毎回時間が途方もなくかかります笑
毎度毎度申し訳ありませんが暖かい目でよろしくお願いします
ゼレフが広場から離れた後
「どうして、なんで..」
そう言いながらアイズは、拳から血が出る程強く握りしめ、俯いてた。そうであろう、レベル5の彼女がレベル1の彼に完敗したのだから。
「なぁ、リヴェリア、ゼレフは、一体なにをしたん?」
そうリヴェリアに聞きながら彼女の顔を見るとまるで信じられない物でも見たかの様な表情になっていた。
「アカン、リヴェリアまでや、全く、こんなの初めてやで」
そう言うとロキは、苦笑いを浮かべていた。仕方がないと思いフィンにもう一度同じ質問をしたのだが
「すまない。ロキ。僕にもあの現象が一体何なのかまでは、分からない」
そう言うと、フィンは、ばつが悪そうな顔でロキを見た
「すまないっ、少し取り乱していた」
そう言うと、落ち着いたのかリヴェリアがいつも通りの表情になり返事をした。
「じゃあ、もう一度聞くけど、ゼレフは、アイズたんに何をしたんや?見た限り魔法だとは、思うんやけど」
「ああ、アレは、確かに魔法だ。だがただの攻撃魔法や防御魔法だとかそういった単純なものではない」
「じゃあ一体何なんや?」
そうロキが聞くと、リヴェリアは、少しためて答えた
「アレは、一種の付加魔法の様なものだ、効果は、逆だがな」
「付加魔法?でもアイズたんは、何か付加されるどころか魔法が消えてしもうとったで」
そうロキが疑問を投げるとフィンがリヴェリアの代わりに答えた
「ロキ、ゼレフが使った魔法は、アイズの付加魔法を外す魔法を使ったんだよ。そうで、間違いないね?リヴェリア」
「ああ、間違いない」
「やはり...でも可能なのかい?そんな事が」
フィンがリヴェリアに新たな質問を投げかける。当たり前であろう。そんな魔法自体、聞いた事がない。
「理論上は、可能だ。ただそれを行うには、アイズの魔法の性質や魔力の流れを完璧に理解し、更にアイズの魔法以上の力で力の流れを停止させる事が必要だ。それに普通の人間ならそれを行おうと思うと精神が持たず疲労で最悪死ぬ可能性だってある」
そうリヴェリアが言うとフィンも流石に驚いたのか、それ以上の質問は、しなかった。ただ一人更に疑問を問いかける人物がいた。
「じゃあ私も質問いい?」
そう先程何処からともなく現れたティオネである
「じゃあさ、リヴェリアにも出来るって事だよね?」
そう問いかけると
「いや、私には、まだそんな芸当は、出来ない。悔しいが魔法の技術に関しては、私以上だ」
「でもそんな事ってあり得るの?ゼレフってまだレベル1だよね?それじゃあ最初から魔法が使えてたみたいじゃん」
納得出来ないのか、そうティオネが言うと
「恐らくやが、ゼレフは、最初っから魔法が使えとったと思うで。何は、ともあれ先ずは、アイズたんが先や」
そう言いながらロキは、アイズの方へ向かって行った。それについて行く様にティオネも向かって行った。
ゼレフは、先程のアイズとの戦闘を終えた後一人のエルフの少女に声をかけていた
「どうしたんだい?ずっとそこに隠れる様にして、僕たちの事を見てたけど」
「えっ?!えっ、と隠れて見ててすみません(いつの間に私の所に..)」
その少女とは、レフィーヤである
「いや、別に気にしてないから大丈夫だよ。それに見たところ君は、魔法の才能があるみたいだ」
「?えと、ありがとうございます。それじゃあ私は、失礼します」
そう言うと急ぐ様にレフィーヤは、ゼレフの元を去った。後にあの現象の事について聞いておけばよかったと後悔する事になるのだが。
「それにしても、見たことがない魔法を見るのは、楽しいね。明日にでもここの図書で調べてみよう」
そう言いながらゼレフは、再び歩みを再開した
「アイズたん、大丈夫か?もうゼレフ奴、アイズたんは、女の子やぞ」
そうロキが聞くと
「うん。もう、大丈夫..」
と誰が見ても嘘と分かる悔しい表情をしながら言葉を続けた
「最後、私の魔法が無理矢理かき消された。こんなの初めて。それに手も足も出なかった」
「やっぱりそうだったんだ」
そうロキの後、遅れてやってきたティオネが言うと
「やっぱりって?」
アイズがそう聞くと
「リヴェリアが言うにはね、アイズの魔力の流れと逆の魔力を押し当てて打ち消したんだって」
正確に言うとそこまで単純なものでは、無いのだが
「ねえ、ロキ。ゼレフって一体何者なの?」
そうロキに問いかける。そう思うのも当たり前だ。昨日、突然このファミリアに入ると紹介され、見たことも無い未知の魔法を使って自分の事をいとも簡単に打ち負かしてきたのだから。
「アイズたんには、悪いけど、ウチにもようわからんのよな〜。ただウチがゼレフを見た時、感じたんがコイツは、オモロイって事だけやったからな〜」
スキルの件とある事を除いて正直にアイズにロキは、伝えた
「もうっ、ゼレフって本当に何者なのかしら」
もう何度目になるか分からない言葉を発したティオネ
「じゃあ、みんなで聞いてみるかい?」
そうリヴェリアと共にアイズの元にきたフィンが提案してきた
「せやな、一度聞こうとは、思うとったし。いい機会や、みんなであれこれ聞きまくったろ、彼女は居るのかとか」
