神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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何がしたいのかよく分からなくなった結果
ややスランプかも

前回の事後処理的な話なのでシャルやラウラはまだ出ません許して下さい!なんでもはしませんけど!


覚醒する第26話

「おはようございます、死ね!」

 

「おはよう鋼夜くん、待ってたぁぁぁぁぁぁあああああ!?!??」

 

 

皆さんオハヨーゴザイマス。

好きな言葉は見敵必殺(サーチアンドデストロイ)

開幕男女不平等パンチの如月鋼夜です。

ラビアンローズに寄る機会が出来たので現在ラビアンローズに居ます。

 

ラビアンローズの社長室へ入った俺は輝さん目がけて殴りかかる。

 

 

「ちょちょちょ、ちょっとどうしたの鋼夜くん!?拳に殺気が込もってるよ!?」

 

慌てながらも俺の不意打ちとも言える拳を華麗に避ける輝さんはやはり化け物だと思う。

 

「申し訳ありません。つい手が滑ってしまいまして」

 

「そっか、なら仕方ないね」

 

そして何事も無かったかのように応接用の椅子へ座る輝さん。

 

さすが、察しが良くて(・・・・・・)助かる。

そして俺も輝さんに続いて応接用のソファに座る。

 

 

「今日ここへ来たのは、例のクラス対抗戦のことかい?」

 

「ええ。……束さんは居ますか?」

 

俺は輝さんの問いに頷き、辺りを警戒する。

そう。ラビアンローズへ来たのは先日のクラス対抗戦の事を報告するため。

それに、今回の話は内容が内容だからだ。

 

……まぁ、それだけじゃないけど。

 

 

「大丈夫、彼女は居ない。この部屋の盗聴と監視の心配もない。……どうやら、何かあったみたいだね」

 

「是非とも見ていただきたいものがあるんです」

 

俺は四天の待機状態の眼鏡を取り出し、輝さんにパソコンか携帯端末を用意するよう頼む。

 

輝さんは自分のデスクの上に置いていた携帯端末を用意。

輝さんと協力して四天の情報が見れるように端末を接続する。

接続どころか端末をジャック出来る四天のハイスペックぶりに驚きつつ、準備が整ったので俺は四天に保存させたとあるデータを呼び出した。

 

「これは……」

 

それを見た途端、輝さんの顔が驚きに染まる。

 

俺が見せたのはガフランがアリーナに乗り込んできた時の画像だ。

四天の記録を調べて見つけた時に保存した。

 

そして画像から映像に切り替わる。

俺とガフランの戦闘を四天が記録していたものだ。

 

 

それらの映像を真剣に見つめる輝さんは事の重大さを理解したようで、映像が終わるとあごに手をやり考えこむ。

 

 

「鋼夜くん。これは……」

 

「こいつがクラス対抗戦で乱入してきたISです」

 

何度も映像を見つめ、信じられないといった表情の輝さんに俺は答えた。

 

 

「一応言っておくけど、私は違うよ」

 

「分かってます」

 

 

俺という同じ転生者が居るのを知っていて、なおかつ俺と親しくしている輝さんがこんな事をする理由は無い。

そもそも輝さんが本気で世界征服を企むならISではなくMSを持ってくると思う。

∀とかターンXとかデビルガンダムとかエクストリームガンダムとか色々ヤバい奴らをたくさん。

 

 

「もし私がガフランの設計を考えていたなら、この会社に裏切り者が居るという事が考えられる。だが……私はそんなの作っていないし考えてもいない」

 

「……でも、ガフランを知っている人間は転生者である俺と輝さんの二人だけ」

 

お互いがしばらく無言になる。

 

ヴェイガンが本当に存在していて襲撃してきたという可能性?

