型月世界において簡単にカルデアに力を貸す方法。   作:修司

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エピローグ

「・・・・終わったか」

 

とある場所ーーー因果の彼方にあるその場所で、男は異なる世界を見ていた。

 

「ま、一人乗りの初戦と考えりゃあ上等か。もともと平和ボケしたガキだしな」

 

そういうと男は異なる世界を映し出しているモニターから目線を外し後ろへ振り向く。

その先に広がっていたのは星の海。そしてはるか先まで続く平坦な地平線という不思議な空間であった。男はやがてその空間に立っている一人の男を見つけると話しかける。

 

 

「奴らの様子はどうだ?こっちはなんとか芽が出たぞ」

 

「・・・・今のところはなんの変化も見られんな」

 

「それもそうか。奴らが動いてりゃあもうすでにこの場所も存在してねぇだろうしな。」

 

 

そう言って男は着けていたヘルメットを外し地面に座り込む。こうしてゆっくりとした時間を過ごすのはいつぶりだろうか。思えばここ数年間働きっぱなしであった。

ゆっくりと手のひらを見る。その手は長年なにかを握り込んで来たかのように硬くなった皮膚で覆われており、それを見るたびに男にこれまでの戦いを思い出させた。

だがやがて何かを思い出すように顔を上げた。

「それはそうとありがとうよ。お前のおかげで、俺たちも新しい概念にたどり着きそうだーーーーーーー藤丸」

 

 

 

 

 

 

そう、男の隣に立っていたもの。それは我々の知るあの人物、藤丸立華であった。

 

否ーーーー

 

 

 

「いや、ちげぇか・・・・・。そろそろ元に戻ったらどうだ?」

 

 

「・・・それもそうだな。」

 

 

それを聞いて立華、否、その男はゆっくりと握りこぶしを作り胸の前まで持ち上げる。

 

 

 

 

そして一呼吸置いてから(スイッチ)を起動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男をスパークが覆い尽くす。

 

 

ある時はモザイクに包まれた謎の存在。

 

またある時は人類最後のマスターと同じ姿。

 

はたまたある時は光に包まれた神のごとき存在。

 

 

ーーーーーしかしてその実態は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マジンフラッシュッ!!!!

 

 

 

 

 

 

スパークが止む頃に立っていたのは、藤丸立華とは全く別の人物であった。

「俺たちの世界を物語や漫画であると仮定し、進化を無限に繰り返すことで世界を飲み込み神ーーー否、作者に近い存在へと変わる。俺たちだけでは思いつかなかった概念だ。」

 

「今のお前はその世界、いや、「真マジンガーZERO」という生きた物語と言ったところか。」

 

 

「いや、ここまで至れたのは君たちの助けがあればこそだ。」

 

 

「ゲッターウィルという宇宙そのものを用いた頭脳、そして数多の並行世界のシミュレーションによる強制進化。この実験結果がなければここまでたどり着かなかった。まぁ、その結果俺の方が早く生まれてしまったが・・・」

 

 

「もともと生まれはそっちが先だろう。わざわざ気にすることはねぇ・・・」

 

 

それを最後に場に沈黙が走る。

彼らは一度たりとも目を合わせず目の前に広がる宇宙を見つめ続けている。どれだけ時間が経っただろうか。

 

最初に立華・・・否、◼️ ◼️◼️が口を開く。

 

「我々の世界から、スーパーロボット大戦。次にエヴァンゲリヲンによって繋がった数多の道筋・・そしてここ、型月。やれやれ、随分と深いところまで繋がったものだ。」

 

 

「型月の世界は多くの『神 』が観測している。新たな世界、いや、卵を産みだすならばここに手を伸ばさないわけにゃいかねぇ」

 

「そして我々の予想通り、鑑賞した瞬間新たな物語は始まった・・・」

 

 

 

 

◼️◼️はポケットに入っている携帯を取り出しある場所へと繋ぐ。

 

そこに写っていたのは・・・

 

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作品名 型月世界において簡単にカルデアに力を貸す方法。

 

原作 Fate

 

 

掲載開始

2019年5月21日

 

 

UA51853

 

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「新たに生まれた世界は51853、か。」

 

「お、なかなかいい数じゃねえか。始めとしちゃあ上等だ。」

 

 

 

