皇帝、帝王、そして大帝   作:ディア

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第3話 札幌記念~ドバイシーマクラシック

 それから俺はジャングルポケット同様に札幌記念に出走したが、史実のジャングルポケットはここで三着とまさかの敗北をしてしまう。

 

 しかしそれは勝った相手がわからなかったらの話であり、俺はこの時の勝者が誰だか知っており、騎手も俺のことを信用してくれたおかげで折り合いもついたおかげて徹底的にマークし8馬身差で圧勝。

 

 日本ダービー勝利、そして今回の札幌記念の圧勝劇に陣営は俺が覚醒したと見て菊花賞ではなく凱旋門賞に出走登録し、俺もそれに賛同した。

 

 ちなみに俺が賛同しないと馬房から一切動かなかったり噛みついたりする。

 

 

 

 

 

 さてロンシャンにやって来た訳だが、史実での凱旋門賞の勝者はサキーというドバイ所有の馬で当時の凱旋門賞史上最大着差タイの6馬身差という着差をつけて圧勝している。

 

 サキーに勝つには先に勝つ、サキーだけに……うん、ボルトチェンジが聞いたら腹抱えて笑うくらい下らないギャグだ。

 

 それは置いておいて、ここロンシャン競馬場は所謂洋芝である上に重馬場とタイムが非常に出せない状態であり、欧州で実績を出しかつ重馬場を得意とするサキーにとってはかなり有利な状況だ。

 

 そのサキーの戦法だがシンキングアルザオと同じく逃げ先行を得意としているが、今回に限れば別で大外枠で逃げが出来ない状況にある。無理にすれば惨敗してしまうだろう。

 

 史実でも無理せずに控えたからな。しかしそれが俺が唯一のアドバンテージでもある。

 

 

 

 

 

「さあ第80回凱旋門賞スタート!」

 

 やはりと言うべきかサキーは好位を追走し、俺はその真後ろについていた。

 

 何故ならこの戦法は位置取りこそ少し前だがアグネスタキオンとほぼ同じで幾度なくやられた戦法だからだ。例え射程圏内に入っていても置き去りにされてしまう。

 

 その為こいつが少しでも動こうものなら距離を詰めて差しにいく。俺にとってアグネスタキオンはトラウマである。

 

「さあ我らが日本のマグナデルミネは一番人気のサキーを追走しています」

 

 普段であればこういうリスキーなことはしないがアグネスタキオンやシンキングアルザオ以上の馬に勝つにはそれにあった競馬をしなければならない。

 

 っとそろそろ動くな。いつでも外に出て差しにいくポジションにつかないとな。

 

「さあここでサキーが動いた、そしてそれに続いてマグナデルミネも動き……サキーを抜かしました!」

 

 直線に行く前に動いてその馬の前に行くことは本来であれば挑発行為でしかない。しかし今回は勝つ為にやっている。

 

 偽りの直線(フォルスストレート)を通過する頃には既に先頭に立ち押し切りを狙うしかない。

 

「直線に立ってマグナデルミネ、マグナデルミネが先頭! サキーが二番手に変わりマグナデルミネを差しにいく!」

 

 最後の直線は坂こそないが東京競馬場以上の長さを持ち、ここが俺の長所をいかせるところだ。

 

 俺の長所は瞬発力が冴えているという点と、直線が長い程有利な点だ。

 

 瞬発力については日本ダービー前から鍛え上げたものだが直線が長い程有利なのは俺の走法が直線において一番加速しやすいストライド走法だからだ。

 

 その二つの要素が合わさればいくらサキーが欧州で慣れていてかつ重馬場でも本来の戦法でなければ勝てる。

 

「マグナデルミネが伸びる、迫るサキー、後ろからゴーランがやってくるが全く伸びないっ!」

 

 この勝負はもはや俺の勝ちだ。

 

 サキーは皐月賞時点のシンキングアルザオと同じくらいの瞬発力しか備えていない。

 

 普通の馬ならそれでぶっちぎれるが、アグネスタキオンや今の俺に叶う術がない。

 

 ということなので無情にもぶっちぎり、4馬身差で勝利した。

 

「やりました! マグナデルミネ、史上二頭目の日本馬による凱旋門賞制覇を果たしました!」

 

 史上二頭目……? ああ、アイグリーンスキー*1のことか。史実では日本馬による凱旋門賞馬がいないからすっかり忘れていた。

 

 

 

 

 

 ────────────

 

 

 

「やっぱり正解でしたね。三歳馬でアイグリーンスキーが凱旋門賞を制したからマグナもワンチャン行けると思っていましたが、まさかここまで差をつけて勝利するとは思いませんでしたよ」

 

「もしサキーがいなければ凱旋門賞史上最大着差を更新したかもしれないな」

 

「ええ。しかし今はマグナが凱旋門賞を制したことを喜びましょう」

 

 

 

 ────────────

 

 

 

 

 

 そして史実のジャングルポケットと同じくテイエムオペラオーを破りJCを制した俺は年度代表馬になり翌年を迎える。

 

 次走は阪神大賞典ではなく今年からGⅠ競走に昇格したドバイシーマクラシックに出走し、そこを難なく勝利したもののまさかの故障発生。

 

 凱旋門賞にはギリギリ間に合うが一度帰国して治療を受けることになった。

 

 

 

 

 

 それはともかくあれからライバル達はどうなったかというとシンキングアルザオは天皇賞春で有馬記念馬マンハッタンカフェやオペラオー世代の菊花賞馬ナリタトップロードをねじ伏せ制覇。

 

 しかし【青き稲妻の物語】では勝つはずの宝塚記念では史実・原作を知る者ならあり得ないと叫ぶ事態が発生して2着に惜敗した。

 

 そのあり得ない事態とはアグネスタキオンがまさかの引退せず現役続行し、宝塚記念に出走していたことだ。

 

 宝塚記念でシンキングアルザオに鼻差とはいえ勝利し天皇賞秋も勝利して連勝記録を伸ばした。

 

 ちなみにマンハッタンカフェは【青き稲妻の物語】と同様に菊花賞と天皇賞春を勝っていないので、凱旋門賞に出走することなく宝塚記念に出走し3着に善戦したものの京都大賞典で屈腱炎を発症し引退した。

 

 まあ京都大賞典は凱旋門賞とほぼ同じ時期だから史実通りと言えばそうなんだがな。

*1
【青き稲妻の物語】に出てくる主人公の父親。詳細は【青き稲妻の物語】参照。




後書きらしい後書き
さっさとウマ娘プリティーダービーに繋げたい……

それでは恒例の。

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