神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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更新がおせーよ八雲!
そして相変わらず会話しかないよ!


最近、決闘者に復帰しました
どれもこれも全部マドルチェってカードのせいなんだ
自分が遊戯王やってた時は開闢終焉が出て強すぎって時でした
かーなーりー昔ですね、十年くらい前?


痴話喧嘩の第22話

昼休み。

セシリアと箒に絡まれている一夏を放置し、彼らを追う形で学食へ向かう。

 

 

「転校生と織斑くんの関係とはなんなのか?その謎が今明かされる……!」

 

「ノリノリだな、谷本隊員」

 

「そういうこうやんもノリノリだね~」

 

「こうでもないと、やってけない」

 

その際に目的が同じである谷本とのほほんさんを仲間に加えて移動する。

 

 

券売機の前には話題の転校生である凰鈴音がラーメンの乗ったお盆を持ってスタンバイしていた。

 

券売機前で一悶着あったが、一夏達ご一行がテーブルについたのを見て俺たちも通路を挟んだ隣のテーブルに座る。

 

ちなみに俺は焼肉定食。

谷本さんはレディースランチ。

のほほんさんは日替わり定食のようだ。

 

 

各自が頼んだ昼食を食べながら、隣のテーブルの会話に意識を向ける。

 

 

「へぇー、幼馴染なんだあの子」

 

「小学校高学年で出来た友達って幼馴染なのか?」

 

「言っちゃだめだよー、そういうのは」

 

アニメ見た時から思ってた。

幼馴染の範囲って普通は小学校までの、保育園とか幼稚園からの期間。もしくは小学校低学年からの付き合いだと思うんだが。

 

一夏の理論が通るなら俺は幼馴染が軽く五十人を超えるぞ。

 

 

そしてセシリアや箒が自己紹介をするのだが。

 

「なーんか険悪だねー。織斑くんってやっぱりライバル多いんだ」

 

あっちの席に行かなくて良かった。

やはりイベントは避けるに限る。

 

 

「あ、ちょっと待ってくれ。おーい鋼夜」

 

と、思ってた結果がこれだよ。

リビングデッドの呼び声なんて使ってんじゃねえよ、俺を墓地(隣の安全地帯)に居させろよ、バトルフィールド(隣の修羅場)に呼ぶんじゃねえよ。

しかし俺に奴の罠を対処する方法は無い。リアル世界には賄賂も神警も神宣も無いのだ。

 

呼ばれるがまま、隣の奴のテーブルへ移動。

席を立つ際に谷本さんが笑顔でサムズアップしてきた。なんでさ。

 

 

 

「鋼夜にも紹介しとくぜ。こいつ俺のセカンド幼馴染で鈴って言うんだ」

 

「どうも。二人目の操縦者の如月鋼夜です、よろしく」

 

意識を切り替え営業スマイルを浮かべてにこやかに挨拶。

 

「中国の代表候補生の凰鈴音よ、よろしく。鈴でいいわ。その代わりあたしも鋼夜って呼ばせて貰うから」

 

「よろしく」

 

「ん、こっちこそ」

 

なんというか男らしいというか、明るくてさっぱりした印象を受ける。

 

そして鈴は俺を一瞥したあと、一夏へ向き直る。

 

「話は変わるけど、一夏ってクラス代表なんでしょ?良かったらあたしがISの操縦を見てあげてもいいけど?」

 

あ、修羅場の気配だ。離脱しよう。

 

「じゃ、俺、飯食うから」

 

適当に理由を付けて撤退。

案の定、俺が離脱した瞬間にテーブルを叩く音が聞こえてきた。

 

 

「ただいま」

 

「おっかえりー」

 

「おかえりなさ~い」

 

修羅場から帰還した俺を谷本さんとのほほんさんの二人が出迎える。

 

「どうだった?」

 

「すごく……居心地が悪かったです」

 

「おつかれさま」

 

のほほんさんに癒されながら俺は残った昼食の焼肉定食を食べ始める。

 

隣では一夏に操縦がどうたらこうたらで騒いでいる。

操縦か……。

 

 

「俺も本格的に練習しないとなぁ」

 

「織斑くんたちと一緒にすればいいんじゃない?」

 

俺の呟きに谷本さんが反応した。

 

「……あれに混ざれると思うか?」

 

俺が指をさしたのは隣の席。

そこにはラーメンを食べ終えて去ってゆく鈴を憎々しげに見つめているセシリアと箒の姿があった。

 

「ごめん」

 

それを見て谷本さんは素直に謝ってきた。

 

別にいい、と答えて俺は焼肉定食を完食するのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「こうやんに~朗報がありま~す」

 

今日の授業が全て終わり、放課後になった。

教室で放課後の予定を考えているとのほほんさんから声を掛けられた。

 

「なに?なんかあったっけ?」

 

「お昼にこうやんが言ってたよね~『本格的にISの操縦をしたい』って。なんと私には~心当たりがありま~す」

 

「なんと!?」

 

驚いたのでついグラハムで反応してしまった。

が、ちょっと待て、いまのほほんさんはなんと言った?

