神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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進まない……
まぁ、序盤は仕込みをちゃんとしないといけないからね

どうでもいいけど箒と艦これの矢矧って似てるよね


仕込み始めの第15話

朝一番にオルコットさんが宣戦布告してきたが、午前の授業も終わり昼休みになった。

 

「千冬姉のためにも負けられない」と、授業を真面目に受けると意気込んでいた一夏は早くもダウンしている。

そんな一夏から学食へと誘われたが教室から出る際に織斑先生に呼び止められた。

 

 

「織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる」

 

「へ?」

 

「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ」

 

 

事の重要さをまったく分かっていないのか、一夏はずっと頭に疑問符を浮かべている。

 

「せ、専用機!?一年の、しかもこの時期に!?」

「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」

「あー、いいなぁ。私も専用機欲しいなぁ」

 

会話を聞いていたらしいクラスメイト達がさわぎだす。

 

 

「……助けてくれ鋼夜」

 

「いや、何故俺に振る」

 

「馬鹿者。教科書六ページを音読しろ」

 

ため息混じりに織斑先生が命令すると一夏は慌て教科書を開き、音読を始めた。

 

……教科書の内容は長いので要約すると、ISのコアは467個しか無い。コアが作れるのは束さんだけ。専用機を与えられる人は特別。

 

こんな感じだ。

一夏は貴重な男性操縦者だ。データ収集のために専用機が配備されても不思議ではない。

 

「ちふ……織斑先生。専用機って俺だけなんですか?鋼夜は?」

 

ようやく内容を理解した一夏が織斑先生に質問をする。

 

「如月はお前と違って企業所属だからな、詳しい事は分からん。如月、お前の方はどうなんだ?」

 

「模擬戦までには間に合いますよ」

 

織斑先生の問いに俺は答える。

俺の専用機は誠意製作中らしいが既に完成しているらしく、今は細かい調整をしているのだとか。

まあ、夜に輝さんに電話してみよう。

 

織斑先生は俺の答えに「そうか」と頷くと、何かを思い出したのかもう一度俺に視線を向けた。

 

「ああ、それと如月」

 

「はい?」

 

「お前には少し手伝いをしてもらう。居眠りの罰だ」

 

「……はい」

 

俺はしぶしぶ従った。

一夏から哀れみの視線が送られて来る。すまんな、昼は箒と二人で食べるといい。

 

「あの、織斑先生。篠ノ之さんってまさか篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」

 

織斑先生が教室から出る前にクラスメイトの一人が質問した。

まぁ、珍しい名字だしバレるよね。

 

「ああ。篠ノ之はあいつの妹だ」

 

そして織斑先生はあっさりとバラした。それ結構大事な個人情報なんですけど。

 

クラスの皆は騒然とし、一斉に箒に向かって詰め寄っていった。

織斑先生はその様子を一瞥するとため息をついて教室を出たので俺も慌てて後へ続いた。

 

 

 

 

織斑先生に連れられて職員室へ向かっている訳ですが、周りからの視線が半端ないです。

ブリュンヒルデ+話題の男性操縦者という組み合わせだからだろう。

 

 

「織斑先生」

 

「なんだ如月」

 

その道中、前を歩く織斑先生に話し掛けてみる。

 

「さっきのクラス代表の件ですけど」

 

話の内容は朝のやり取り。

オルコットさんの発言は相当に過激なものだったのに、なぜ織斑先生は止めてくれなかったのか。

俺、気になります。

 

「どうしてオルコットさんを止めなかったんです?」

 

「まぁ、大人の事情だ」

 

俺の問いに織斑先生は歩みを止める事なく答える。

大方、イギリス関連だろうな。下手に言うとイギリスにいちゃもん付けられるからだろう。オルコットさんはこの時点では見るからに「女尊男卑デース、エリートの私偉いデース」な人だし。

IS学園は独立した場所ではあるが所属は一応日本だし日本の権力とかお察しレベルだし。

学校始めのこの時期だ、向こうも神経張っているのだろう。

 

「しかしまぁ、お前達のおかげでいい感じにおさまりそうだ」

 

おさまるのか?アレ。

まぁ、国が直接関わるよりは全然マシか?

