型月世界において簡単にカルデアに力を貸す方法。   作:修司

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チョコもらえなかった鬱憤をここに晴らします。


番外編 バレンタインイベント

 

 

「おうマスター。ハッピーバレンタイン」

 

廊下を歩いているとリツカを見かけた為挨拶をする。

現在カルデアは空前のバレンタインブーム。あらゆるサーヴァントが日頃の感謝や好意を伝えようとチョコレートを扱い、現在施設内全てが甘ったるい匂いに包まれている。

バレンタインのイベントはかつての世界でも経験があり、その際は男女関係なく何かしらを渡していたことを思い出した。

 

「あ、ケンさん。なんというかすごいねバレンタイン。俺こんなにもらったの生まれて初めてだよ。」

 

「・・・だろうなぁ。その手やつ、全部チョコなんだろう?」

 

そう言って指差す先、腕の中には凄まじい量の箱箱箱・・・。

おそらくそこいらの芸能人ですらもらったことはないであろう質と量のチョコレートの山。

 

「糖尿病になりそうだな・・・。いや、一気に食べると毒扱いになって無力化されるか・・・?」

 

「え?!そうなの?まさか毒耐性にそんな力が・・・」

 

「多分だけどな。ただできる限り一気に食べてしまわないと多分何日もかけて食べると食べた分を消し去るから逆に飢えるかもしれん。」

 

「ええぇ、食べてるのに無くなっていくって・・・」

 

「こう言っちゃなんだが、バレンタインは何処かで歯止めしねーと物資ももったいねーし何より作ってくれたサーヴァントにも失礼だよなぁ・・・」

 

そういうとケンは自分の手の中のチョコレートを見る。

先程もらった鍵型と箱型のチョコレート。生チョコタルトに柏餅。何気にこれだけのチョコレートをもらったのもケンにとって初めてである。

 

(多分増えるよな、まだまだ・・・)

 

増えに増えたカルデアのサーヴァントたち。そんな彼ら彼女らとも深い絆を結んできたリツカ。

心優しい目の前の少年は作ってきたチョコレートやご馳走を全て食べ尽くすだろう。だがそれでいいのだろうか?せっかく作ってきた物を毒として消してしまう。

捨てるよりは遥かにマシとはいえ思いのこもった贈り物だ。糧となる方がいいに決まっている。

だがこれだけの量を一人で消費しよう物なら絶対ナイチンゲールやアスクレピオスの世話となることだろう。

 

「どうしよう・・・。何日もかかるとダメなものもあるしなぁ・・・」

 

そう目の前でぼやくリツカにケンは少し考え・・・・

 

(あ、あれに頼ってみるか。)

 

ふと頭に浮かんだアイデアを伝えることにした。

 

 

「マスター、ちょっと俺の部屋寄ってくんね?」

 

「ケンさんの部屋?なんで?」

 

「いやな、ちょっといい考えが浮かんでな。多分今の君にはピッタリだと思うぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの、先輩!日頃の感謝を込めて作りました!ぜひ受け取ってください!」

 

 

そう言って手に持ったチョコレートケーキを目の前の彼に差し出した。いつもより少し物静かな彼の姿に少し違和感を覚えながらも受け取ってもらえたとホッとする。

彼女・・・マシュキリエライトはふと手から離れたケーキに思いを馳せながらゆっくりと目の前の少年を見る。手に持ったチョコレートケーキをじっと見つめる彼はやがてマシュに向き直ると口を開いた。

 

「・・・このチョコレート、隠し味にスパイスを少し入れてるんだね。」

 

「え!は、はい。正解です・・・。」

 

「うん、いい香りだ。しかもレイシフトで採取された、野生の力強くしっかりとしたスパイスの香りだ。でも決して主張しすぎない。チョコレートの香りをより良いものにしてる・・・」

 

「に、匂いだけでわかったのですか・・・!凄いです!」

 

 

驚愕と共にわかってもらえたことにうれしさを隠しきれないマシュ。香りだけでここまでわかってもらえるとは。

あらゆる環境下においてやっとの思いで見つけた野生のスパイスたち。それらを少しずつ味わいどのように組み合わせることで味が引き立つのかを調べてようやく到達したマシュオリジナルのチョコレートだ。頑張って試作とレイシフトを繰り返した甲斐があった。

 

「作るのとても大変だったんだね・・・。とても嬉しいよ、マシュ」

 

 「せ、先輩・・・!」

 

思わず飛び上がって喜びそうになるのを耐える。

その様子にリツカは静かに微笑むと手を差し伸べて言う。

 

「マシュ、よければ一緒に食べないか?いいコーヒーもあるんだ・・・」

 

「はい!マシュキリエライト、お供させていただきます!」

 

