神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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こいついつもフォローしてんな(困惑)

自分でも何言ってるのか分からなくなってきた(混乱)
今回は酷いよ!(錯乱)


フォロー巡りの第35話

 

ここ数日の学園内で変わった事といえば、まずラウラ・ボーデヴィッヒのことが上がるだろう。

 

どこか冷たく近寄り難い雰囲気を持ち、実習で他生徒の指導にまともに参加していなかった彼女がいきなり指導を率先して行うようになった。

軍隊並の厳しい指導で「そんな事で教官の指導を受けられると思うな!」が口癖になっている。

が、元々IS学園には織斑先生のファン……いや、もはや熱狂的な信者とも言える生徒が多数いる。

「織斑先生のためなら!」と、なんやかんやでやる気になっている生徒も多く、ボーデヴィッヒに関しても「自分達と同じ織斑先生のファン」と認識され、彼女の指導は厳しいながらも間違った事はしていないので結構皆からも受けいれられ始めている。

 

この変貌ぶりにさすがの織斑先生も驚いたらしく、俺に何事かと聞いてきた。

「先生の名前を使わせてもらいました」と答えれば少し微妙な顔をしたが前よりはマシという結論に辿り着いたようで、引き続きボーデヴィッヒを頼むと言われた。

いや、なんでやねん。ボーデヴィッヒに関してはもうゴールしていいだろ俺。

 

 

 

そしてもう一つ。

俺、一夏、シャルルの男子三人組についてである。

 

あの一件以来どうもギクシャクしており、お互いがお互いを避けている。一夏とシャルルは普段通りだが。

 

その光景を見た腐っているクラスメイトから『シャルル争奪戦に敗れた如月』やら『一夏をNTRれた如月』などという噂が広まっている。

ふざけるなよ腐女子共、俺はホモじゃねぇ。無駄に可愛いのに残念な思考回路しやがって。

陽性反応出させるぞ、何のとは言わんが。

 

 

俺を落としたいなら不二咲か宮小路お姉様かシュライバーかマオか名も無き双子かアストルフォか結城蛍かポイズンか鞠也か水嶋咲かガーデン・アイリスでも連れてこい。ギャスパーやブリジットでも良いぞ、フハハハハハ。

 

 

…………はぁ。さすがにこれは無いわ。ヤバいね色々と。精神が。

 

 

 

そーいえば大浴場が使えるとかいう話があったな。

前は時間をズラして使う予定だったらしいが多数の生徒の異議申立てにより見送られたそうな。

俺は気にしなかったが一夏が悲しんでいた。

ていうか理由が『私たちのあとに男子が入るなんて、どういう風にお風呂に入ったらいいかわかりません!』とか、なんだよ。

時間を前にすれば『男子のあとのお風呂なんてどういう風に使えばいいんですか!』とかふざけてるとしか思えない。

前者は意味不明。

別にお前らの残り湯でご飯炊く変態なんていないしそもそも設備が整ってるなら大量にシャワーもあるし浴場の湯は循環しながら洗浄されてるだろ。

後者は分からん事も無いが……別に浴槽のお湯は貯めっ放しって訳じゃないだろ……。循環しながら洗浄されるだろ……。

 

これが女尊男卑かとあの時は思った。

イラついたから腹いせに俺たち二人も女子と全く同じ内容で異議申立てしといたけどな!

慌てた山田先生が面白かったのを覚えている。

 

 

 

 

「鋼夜」

 

「ん……箒か」

 

放課後の教室に一人で黄昏ていると箒に話し掛けられた。

 

「少し付き合ってもらいたい。いま、時間あるか?」

 

いつもなら一夏に着いて行ってアリーナに居るはずの箒がわざわざ残って俺に声を掛けてきた。

ということは大事な話があるのだろうと判断し、俺は箒の誘いを承諾した。

 

 

「悩みでもあるのか?」

 

箒に着いて歩いていると、そう聞かれた。

 

「些細な事さ」

 

あるといえばあるのだが、ホイホイ言える内容ではない。

俺は適当に流すことにした。

 

「一夏のことか?」

 

さすがに最近の男子の態度を見れば俺と一夏の間で何かあるのは一目瞭然。案の定、そこを突かれた。

 

「少し喧嘩してな。まぁ、そのうちどうにかなる」

 

箒は俺の答えに不服そうな顔をするが「そうか」とだけ答え、それ以上は追求してこなかった。

 

 

「ついたぞ」

 

「武道場か」

 

箒が俺を連れて来たのは武道場だった。

いつもなら柔道や空手や剣道といった部活動で使われているはずだが、今は誰もいなかった。

 

