いや原作知識なんて無意味じゃねーか! 【永久凍結】 作:光車
………さて。
「…ふーはっはっは!そこの割と気持ち悪いおじいちゃん!残念でしたぁ!オーくんは既に、このミレディちゃんが予約済みでぇ〜〜す!勝ったと思った?ねぇ、勝ったと思っちゃったの?プ〜〜クスクスッ」
そことなく偉そうな人はイラっとした。
「そうだよそうだよぉ〜、オー兄は私たちのものなんだよぉ〜!アレで勝ったとかありえないよぉ〜だ!」
私は追撃した。
そことなく偉そうな人はさらにイラっとした。
多分、というかアレはここの司教。
フォルネス司教だった筈。
私たちの家族に手を出したそれが善で、なにもしていない家族を守るのが罪ならば、私は躊躇なく罪を犯す!
………65階層、なんか引っかかる。
「ミ、ミレディ?それにエシェル?何故君達がここに……」
呆然と私たちを見上げるオー兄。
それにいつも通りにミレディは煽る。
「オーくん、情けないよぉ。私に助けを求めていたら、そんな怪我をする事も、コリンちゃんを泣かせる事もなかったのに!や〜い、幼女泣かしてやんのぉ!いけないんだぁ!」
「そーだそーだ!コリンちゃんが可哀想でしょぉ!」
煽る。
なにこれ楽しい。
超楽しい。
「そうじゃないだろ!いやそうかもしれないけど!それになんでエシェルまでそっち側に……ってそうじゃなくて!」
相変わらず突っ込むオー兄。
一通り言い終わってから。
オー兄にとって重要な事を言う。
まあ私にとっても重要なことだけど。
「オーくん。そいつらが約束なんて守るはずないよ。“神の名のもとに”——彼等にとって全ては正当化されるんだから。ディランくんとケティちゃんを元に戻す手立ては、彼等自身知らないんだよ?」
「なん、だって?」
オー兄が大きく目を開く。
それに私は言…わないでおこう。
もう少し後で言えば、相手に大打撃を与えられるはず。
「貴様っ、私がエヒト様のために作り上げた神兵創造のための施設をよくも!オスカー!貴様の手の者か!あの施設が破壊されれば、被験体供は二度と元に戻らんぞ!二人がどうなってもいいのか!」
「っ——」
息を飲むオー兄だけど………。
私は悲観しない。
だって解決方法なんてわかってるから。
そして、丁度見つけてきていたアーティファクトすぐ下に転移させて。
まあすぐそこにあったものだけど。
『重力魔法で下にあるものを浮かせて?多分あいつらが重要って思ってるやつだから』
『……?了解!』
念話で会話、そしてその持ってきたものを浮かせてもらう。
「ん〜〜?壊されたら困るものってぇ、もしかしてこれのこと?」
絶好調な感じで言う。
私は良い笑顔で見ている。
ミレディを。
そして、重力魔法によって物々しいものが浮かんでくる。
『ちょ、ちょっとぉ!?これなの!?聞いてないんだけどぉ!?』
『言ってないからね!』
そんな中私は念話で地味に焦っているミレディを良い笑顔で見ていた。
心の中で合掌。
「な、な、ななっ、なぁーーっ」
言葉になってないぜいフォルネス司教さんよ。
ちなみに浮かんできたのは、神殿。
いや、祭壇と言うべきか。
祭壇のようなものの中央に長方形の柱。
その柱の天辺には目玉の彫刻。
そんなものが浮いてきたのだ。
さらにそれは超重要な物。
そうなってもおかしくはない。
そして今度は私が言う。
「オー兄!これが二人をそんな風ににしたアーティファクトだよ!古代の優れた戦士の戦技を記録して、他人に転写する力があるね!でも絶対、こいつらはこれを扱いきれてないんだ!」
そして、説明をする。
ここからはミレディが解説。
ミレディはこの事を最初から知っていたらしい。
逆に私はそのことはしらないし。
このアーティファクトは、古代の戦士たちの戦技を転写する。
けど、その転写した情報が膨大すぎて、最初は狂戦士のように暴れ回るだけだったらしい。
それが最近支配下におけるようになった。
それだけであり、まだ戻す事は出来ないらしい。
これの解決策は、魂魄魔法による人格に蓋をしている情報を取り除くとか。
私はそれ以外思いつかない。
人格の上書きなら私でも死霊魔法で可能だけど、それをやっちゃうともはやそれは別人だしね。
「そんな……それじゃあ、ディランとケティは……」
安心しなさい、解決策はある。
「私の……私のアーティファクトが……、“神の目”がっ。あぁっ、なんということをっ。貴様、貴様、貴様ぁ!」
発狂した司教。
まあどうでも良いや。
とりあえず。
『オー兄、既に解決方法はわかってる』
念話で言う。
わかっていると言うだけで、できるとは言わないが。
『……え?ほ、本当かい?エシェル』
『本当だよぉ〜。ワタシウソツカナイ』
事実嘘ではないし。
「全てはエヒト様の御為に!最強の神の軍団を想像した功績をもって、お傍に侍るために!総本山にっ、大司教の、いや教皇の座に!ァアアアアアアッ」
………。
あ゛ー、今すぐその口閉じた方がいいよ?
私結構怒ってるから。
そんな事のために?
ふざけるな。
そんな事の為に利用されていたのか?
だけど。
「そっちに行っちゃダメだよ、オーくん」
「みれ、でぃ……」
その発言のおかげで私は自分を取り戻した。
「オスカーぁ!その女達を殺せっ。忘れたかっ。お前の大事な被験体供の命は、私が握っているのだ!」
「うん、無意味だねそれ」
「なにっ!?」
私が口を挟む。
既に二人は催眠魔法により眠らせていて、引斥魔法によって空中に浮いている。
今更司教が二人を取り戻す事は最早不可能だろう。
「ありがとね、エーちゃん」
そう言い、ミレディは重力魔法を発動させる。
引斥魔法はこれの下位互換。
そんな強力な重力を操作する事は出来ないし、もっと特殊なこともできない。
二人浮かせるだけで精一杯だったから、ありがたい。
「……こんな目に遭うために、生まれて来たんじゃないのにね」
「ミレディ?」(←オスカー)
………やっぱり、過去になんかあったのかな?
……うん。
じゃあ。
「フォルネス司教、覚悟してね?今の私は、ちょぉっと怒ってるからね?」
防御魔法を大量に張る。
さて、オー兄の治癒が終わるまで時間稼ぎをしますか!
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