いや原作知識なんて無意味じゃねーか! 【永久凍結】   作:光車

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二話 雑談します!

ミレディが倒れたエシェルを重力魔法で運ぶ。

そして、オスカーが見つけたオアシスに向かう。

 

そして、オアシスに到着した直後、オスカーとミレディの口から太陽への文句が洪水のように溢れた。

 

「太陽の奴は自己主張が激しくていけないね!」

「まったくだ。少しは月のおとしやかさ、謙虚さを見習ってもらいたい!」

「毎日毎日ギラギラしちゃってさ!あ〜やだやだ、これだからゆとりのない奴は!」

「下町のチンピラじゃあるまいし。あの尖った性格はなんとかしてもらいたいな!」

 

いわれのない誹謗中傷を受ける太陽。

実際には砂漠を舐め、暑さにやられて思考が鈍ったことによって単純な対策も思いつかなかった三人の自業自得だが……。

二人は恥ずかしさを誤魔化すため、遠慮なく太陽に八つ当たりをする。

 

気のせいか、気温が少し上昇した。

 

「そういえば、よくオアシスが見えたね?私には見えなかったんだけど」

 

オスカーを見つめるミレディ。

それにオスカーが得意げに笑う。

 

「僕が伊達や狂酔で眼鏡をかけていると思ったのかい?」

「完全に伊達でしょ?眼鏡をかけた方が知的に見える的な。ほら、ヴェルニカでも、眼鏡をくいっとするところが素敵!って、女の子達に言われて満更でもなさそうだったし。オーくんはむっつり眼鏡だもんね」

「一度、君とは僕に対する印象について、じっくり話し合う必要があるね」

 

そう、しょうもない話をできるほどには精神的に回復している。

オスカーは咳払いをする。

 

「この眼鏡もアーティファクトだよ。いろいろと機能を付与している。レンズから強烈な閃光を放ったり、視覚作用系の闇魔法を無効化したり……。望遠機能もその一つさ」

 

断じて知的な男をアピールしているわけではないと念を押す。

しかし、ミレディは驚愕に目を見開いている。

 

「ふっ、流石に驚いたようだね。僕が無意味に眼鏡をかけると思って——」

「眼鏡が、光る!?オーくんの眼鏡は、光を放つ!?」

「え?そこ?」

 

ミレディの目はキラキラしている。

視線が「見たい!」と訴えている。

 

「……なんとなく、馬鹿にされている気がしないでもないから絶対に見せない」

「なんで!?きらめくオーくんが見たいだけだよ?」

「きらめく僕ってなんだ。既に馬鹿にしてるだろ」

 

眼鏡男子の眼鏡がピカッ!それを見ずして何を見る!と熱弁してくるミレディにオスカーは嫌な顔をしながら無視して小屋にあった椅子に座る。

 

「ねぇ、オーくんってば。眼鏡ピカらせてよぉ。ねぇねぇ、オーくん!」

 

少しばかり温風がオスカーの顔に吹き付ける。

(ここで怒ってはダメだ。それではこいつの思う壺だ。冷静に、冷静に対処を——)

「王都を出る準備をしているとき、アーシャちゃんのお店に行って泣きつかれたオーくん!実は、アーシャちゃんがふりふりエプロンをしているのは、オーくんが——」

 

オスカーの眼鏡が光った!

 

「ひぎゃ!?目がっ、ミレディたんの目がぁあああっ」

 

「……んんっ」

 

と、エシェルが起きた。

 

「……え?これどういう状況?」

 

そして、目の前に展開されている状況に混乱するのであった。

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