この素晴らしき隊長に祝福を   作:パライソオタマ

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 …ふぇ!?実習やらなんやら行ってる間に1ヶ月も経ってる。


異世界

 眩い光が止み、ギニューが目を開けると澄んだ青い空、土やレンガを主とした建物、自然繊維を元に作られた衣服を纏うヒューマンタイプの人々、馬等の動物を原動力とする乗り物が行き交う風景を目にする。どうやら本当に異世界に降り立ったようだ。

 

 「…うむ、空気が美味い。大気に硫黄等の汚染物質が殆ど含まれていないからか、文明があまり発達していない星なのだろう。

多くの天然資源が沢山眠っていそうだ。売れば中々の値段が付きそうな星だな、尤もその分未知の疾病には注意しないといけないな。」

 

 「さて、肉体も服装も一番ハンサムだった頃に戻った訳だが、ついてきたスカウターはちゃんと起動してくれるかなっと。」

 

 そうつぶやきギニューは頭部に装着した装備品、スカウターを起動させる。本来は惑星中の生命体の戦闘力数、及び位置が解る優れ物の機械のはずのスカウターだがこの世界では上手く起動しないらしく限られた範囲、恐らくこの街の周辺まで程しか生命を感知せず、肝心の生物の戦闘力数も「ーーーーーー」と標示されてしまい相手の強さを測るという役割は果たせそうにない。 

 

 「これがあの女神が言っていたオレの世界と都合が違うって所か、戦闘力数を測れないのは仕方ないとして生物の捜索範囲が狭いのは厳しいな。

 侵略を本格的に開始する時に不便だな。まあしばらくは蘇った時のために鍛錬を中心に過ごし、日銭をモンスターや人間の始末で金を稼いで過ごすとするか。」

 

 「さて、そうと決まれば早速スカウターのモニター機能で傭兵や兵隊が集まる所を探してそこへ向かうとするか。」 

 

 ギニューはスカウターを起動させとりあえず人が密集している所を片っ端からモニターに標示させていく、商店街、住宅街、病院、銭湯の女湯内、目的とは違う所をいくつか映していったが遂に目的の場所を捉える。 

 

 「あった!おかしな格好をしているが剣や斧、杖を持った兵隊の様な奴らが集まる建物。とりあえずここでしばらく働くとするか。」 

 

 ギニューは冒険者ギルドへ向け飛び立った。

 

 

 

 

 

 ギニューが飛び立って数秒後、目当ての建物が見えて来る、そしてそのまま建物の扉の前に降りギニューは僅かにニヤリと微笑む。

 

 (…ふぅ、到着と。移動にかかった時間は約2秒、どうやら俺の実力はナメック星にいた時と変化は無さそうだな。これならこの星、いやこの世界でやっていくのに問題は無かろう。

 さっさと面接なり入隊試験なりを済ませて今日は休むとするか。)

 

 そしてそのままギニューはギルド内へ入り真っ直ぐカウンターと思われる場所へ向かい、受付の女性に声をかけた。 

 

 「そこの金髪のお嬢さん、すまないがここで戦闘員として働きたいのだが手続きを頼んでもよろしいか?」

 

 「戦闘員…?あ、冒険者登録ですね。かしこまりました、それでは手数料として1000エリスを頂きますね。」

 

 「なっ!?手数…少し待ってくれ。」

 

 冒険者登録に金がかかる事を聞き慌てるギニュー。すっかり忘れていたがここは異世界、自分のいた世界の通貨が使えるはずもなく何か換金できそうな物がないか戦闘服内を漁る。すると服から身に覚えの無いサイフの様な物が出てくる。

 

 中身を確認するとこの世界の通貨5万エリスと一枚の手紙が入っていた。 

 

 とりあえず手紙を読むのは後回しにし、受付嬢に1000エリスを支払う。 

 

 「手数料、確かに受け取りました。それでは冒険者カードをお渡しします。この冒険者カードには貴方が今まで討伐してきたモンスターや、スキルを覚えるためのポイントが記録されます。モンスターをどんどん討伐してレベルを上げ、様々なスキルを覚え今後の冒険に役立てて下さいね。」

 

 「あ、ああ助かる。」

 

 (スキル?レベル?何の事かは解らんが、この身分証には自動で持ち主の戦闘力の情報記載されるという事か?大した科学のない世界だと思っていたがなかなかやるじゃないか。)

 

 「それではこの水晶に手をかざして下さい。」

 

 「おう!解った。」

 

 ギニューが水晶に手をかざすと水晶が青白く光り出し、水晶の側面を覆う機械が動き出し回転を始める。そして水晶から一筋の光が放射されギニューの冒険者カードに文字が記されて行く。

 

 「冒険者カードには貴方のステータスが表示されます、その数値に応じてなりたい職業を選択して下さいね。」

 

 (ほう、見れば見るほど不思議な機械だ。この世界中々オレを楽しませてくれそうじゃないか。)

 

 「結果が出ました。ギニューさんのステータスは…これはっ!?」

 

 (ふっふっふ、戦闘力が表示されたのか。このオレのスゥペシャルな戦闘力見てさぞおどろい…

 

 「す…すべてのステータスがほぼ最低値です。」

 

 「はーっはっはっは!そうだろう、凄いだろう!この全てが最低値のオレの戦闘力は!……何?」

 

 「ギニューさんのステータス、全てが最低値で魔力に至っては0になってますね。こんな事は初めてです、これですと職業は冒険者しか選べませんね。」

 

 受付嬢のその一言でギルドの建物がガタガタと震え出した。

 

 

ギニューのステータス

筋力:5

体力:5

魔力:0

知力:5

早さ:5

幸運:1

 

???:110000




スカウターとかフリーザ軍の銃、アーマーをバ○ルさんに量産させたらえらい事になりそう。

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