神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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ボールってどうやってISにすりゃいいんだよ……
あれか鎧武のスイカみたいにすりゃいいのか
いや、ボールをISにする気は無いけどね?

みんな気軽に感想書いていいのよ?ボールとかボールとかボールとか(開き直り)


ホームシックな第10話

一時間目のIS基礎理論授業が終わった。

初めての授業は少し緊張したが、つまづく事なく授業の内容は理解出来た。

 

IS学園に入学する前に届いた、「必読」とデカデカ書かれた参考書をちゃんと読んだ俺に隙は無い。

ちゃんと予習はしてきたし、予習のノートも持ってきてある。

ガンプラの説明書とか、設定資料とかを見るのが好きな自分にISの授業はもはやご褒美だ。

だけど計算式とかはやめて下さい死んでしまいます。

 

いやぁ、予習に付き合って貰って、しかもポイントとかも色々教えてくれた真理亜さんには本当に感謝だな。操縦を教えてくれた江里さんやレイチェルちゃんは元気だろうか。

元気だと思いたい。実は今朝にラビアンローズで会ってるけど。

 

はい、現実逃避終了。

今は休み時間なのだが、教室が色々凄い。

クラスメイトは俺達から距離を取り固まって此方の様子を伺っている。

しかも互いに互いが牽制し合っているため誰も話しかけてこない。

つまり「話しかけて来て下さい」オーラが逆に半端無いのだ。

廊下?他のクラスの生徒で一杯だよ。

 

あー、帰りたい。ラビアンローズに帰りたい。

警備員の岩野おじさんと一緒に笑点見たい。カっちゃんとシスちゃんと一緒にゲームしたい。

クレアと輝さんの三人で馬鹿騒ぎしたい。

 

 

「お互い大変だな」

 

先程まで教科書片手に机で撃沈していた隣の織斑が話しかけて来た。

 

「あぁ。織斑……一角だっけ?」

 

このネタは言わずにはいられない。

 

「一夏だよ。一に夏で一夏(いちか)だ」

 

苦笑しながらも訂正する一夏。

 

「すまん、冗談だ。俺は如月鋼夜。鋼に夜で鋼夜(こうや)だ」

 

「俺のことは一夏でいいよ。俺も鋼夜って呼んでいいか?」

 

「あぁ、いいぜ。少ない男子同士、仲良くやろうぜ一夏」

 

「ああ!よろしくな、鋼夜!」

 

互いの自己紹介を終え、握手を交わす。

爽やかで真面目な好青年。一夏の第一印象はこれだ。

 

「握手!握手したわ!」

「まさしく愛だ!」

「どっちが受けでどっちが攻めかしら」

「目標を確認、次の新刊への作業を開始する」

 

途端に教室の一端が騒がしくなった。握手しただけでこれか。

 

「なあ、鋼夜……」

 

「あぁ、次から気を付けよう」

 

 

「ちょっといいか」

 

「え?」

 

クラスメイトに腐女子が居る現実を一夏と嘆いていると唐突に話しかけられた。

 

お、ようやく来ましたか。

そう思いながら一夏と共に声の主へ振り返る。

 

そこに居たのは俺にとっては半年、一夏にとっては六年ぶりの再会となる人物、篠ノ之箒だった。

 

「箒?」

 

「……あ、ああ。少し話したい事がある」

 

一夏の確認するような呼び掛けに、なんとか反応する箒さん。

そしてチラリとこちらを見る。

 

「少し一夏を借りてもいいか?」

 

「あぁ、いいよ」

 

むしろドンドン貸すから。売っちゃうから。はよ落としてくれ。

箒さんは「すまない」と一言。

そして一夏を伴って教室を出て行った。

それに続いて何割かの生徒が教室を出て行った。

 

「ふむ。計画は成功か」

 

先程の一夏とのやり取りを見て俺は満足気に呟く。

計画とは無論「モッピー脱却計画」の事である。

確かアニメだとあのシーンのやり取りは箒がひたすら無言だったはず。

だが今の箒はなんとか返事を返していた。これは微笑ましい事だ。

 

…………さて。

 

一夏達は教室を出て行った。それに何人かの生徒が着いていった。そう、全員が行った訳ではない。

つまり、一夏と分散していた視線が全部俺に突き刺さる訳でして。

 

辛い。メゲたい。逃げ出したい。

 

 

「ねぇねぇ~」

 

脳内で某高校生麻雀のカタカタ先輩を想像しているといきなり話しかけられた……のか?

