型月世界において簡単にカルデアに力を貸す方法。   作:修司

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仕事

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと意識が浮上して行く。

きだるげな頭に降り注ぐこの感覚は太陽だろうか。強すぎず、弱すぎず心地の良い暖かさだ。

 

「ん・・・・・」

 

 

 

気づけば座っていた。

窓際の席で机にうつ伏せになっていたためか、ゆっくり身体を起こすと軋むような痛みが走った。それを身体を伸ばすことでごまかし、改めて今どこにいるかを確認した。

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

作業場、だろうか。

 

いくつかの机の上には資料らしき紙が幾重にも重なっており、ペン立てにはさまざまな筆や鉛筆、雲形定規、カッター、修正液。他にも文房具屋で見るような道具が敷き詰められていた。

そう、まるで一昔前の漫画家の作業場の様な場所にいた。

 

 

 

「・・・えーと、」

 

 

ここに来る前のことが思い出せない。何か大変な作業をやろうとしていたことは、感覚的に思い出せる。

とりあえず誰かいないか、そう思い歩き出そうとした時ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

カリカリカリ シャー

 

 

 

 

 

 

後ろで音が聞こえた。

誰もいないと思っていたため思わずびくり、と身体を強張らせ後ろを見る。

 

 

 

 

 

 

「・・・・ん?ああ、起きたのか・・・」

 

 

 

そこには、机に向かい何かの作業をしている男がいた。 その男はこちらに目を向けキョトンとした目を向ける。

 

「あ、はい・・・なんか寝てたみたいで、すいません」

 

「気にしなくていい。この天気だ、思わず眠ってしまうのも無理はない」

 

 

男のぱっと見た印象は、一昔前の漫画家の様である。中肉中背で頭にはベレー帽、軽そうなシャツにジーンズ。顎のあたりから無精髭を生やし髪にはうっすらと白髪が混じっている。

いや、一つ訂正しよう。

 

 

「あの、貴方はいったいーーーー」

 

 

「起きたてで悪いが少し手伝ってくれ。なんといってもアシスタントなんて昔に雇ったっきりなもんで、いくら時間があるからって1人では辛くてね」

 

 

「え、こ、これって・・・」

 

 

 

 

漫画家の様ではなく、本当に漫画家みたいだ。

男の渡した原稿には迫力のあるキャラクターが写っており、しかし所々に変な空白が目立っていた。おそらくベタや模様を描いてないからだろう。そのせいでイマイチ足りないのがわかる。

 

 

「あの、いいんですか?素人の俺に任せて・・・」

 

思わず声をかける。見た所この原稿を描いた彼はとても腕のいい方なのだろう。細部まで書き込まれたそれに自分の様な素人が手を出すのは気が引けた。

 

しかし男は

 

「いや、君なら大丈夫だ。何せこれが初めてというわけでもないからな」

 

そういうとカッターとトーン、インクをこちらに手渡した。その答えにおれは思わずめんどくさい、と感じると同時に何故か嬉しさに似た感覚を感じた。

 

 

 

 

 

 

「さ、少しだけ頑張ろう。お昼はカツ丼におまけで味噌汁を奢るよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか虚数空間にでも落ちたのか⁈」

 

 

「いいえ、虚数空間の反応はありません!」

 

 

「特異点にはどうだ!それにもう2人は!」

 

 

「リツカくんとマシュの反応は確認できます、しかし〇〇さんの反応

が・・・!」

 

 

 

 

 

管制室に慌てた様な声が響き渡る。

 

レイシフト中に起こった事件、それは特異点に向かった〇〇が唐突に謎の力場とともに行方不明になった事だ。〇〇のレイシフト適正値は90代を超えているため、ただレイシフトに失敗しただけというのは考えにくい。それに解析によると、一瞬ではあるが謎の力場が発生した事を数値が示しておりそれが同時にレイシフトを行なったにもかかわらず〇〇にだけ影響を与えるというのは考えにくい。

 

「リツカくん!マシュ!近くに〇〇くんは見えないかい⁈何か道具とかでもいい!」

 

 

『いや、こっちでは何も・・・いや!あれはまさか!』

 

周りを見渡したリツカとマシュは、草原には違和感のある四角い物が落ちていることに気づいた。そこにあったのはーーー

 

 

『〇〇さんのスマホ・・・!』

 

 

『ドクター!〇〇さんは一体・・・!』

 

「まだわからない!そっちでも捜索を続けて・・・ちょっと待って!」

 

慌てた様子だったロマンが何かに気づいた様な声を上げ、スタッフに指示し出した。

 

「何かあったのかい?」

 

「いや、あの携帯が画面に収まった時、変な反応が・・・。すまないが、あの携帯を少し解析してくれるかい」

 