 

そう言うと織斑先生は歩みを止めて微かに笑みを浮かべ、顔だけこちらへ振り向いた。

 

「あれだけの事を言ってのけたんだ、お前達は絶対にオルコットに勝て。私達、教員にいらない仕事を増やさないためにもな」

 

そして顔を前に戻した。

かなりレアですよね今の表情。

 

「元より負ける気はありません」

 

俺は織斑先生にそう答えた。

俺にも負けられない理由がある。

 

そう、全ては俺の平穏のために。

え?今回の事に巻き込まれている時点で平穏じゃない?……言うな。

 

 

 

 

余談だが「先生も一夏を貶されて怒ってるんですね」と織斑先生に聞いたら完全不意打ちの振り向きざま出席簿横一閃をお見舞いされた。

やっぱり出席簿は対艦刀へ進化した。

 

バックステップしてなかったら死んでた。

織斑先生に質問した瞬間に唐突に脳内でハイネの最期のシーンが浮かんだのだ。

ありがとうハイネ。

 

そして織斑先生をからかうのは辞めようと心に誓った。

 

織斑先生。

暴力、いくない。ガンジー、偉大。

 

 

 

「山田君、手伝いを連れて来たぞ」

 

「あ、織斑先生。ありがとうございま……えっ、如月くん!?」

 

「あ、はい。如月ですけど」

 

連れて来られたのは職員室の隣にあった資料室らしき場所。何の部屋なのか分からないが、中には作業中と見られる山田先生が居た。

しかしなぜ驚かれたのだろうか。

 

「居眠りの罰だ。山田君、好きにこき使ってやれ」

 

「えっ、あっ、はい。い、居眠りの罰なら仕方ないですよね。じゃあ如月くん、ちょっと先生を手伝ってくれますか?」

 

「はい、了解です」

 

どうやら俺への罰は山田先生のお手伝いらしい。

 

「それでは頼みました」

 

そう言って織斑先生は出ていった。

 

「手伝いってどうすればいいですか?」

 

「えっと、そうですね……此方の資料を仕分けてくれませんか?」

 

「了解です」

 

俺は山田先生と一緒に作業に取り掛かった。

 

作業の途中で「暗い部屋……教え子と二人きり……あぁ、だめですよぅ」とかいう声が聞こえたかもしれないけど気のせいだと思いたい。

気のせいだと、思う事にする。

 

 

 

手伝い自体は早く終わり、俺は昼食に間に合う事が出来た。

まぁ、ぼっちになりましたけどね。

またカウンター席だったけどね。壁際だったけどね。

 

今日はオムライスを頼みました。オムライス美味い。

 

さすがに隣の子が昨日と同じ眼鏡の子だとは思わなかったけど。あの席はあの子の特等席なのだろうか。

 

 

 

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」

 

午後の授業の休み時間にまたオルコットさんがやってきた。

授業終わりでげんなりとしていた一夏の顔がさらに暗くなった。

 

その腰に手を当てたポーズ好きだね。何気に決まってるね。

 

 

「まあ?一応勝負は見えていますけど?さすがにフェアではありませんものね」

 

「まさかそっちからフェアなんて言葉が出るとはね。どうやら格下叩きが趣味のエリートさんという評価は改めてあげようか」

 

「よく口が回るお方ですわね。でも、自分の身の程を弁えた方がよろしくってよ?」

 

「へー。なあ一夏、ブーメランって知ってる?」

 

「知ってる知ってる。千冬姉の出席簿だろ」

 

 

一夏が微妙にズレた回答をする。

ちなみに今の織斑先生の出席簿はブーメランから対艦刀に進化したぞ一夏。

 

売り言葉に買い言葉。

俺の言葉の意味を理解したオルコットさんは苦々しい顔をするが、すぐにいつものドヤ顔に戻る。

 

「私はイギリスの代表候補生。現時点で専用機を持っていますの。貴方達みたいに、ただ珍しいからという理由で専用機を持っている訳ではありませんわ」

 

「どういうことだ?」

 

「ISのコアは全部で467機。六十億を越える人類の中で専用機を与えられる人数は限られていますの。専用機持ちとは六十億の人間の中から選ばれたエリート中のエリートだということですわ!」

