俺は強欲   作:駄文書き

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 ワーニング、ワーニング!これは二次創作です。


誓い

 目を覚ませば、そこは鉄格子のある部屋であった。別段それに違和感を覚えるでもなく俺は硬い木のベッドの横の粗末なテーブルにある少し濁っている水を飲み干した。

 

「‥‥‥‥ふぅ」

 

そうして目覚めが悪い頭を叩いて起こしながら周りを見やる。鉄格子の外には自分と同じような部屋に入っている人たちが見えた。俺たちは別に犯罪を犯して捕まっているわけではない、俺たちは

 

「――早く起きろグズどもッ!仕事を始めるぞ!!」

 

どこの国にもいる奴隷なのだ。

 

 

 

 俺は奴隷の子供だったらしい、ここの主人が買った奴隷の女が母親だ。奴隷は奴隷同士で交流を深めることは禁止されているため必然的に俺の父親はここの主人となる。が、そんなことは認められず俺もここで奴隷として暮らしているのだ。そして母親はそれに絶望し舌を噛み切って自殺した。別に悔しいとかそういった感情はない、なにせ俺の自我が目覚める前であったのだから。

俺の名前は

 

「77番、ボーッとしてるとまた叩かれるぜ?」

 

「ああ、悪い79番」

 

77番、そんな記号で呼ばれている。ちなみに現在は畑に種を植えている。大体今いる奴隷の数は...25.6である。奴隷の癖して2桁の数なら数えられるので褒めて欲しいところだ。79番は俺と同じ頃買われた奴隷でいろんなところに気が利く兄貴的存在である。

ここは生活環境こそ酷いが奴隷業界の中ではましな方だと79番は前にこっそりと教えてくれた。

 

『酷い所はまず人間と同じような行動はさせてもらえないし個室もない、ここは生きて暮らせる以上大分ましだ』

 

そう語った79番の目が寂しげだったのをよく覚えている。とにかく、ここで生きれるのならそれでいいのかもしれないと言っていた。

だが俺はそれが気に入らなかった。遠くで酒を飲みながら煙草を吸っている主人を見るといつも殺したいほど怒りが湧き上がってきた。

俺は強欲、それは痛いほど理解していた。だから、俺は夢を捨てずに今日も生きている。

 

「(いつかあいつと同じ、いやもっと上へ昇ってやる!全部奪ってやる!!)」

 

そう俺が誓ったのは9歳の頃であった。

 

 

 だが、今すぐに反乱を起こそうとするほど馬鹿ではない。俺の非力さは俺が一番知っていた。鍬を握れば疲れ果て重たいものを運べばまた疲れ果てる。こんな様ではここの主人達を出し抜く前に死ぬのが関の山だといつも自分に囁いていた。

 

とはいえ、何もせずに手をこまねいていたわけではない。ひたすら体を鍛えていたのだ。眠い目をこすり見張りの目をかいくぐって鍛えていたのだ。少しでも待遇がよくなることを願って従順なふりをしていたのだ。

御蔭で12になった頃にはすっかり待遇は改善されていた。とはいえ、食料が他の奴隷より少し増えたぐらいなのだが正直言って鍛えたら腹がよく減るようになったのでありがたかった。既に誓ってから4年ほど経ってしまったが今でもその炎は燃え続けている。

 

そういえば、待遇改善の他にも変わったことがあった。

今年から俺は主人の護衛の一人になったのだ。これはとても大きな出来事と言える、だがそれと同時に見張りの目が強くなってしまったことは言うまでもない。護衛は10人、その中でも護衛になったため剣の訓練を最近許可された俺は一番弱い。

 

「おい77番、これを片付けておけ」

 

「わかりました先輩」

 

「77番、ついでにこれもな」

 

「わかりました先輩、すぐに致します」

 

漸く奴隷の中で格が上がったが無論誓いのとおり、この程度で満足する気などない。見ていろクズ共、いつかそのムカつく顔全部を胴体とおさらばさせてやる。

 

俺は強欲なんだ。

 




いきなり時間が進んで「えっ?」となった方はいるでしょうか、ですが流石に長いのでそこの展開はカットさせていただきました。プロローグは1452文字ですが次回からは2倍以上をボーダーラインとして投稿させていただきますので少し更新が遅いかもしれません。
あと少年のくせして 俺 とか 強欲 とか使うのは少しスルーしていただけるとありがたいです。
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