確認を終えた ◼️◼️は電源を落とすと男に背を向け歩き出す。男はそれを気にする様子もなく見届けてーーーーー

 

 

「もう行くのか?」

 

「あぁ、俺の育てている世界が伸び悩んでいるからな・・・」

 

 

 

 

 

◼️◼️の足元から光が出て、やがて粒子となって消えてゆく。

 

「ーーーーーー先に行くぞ?ゲッターロボ」

 

 

「そっちこそ、追いつかれねえようにするんだな。マジンガー」

 

そして、◼️◼️はこの宇宙から消えた。

 

 

 

 

 

 

いつの日か、全ての世界から1が生まれるだろう。

そして彼らは戦うだろう。命を冒涜するーーーーーと。

 

全ての1が揃うのはいつの日か、それは誰にもわからない。

 

 

だが、戦いの狼煙は既に上がっている。

 

その先陣を切るのは原初のスーパーロボット。

 

 

そしてその次はーーーーーー

 

 

 

 

 

貴方達の秘める世界も、

いつかきっと

 

きっと

 

 

きっと・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エピローグ

彼らに力を課す方法。

 

 

 

 

 

 

「あの・・・・ケンさん」

 

「ん?」

 

コックピットから降りたケンにマシュが話しかける。

戦いが終わった後ゲッターロボから降りたケンは自分がどういった存在なのかを説明した。

 

本来この世界に生まれるはずではなかった存在がいること。

 

それらの中にも英霊になりうる存在が無数に存在すること。

 

そして自身の描いた物語によってその生まれるはずだった人物がこの世界を観測したこと。

 

ただの幽霊の自分を依代としてこの世界に来たこと。

 

「あなたは一体どういった英霊なのですか?」

 

「うーん、そうだね。まぁ言ってしまえばただの漫画家だよ。ただ文字通り次元の規格が違うと言う理由で創造神みたいなものになってるけど、ね」

 

 

でも中身はただの一般人だよ?そう言って頰をかきながらケンは言う。リツカはそれを聞くと同時に自身の腕に宿る令呪に目を向けた。

自身と彼のつながりを感じながら先程言われたことを考える。

すくい上げた、とケンは言った。自分が次元振の事故で死にかけた彼の魂を呼び寄せた、と。

しかし実感がなかった。魔術師として全くのど素人な自分はただ言われるままにサーヴァントを呼び寄せただけだ。それなのにせっかく助かったその命を、自分は戦わせることで再び死の危険に晒そうとしている。

 

「俺は・・・」

 

「リツカくん」

 

 

ふと肩に手を置かれリツカは顔を上げる。

ケンはリツカの目を見て、彼が自分のせいで重荷を感じさせていると考えた。事実リツカは重荷を感じているし、それによって自分を戦わせて良いものなのかと悩んでいた。

だからその重荷を、ケンは降ろさせてやることにした。

 

 

 

「いいか、リツカくん。君が俺を助けたことに対して実感がないということはなんとなく想像がつく。そしてそれを理由に戦わせる事が間違っているのではないかと感じているのもわからないでもないよ。」

 

「ケンさん、俺は・・・」

 

「だからこそ君に俺は言う。それは考えすぎだよ。今回の事はそんなに難しく考えるような事じゃない。君が助けた。それに俺は恩義を感じた。そして一緒に冒険したいと考えた。つまり間が良かった。それで終わりだ」

 

 

「でも、ケンさんはせっかく助かったのに。また命の危険が近くにある戦いに関わろうとしている!怖くないんですか?」

 

 

リツカの言葉を聞いてケンは苦笑する。

たしかに怖い。もともと漫画を描き始めたのも消えるのが怖かったからにすぎない。

 

でも

 

そんな恐怖を抱いていたとしても

 

 

 

 

やっぱり自分はこの世界が大好きなのだ。

 

 

「いいんだよ。死の恐怖はたしかに感じている。でも、俺はやっぱりこの世界が滅びるなんて許せない。」

 

 

そう、物語だったこの世界が自分は好きだ。それに対して多くの人は、二次元としか見ていない、キャラクターとしてしか見ていない。と言うかもしれない。

 

しかし自分は思う。 わらわせるな、と。

 

 

人としてみていない?キャラクターとしてしかみていない?

 

それの何が悪い。

 

キャラクターに対して愛を感じてはいけないのか?

