いや原作知識なんて無意味じゃねーか! 【永久凍結】 作:光車
エシェルはわざわざ時魔法すら使い、自分が落ち着ける時間を作り出した。
その時間、実に8分。
それだけの間、笑い転げていた。
不謹慎だ。
(三人称終了)
私は笑いをなんとか落ち着かせて、結界を無効化する。
「んん、ごほんっ。とにかく!怪我が治ったなら早く外に出ようよ。“神の目”だっけ?あれを解析してディランくん達を直してあげないとだしさ!」
「そ、そうだね。うん、その通りだ」
………。
私は流石に一気に真面目になる。
私が見ているもの、そこにあるのは——
司教の、生首だ。
今は直接は見えないが、魔法で観察して見れば明らかに生きている。
おかしすぎる。
あれなら、最早身体が無いのだから死んでもおかしく無いのに!
「ぎぃっ、がぁっ……」
やっぱり。
ミー姉が岩石をどかし、そこにあったのはやはり司教。
「ぎ、ぎぎ、ぎざまらに……わざわい、をっ。神の、いか、いかりをっ、知れ!」
やはりおかしい。
何故、生きている。
「何故、何故、そんな状態で生きているんだ……」
私も思うよ。
この調子なら、頭を潰されても死なないだろう。
「神に、尽くしっ……神のために生きっ……神のために死ぬ!それこそっ、人のっ、最大の存在理由!何故、それが分からんっ」
最早あれはアンデット。
死霊魔法でどうにかなる。
本来なら。
けど。
あれを動かせる
「神敵っ、神敵っ、神敵っ!異端者は死ねっ……尽く滅びよっ」
恍惚とした表情で、笑う。
あれは、なんだ?
アンデッド?人間?魔物?
それとも、そのどれでも無い、怪物?
「エヒト様ぁ、ああああああっ、エヒト様ぁ!我等が偉大なる神よ!とくとご覧あれ!あなたの忠実なる信徒、フォルネス・アビシオンの最期を!」
「なにかまずいっ。ミレディ!」
「このっ」
残念ながら。
もう遅い。
アレはもう、止まらない。
頭を吹き飛ばしても、身体を吹き飛ばしても、塵に返しても。
最早何もかも無駄だ。
アレは、もう人ではない。
人ではない何かだ。
オー兄の傘から矢が飛ぶ。
ミー姉の魔法が炸裂した。
司教の頭は吹き飛ぶ。
本来なら、これで何もできない。
命令する器官がないのだから。
なのに。
止まらない。
それが、これ。
この、フォルネス司教と言う、バケモノだから。
「えひ、とぉさまぁ、ばんざぁい‼︎」
言う。
魔力が霧散し、完全に死滅した。
司教がやっていたのは自爆用の魔法。
下手に隙がなかった分、干渉できずに放置することになった。
だから。
天井が崩落する。
爆発、全てを飲み込もうとする。
「っ、十式“聖絶”・全展開!」
オー兄は私以外の二人を守る。
私はそれを、崩落を止める。
転移術式?
魔力が乱されて使えねぇよクソが!
「や、やばい、崩落するっ」
もうしてます。
蒼穹の魔力を溢れさせ、重力魔法を発動、周囲の崩落を止めようとする。
よくこんなことできるね。
この空間で。
「ぬわぁっ。は、範囲が広すぎるぅ!」
でも、範囲が広すぎて無駄。
だけど、加勢はできない。
だって。
魔物が、来るから。
「オー兄!“神の目”を守って!来るよ!」
「え!?何が!?」
「「「クルゥアアアンッ‼︎」」」
きた!
守護者が!
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