 

「せっしーがおりむーに教えてるみたいに~こうやんも誰かに教えてほしいんだよね~?」

 

「はい、それはもう」

 

今度はハイネ。

のほほん先生、ISを教えてくれる教官が欲しいです。

 

「それだったら~私にいい考えがあるよ~」

 

「教えて下さい布仏司令!」

 

「んっふっふ~。それなら購買でお菓子を買ってくれたら教えてあげる~」

 

「オーケー、購買ごと買い取ってやろう」

 

これでも超一流企業の社員なんでね、お金ならたくさんあるよ!

俺が居る会社って事で最近ますます売れてるらしいからねラビアンローズ。印税って凄いよ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ここがあの女のハウスね……」

 

のほほんさんの情報を頼りにやって来たのはハウスとは程遠いIS学園のIS整備室。

各アリーナに隣接する形で存在しており、俺は現在その一つにいる。

 

 

ーー回想ーー

 

「私の幼馴染のかんちゃんなら~たぶんこうやんに教えてくれるんじゃないかな~?」

 

購買でお菓子を買ってあげたらのほほんさんは上機嫌で教えてくれた。

 

搶槓(チャンカン)?」

 

なにその槍が降ってきそうな名前。

 

「違うよ~かんちゃんだよ~」

 

嵌張(カンチャン)?」

 

手牌に入ったら嬉しそうな名前だなぁ。

 

「今度は発音が違うよ~」

 

 

麻雀知ってるの?うん。じゃあ今度やろうよ。いいよ~。あ、もちろんノーレートで。お菓子~お菓子を所望する~。

 

 

 

「かんちゃんは~整備室に居ると思うよ~」

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして~」

 

 

ーー回想終了ーー

 

 

 

最近独り言が多くなったと感じる。

元々、独り言をする方だが最近増えた。こうでもしないと精神状態を保てないくらい追い詰められているのだろうか。

 

まあいい、中に入ろう。

 

入り口の自動ドアが開き、中の様子が露わになる。

あらゆる場所にIS関連の物と思われる機械が設置されており、いかにも『整備室』という感じが現れている。

 

その中に彼女は居た。

ISと思われるもののそばでメカニカル・キーボードを打ちながら空中投影型のディスプレイを凝視している人物。

セミロングの水色の髪に赤みがかった瞳で眼鏡の……ん?なんか見覚えが……。

 

「あ、食堂で隣だった人か」

 

そうだそうだ食堂のカウンター席で隣だった人か。ビビりながら行った初日と二日目だから覚えてる。そういえば最近見てなかった。

 

向こうがこちらに気付いたらしく、ディスプレイから目を離すと軽く会釈をした。

 

こちらも会釈を帰し、彼女の方へ向かう。

 

「初めまして、如月鋼夜です。更識 簪(さらしき かんざし)さんで合ってる?」

 

「……そうだけど。何か、用?」

 

話し掛けるとディスプレイの操作を止めてこちらを向く。

大人しそうな子だ。

 

「更識さんにISの指南役をお願いしたいんだ」

 

俺がそう告げると、更識さんは驚いたのか、細めていた目を見開く。

 

「……私に?」

 

「いきなりで申し訳ない。更識さんって日本の代表候補生なんだよね?俺もISの操縦者だからさ、強くなりたいんだ。だから強い人から教えを請いたい」

 

「……」

 

「別に今すぐ教えてくれ、って訳じゃない。今はクラス対抗戦の時期だから、それが終わってからでいい」

 

「……代表候補生なら、貴方のクラスにも居たと思うんだけど」

 

セシリアの事か。それはもっともな質問だ。

 

「セシリアはうちのクラスの代表の一夏に付きっ切りだ。ちなみに二組の転校生も」

 

「…………貴方も、苦労してるんだね」

 

「ははは……」

 

何故だろう、更識さんから妙な親近感を感じる。

貴方「も」って事は、更識さんも一夏関連で何かあったのだろうか?

