてきたときにどさくさに紛れて逃げたんだろ。」

 

 

腕組みをしたひよりが話を整理する。

 

「つまりなんや、仙波が自分の息子、シュリーなんたらとドミノって奴らを引き連れてマユリとか藍染に復讐しようとしてんのかいな?」

 

 

「簡単に言えばそうですね。」

 

 

「ほんでまたそのグループとは別に黒いコートのやつがおんのか。」

 

「まぁそれもあっち寄りでしょうがね。」

 

 

 

 

 

 

新しい神(ノヴァディオ)アジト〜

 

 

 

「これは面白いネ。」

 

マユリは液体の入った高さ1メートルほどの円柱状のカプセルを眺めていた。

 

 

「霊王の右足に脊髄。やはりすでに見つけていたか。あのときは他の部位を探していた、というところかネ。」

 

 

 

「それは我々の物です。涅マユリ。」

 

さっきの黒コートの男の声が響く。

 

 

その男の後ろには同じコートをきた者が3人立っている。

 

 

「間に合ってよかったです。あなたが奪って行く前に。」

 

「退いてもらえませんか?ここで暴れて霊王の肉体に傷はつけたくないのです。他のものならどれだけ研究しても構いませんから。」

 

 

「こんな物を前に退くと思うかネ?」

 

 

「でしょうね。」

 

 

するとマユリの後ろから手足が伸びてくる。

 

いつの間にか背後を取られていたのだ。

 

「(霊圧を感じない?)」

 

 

羽交い締めにされたマユリの前には別の者が立っていた。

 

 

「ではな、三流の研究者!王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)!」

 

 

マユリは羽交い締めから逃れようとするが、まるで岩のように固くやっとの思いで右手だけが自由になる程だった。

 

 

「これはまずい、、、」

 

マユリはすぐ様刀を取り出し自身に突き刺す。

 

 

パシャッ

 

 

間一髪マユリは液体となり部屋の隅へと流れていく。

 

 

「あのまま撃っていれば、涅マユリは死んでいたかもしれません。」

 

「涅マユリは殺さないという約束だったはずです。」

 

 

「感動の再会だったものでついね。すまない。」

 

王虚の閃光を放った男は悪びれる素ぶりさえ見せない。

 

 

黒コートの男は胸元からある機器を取り出す。

 

「ソレハ何ダイ?」

 

まるで合成音声のような声をした人物がその見かけない機器を指して問いかけた。

 

 

「これは血を解析しその人物がどこにいるかを把握することができる装置です。」

 

 

()()()も目の付けどころはいいんですが、少しばかり抜けているのと、すぐ熱くなるところが惜しくてね、、、」

 

 

「まぁだからこそ私の策がうまく事運ぶのですが。」

 

 

「何ノ話ヲシテイルンダ?」

 

 

「あ、いえいえ、こちらの話です。今は更木剣八がどこにいるかが分かるようになっています。」

 

 

更木剣八の名を聞いて、今まで沈黙していた残りの1人が突然話し始める。

 

「更木剣八だって?どこにいるんだ?僕は約束したんだ。また殺し合いをするとね!」

 

 

「今はまだダメです。計画が狂います、筋道通り進めなければ。」

 

 

「ならいつならいいんだ!!」

 

「100年後まで御機嫌よう、といったところでしょうか。」

 

彼は王虚の閃光を放った男の方を向き、その言葉を伝えた。

 

 

「なぜ僕に言うんだ?」

 

言われた男もいきなり自分の方に言葉が向けられ、全く意味がわかっていない。

 

そしてその言葉を聞くのは二度目のはずだが、初めて聞くに等しかった。

 

 

「なんにせよ霊王の欠片を持っている状態で彼とは会いたくないですからね。」

 

「では霊王の右足と脊髄を持って先に行っててください。」

 

 

「私はここで会うべき人がいますから。」

 

 

 

 

 

 

少年はポツリと1人座っていた。

 

斬魄刀を折られてしまったことで父から叱責を受け、落ち込んでいたのだった。

 

 

ふと顔を上げると見知らぬ黒コートの男が立っていたため、少年は驚き警戒を強めた。

 

いつから?

 

そんなことを考えながらその人物を見ていた。

 

 

「やぁ、はじめまして。いや、私は初めましてではないか。」

 

 

「お、おまえは?」

 

 

「いいことを教えてあげよう。君の父上に報告するといい。」

 

「ここに置いてあった霊王の一部は、、、、」

 

 

 

 

 

 

少年は薄暗い廊下を全速力で走り抜け、父のいる部屋へとたどり着いた。

 

 

「父上!霊王の一部が奪われました!」

 

 

「なんだと!?一体誰に、、、!?」

 

 

 

 

「涅マユリです!」

 

 

 

 

黒コートの男たちの前に黒腔が開いた。

 

「遅かったじゃないか。何をしていたんだい?」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

「ここが我々にとって勝利のターニングポイントとなる。」

 

 

 

 

 

To be continued......

 

 

 

 

 

 

 

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