皇帝、帝王、そして大帝   作:ディア

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第1話 ラジオたんぱ杯3歳S

 ラジオたんぱ杯3歳S。格はGⅢの重賞。テイエムオペラオーが大暴れしている西暦2000年にて俺は未来のGⅠ競走になるそのレースに出走していた。騎乗ではなく出走、つまり俺は騎手ではなくサラブレッドだ。

 

 

 

 

 西暦1998年。一度人間として過ごしてきた俺はトウカイテイオーの息子として誕生、正確には転生した。

 

 このトウカイテイオーという馬だがまさしく名前の通り帝王と呼ばれるに相応しい強さとドラマチックな競走生活から人気を集めた馬でファンも多い。俺もその一人で挫折をした時トウカイテイオーのことを思い出し立ち直り、トウカイテイオーのファンになった。

 

 そしてトウカイテイオーが死んでから数年後、俺はネット小説を見つけた。それは【青き稲妻の物語】という競馬小説だった。文章力はともかく俺が気になったのはその内容と設定だった。その小説ではトウカイテイオーの最大のライバルだったメジロマックイーンが優遇されているのに対してトウカイテイオーが優遇されていないことだ。

 

 メジロマックイーンが優遇されている理由はただ一つ。メジロマックイーン産駒──つまりメジロマックイーンの子どもであるシンキングアルザオが競走馬としても種牡馬*1としても活躍しているのに対してトウカイテイオーは後継種牡馬を残したはいいがダートのマイルの馬という微妙なもので、作者もボロクソに叩いていた程だからだ。それでも現実よりもマシだがメジロマックイーンに比べると明らかに優遇されていない。唯一の救いはそのマイルの馬がリセットの父親であることだ。

 

 そんなことを考えながら死んでしまったせいなのか、俺はその【青き稲妻の物語】の世界にトウカイテイオー産駒として転生してしまった。

 

 

 

 何故そんなことがわかるかと言うと【青き稲妻の物語】に出てくる競走馬がいたり逆に宝塚記念馬ダンツフレームなどの史実馬がいないからだ。【青き稲妻の物語】の世界観は作者の都合により史実馬が存在しない場合が多く、ダンツフレームもその被害者の一頭だ。それ故にここが【青き稲妻の物語】の世界観の世界だと認識させられてしまった。

 

 

 

 しかしだ、それでも異なる点が存在する。それは【青き稲妻の物語】でも存在した馬ジャングルポケットがこの世界ではいないことだ。俺が勝利を納めた札幌三歳Sでもその姿を見かけることなく、今回のラジオたんぱ杯3歳Sでも三番人気であることからどうやら俺はそのジャングルポケットの成り代わりらしい。

 

 

 

 

 史実におけるこのレースの勝者は一番人気かつ後に白いセクレタリアトの渾名を持つことになるクロフネじゃない。歴代SS(サンデーサイレンス)産駒の中でもトップクラスの実力者アグネスタキオン。こいつこそこのレースの勝者で一言で例えるならリアルチート。【青き稲妻の物語】の作者ですら天才と評価していて、シンキングアルザオも二度に渡り敗北している。

 

 

 

 

「さあ最後の直線に入りましてクロフネがまだ先頭。アグネスタキオンとマグナデルミネが一気に捉えにかかった」

 

 あ、言い忘れていたがマグナデルミネってのは俺のことだ。テイオーの息子だからラテン語で大帝を意味するマグナを俺の名前に着けたらしい。

 

 それはさておき、先頭に立ったアグネスタキオンを抜かすべくここから加速し一気に仕留める。アグネスタキオンは確かに速い。しかし瞬発力では俺に劣る。史実での勝者がわかるが故にマークしていた。そして加速すると目の前にいたアグネスタキオンが更に伸びた。……は? 何だよそれ? 

 

「アグネスだ、アグネスタキオンが突き放す! アグネスタキオン今一着でゴールイン! 二着にマグナデルミネ!」

 

 嘘だろ……射程圏内でも勝てないってどういうことだよ。ジャングルポケットが瞬発力を武器にしていたように俺も瞬発力を武器にしている。実際史実のアグネスタキオンよりも上がり3F*2は俺の方が速く33秒2でレースタイムは2分を切っておりこちらも史実のアグネスタキオンよりも速かった。

 

 しかしこの世界のアグネスタキオンはその上を行き、俺より前にいたにも関わらずその瞬発力で俺を捩じ伏せた。こんなんチートや、チート! 史実補正仕事しすぎだゴラァ!

*1
要するに父親

*2
ラスト600mのタイムのこと




後書きらしい後書き
さっさと書き終わってウマ娘プリティーダービーに繋げたい……

それでは恒例の。

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