いや原作知識なんて無意味じゃねーか! 【永久凍結】   作:光車

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二話 ミレディに助けを求む!

『今はただの“負け犬”だろ?』

 

ルースの言葉がいやに耳にこびりついて離れない。

私は、納得できていないから。

理由なんてわかってる。

 

私は、オー兄が神代魔法を使用できると、知ってるから。

 

オー兄はおそらく先祖返りだ。

私のように神代魔法を独自で使ってるのではなくて、元々保持できている。

私もある意味先祖返りであろう。

神代魔法は使えないものの、魔力制御ができるのだから。

けど、それだけ。

私は、所詮その程度だから。

 

だけど、そこは魔法のエキスパート。

一目見ただけで魔法を解析できて、その上で再現が可能。

そんな芸当をやるのはこの世界で私だけだと、そう確信している。

私は天才だから。

その程度はできる。

 

ただ、流石に神代魔法は無理だった。

逆算などでもコピーできる私も、あれだけは見なきゃ無理。

一度でも目の前で発動してくれればその時点で魔法の理を見れるんだけど。

それに神代魔法は複雑だからね。

見ても数秒経たないと使いこなせない。

 

そして、なんでこんな話をするのか。

それは、オー兄が神代魔法の一つである生成魔法を使えるから。

何度も言ってるけど、オー兄は先祖返りで、神代魔法が使える。

そしてここは孤児院。

下手に実力を発揮したら、家族が崩壊しかねない。

私はわかってる。

オー兄がどうして実力を発揮しないかなんて。

 

だから、負け犬なんていう地位で満足してるんだろう。

けど、言われてみればそう。

納得はいかないのだ。

オー兄が神代魔法を使えると知らず、そして実力を発揮すれば家族が崩壊させられる恐れがある。

そんな状況で、オー兄が実力を発揮できるわけがない。

けど、それを知らないなら………。

オー兄の事を本当に負け犬だ、と思ってもおかしくないのだ。

だけど、これはオー兄があってるから。

私はそれに何か介入する事は、できない。

そんな風に、考える。

 

今はオルクス工房の近くにあるとある雑貨店で掃除をして、帰っている途中。

 

「…?この感じ………」

 

座標魔法を体内に展開して、周囲を確認する。

何があったか。

それは………。

 

コリンとケティが連れ去られてしまうところだった。

 

「…ッ!」

 

感情のままに魔法を放とうとし、抑える。

その直後、私の背後にも人が寄ってくる。

おそらくアレと同じ感じの人。

 

「悪いけど………。私はあんたたちに構ってる暇はないの」

「「は?」」

 

一切振り向かずそう言い、一瞬呆けた奴らの顔面に向かって回し蹴り。

引斥魔法(重力魔法の下位互換)も同時に使用しているため、本来の威力よりは高いはず。

 

オー兄は………。

まだ工房か。

多分オー兄なら気付くはず。

なら、私がやるべき事は………。

 

「ミレディに報告する事、そして何よりみんなを助ける事!」

 

胸にそう刻み、私は走り出した。

 

(座標魔法発動、ミレディの位置を特定、確認完了。時魔法による加速、引斥魔法による加速開始。魔法の発動準備開始、終了)

 

さあ、みんなを助けに行こうか。

 

………それにしても、ミレディ遠くない?

加速しても三十分はかかりそうなんだけど。

まあ。

それだけ走ればいいんだ、行こう。

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