クラスがざわついたから多分誰かが俺に声をかけてくれたんだろうか。

俺は振り返った。

 

そこに居たのは茶髪のツーサイドアップの髪型で手の部分が隠れている変わった制服を着た、ほんわか垂れ目の子が居た。

 

「俺?」

 

「そうだよ~」

 

のほほんとした雰囲気の子だな。

……確かアニメに居たな。変な着ぐるみ着てた子か。

 

「何か用か?」

 

「織斑先生が休み時間に自己紹介しなさいって言ってたから~」

 

あぁ、なるほど。確かに言ってたな。

教室のあちこちから「その手があったか!」と声が上がった。うん、俺も忘れてた。

 

「そういえばそうだったね。俺は如月鋼夜、よろしく」

 

「私は布仏 本音(のほとけ ほんね)だよ~。ねぇねぇ、こうやんって呼んでいい?」

 

「よろしく、布仏さん。で、なにそれあだ名?」

 

「うん。鋼夜だからこうやんだよ」

 

あだ名かぁ……あんまりいい思い出が無いなぁ。あだ名ってからかいを込めて付けられる物だと思うの。前世の経験的に。

 

この子は純粋に、からかいとかそんなの無しで付けてくれてるんだよね?信じよう。

 

「なんだそりゃ。じゃあ俺も布仏さんにあだ名つけていい?」

 

「ばっちこーい」

 

笑顔で胸を叩く布仏さん。

山田先生ほどでは無いがなかなか立派な胸部装甲をお持ちの様で……お餅。

 

んー、どうしよっかな。

のほとけほんね。のほとけほんね。うーむ…………。

数秒考える。そしてこの時俺にプレッシャー、ではなく電流走る。ニュータイプ特有のてぃきぃーん!のSEが欲しい。

 

「のほほん、なんてどうかな?のほとけほんねを縮めてのほほんさん」

 

それに布仏さん自身もなんかのほほんってしてるし、と付け加える。

馬鹿にしてる訳ではない。

 

「お~、いいねぇいいねぇ~。全然おっけー」

 

良かった。これで「却下」なんて言われてたら軽く凹んでた。

 

 

「すまねぇな、鋼夜」

 

すると教室の扉が開いて一夏が入って来た。あれ?早くね?

後ろには箒さんも居る。

 

「いや、全然構わん」

 

「おう、そうか」

 

「ねえねえ~」

 

とりあえず一夏に返事を返すと、のほほんさんは一夏と話し始めた。

 

 

「久しぶりだね、箒さん」

 

「あぁ……久しぶりだな、如月」

 

そして俺は一夏の後ろに居た箒さんに声を掛けた。

が、その表情は少し複雑だ。

 

キーンコーンカーンコーン。

その時にちょうど二時間目の開始を告げるチャイムが鳴った。

 

「まぁ、話はまた後で」

 

「あぁ」

 

短い会話を交わし、箒さんは自分の席へ戻った。

チャイムが鳴ると廊下に居たギャラリーは散って行き、教室の隅で固まっていたクラスメイトも各々の席に戻っていった。

 

「ばいばいおりむー」

 

「またな、のほほんさん」

 

のほほんさんも帰っていった。

おりむーって……織斑だからおりむーなのか。

 

「なあ鋼夜。お前、箒と知り合いなのか?」

 

先程のやり取りを見ていたのか、一夏が聞いて来た。

 

一夏の問いには「まぁね」とだけ答える。

 

そして教室に山田先生が入って来た事により二時間目の授業が始まった。

 

 




セシリアかと思ったか!?
残念!のほほんだよ!

久しぶりにアニメ一期見直した
最初の箒が無言過ぎワロタw
ここの箒は少し喋るよ!

回想で色んな人の名前が出ましたね
まぁ、本編に出るかどうかは分からないけど
勘のいい人は元ネタに気付くかな?

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