……いや、それはない。

わざわざ地球の人間が使うISに対して奴らがこちらに合わせてISを使う必要が無いからだ。

MSなり巨大兵器なり、なんなりを作ればいいのだ。

 

 

「今考えるのはよそう。これは下手に結論づけるべき問題じゃない」

 

輝さんはお手上げといった様子で椅子から立ち上がり、そして俺の方へ振り向く。

 

「私達というイレギュラーが存在している時点でこの世界が鋼夜くんの知っている世界とは別の世界になっているということを理解しておいてくれ」

 

真っ直ぐ俺を見つめる輝さんの瞳はいつになく真剣で、本気であることが分かった。

 

凄く説得力のある言葉だった。

そうだ、輝さんは俺なんかよりずっと……

 

「分かりました」

 

俺はそう答えるしかなかった。

 

 

 

 

「で、他にも輝さんに聞きたいことがあるんです」

 

「ん?どうしたんだい?」

 

俺の言葉に輝さんは首を傾げた。

じーつーに、白々しい。

 

 

「最初は、勘が良くなったと思ったんです」

 

「?」

 

「クラス対抗戦が終わった後なんですけど。歩いてる人を見て右の道に行くかな、って思ったら当たったり。教室に入って来る人がふと頭に浮かべばその人が実際に入って来たり」

 

「…………」

 

「極め付けはさっきの出来事ですね。ここに来る前にカッちゃんとミィちゃんと岩野おじさんの三人と会ったんですけど、いきなり倒れたんですよね。俺を含めた四人で仲良く」

 

輝さんは滝のような汗を流して俺から視線を逸らす。

ああ、焦っている輝さんの気持ちが伝わってくる。

 

「凄い頭痛がして、心の中に誰か入って来る……自分の中のものが全部引っ張り出される感覚でしたね。内臓吐くかと思いました。……輝さん、心当たりないですか?」

 

「おめでとう!鋼夜くんはニュータイプに進化した!」

 

「ふざけんなオラァァァァァァ!」

 

「あべしっ」

 

開き直って笑顔でそう告げた輝さんに右ストレートを放つ。

輝さんはソファを巻き込んで派手に床に倒れこむ。ゴウランガ!

 

「誰が強化人間にしろって頼んだよ!そうまでしてファンネル使いたくねーよ!n-i-t-r-oか!デルタカイか!一夏がバナージだからか!どうしてそんなものを積んだ!言え!」

 

マウントポジションから輝さんの襟元を掴んで揺さぶる。揺さぶる。揺さぶる。

 

おかしいと思ってたんだよ、俺が八咫ノ鏡を使えたことに!

青い炎は確認出来なかったが、山田先生が言っていたバリアーは恐らくZZ後半のマシュマーがやってたアレだろう。サイコフィールドだっけ?名前は忘れたがそれなら納得がいく。

 

 

「待って……落ち着いてくれ鋼夜くん……」

 

「あと俺はリディが一番嫌いなキャラなんだよォォォォォォ!」

 

「待って……ほんと……朝飲んだコーヒー吐いちゃう……」

 

俺はハッ、となり掴んでいた手を離す。

何してるんだよ俺は……!人に手を上げるなんて最低じゃないか、僕は屑だ……。

 

「すみませんでした!」

 

急いで輝さんの上から退いて土下座した。

 

「顔をあげてくれ、私は大丈夫だ。まぁ、お茶でも飲んで落ち着きなさい」

 

輝さんは立ち上がって服装を正すと俺にそう告げて部屋にある冷蔵庫からペットボトルのお茶を出して俺に渡す。

なんでペットボトル?

 

「我が社とコラボキャンペーン中でね、一ボックス貰ったんだ」

 

俺の疑問に答える輝さん。

あ、そうですか。

割と普通の理由だった。

 

俺は渡されたペットボトルのフタを開けてお茶を飲む。

 

「落ち着いたかい?」

 

笑顔で輝さんは尋ねてくる。

右の頬にできた赤い腫れが目に入り、心が痛む。

 

「はい。すみませんでした」

 

俺は立ち上がって深く頭を下げる。

輝さんは「大丈夫だよ」と答え、座るよう促してきたのでそれに従い再び座った。

 

 

「落ち着いたなら話を始めよう。さて……まずは鋼夜くんの誤解を解いておこう。私は君に強化処理を施した事はない。鋼夜くん、君は強化人間ではなくニュータイプだ。純粋なニュータイプとして覚醒した。これは私が自信を持って断言しよう」