最後、余計な一言が聞こえた様な気がしたがロキ達は、ゼレフの元に向かった
今現在、ロキの部屋には、フィン、リヴェリア、ガレス、ティオネ、ティオナ、ベート、アイズがいた。
「でっなんでコイツまでいるの?」
そうティオナがベートに言う
「うるせえ!俺は、呼ばれたからここに居るんだよ!嫌ならテメェがどっかいけ!」
「何ですって?!このバカ、アホ、ハゲ」
といつも通りの喧嘩が起きていた
「そこまでだ、二人とも。全く少しは、大人しくしろ」
そう言い二人を叱るリヴェリア
「やっぱり、ここのママやで、リヴェリアは」
「誰がママだ」
といつも通りの時間を過ごして居ると、ロキの部屋の扉を開く者がいた
「すまない。遅くなった、おや?みんな集まってどうしたんだい?」
そうこの件の中心人物ゼレフである。
「いや、大丈夫、時間ぴったしやで、ゼレフ。今みんなに集まって貰ったんは、明日の遠征についてとゼレフについてや」
「僕についてかい?」
そう疑問符を浮かべるゼレフにフィンが答えた
「そう、今日使った魔法について詳しく教えて欲しいんだ。それによっては、明日の遠征の計画を少し変えないといけないかもしれないからね」
続けてリヴェリアがゼレフが質問を唱えた
「ゼレフ、君は、まだ他の魔法が使えたりするのか?」
するとゼレフは、
「僕は、一応一通りの魔法は、全て使えるよ。今さっき使った魔法だってそう。付加魔法の応用さ」
さも、当たり前の様に答えるゼレフにリヴェリアは、更に疑問を投げかけた
「全てだと?正確には、どれくらいなんだ?」
するとゼレフは、困った様に答えた
「すまない、使える魔法を数えた事がないから分からないけど、少なくとも1万以上は、あると思う」
その言葉でゼレフを除いて部屋にいる全ての人物が驚愕した。当たり前だこのオラリオにて、魔法を覚えられるのは、普通3つまでと言われている。その常識を破った九魔姫ことリヴェリアでさえ9つなのにだ。
「ロキ、今の言葉は」
そうフィンが問うとロキも少し笑いながら言った。
「ゼレフは、何も嘘をついてへんで」
その答えに改めて驚きながらゼレフの事を見つめた。
「質問は、終わりかい?あとすまないが明日遠征には、行けそうにないかな。少しここの歴史や魔法について調べたいんだ」
そうゼレフが皆に伝える
「遠征については、了解した。元々突然だったからな、こちらこそすまない。質問は、こちらからは、以上だ。感謝する」
そうリヴェリアが伝える
「じゃあ、僕は、これで失礼するよ」
そう言ってドアノブに手をかける寸前、アイズが言葉を発した
「どうして!そんなに強いの?」
それは、レベル差など関係なく自分を打ちのめした彼の強さに対する、嫉妬や憧れからくる疑問だった。するとゼレフは、昔の光景を懐かしむ様な表情をしながら伝えた。
「僕の強さは、正しい強さとは、言えない。それに焦らなくても君は、きっと強くなるよ。必要であればまたこうして相手をしてあげよう。ただこれだけは、忘れないで欲しい」
過去にメイビス達に教えた様に
「魔法とは、強さとは、思いの力、それは、自分の思いだけじゃない周りの思い、全てが自分を更に次へ、押し上げてくれる。それさえ忘れなければきっと君は、強くなる」
確かにゼレフは、白魔道士となった時最強の領域にいた。だがフェアーテイル、ナツ達の思いの力に敗北したのだ。だからよりこの言葉が確実なものと思える。
「思いの力...ありがとう」
ゼレフの言葉を忘れない様にアイズは、心の中で何度も復唱した
そうしてゼレフが部屋から出たあと遠征の会議が行われた。
会議が終わり部屋には、ロキ、フィン、リヴェリア、ガレスが残った
「しかし、1万以上とは、これは、正直驚いたわ」
話題は、やはり会議の前のゼレフの答えになる
「ああ、私もこれには、予想外だ」
「ガッハッハッ、九魔姫もかたなしじゃ」
そう豪快に笑いながらガレスが答える
「しかし、アイズとの戦闘で見せたあの動き、あれは、間違いなく強者の動きだった」
そうフィンが今日のアイズとの戦闘を思い出す。あの時、もしゼレフが敵だったらそう考えた瞬間親指が震え始めたのた。まるで自分の親指が確実にくる死に怯えているかの様に。
「ワシも見てみたかったの〜、ゼレフとアイズの戦闘を、しかしその戦いが本当となるとゼレフは、元からあの強さだったという事かの」
とガレスが言う
「ああ、そうゆう事になるね。全く驚いたよ」
フィンがガレスの問いに答える
フィンとガレスが会話をしてる中リヴェリアがロキにある質問をする
「ロキ、黒魔法について何か知っているか?」
そうリヴェリアが聞いた瞬間顔をしかめながらロキが答えた
「黒魔法?確かに知っとるがアレは、アカン。下界の子が使って良い代物やない。神ですら使わない代物や。それに使い方を誤れば使用者が死んでまう。何でそんなもんリヴェリアが知っとるんや?」
ロキの言葉に多少驚きつつリヴェリアが答えた
「今日、ゼレフが言うには、ダンジョンで黒魔法を使っていたらしい」
リヴェリアがそう言うとロキは、目を大きく見開きながら驚くのと同時にある件について納得がいっていた。