神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

22 / 70
この辺りは会話ばっかりなのでつまらないよ(言い訳)


パーティーとセカンド幼馴染襲来の第21話

「というわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!」

 

「おめでとー!」

 

パンパンパーンとクラッカーが乱射され、紙テープが空中を舞う。

 

夕食後の自由時間の寮の食堂では一組メンバーによる「織斑一夏クラス代表就任パーティー」が開催されていた。

各自飲み物やお菓子を手にワイワイ盛り上がっている。

 

「いやー、これでクラス対抗戦も盛り上がるね」

 

「ほんとほんと」

 

「紅茶が飲みたいネー」

 

「ラッキーだったよねー。同じクラスになれて」

 

「なのです」

 

人気者だねー、一夏。ていうかよく見たら別のクラスの人が混じってるな。

 

俺?何故か一夏の右隣に座ってる。

「男同士だし隣に座ろうぜ」と、こいつはよかれと思って言ってくれたんだろうがいい迷惑である。

右隣のセシリアの視線が痛い。

俺だってこんなところに居たくねーよ。

 

一夏の左隣を確保出来た箒は上機嫌でお茶を飲んでいる。

幸せそうでなによりです。

 

 

「はいはーい新聞部でーす。話題の新入生に特別インタビューをしに来ました~!」

 

すると新聞部を名乗る、リボンの色が違う女子が食堂へ入ってきた。

その女子、恐らく先輩は俺たちの姿を確認すると笑顔でこちらに向かってきた。

 

「二年の黛薫子です。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。はい名刺」

 

黛先輩から名刺を受け取り、名前を確認する。

すごい複雑な名前だ。時々、黛と薫を逆に書いてしまうに違いない。

 

 

「ではまずは織斑くんから!クラス代表になった感想をどうぞ!」

 

黛先輩がボイスレコーダーを一夏に向ける。

 

「えーと、まぁ、頑張ります」

 

「えー、もっといいコメントちょうだいよー」

 

「自分、不器用ですから」

 

「うわ、前時代的!」

 

コッペパン食べたくなってきた。

特につぶあんマーガリン。

 

「じゃあ適当に捏造するとして、二人目の男性操縦者の如月鋼夜くん!何か一言お願いします!」

 

と、今度は俺の方へ。

 

「皆さん、何かをお買い求めの際は是非ラビアンローズへ」

 

「宣伝かよ!」

 

黛先輩のツッコミが炸裂した。

 

「えー、ダメですか?」

 

「別にダメじゃないけどさぁ。確かキミ企業所属だっけ?よし気に入った、新聞の最後に載せてやる」

 

「ありがとうございます」

 

何かをメモ帳に書き込むと黛先輩はセシリアに向かってインタビューしていたがすぐに切り上げた。切り上げるならなぜセシリアにインタビューしたし。

 

「写真欲しいからさー、専用機持ちの三人で並んでくれない?」

 

「わかりましたわ!」

 

カメラを構えた先輩がそう言うやいなや、セシリアは素早い動作で一夏の隣を確保した。

俺はセシリアの邪魔にならないよう、一夏が中心となるように移動した。

 

「あの、撮った写真は当然いただけますわよね?」

 

「そりゃもちろん」

 

「でしたら今すぐ着替えを」

 

「時間かかるからダメー」

 

そして先輩に急かされて並ぶ。

一夏の右がセシリア。左が俺。一夏が中心。

 

「それじゃあ撮るよー。35×51÷24は~?」

 

「74.375」

 

「お、正解」

 

感心する声と共にパシャリ。とデジカメのシャッターが切られた。

とっさに答えたが、なんでこんな捻くれた問題を出したのか。

 

いや……それよりも。

 

「なんで全員入っているんだ?」

 

「あ、あなたたちねえっ!」

 

一夏の疑問とセシリアの怒ったような声が聞こえた。

そして案の定、俺たちの周りには一組の全員が撮影の瞬間に集結していた。

 

「セシリアだけずるいよ」

 

「クラスの思い出になっていいじゃん」

 

「ねー」

 

みんなセシリアを丸め込もうとしており、セシリアはそれに対して何も言い返せず黙る。

一夏は頭にずっと疑問符を浮かべていた。

 