まぁ、後でのほほんさんに聞いてみよう。

 

 

「……ISの指南の事だけど」

 

「アッハイ」

 

「……ごめんね」

 

「…………えっ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「断られました」

 

「……ざーんねーん」

 

夕方の寮。早めに自室へ戻るとテレビを見ながら俺が買ったお菓子を食べているのほほんさんが居たので結果を報告した。

報告した時に一瞬、本当に一瞬だがのほほんさんが何かを思う表情をしていた。次の瞬間には何時もの天真爛漫な笑顔に戻っていたが。

 

「なんでも『早くこの子を、打鉄弐式を完成させないと』って言ってた。のほほんさん何か知ってる?」

 

「んーとね……」

 

俺が聞くとのほほんさんは教えてくれた。

何故、必死になってISを組み立てているのか。何故、一夏をよく思っていないのかを。

 

 

 

 

 

「……無責任過ぎるだろ、倉持技研」

 

のほほんさんから話を聞いての俺の第一声である。

 

のほほんさんが話した内容を完結に纏めると

倉持技研が打鉄弐式の製作を決定しパイロットを簪に指名→一夏発見→弐式作ってる場合じゃねぇ!と、倉持技研は弐式の開発30%くらいのところで一夏の白式の製作に移行→コアとパーツだけの状態で放置

という内容だ。

 

しかも間が悪い事に

 

姉さんがISを一人で製作した→私だってやれば出来るんだ!姉さんには負けない!→私一人で作ってやる!→作業なう

 

という、私的な事情が挟まった事で更識さんはISの製作に躍起になっているのだという。

 

「更識さんってお姉さん居たんだ」

 

「この学校の二年生で生徒会長だよ~」

 

へぇー、どれどれ。と、俺は自前のノートパソコンを使って検索をする。

 

更識 楯無(さらしき たてなし)……この人か」

 

パソコンの画面には扇子を構えた軽い外ハネで短めの水色の髪で更識さんと同じ赤みがかかった瞳の女性が映っていた。

 

…………あー、なんか見た事あるわ、薄い本で。

アニメしか見てなかったから「誰こいつ?」ってなったキャラだわ。忘れてた。

 

 

IS学園二年生。生徒会長。所属国家はロシアで国家代表。専用機は『ミステリアス・レイディ』

 

名前からして思いっきり日本人なのになぜ所属がロシアなんだ。

しかも機体名がバリバリ英語なんだが。

おい、ロシア語使えよ。

 

 

…………ん?国家代表?

国家代表候補生ではなく国家代表……?

 

「いや、まさかまさか」

 

俺はパソコンを操り各国の代表が載っているページを開く。

 

「アメリカ代表イーリス・コーリング。フランス代表カミーラ・アルメイダ。イギリス代表アリリア・ワールバーク。ロシア代表更識楯無……うわ、マジだ」

 

開いたページには更識姉の名前と顔画像が載っていた。

俺の一個上で国家代表とか凄い人だな。

 

「そのうち会いに来るかもね~」

 

「年上かぁ……苦手だなぁ」

 

なんというか、この人からは面倒なオーラを感じる。会った事ないしアニメに居なかったけど、生徒会長って事は主要キャラだろ?……たぶん強烈なキャラしてるんだろうなぁ。

 

 

 

 

「のほほんさん、ちょっと売店行って来る」

 

数分後、部屋の冷蔵庫から飲み物が消失していたのを発見したため寮の中にある売店へ向かった。

 

「ん……?」

 

のだが、部屋を出た時に一夏の部屋からとある人物が出てきたのを目撃してしまった。

 

「鈴……さん?どうしたの?」

 

その人物とは隣のクラスの転校生で一夏のセカンド幼馴染の凰鈴音だった。

俯いて歩く姿を見てつい声をかけてしまった。

 

そういえばそんなイベントあったなー、というのを思い出したが仮にも知り合いが目の前で落ち込んでいるのだ。これはスルー出来ない。

 

「あ、あら、二人目の……鋼夜だっけ、鋼夜。……なんでもないわよ」

 

顔を上げてこちらを確認する鈴。

笑って誤魔化そうとしているが、その目尻には涙が浮かんでいる。

 

「おおかた一夏が何かやらかしたんだろう?うちの部屋くるか?今ならお菓子あるし愚痴くらい聞くよ」

 