「今日は偶然にもここが空いていると聞いてな」

 

そう答えると箒は中へ入っていく。

俺も黙って後へ続く。

箒も俺も、入る時に一礼するのを忘れない。

 

「懐かしいな。中学の頃を思い出す」

 

「あぁ、よく居残り練習してたよな」

 

箒が正座したので俺も正座。

お互いに向き合う形で正座していると、ふと箒が口にした。

 

 

「鋼夜は覚えているか?」

 

「何をだ?」

 

「中学最後の全国大会が終わった時のことだ」

 

真剣な表情になった箒は俺に尋ねてきた。

箒の言ったことなら覚えている。色んな意味で衝撃的だったから。

 

「あぁ、覚えてるぞ。こんなものいらなーい!とか言ってトロフィーと賞状を投げ捨てようとしてた時だろ」

 

中学最後の夏の剣道全国大会。

見事に個人戦で優勝した俺と箒だが、箒は優勝して控え室に戻った途端にいきなり泣き出してトロフィーと賞状を投げ捨てようとしたのだ。

あれにはびっくりした。

 

 

「……あぁ。あの時の私は純粋な気持ちで相手に挑んでいなかった。ただの腹いせ、八つ当たり、暴力で相手を叩き潰していた。そして優勝した。あの時の自分が醜くかった。相手の大会に望む思いを身勝手なわがままで踏みにじっていた自分が」

 

やはりあの時のことが尾を引いているのか、苦々しい顔をしながらも箒は語る。

 

「じゃあその時のお前に俺が何て言ったか覚えてる?」

 

「ああ、覚えている。『それに気付いたんならお前は大丈夫だ。最後までそれに気づかない奴だっているんだ。成長できたと思って糧にしろ』だったな」

 

 

……よく覚えてるな。

あの時は俺も自己嫌悪に陥ってたから何を言ったかまでは覚えてないんだよな……。

俺は二度目の人生ってチートを使って優勝した。優勝して、箒の話を聞いた途端に俺も同じ自己嫌悪に陥った。

 

最終的に「そんな事情知ってるのは俺だけだし別にいいか」って結論に至ったから開き直って割り切ったけど。

 

「『そもそも大会なんて優勝したい!っていう自分のわがままを押し通すためのものだし気にする必要は無いだろ。参加者の思いを踏みにじりたくないなら笑顔でトロフィーと賞状を学校に持って帰るんだ。それが優勝した俺たちの義務だ』とも言っていたな。……本当、お前には助けられてばかりだな」

 

微笑みながらそう語る箒。

 

そんな事まで言ってたのか俺。

いや、まぁ、あの頃はなんやかんやで楽しかったしな。

カッコつけててもおかしくない。

 

 

「で、それがどうかしたか?察するにお前も悩みがあるんじゃないのか?」

 

俺がそう問いかければ箒は一旦目を閉じ、そして真剣な表情になり口を開く。

 

「私は力が欲しい」

 

「力か」

 

俺が聞き返すと箒は頷く。

 

「一夏も最近は腕を上げてきた。あの調子ならすぐにでも私を追い抜くだろう。それは嬉しいんだ」

 

嬉しさ半分悔しさ半分といった顔で彼女は静かに語る。

 

「だが、それと同時に怖いんだ。一夏が私を追い抜いたら私はいらないと思われるんじゃないか、用済みなんじゃないか、足手纏いになるんじゃないかと思っていた」

 

顔を伏せ、表情を暗くしながらも彼女はなんとか言葉を絞り出していく。

 

「一夏や鋼夜、セシリアや鈴には専用機がある。だが私には何も無い。私だって一緒に強くなりたい、一夏の隣に立ちたい、一夏のために戦いたい。……クラス対抗戦のとき、私は何も出来なかった。見ているだけだった。だから私は……力が、専用機が欲しい」

 

彼女は目尻に涙を貯めながらも強い決意のこもった表情で最後まで言い切る。

彼女から様々な思いや葛藤を感じる。

 

「自分が凄いわがままを言っているのは分かる。中学の頃から何も変わっていない。だが……」

 

「分かった、だから無理するな。一旦落ち着け」

 

無理して言葉を紡ぐ箒を手で制し、深呼吸するように言う。

赤椿だっけ?あれを頼んだ裏にこういう思いがあったとはな……。

 

 

落ち着いたのを見計らって俺は口を開く。

 

箒は本当に悩んでいる。そして勇気を出して俺に打ち明けてくれたんだ。

ならば俺も、其れ相応の態度で臨む必要がある。

 