 

 

 

写真撮影が終わり、黛先輩は帰っていった。

そして解散……て事にはならず、まだまだ騒ぎ足りない女子達に俺も一夏も絡まれる事となる。

 

 

 

「鋼夜くんって、ラビアンローズに勤めてるの?」

 

一夏達のテーブルを離れ、何故か付いてきたトリオ(夜竹、谷本、のほほん)とお菓子を食べていたら他の子から話しかけられた。

 

「鏡さん、だっけ。確かに俺は一応ラビアンローズの社員だけど、どうかした?」

 

話しかけてきたのは鏡ナギさん。

一夏の後ろの席の子だった。

 

「あ、かがみんだ~」

 

「のほほんさん、そのあだ名は色々ヤバいよ」

 

のほほんさんに軽くツッコミを入れた所で鏡さんがテーブルに入ってきた。

 

「大した事じゃないんだけどね、私のお姉ちゃんもラビアンローズに勤めてるから知り合いかなぁ、って」

 

ふむ、ラビアンローズに鏡なんて人居ただろうか。

……あ、確か居たな。

 

「ひょっとしてルナさんの事?受付の鏡ルナさん」

 

「あ、うん、そうそう。合ってるよ」

 

俺の答えに頷く鏡さん。

 

「へぇ、あの人に姉妹居たのか」

 

鏡ルナさん。ラビアンローズの受付嬢。

事務仕事を天職と呼んでいる人で、社内ではちょっとした有名人だ。

事務仕事を天職と呼ぶなんていったい何があったんだろうなー(棒)

 

 

そこから話は兄弟、姉妹の事になり、その話題でみんな盛り上がった。

 

 

「兄弟かぁ、俺一人っ子なんだよなぁ」

 

「私にはお姉ちゃんが居るよ~」

 

お菓子を片手に嬉しそうに喋るのほほんさん。食べるか喋るかのどっちかにしなさい。

 

「のほほんさんのお姉さんか……」

 

この癒しを上回る癒しの持ち主なのだろうか。会ってみたいな。

 

「三年生で~生徒会の会計なんだよ~」

 

意外!それは同じ学校の生徒!すぐに会えるよ、やったね。

 

しかし生徒会か……この学校にもあったんだな、生徒会。

 

「私も~生徒会の役員なのだ~」

 

「なにそれ初耳」

 

谷本さん達も初耳らしく、驚いている。

 

「本音が生徒会って……」

 

「生徒会といえば、会長に直接スカウトされないと入れない謎の秘密組織……」

 

「なにそれ怖い」

 

生徒会なのか悪の組織なのかどっちなんだろう。

 

「でも~私が行くと、むしろ仕事が増えるから、ってお姉ちゃんに言われてから行って無いけどね~」

 

のほほんさんって実は凄いんじゃね?という空気が四人の中で流れたが、やはりのほほんさんはのほほんさんだった。

 

 

「よし、せっかくだしトランプでもしようか!」

 

「そうだね、やろやろ」

 

トランプを手にした谷本がそう提案。

俺たちは快く承諾した。

 

「勝った人は如月くんとポッキーゲーム!」

 

「罰ゲームの間違いだろ、それ」

 

「わ、私も参加していいかな!?」

 

「かわむーも参加?よーし、負けないよ~」

 

と、相川さんがいきなり飛び入りで参加して来た。なんでさ。

 

 

「さあ、はじめようか……闇のゲームを!」

 

「ただの大富豪だろ」

 

テンションが最高潮に達しているらしい谷本にツッコミを入れつつ、俺のファーストキスを賭けたトランプが始まった。

 

 

 

このあと滅茶苦茶トランプした。

 

 

結果は全部俺の一着。

いや、正直ポッキーゲームとかヤバいだろ、ブログとか炎上するわ。

そういうのやってないけど。

 

織斑一夏クラス代表就任パーティは夜中の10時まで続いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはよう如月くん。ねえねえ、転校生の噂聞いた?」

 

翌朝、何時ものトレーニングをこなし食堂で朝食を摂り途中でのほほんさんを拾って教室に入ると夜竹さんから話しかけられた。

今はどこもかしこもその噂で持ちきりらしい。

 