物語に愛おしさを感じる事はおかしいのか?

 

目の前にいる二人。彼らの旅路を我々はある意味一番近くで見てきた。そして運命のあの日。

 

クリスマスのあの日。

 

液晶に映った光景に感じた暖かい気持ち。あの感動は絶対に嘘ではない。

 

 

 

 

 

 

「この世界が好きだ。この世界の人たちが好きだ。そりゃ、たまにネガティブすぎていい加減にしろとか思ったこともあるけどさ。それでも俺が戦えたのはーーー」

 

 

 

 

 

それでも思うのだ。

この気持ちこそに意味があってーーー

だからこそ戦うことができてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっとここまで、自分がたどり着けたのはーーー

 

 

 

 

 

「君達が、俺の手を掴んでくれたから・・・だからそれでいいんだよ。」

 

「ケンさん・・・」

 

 

たとえ世界が変わったとしても、今自分は生きてここにいる。

ならいつか家族にだってまた会える。

 

だから悲しむことなんてない。

 

今自分が叶えたい願いはこの世界にある。

 

 

 

 

 

 

 

 

ならば手を貸すことなんて簡単だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リツカくん。君は世界を救うだろう。でもそれは決して君だけで成し遂げる事はできない。そしてその事を君はしっかりわかっている」

 

 

そう、だからこそ彼は最後まで歩んでこれた。

 

衛宮士郎も、岸波ハクノも、沙条綾香も、ジークも、蒼崎青子も。

 

みんなみんな自分一人で背負おうとして、そしてそのことに気付き周りの人たちと手を繋いで世界を救った。

 

リツカもそうだ。

 

かつて味方だったものも、敵対したものも、裏切ったものも。みんなと手を繋ぎあってどこまでも手を伸ばしていけるようになった。

 

 

「だからさーーーーーー

 

 

一緒に戦おう。明日のために」

 

 

 

 

 

 

ケンの伸ばした手。インクで少し汚れたその手をみて、すぐに彼と彼女は手を繋いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲッターロボが選ばれたのは、ある意味必然だったのかもしれない。

 

 

ゲッターロボは原初の合体ロボである。それと同時に、一緒に誰かと戦うことに意味がある。

 

 

 

 

 

 

そう、三つの心が一つになればーーー。

 

 

 

 

「よろしくな!二人とも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステータス更新

 

 

「サーヴァントフォーリナー。ケンイシカワだ。これからよろしく!君達の旅路、今度は一緒に歩ませてくれよ」

 

真名 ケン・イシカワ

 

クラス フォーリナー

 

性別 男性

 

身長175cm

 

体重70kg

 

属性 混沌、善

 

好きなもの

スーパーロボット、ロボットのおもちゃ、 型月シリーズ、人、麺類、かつ丼

 

嫌いなもの

ヌルヌルして噛みきれないもの。心を踏みにじること。

 

地域 日本「異世界」

 

一人称俺

 

デザイン 〇〇 皆さんの名前をどうぞ。主人公の姿は、あなたたちの心の中に。

 

 

レア度星4

 

 

 

スキル

人外特攻A

人間以外に対して特攻効果を得る。

 

根源の外EX

彼はこの世界の法則にほぼ縛られないと同時に、この世界のメリットを都合よく受け取れる。

 

 

想像の神A A A

◼️◼️◼️は物語を描いた時点でその世界の神となる。

 

 

宝具

 

なし

 

 

彼に宝具はない。あえて言うのなら彼には世界の法則にほとんど縛られない能力を持つ。だからこそゲッターロボに乗っても肉体は原型をとどめていた。ゲッター自体はあくまで貰い物である。

とはいえゲッターロボになれたのはあくまで、本来の作者である◼️◼️ ◼️が許可したからに他ならない。

 

 

 

 






はい、ここまで付いて来ていただきありがとうございます。

このシリーズはこれにて一旦完結となります。今後はほかのサーヴァントとの絡みや小話などをやっていきたいと考えています。
今回この話を始めるに至ったのは、クロスオーバーをするにはどのような理屈によって起こせばよいかと言うのを考えた時に思いつきました。
まだまだ書いてみたい部分とかもあるのでもしよろしければたまに読んでみてください。
最後に応援してくださった方々、読んでくださった皆様に、心からの感謝を。


この作品の主人公は、皆さんです。


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