差し出された手をとってマシュとリツカはマイルームへと歩いていく。そしてそんなリツカの瞳、嬉しそうなマシュは気づかなかったがその瞳には緑の螺旋が渦巻いていた。

 

そしてマイルームの机の上、その上には謎の光を放つ液体を半分ほど残した瓶が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の部屋の天井を見ながらふぅと一息つきケンは口を開いた。

 

「いや〜・・・・本当に効くとはな〜・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲めるゲッター線」汗

 

 

 

そう呟くと額に少し汗を流す。

ケンがリツカに与えた物、それは瓶に入ったフルーツと緑の液体で満たされた何かだった。

その名をゲッター線フルーツポンチ。またの名を「飲めるゲッター 線」である。かつての世界ではとあるカフェとのコラボで出たそれは、瓶に詰められたメロンソーダのフルーツポンチとして発売された。透明な瓶に詰められた緑の炭酸の中を色とりどりのフルーツが浮かぶ。

かつての世界と違うのは、それに使われたソーダに「本当にゲッター線」が含まれていたことである。

 

 

 

「・・・バレンタインだからな〜。多分イベントに参加させるための口実だとは思うが・・・」

 

 

遡ること10日前、ゲッターロボのメンテナンスをして一汗かいたケンは整備室の冷蔵庫からソーダを取り出して飲もうとコップに注いだところ、何故か緑の光を放つ液体と化していたのだ。

 

 

『なんで?!』

 

 

しかし飲んでみると普通のメロンソーダだしダヴィンチちゃんに調べてもらっても人体に影響はないと言う。

ただその際いやにニコニコして僅かに目が光っていたことに目を逸らしながらその液体を部屋に持って帰った。何かいやな予感がしたと言うのもあるが。

 

 

『え、なにこれ・・・・・』

 

『飲めるゲッター線』

 

『飲めるゲッター線⁈』

 

フルーツポンチに仕立てたそれを目の前にしたリツカは炭酸の泡を吐き出させながら空中に緑の粒子を放ち輝く液体に恐れ慄く。

 

 

『た、多分だけど君のサーヴァントは全員何かしらプレゼントをやるだろう?俺は挨拶ぐらいと考えてたんだけど何故かイチゴだーナタデココだーパインだーと材料からどんどん集まってきて・・・』

 

『ち、ちょっとこれ大丈夫ですか・・・?』

 

『ダヴィンチちゃん曰く体に問題はないらしい。俺も飲んだし・・・。もしかしたら俺の中の先生が用意したのかもって・・・このタイミングだからだけど、多分・・・・・』

 

 

恐る恐る瓶に手をつけストローに口をつける。

マジで飲むのかとゆっくりとストローを登るゲッター線に目を向けながら戦慄するケン。そしてその液体がリツカの口に含まれた瞬間ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか・・・・・。そうだったのかって呟いてそのまま行っちまったん

だよなぁ・・・・」

 

 

コーヒーを飲みながら僅かにチョコレートタルトを口に含む。生チョコのしっとり柔らかな食感と優しい甘味、サクリと心地よい音と香ばしいタルト生地がお互いを引き立て素晴らしい味わいを広げ、それらを温かいコーヒーが甘さの余韻を残しながらも口の中をスッキリさせる。

その繰り返しによってどんどんフォークを進ませた。

 

 

「うん、うまい。めっちゃ高そうなケーキ屋とかよりもうまい気がする。」

 

そうして先ほど起こったことから目を逸らす。

よく考えたらバレンタイン間近にこんなこと起こるくらいなんだから多分これが俺のチョコ渡しイベントなんだろうと無理やり納得する。

そうだ。きっとこれが俺のチョコ礼装なんだ。

だから大丈夫だよな。多分。

きっと。

メイビー。

 

 

 

 

「・・・あ、マイルームに残りと瓶置きっぱなしだった」

 

 

 

大変だ!茨木童子がマスターの部屋で倒れているぞ!

 

な?!口元がめっちゃ爛れてる?!一体なにが・・・

 

しっかりしろ!襲撃か?

 

瓶が割れてるだけで中身は・・・すこしものこっていない?

 

魔力反応はない。一体なにが起こったと言うのだ・・・

 

 

 

 

「・・・・・」

 

 

 

「明日、イビラギンに謝っとこう・・・・・」

 

 

 




星4礼装
「飲めるゲッター線」

イチゴ、ブルーベリー、ナタデココ、パインの浮いた豪華なフルーツポンチ
・・・


らしき物。人間が飲むとこの世の神秘を垣間見れ、体内に擬似的なゲッターエネルギー炉心のような形となりエネルギーの長期かつ溜め込みを行うことができるようになる。それ以外が飲むと口元が腫れ上がり全身に体の内側から画鋲が飛び出すかの如く痛みが走る。

リツカ「毎年一番最初に飲ませてもらってます。」
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