スタッフが〇〇の捜索とともに携帯をあらゆる角度から解析し始める。

最初は何事かと感じたスタッフだったが、解析結果を見て驚きの声を上げた。

 

「これは!聖杯の反応です。ごくわずか、カケラほどの反応ではありますが、間違いなく聖杯です!」

 

 

その答えに一同は思わず〇〇の携帯を見る。リツカとマシュもそれを聞き、魔術解析のスクロールを展開した。すると画面の点滅がおこり立体映像を映し出すかの様に、小さくはあるが聖杯を顕現させた。

 

 

「・・・なるほど。何故〇〇くんが異世界の情報とはいえ、それだけで縁が繋がったのか。冬木の特異点反応が極小だったのか、あらかたの説明がつく」

 

「どういう事?」

 

「おそらくあれは、最初の特異点において回収した聖杯のかけらなのだろう。特異点が消滅した後でも聖杯のかけらは残る。それもあらゆる時代のその場所にね。だからこそ特異点において聖杯は、完全な形で持ち帰る必要がある。」

 

「しかしレフライノールの攻撃によって、ほんの僅かではあるが聖杯の一部が破損したのだろう。そして僅かな時の間その時代に放置された事で、大地から魔力を吸収し次元震の様なものを起こしたんだと思う。」

 

「しかし我々が気づかなかったのは何故か、それは特異点の修復というはじめての体験で、その後どうなるかという事について全くの無知だったからだ。修復後、何が起こるかわかっていなかった我々はその後に発生した揺れを時代の修正される揺れと勘違いした」

 

「つまりあれかい、〇〇くんがこの世界に流れ着いたのは聖杯のかけらが隣接した次元に穴を開け、そこから流れた魂とこの世界の同位体とが融合した結果だと?」

 

「そして聖杯は修復された時代において異物とも言える〇〇くんと繋がった。ちょうど結晶の様に異物同士が惹かれあったのだろう。」

 

「特異点の反応はないはずさ。彼は聖杯のかけらで願った事自体は特異点を形成するほどのものじゃないのだから。しかし、その影響で少なくとも縁は繋がった!」

 

 

 

『ちょっと、待ってよ・・・』

 

 

特異点からリツカの呆然とした声が響いた。隣にいたマシュはそのただならない様子に声をかけようとし、しかし紡がれた次の言葉に同じく衝撃を受けた。

 

 

『話はほとんど難しくてわからなかった。でも、もしかして〇〇さんが向こうの世界で死んだのって・・・電柱がぶつかったのって・・・その次元震とかいうのが原因じゃないの・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

「「「!!!!!!ッ」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、普通に考えれば確かにおかしい。

 

 

 

 

 

 

〇〇は過去の話において雨でぬかるんで電柱が倒れたと言っていた。しかしよく考えて欲しい。彼の住んでいたのは都市部だ。しかも地面はコンクリートで舗装されているはず。コンクリートは生半可な雨程度では液状化しない。

それに彼は死の直前、目の前が真っ白になったという。最初は雷の高圧電流による光かと思われた。しかしその光は、「倒れる前」に起こった。

 

それはつまり

 

 

 

 

『〇〇さんを死んだ原因は・・・俺がしっかり聖杯を回収してなかったからなんじゃないの・・・・?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

今、誰か俺を呼んだような・・・。

 

 

「ありがとう、君のおかげで何とかなりそうだ。これは心からのお礼だ」

 

「え、あ、ありがとうございます。いただきます」

 

そう言って〇〇は目の前のどんぶりの上蓋を開ける。

あれから数時間、〇〇は男の指示に従い漫画の手伝いを行なった。最初はちょくちょくはみ出したり滲んだりがあったがそれもすぐになれ、いつのまにかスラスラと進められるまでになった。

そして時刻は12時、開けた中には出来立てからか湯気を出しているカツ丼が入っており、そのどんぶりの隣にはお椀に味噌汁が入っている。

 

 

 「昔俺もこんなふうに友人の手伝いをして、飯奢って貰ってたもんだ」

 

 「青春の頃の思い出ってやつですか?」

 

  「あぁ、お互いアイディアだしあってなぁ・・・まさか半々に描いたキャラクターがそのまま使われるなんて今考えても笑えるよ」

 

 

 そう言って男は丼の端に添えられた沢庵をポリポリとかじる。自分もその様子を見て卵で包まれたカツ丼を箸で挟み口へ持っていった。

 

 

「それにしても」

 

 

「は、はい」

 

「君のタッチはなかなかいいな。自分の絵に良く合わせられている。結構癖のある絵と自分で思っていたからびっくりだ」

 

「それはまぁ、かなり描いてきましたんで・・・」

 

ん?いま、自分は何と言った。かなり描いてきた?いや、こんな絵を描くのは初めてのはずーーー

 

 