 

輝さんから告げられる衝撃の事実。

何も知らなかった前世の俺なら「ニュータイプキタコレ!」とか言って喜んだかもしれないがいざ、そう告げられると微妙な心境だ。

 

「ニュータイプへと至る理由は明確には分かっていない。……恥ずかしながら私も分からない。だが一説には新環境、それからくる強いストレス、刺激に適応するために進化した人類というのがある」

 

アムロなどの歴代主人公は大方この部類に入る。と輝さんは付け加える。

 

この説は確かジオン・ズム・ダイクンが提唱してたやつだったか。

まぁ、それに似てる。

 

 

「そしてもう一つ。人の影響によって覚醒するパターンだ。強いニュータイプ能力を持つ者と過ごす事でその人の影響を受けて自身もニュータイプになるパターンがある」

 

ララァを失ったシャアもこれに当たるのか?

 

カミーユと共に居たファは戦場で消えていく命を感じていた。

ジュドーは「子供はみんなニュータイプ」という名言を残し、彼と共に戦ったシャングリラメンバーもニュータイプになった。

 

「鋼夜くんはこの二つが織り混ざって覚醒したんだと私は思うよ。……この世界にはニュータイプに近い力やそれに対する研究もあるからね」

 

 

ドイツの遺伝子強化人間とイギリスの脳波研究ですね分かります。

 

 

新環境……強いストレス……これは間違いなくIS学園ですね。

 

と、なると

 

「輝さん、それって影響を受ける人……つまりは始まりとなるニュータイプが居るって事ですよね」

 

「…………」

 

俺がそう切り出すと輝さんは顔を背けた。

 

「おい、こっち向けよ」

 

「……すまない」

 

「過ぎた事は忘れます。給料30%アップしてください」

 

「30%と言わず50%アップしてあげるよ」

 

「わーい」

 

お金って凄い。

忘れてないじゃん、というツッコミは無しの方向で。

 

 

 

 

俺は渡されたペットボトルのお茶を飲み干し、一息ついた。

 

 

「この後はどうするんだい?」

 

「今日はここに居ます」

 

輝さんの問いかけに俺は時計を見ながら返事する。

時間は昼近い。

実は今日は平日。学園は授業中だ。

 

クラス対抗戦の事を会社に報告するという事で学園は公欠にしてラビアンローズに来ている。

今から戻るのも面倒だし、たまにはゆっくり休みたい。

なんかもういろいろ疲れた。

生きるのって難しいね。

 

 

このあと気分転換にラビアンローズ内を散歩した俺は何回も倒れこむ羽目に陥るがそれは別の話。

 

 

 

帰り際に輝さんからアッガイの抱き枕とボールのぬいぐるみを貰った。

昼に飲んだお茶とのコラボキャンペーンで当たる景品らしい。

案の定、シールを集めるタイプだった。

 

 

なぜアッガイとボールなのか、と聞いたら可愛いからという簡潔な答えが帰ってきた。

いやまぁ、確かにそうだけども。

 

ラビアンローズのマスコットとしてこれから売り出すらしい。

頑張れ輝さん。

 

 

通称のアッガイとシークレットのべアッガイの二つを貰ったので寮に帰ってきた際にベアッガイの抱き枕とボールのぬいぐるみをのほほんさんにプレゼントしたらかなり喜んでいた。

 




対象の商品についているシールを集めてハガキで応募しよう!
抽選で100名様にアッガイの抱き枕とボールのぬいぐるみがもらえるよ!(大嘘)


覚醒値30以上でなおかつ異能持ちの三人にジェットストリームアタックされた結果
鋼夜くんのニュータイプ覚醒フラグはところどころにあったから(震え声)

未だに名前だけのラビアンローズ社員ェ

ニュータイプについては完全に自己解釈
公式ですらよく分かってないってなんなの……

IS学園に行けばニュータイプになれる、多分
鋼夜の苦痛は終わらない

次回で本編にもどります
シャルロッ党やブラックラビッ党の皆さんに石を投げられないように頑張ります

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