 

 

「そーなのかー」

 

「へー」

 

俺と一夏のやる気の無い返事。

 

「そうですわ」

 

それに気付かず腕組みをしてふんぞり返るオルコットさん。

 

「人類って六十億超えてたのか……」

 

「そこは重要ではないでしょう!?」

 

一夏の机をバァン!と叩くオルコットさん。

なに?机バァン!しなきゃ気が済まないのこの人。

 

「良かったね、専用機持ちとの二対一なら負けても取り付く瀬があるね」

 

「……あなたは本気で仰ってますの?」

 

「マジだ」

 

しばし、俺とオルコットさんの間で火花が散る。

 

視線を外したのはオルコットさん。

オルコットさんは呆れたのか、肩を竦めると自分の席へ帰って行った。

 

 

「一夏」

 

「ああ、絶対勝とうぜ!」

 

俺と一夏は打倒セシリアへの思いを一層強くするのだった。

 

 

 

 

 

放課後。

 

「俺、箒に教えて貰う事にするよ」

 

「お、そうなのか?」

 

やったな箒。これでヒロインへ一歩近づいたな。

 

「ああ。鋼夜は先輩に教えて貰うんだろ?」

 

「……へ?」

 

なにそれ初耳。

 

「あれ?食堂で三年の先輩が俺に「ISの事教えてあげる」って言ってくれたんだ。箒が居るから断ったんだけど、てっきり鋼夜のとこに行ったと思ったんだけど?」

 

前世の記憶を思い返し「あったなそんなイベント」と思い出す。

が、今日の記憶を振り返ってもそんなイベントが俺に起こった記憶は無い。

食堂で一人だったけど誰かが話し掛けて来た事は無い。

 

 

ワハハ。

ふふっ。ふふふふふふっ。

 

「だ、大丈夫か鋼夜?」

 

「ああ大丈夫だ、大丈夫だとも。至って正常さ」

 

「お、おう。今日の夜にお前の部屋で作戦会議だよな?箒と一緒に行くから」

 

「ああ。じゃあ、俺はオルコットさんの情報でも集めて来るよ」

 

そう言って俺は教室から出る。

一夏は何かを察したのか、何も言って来なかった。

それでいい。今は一人になりたい。

 

あれ?なんでだろう?目からGN粒子がこぼれてるよ。ふふふっ。

 

「はぁはぁ、私ってば教室に忘れ物しちゃうなんて……って如月くん!?どうしたんですか!?」

 

「ふふふっ」

 

 

後から聞いた話だと俺は涙を流しながらうわ言のように「やっぱり世の中顔かよ畜生が」と、ずっと呟いていたらしい。

部屋まで送ってくれた山田先生には凄く感謝している。

 

翌日、朝一番にお礼を言うと

 

「頼ってもらっていいんですよ?私は先生ですから。辛い時は言って下さい。相談に乗ります」

 

と、言って下さった。

山田先生マジ天使。

 




主人公がセシリア相手に強く出てるのは致命的な弱点を知ってるから
これが別の人だとこんなに強くは出ない

先輩イベントについては実際に二人目が居たとしたらこんなになると思ってます
一夏はイケメンでさらに身内が千冬ですから
あの先輩が純粋な好意で近づいたならまだしも、見る限り完全に興味や好奇心や下心ありありで近づいているようにしか見えないんですよね
鋼夜は不細工という訳では無いですが一夏という強力な比較対象が居ます
なので、まぁ……お察しください
それにもし先輩が鋼夜に話し掛けても鋼夜はそれをハニトラとしか受け取らないでしょう、状況によりますが必ず断ります
そりゃあもう心でGN粒子をこぼしながら
タイトルは伊達じゃないんですよ

どうでもいいけど木曾改二とクロスボーンガンダムって似てるよね


GN粒子
ガンダムOOに登場
ソレスタルビーイングのガンダムが背中から出してる緑色のアレ

ハイネ・ヴェステンフルス
ガンダムSEED DESTINYに登場するザフトのパイロット
機体の胴体部分をガイアに切り裂かれ戦死した
「邪魔だぁぁぁぁぁぁ!」「ハイネェェェェェェ!」

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