「いや……知らん」

 

「今日隣の二組に転校生が来るらしいんだけど、噂によるとその人が中国の代表候補生らしいの」

 

「へぇー、そりゃ珍しい」

 

ごめんなさい、知ってます。

もう、色々と。

 

適当に相槌を打っていると一夏が教室へやって来た。

一夏が席へ着くとクラスメイト達が一夏の席へ集まり出した。

やっぱり転校生の話をするらしい。

 

「こうやん興味無さげだね~」

 

荷物を自分の席へ置いてきたのほほんさんがやって来た。

 

「まあな。このクラスならまだしも隣のクラスだし、関係ありそうなのはクラス代表の一夏くらいだろ」

 

そう答え、俺はISの教科書を開く。

 

「如月くん勉強?真面目だねー。そういえばいつも朝に走ってるよね」

 

そんな俺の様子を見た夜竹さんが思い出したように聞いてきた。

 

「ああ、俺はまだまだ弱いからな。模擬戦でセシリアに勝ったのだって、あれは機体の性能に頼ってた。もっと努力して、俺自身が強くならないといけないんだ」

 

あの模擬戦。

正直、四天の高い性能があったから俺は勝てたような物だ。

何回か学園の訓練機であるラファールや打鉄に乗ってセシリアと手合わせしてもらったが、セシリアは強かった。

五回やって一勝できたら最高。勝てない時の方がほとんどだ。

さすが代表候補生だ。

 

ある意味、四天をラビアンローズに預けたのはいい選択だったかもしれない。

自分の実力も分かったし、目標も出来た。

 

「ふーん、そうなんだ。手伝える事があったら手伝うから、頑張ってね」

 

そう言って夜竹さんは自分の席へ帰っていった。

 

「こうやんの機体っていつ帰ってくるの?」

 

「五月の始めのゴールデンウイークくらいだって聞いた」

 

「クラス対抗のちょっと前だね~」

 

「そうなるね」

 

 

「ーーその情報、古いよ!」

 

のほほんさんとそんな事を話していると教室の入り口から聞き覚えのある声がした。

 

脇の出た改造制服を着た、ツインテールのちっちゃい女子生徒が腕を組んで不敵な笑みを浮かべて立っていた。

……ついに来たか。

 

「二組も専用機持ちが代表になったの。そう簡単には優勝できないから」

 

「鈴……?お前、鈴か?」

 

と、ツインテール女子に反応する一夏。

あ、後ろのセシリアと箒の目が光った。

 

「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音(ファン・リンイン)。今日は宣戦布告に来たってワケ」

 

「なに格好付けてるんだ?すげえ似合わないぞ」

 

「んなっ……!?なんてこというのよ、アンタは!」

 

一夏がからかうと気取った喋り方から一転して男勝りな喋り方になった。

こっちが素なんだろう。

 

…………ん、そろそろ言わなきゃマズイな。

 

「ヘイ転校生。そろそろ教室帰った方がいいぞ」

 

「何よアンタ!?アタシはいま一夏と「ここの担任は織斑先生だ」またあとで来るからね!逃げないでよ一夏!」

 

担任の名前を出した途端、転校生は一夏にそう言い残すと回れ右をして物凄いスピードで二組へ帰っていった。

織斑先生ってすげえ。

 

そして俺の忠告を聞いたクラスメイト達も各々の席へ戻っていった。

 

「……一夏、今のは誰だ?」

 

「い、一夏さん!?今の方とはどういう関係で!?」

 

訂正。セシリアと箒の恋する乙女二人は一夏に迫っていた。

 

そして案の定、この二人は教室へやって来た織斑先生の出席簿の餌食となった。

 

 

授業が始まったが、その後もセシリアと箒は織斑先生の出席簿の世話になり続けていた。

 




鈴は邪魔できないから、駆け足で時が進みます
主人公が介入するとこ無いし(言い訳)

またまた名前だけのオリキャラ
まぁ、元ネタ同じだから分かりますよね
鏡ナギは普通に原作に居ます、一夏の後ろの席の子です、確か

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。