久しぶりに書くとネタに走りたくなるね
それではどうぞ
「では、一年一組の代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」
模擬戦の翌日、朝のSHR。
教卓の前で山田先生が嬉々として喋っている。
その言葉にクラスの女子は大いに盛り上がり、反対に一夏は「なんで?」と言いたげな顔をしている。
「山田先生、質問です」
「はい、織斑くん」
一夏が挙手をし、それに山田先生が応える。
「なんでいつの間にか俺がクラス代表になってるんでしょうか?」
「それはーー」
「それはわたくしが一夏さんを推薦したからですわ」
山田先生の言葉を遮り、立ち上がったのはセシリアだった。
「まずはじめに、この場を借りて皆さんに先日のご無礼を謝罪しますわ。そしてこれは昨日、鋼夜さんと話した結果ですの」
そしてクラス中の視線が俺に集まった。一夏の恨めしそうな視線も感じる。
やれやれ、俺に回ってきたか。
「模擬戦が終わった後に話す機会があったからセシリアに聞いてみたんだよ。推薦するなら俺と一夏のどっちかを。そしたらセシリアは一夏と答えたから俺が辞退したんだ。俺も元々一夏を推薦する予定だったしな」
昨日の菓子パの時に聞いて見たのだ。
それに俺は元からクラス代表になるつもりは無かったしちょうど良かった。
「え、でも俺より鋼夜の方が」
「一夏、俺の事を思ってくれているんならクラス代表になってくれ。お前は俺の立場を知っているだろ」
まだ納得していない様子の一夏に真顔で迫る。
仮に俺がクラス代表になるとしよう。
答えは火を見るより明らか。
「なんで千冬様の弟じゃないの!?」といった感じの非難が集中してくるだけだ。
ハハハ、四天と一緒に俺もラビアンローズに帰りたかった。
俺の様子を見て全てを理解した一夏が申し訳なさそうな顔をする。
ハハハ、だいたいお前のせいだよ。
お前なんかタンスに足の小指をぶつけて死んでしまえ。
「わ、私は如月くんでもいいかなー、なんて」
いつもフォローありがとう隣の相川さん。黒くなってた俺の心が浄化された。結婚しよ。
「……分かりました、俺が代表やります!」
一夏がクラス代表になることを承諾した瞬間、クラスの女子の喧騒が最高潮になった。
「いやぁ、如月くんとセシリアはわかってるね!」
「織斑くんを推薦したから許して欲しいですってかぁ?許してやるよぉ!」
「そうだよねー。せっかく男子が一緒のクラスなんだから持ち上げないと損だよねー」
「私たちは貴重な経験を積める。他のクラスの子に情報が売れる。一粒で二度美味しいね」
しかしクラスメイトを売るのはどうなんだろうか。
それに俺の情報なんて買うやつ居ないだろ。居たら居たで怪しい。絶対ハニトラとかそのあたりだろ。
「そこで一夏さん、よろしければわたくしがISの操縦を教えてーー」
「あいにくだが、一夏は私が教えている。私が、直接頼まれたからな」
セシリアが全部言う前に箒が割り込んだ。
うん、頼んでたね。俺のサポートも入ってたけどね。
「あら、あなたはISランクCの篠ノ之さん。Aのわたくしに何かご用かしら?」
「ら、ランクは関係ない!」
セシリアが言っているランクとはISの適性のランクである。
高いほどISとシンクロ……という表現が正しいのかは分からないが、とにかくランクが高い=ISの操縦が上手いらしい。
ちなみにCは普通にISを起動できるくらいのレベル。
だからセシリアのAは結構凄い。
「ランクかぁ。鋼夜はなんだった?俺たしかBだった」
隣の一夏が聞いてきた。
呑気だなお前。あっちは戦争一歩手前なのに。
しかも箒への当てつけに聞こえるぞ、それ。
「お前と同じBだ」
それだけ言って俺は嫌な予感を察知し速やかに着席した。
「さっさと座れ馬鹿共」
そして教室の扉が現れた我らの担任の織斑先生。
織斑先生は教室へ入ってきた先生に気付かず言い合いを続けていた箒とセシリアと、ついでに一夏の頭に出席簿を振り下ろしていった。
セシリアと箒と一夏の脳細胞は犠牲となったのだ。
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「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、如月。試しに飛んでみせろ」
ついに授業でISの操縦を行える日がやってきた。
なんで四天が未だにラビアンローズから帰って来て無いのに俺の名前が呼ばれたか?