(もーすーータッーーーーしくしー)

 

 

(あれ?今のーーーー)

 

「びっくりといえばーーー」

 

その声に意識が現実に引き戻される。男はこちらの様子を一瞬伺うと再び語り出す。

 

「君はどこで自分の作品を知ったの?こう言っちゃあなんだけど結構古い作品だろう?」

 

 

問いに対し疑問符が一瞬浮かびーーー消える。その作品とは?と語ろうとした瞬間、少しだけ自分の中の記憶「思い出」が引き出しを開けるかのように思い浮かんだ。

 

 

 

 

 

「・・・・えー、と、小さい頃、まだ曜日とか時間とかを理解してなかった頃、どの時間どのチャンネルでアニメをやってるかわからず、自分の見る物は親と一緒にレンタルで借りに行ってました。」

 

「字ももちろん読めなかったので借りる際に判断基準としたのは、パッケージの絵と親に聞いた題名でした。」

 

 

そう、まだレンタルできるもののほぼ全てがビデオデッキだった頃の話。

その頃はまだインターネットも始まったばかりでアニメや漫画の情報も全て雑誌などで開催されることが多かった。

もちろん字の読めない俺はそんな雑誌わかるはずもなく、仕方なくビデオ屋に直接行き探すしかなかった。

 

 

「そんな時に親から勧められたのがその作品でして・・・。自分の身長では届かない場所にあるビデオを見て最初は何というかギャグアニメかなんかだと思って借りました。ゲタの形をしたロボットなのかなって」

 

 

そこからだった。俺がその作品との長い付き合いになったのは。

 

 

「3歳の頃です。当時子供番組しか知らなかったのであまりの画面の綺麗さに驚いたのを覚えています。そしてワクワクしてました。」

 

 

 

 

 

 

はじめに借りたのは2巻だった。

一巻は借りられていて見れなかったが、今ではそれで良かったと思っている。

 

 

 

「合体のシーン!あれがまたすごくて、あんなにヌルヌル動く作画を見たのは初めてでしたよ。」

 

 

「そのあと原作漫画とアニメの存在を知りましたよ。いやー、痩せたゲッターロボは本当に新鮮な感じがしました。あ、あとおもちゃがないのがすごく困って、あっても小さいフィギュアばっかりでしたねぇ」

 

 

 

「それで仕方なくコピー用紙を丸めたおもちゃをつくりましたよ。

でもこれが意外に丈夫でですね、」

その頃そのロボットはほとんど商品展開されてなく、ほとんどが食玩などのコレクション品か高額フィギュアくらいしかなかった。可動式の食玩フィギュアが発売した時などは感動と同時にあまりの脆さに泣いたものだ。

他にも自分自身で作った紙人形。シンプルなデザインだったため幼かった自分でも簡単に作れた。

 

そう、どれも尊い思い出だった。

 

「・・・君は」 「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

「君はこの作品が大好きなんだね」

 

聞かれた質問に〇〇は少し考え、やがて満遍の笑みで答えた。

 

「はい!大好きです。少なくとも、18年近く見続けるくらいには」

 

その答えに男は少し笑みを浮かべる。

 

「そうか。そうかぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ君、そろそろもう帰っていいよ。」

 

 

原稿を描き上げていると、唐突に男は自分の方に手を乗せそう言ってきた。

顔を上げるといつの間にやら外は真っ暗になっており、確かにこのままでは終電を逃してしまうかもしれない。

 

 

  「もうこんな時間・・・かなり長い時間まで居ちゃって・・・」

 

   「いやいや気にしないでくれ。君のおかげで僕もいい感じに「仕事」ができた。教えるのなんて久しぶりだったし」

 

「あぁ、すいません。お手数おかけしました」

 

「大丈夫大丈夫。よし、後は私に任せて。君の親御さんも心配しているだろうからね。」

 

ドアの方を向き体を起こす。男は相変わらず笑みを浮かべたままだ。

 

「さぁ、出口はその扉の向こうさ。給料は次の日に私が振り込んでおこう。」

 

 

「何から何までありがとうございます。それでは、お疲れ様でした。」

 

 

なんだかとても長い時間ここで作業をしていた気がする。きっと両親も心配してるだろう。疲れも溜まってきたし、今夜はぐっすり眠ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、考えたはずなのに。

 

 

 

「・・・」

 

 

ドアノブに手をかけふと立ち止まる。

後ろでは急に動きを止めたことで先ほどまでニコニコした表情の男が不思議そうにこちらを見た。

 

 

「どうしたんだい?そこのドアを開けるとそれだけで君は帰れるよ?」

 

そんな不思議な扉あるわけないと思いながらも、心の奥でそれは真実だと直感する。

 

 

えと、少し忘れ物をしてしまって・・・。

 