多分のほほんさんが。多分。

 

「お菓子で喜ぶなんて子供じゃないわよ!……でもまあ、せっかくだしお邪魔するわね」

 

今の発言はのほほんさんを敵に回したな。

 

「飲み物買ってくるから先に部屋に入っていてくれ」

 

鈴の事をのほほんさんに任せ、自分は本来の目的である売店へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それでね!一夏の奴、なんて言ったと思う!?『飯をおごってくれるんだろ?』って言ったのよあいつ!約束なんて全然覚えていないじゃない!」

 

「苦労してるんだな」

 

「よしよ~し」

 

鈴を部屋に招き入れたのはいいが、さっきからずっとこの調子である。

確かに愚痴を聞くとは言ったが、これほどまでとは……。

 

 

「でもまぁ、あいつは一応『鈴が作った酢豚を食べさせてくれる』って部分は覚えてるね。意味を考えずにそのまま捉えてるけど」

 

「っ!?……それは、そうだけどさ……」

 

「……短い期間の付き合いだが、あいつがデリカシーに欠けているのは俺でも分かった。中学からの付き合いなら、一夏がああいう奴なのは理解してるよな?」

 

俺がそう言うと鈴は黙った。

 

「……でも、期待したっていいじゃない。そのために頑張ってきたの……代表候補生になって、学園に来たのも……」

 

鈴は絞り出すように言葉を発する。

初対面の時に見せた勝気な笑みは無く、ただただ辛く涙を堪えている。

ヤバい、マジで泣く五秒前だ。

女の子泣かすとか有罪確定だな。

これは一発くらいは殴られても文句言えない。

 

「よーしよーし。お菓子食べる~?美味しいよ~?」

 

「……一応もらっとくわ」

 

鈴を励まそうとのほほんさんは購買で売っていた限定品のお菓子を勧めていた。

 

「よし、ここで俺が一つ面白い話をしてやろう!」

 

パンパンと手を叩き、この雰囲気を払拭するためテンション高めの声でそう言う。

 

「ある所に一人の少年が居ました」

 

鈴が「いや、別にいいけど」と言っていたが構わず続ける。

 

「少年は小学を卒業し、中学生へとなりました。少年には、保育園の頃に将来を誓い合いキスまでした女の子が居ました。しかし二人は住んでいる地区が違ったため、小学校は別々でした。中学でようやく再会し、その子に話し掛けた少年。そして話し掛けられた彼女は言いました『誰?』と。少年は……」

 

「分かった分かった、分かったわ!謝るから泣くの辞めなさい!」

 

「おいおい、何謝ってんだ?笑うところだぞ。面白い話なんだからな。あは、あははははははははは」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ごめん」

 

前世の経験を語っていたらいつの間にか涙腺トランザムバーストしていた俺をのほほん博士が慰めてくれたお陰で平常心を取り戻した俺は鈴に謝った。

 

「いいわよ、あたしはまだマシだって分かったし。……うん、一夏は約束を覚えててくれたし」

 

「ああ。どうでもいい奴の約束なんか覚えないさ」

 

俺がそうフォローすると鈴は顔を上げる。

その顔にはいつもの勝気な笑みが戻ってきていた。

 

 

「そうよね!まだ終わった訳じゃないもの。ありがとね、鋼夜に本音」

 

「ふぁいとだよ~りんりん」

 

「あたしはパンダか!」

 

ツッコミを入れれるくらい元気になっていた。良かった。

 

「まぁ、まずは一夏と仲直りしろよ」

 

「分かってるわよ!……それじゃ、そろそろ帰るわ。今日はありがと、お陰で楽になったわ。鋼夜、お礼にISの訓練くらいなら付き合ってあげるわよ」

 

座っていた椅子から立ち上がり、扉に手をかける前に振り向いて鈴は言った。

 

「ありがとう、一夏のついでに頼むよ」

 

「ふふっ、アンタ分かってるじゃない。じゃ、おやすみ」

 

「おやすみ~」

 

俺の返事に笑顔を浮かべた鈴は自分の部屋へ帰っていった。

 

 

 

……さて、シャワー浴びて寝ますか。




主人公の知識はアニメと薄い本(二回目)

簪ルートかと思った?残念、フラグが立ってませんでした!
フラグが建たない限り簪は弍式開発に集中すると思う

そして鋼夜が生徒会の存在を知りました
会長?書類に追われてるんじゃない?(適当)

最後の鋼夜の面白い話は実話です
はい、私の

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