授業が始まる前に打鉄をスタンバイさせていた織斑先生のせいさ。
そして、セシリアがISを即座に展開する。
一夏はまだのようだ。ガントレットを掴んで唸っている。
俺は訓練機を使用しているので既に展開済みだ。細かい設定で時間食ってたけど。
打鉄は日本の倉持技研が開発した第二世代型ISで、防御に重点をおいたISだ。黒い、鎧武者の様な外見をしており、両肩部に浮いている非固定武装のシールドは再生が早いとかで使いやすい。
安定した性能と換装、OSの切り替えが容易であることから日本の主力ISとなっている。
セシリアは左耳のイヤーカフス。一夏は右腕のガントレット。俺の四天は眼鏡だった。
……お、ようやく一夏がISを展開したようだ。
「よし、飛べ」
それを確認した織斑先生が指示を飛ばす。
まずセシリアが急上昇。それに続く形で俺も発進。遅れて一夏が動き出す。
「何をやっている。スペック上の出力では白式の方が二人より上だぞ」
通信回線から織斑先生のお叱りの言葉が聞こえた。
一夏よ、量産型に負けるのはさすがにヤバいと思うぞ。
「自分の前方に角錐を展開させるイメージってどんなイメージなんだよ……」
俺は角錐の代わりにZガンダムでイメージしたぞ。
ジ・Oを目指すイメージも追加すれば更にプラスだ。
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」
「そう言われてもなぁ……鋼夜はどうなんだ?」
「俺?」
と、ここで唐突に話題を振られた。
いや、スイカバーですけど。
ていうか空飛ぶイメージとか精神が14歳で止まってる俺にとっては朝飯前ですけど。中二病なめんな。
スイカバー理論は通じないだろうしなぁ……。
「ロボットとかの姿を自分に重ねてみたらどうだ?ジェット戦闘機とかでもいいけど」
俺は無難と思われる答えを出す。
それを聞いた一夏は「なるほどなぁ」と、一応は納得してくれた。
「空を飛ぶ理論は説明しても構いませんが、長いですわよ?半重力力翼と流動波干渉の話になりますもの」
「わかった、説明はしてくれなくていい」
「そう、残念ですわ。ふふっ」
セシリアは楽しそうに微笑んだ。
見て分かる通りセシリアは一夏に惚れた。
あの試合以降、何かと理由を付けては一夏のコーチを買って出ている。
当然、それが気に入らない箒とはたびたび衝突している。
俺は四天をラビアンローズに預けているので練習には参加していない。
いやあ、ISを預けてて助かった。
さすがに修羅場に放り込まれるのは御免だ。
「…………」
隣のセシリアと一夏のやり取りを無視し、俺はずっと下を見ていた。
ここは地上二百メートル。
ISのハイパーセンサーは凄い。この距離からでも山田先生の夢がいっぱい詰まった胸部装甲が見える。
ちなみにISのハイパーセンサーはこれでも制限がかかっている方だ。本来は宇宙空間で何万と離れた星の光で自分の位置を把握するためのものだからだそうだ。
いま隣でセシリアが言ってた。
……ええ、覗きですけど何か?