「忘れ物?そんなはずはない。君ここに来た時何も持ってなかったじゃないか」

 

男の言葉にそう言えばそうか、と納得する。

そして再びドアノブに手をかけーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手を離した。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「・・・・」

 

 

・・・・・

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

「いいのかい?」

 

 

最初に沈黙を破ったのは男だ。

 

「これを逃さなければ、間違いなく君は帰れるよ?」

 

 

はい。

 

 

「そうすればもう君は苦労せずにすむ。後は我々に任せてしまえばいい。」

 

 

はい。

 

 

 

 

「・・・・そんなにその忘れ物が大事なのかい?」

 

 

・・・・

 

 

「君自身わかっていたはずだろう?君をここに呼んだのは彼らだ。事故とは言え、君をここに無理やり連れてきた。最初だったにせよ、少なからず君は傷ついただろう」

 

 

 

 

はい、

 

その通りです。

 

最初は「確かに傷ついた。どうしてこんな目にとも思いました。ひとりぼっちな気がして寂しかった。」

 

「でも」

 

「彼らにあって、そんなことどうでもよくなりました。彼の手のひら、彼は何かを強く握りしめたかのように爪痕のような傷を作っていました。彼女は歩きなれないためか、ほんの少しだけど違和感のある歩き方をしていました。」

 

 

「・・・・」

 

 

 

男は黙って聞いている。

 

 

 

「それ見てると、なんだかモヤモヤした気持ちがどんどん浮かび上がるんです。知ってますか?彼らは今回の戦いが終わってもまた多くの仲間を失って新たな戦いに挑むんです。本当はやりたくなんかないのに、悲しみすらも置き去りにして・・・」

 

 

「そんなにして頑張って救うであろうこの世界には、滅びが確定してるんですって。あのわけのわからないガイアやアラヤなんてのは、自身の運命に沿ってないからサポートするんだとか。」

 

 

 

「だから忘れ物を探すのかい?そんなの・・・」

 

 

その通り、ただの意地だ。

 

納得いかないから。気にくわないなんて理由で家族に再び会える機会を蹴るのだ。

 

でもそれを承知の上で手助けしたかったのだ。いや、したいのだ。

 

そうでなければ自分にはーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「胸を張れる未来が来ない!!」

 

 

そう言って〇〇は机に置いてあった紙袋を勢いよくひっくり返した。

 

それは作文用紙だ。本当に少ない数のたばであったが、それは部屋中に散らばっていった。

 

彼の忘れ物。

 

用紙の題名にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

「型月世界において簡単にカルデアに力を貸す方法」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇はその一番前の用紙を細かくおってポッケに入れる。そして男の横を通り過ぎ前へ前へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

ーーーー そこはもう部屋ではなかった。ーーーー

 

「僕らは手は出せないよ?」

 

 

「構いません」

 

「それが目的だったのに?」

 

 

「呼んでしまってごめんなさい。でももう大丈夫です。」

 

 

「・・・そんなに自分で助けたいのかい?」

 

言われてみればそうだ。自分の手で助ける方がスッキリする。

 

だってそれこそがーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲッター(奪還者)ロボ 、でしょう?先生」

 

 

先生はにっと笑った。

 

「まったく、作者が題名忘れるなんてどうかしてたよ」

 

 

 

「しょうがないですよ。せんせいもう歳でしょう?」

 

 

「言いやがったなこいつ」

 

 

そして俺も笑った。しばらく笑って、息を大きくすい、おれは前を見据えた。そこには、無限に続くんじゃないかと思われるほどの空間が広がっていた。

 

 

「俺も行くぞ」

 

「先生も?」

 

「ああ。たまには寄り道も悪くない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を皮切りに俺は走り出した。

本当にすっかり遅くなってしまった。もしかしたらリツカくん達がピンチかもしれない。少なくとも心配させてしまったことを謝りたい。

 

 

広い空間を走り続ける。

するとやがて地平線の彼方に人型が見えた。それは近づくに連れ輪郭がはっきりし、大きさがはっきりし、やがてその姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

そして俺はその人型に手を置き、一呼吸置くと見上げて。子供のようにキラキラにした目でその人型の名前を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄り道終わったか?

 

いや、もう少し寄らせてくれ。

 

ああ?まだ構うのかよめんどくせぇ。

 

いいだろう?ファンサービスというやつさ。

 

・・・ったく。すぐまた迎えに行くからな?

 

世話かけるね。

 

 

まったくだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なかなか良い根性したガキだったな。

 

ああ、それはそうと

 

わかってらぁ。そろそろ始まるんだろう?新しい戦いが。

 

 

準備しとけよ。

 

 

誰にものを言ってやがる。

んじゃ、動くとするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲッターロボ!!発進!!!!

 




俺にエンペラーの中身なんてかけるわけないでしょう!!

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