いや原作知識なんて無意味じゃねーか! 【永久凍結】   作:光車

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二章 ミレディ一行の砂漠の旅
1話 熱中症にはご注意ください!


(三人称視点)

 

「……奴が、奴が私達を殺そうとしてるよ、オーくん」

「擬人化させても、その“奴”——ミスター太陽は手加減してくれないよ」

「………」

 

暑い暑いと言いつつ、最早暑いを通り越して熱いの領域に入りかけている。

そんな気温を味わっている理由、それは。

 

今、砂漠にいるからだ。

 

燦々と降り注ぐ陽光に刺すような痛みを伴う熱。

照り返しの熱波、肌に纏わりつく砂々。

そしてトドメを刺す乾燥した、水分の一切ない空気。

そんなまるで地獄のような砂漠を、オスカー達三人は歩いていた。

 

「暑いよぉ〜。暑いよぉ〜。ミレディさん、干からびちゃうよぉ〜」

「僕のコートを羽織ってるんだから、まだマシだろう?」

 

……しかし、ミレディとオスカーはなんだかんだ言って話しているが、エシェルは終始無言である。

 

(…せかいがぁ、まわるぅ、しかいがぁ、まわるぅ。おはなばたけがみえるよぅ)

 

……確実に熱中症であった。

しかもかなり重度の。

 

「オーくん、オーくん、ねぇオーくん。眼鏡のオーくん、むしろ眼鏡の——」

「あぁああああああああっ、うっとうしいっ」

 

オスカーはキレ、ミレディの足首を掴むと一回転。

ジャイアントスイングに移行し、

 

「ひょよわあぁあああああっ」

 

ミレディは回る。

パンツ丸出しで。

 

「しゃおらぁああああっ」

 

そして、オスカーはミレディを投げ飛ばした!

 

「あ〜〜〜っ」と言いながら吹っ飛んでいくミレディに清々しい顔を浮かべるオスカー。

 

「うぺぇ、んぺっ、口の中がしゅなだらけだぁ。何するのオーくん!この鬼畜!悪魔!眼鏡!」

「僕の眼鏡を揶揄するのはやめてもらおうか」

 

眼鏡をクイっとして、オスカーは言う。

 

「まったく、ただでさえ暑さと砂がこの上なく鬱陶しいというのに君という人は……。だいたい、そんなに暑ければ魔法で氷でも水でも出せば良いじゃないか」

「あ……」

 

ミレディは目から鱗のような顔でオスカーを見上げる。

そして、視線を泳がせた後、ハッとしながら汗だくのオスカーを睨んで、

 

「そう言うオーくんこそ、黒傘で日差しを防ぎながら水でも氷でも出せば良かったのに」

「あ……」

 

二人は炎天下の中でじっと見つめあう。

静寂が訪れ、その中に一人だけ歩く足音が聞こえてくる。

 

直後、ドサッという音が鳴り、足音が途切れ。

そちら側を見たオスカーとミレディが見たものとは。

 

「エーちゃん!?/エシェル!?」

 

エシェルが倒れている姿だった。

 

オスカーはとりあえず黒傘を差して、さらにミレディの協力のもとに付与された重力魔法による浮遊機能で、日陰を作り。

砂が入らないように、内側から風が吹くようにもなっている。

ミレディは氷を作り出し、重力魔法で浮かせ、さらに風を渦巻かせる。

 

そして、その後水を飲ませたり、氷を額に当てたりと一生懸命に手当てをするのだった。




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