クラスメイトはみんなIS専用のスーツを着ている。
はい、このIS専用のスーツ。女子のタイプの形状がまんまスク水なのである。つまり目の保養なのである。
どうせお前らハニトラだろ?そういうことしてくるんだろ?なら見てもいいよね減るもんじゃ無いし遅かれ早かれ見せてくるんだから(暴論)
……俺、いつからこんなゲスになったんだろう。
『指定のポイントに着いたみたいですね。では急降下と完全停止をして下さい、目標は地表から十センチです』
ゲスと化した自分に軽く絶望していたら通信回線から山田先生の声が響く。
「了解です。では一夏さん、鋼夜さん、お先に」
そう言ってセシリアは先に降下。
おー、さすが代表候補生。急降下も完全停止も難なくクリアしてる。
「じゃ、お先に」
そして次は俺。
打鉄はあまり乗った事は無いが……なるようにならあね!
スラスターを吹かせて降下する。
ぐんぐんと近づいてくる地表。
集中しろ、そしてイメージするのは阿修羅すら凌駕するあの人!
スラスターを切り、後は重力に任せて…………ここだっ!
「これぞ人呼んでグラハム・スペシャル!」
地表から数十メートルのところでくるりと前転。それと同時に脚部のスラスターを全力全開!
凄い圧力やら重力やらGが身体にかかるが根性で耐え切り、姿勢を安定させる。
そして俺のISは地表の少し上で完全に停止。
ふぅ、PICと絶対防御が無かったら死んでた。
「わざわざ回る必要は無いぞ馬鹿者。クラスメイトの手本としての自覚があるのか。まぁ、完全停止と目標十センチを達成したから今回は見逃してやろう」
「はい、すみませんでした」
何気に十センチ達成だったのか。
完全にマグレなんだがおかげで命拾いした。
そしてーー
《警告!ISが高速接近中》
打鉄のハイパーセンサーから警告アラートが鳴る。
あー、そういえば……。
ギュンッーーーーズガァンッ!
「……馬鹿者。誰が地面に突き刺され、と言った」
「わ、わりぃ千冬ね」
スパァン!
「織斑先生だ」
「ハイ」
一夏が墜落してきた。今の一夏の状態は、白式の両脚が地面に突き刺さっている状態である。
しかし、ただ墜落したアニメと違ってちゃんと完全停止をしようとした節がある。
一夏も成長しているのか。
まぁ、まったく成長してないとこもあるが。叩かれるの何回目だよまったく。
「それと、すまないな如月」
「いえ、当然の事です」
一夏が墜落してくるのを思い出した俺は素早くクラスメイトの前に立ち、両肩部に浮いているシールドを展開してクラスメイトや先生たちを土や石から防いだのだ。
「こうやんありがと~」
「あ、ありがとう如月くん!」
「ありがとぴょーん!」
「礼は言わぬ…」
……別にお礼を言われたかったからやった訳じゃないんだけど。……でも嬉しい。
ふと一夏の方を見れば、セシリアと箒に助け出されていた。
が、二人の間に火花が散り、居心地悪そうにしている。
「こっちに来い馬鹿者共」
が、我らが織斑先生の手によりそれは終わりを迎えた。
出席簿ってすげぇ。改めてそう思った。
その後は武器の展開の授業になった。
といっても俺の乗ってる打鉄の初期装備は近接ブレード「葵」とアサルトライフルの「焔備」の二つだけだ。楽勝過ぎる。
とりあえずセシリアが展開した「スターライトmkⅢ」が俺の頭に直撃してしばらく悶えた事だけは言っておく。
クラスメイトの皆、くれぐれも武装を横に向けて展開しないように。
あ、のほほんさん。頭さすってくれるの?ありがとう。
しかしセシリアのブルー・ティアーズって近接武装あったのか……知らなかった。
「時間だな。今日の授業はここまでだ。織斑はグラウンドを片付けておけよ」
そして授業が終わった。
一夏が手伝って欲しそうな顔をしていたが無視した。
インガオホー、ショッギョムッジョ。
……ちょっと違うか。
ああ!ネタに!ネタに!
走った結果がこれだよ
主人公のやさぐれ具合が半端ない
まぁ彼も男だし、多少はね?
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