「まず力を持つこと、もしくは力をつけることは間違いじゃあない。力を持つ過程も大事だが、肝心なのは力の使い方、使い道さ」

 

「…………」

 

箒は黙って俺の話を聞いている。

 

「力の使い道や使い方を誤らないこと。これは専用機以外のあらゆる事にも言える。そして力を持つことに対しての覚悟も大切だ」

 

「覚悟……か」

 

箒が繰り返した言葉に俺は頷く。

 

「ああ。覚悟は大事だ。俺も専用機を、力を持つ者として覚悟はしていた。専用機を持つってことは、色々な責任やプレッシャーがのしかかる。ISなんて機密情報だらけだし力の塊だし壊せば金がかかるし盗まれたら大変だ。皆、それを納得して専用機に乗っているんだ。覚悟を持つことは俺が専用機を受け取った一番最初に言われた事さ」

 

「…………」

 

「それと、自分が納得できるかどうかも大事だぞ。自分が専用機を得たとして、その過程や結果に納得できるかどうかだ。それで少しでも後悔が残るなら、考え直せ」

 

俺の答えを聞いた箒は俺の言葉の一つ一つを丁寧に吟味し、考えている。

 

「ふっ……大事なことだらけだな」

 

「語学力が低いのは自覚している」

 

答えに至ったのか、何処か吹っ切れた表情になった箒は軽口を飛ばせるくらいにはなったようだ。

 

「ありがとう。お前に相談して良かった」

 

「そう思ってくれるなら何より」

 

「ああ。私はまだまだ未熟だということを改めて知ったよ。もう少し自分を見つめ直して精進していこうと思う」

 

そう答え、正座から立ち上がる。

俺も箒に続いて立ち上がる。

 

「時間を取ってすまなかった」

 

「いいのいいの。あ、じゃあ少しおせっかい。一緒に戦わずとも、ずっと隣に居て支え続けることもアリだと思う」

 

俺のおせっかいを聞いた箒は驚いたように目を丸くすると、少し微笑みながら「覚えておこう」と言った。

 

 

箒と一緒に武道場を出ると俺の携帯に一通の着信が届いた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「鋼夜、少しいいかな?」

 

その後、することが無かったので部屋へ帰ると部屋の前でシャルルが待ち構えていた。

 

「……いいぞ。いま部屋を開ける」

 

のほほんさんは多分、簪さんと仲直り中だと思うのですぐには帰ってこない。

今朝は簪さんと朝食が一緒だったから、それとなく話しておいた。

 

 

シャルルが俺の元へ来たのは、あの話をするためだろう。

俺はシャルルを部屋へ入れた。

 

「紅茶でいいか?」

 

「うん、ありがとう」

 

ルームメイトがお菓子好きなため、必然的に飲み物も多くストックがある。

 

 

来客用のテーブルに座るシャルルに紅茶を出し、俺も座る。

 

しばらく沈黙が流れたが、シャルルが切り出す。

 

「あのあと、何があったか一夏に聞いたんだ」

 

あのあと、というのはシャルルの正体が分かり俺と一夏が部屋を出た時のことだろう。

 

「一夏って、すぐ顔に出すから分かりやすいんだ。それで、思い切って来たんだ」

 

そうか。それはこっちとしても好都合だ。

 

「一夏から話を聞いて、色々考えて分かったんだ。鋼夜の言ってた事はその通りだった」

 

「あの時は言い過ぎた。謝る」

 

「ううん、謝らなくていいよ。むしろ謝るのは僕の方だから」

 

シャルルは紅茶入りのカップを持ちながら、少し自虐的な笑みを浮かべる。

 

「……単刀直入に言おう。これからどうするんだ?それを話しに来たんだろ?」

 

「あはは……本当にいきなりだね。……僕は学園に残るよ」

 

シャルルの答え。

……正直、これは予想出来た。

 

「だから僕は戦うよ。デュノア社と、父と」

 

シャルルは戦うことを選択した。

会社と、父と。

……うん、いいんじゃないかな。

 

「方法はあるのか?」

 

腐るほどあるけどな。と内心で思いつつ聞いてみる。

 

「まだ分からない。でも学園の特記事項で三年間は大丈夫だから、在学中……ううん、今年中になんとかするよ」

 

弱々しいが、笑みを浮かべて明るく振る舞うシャルル。

さて、頃合いですか。

 

「シャルル、俺から提案がある。お前も助かるしデュノア社にも迷惑をかけない、穏便に済ませる方法がある」

 

俺のいきなりの提案にシャルルは驚いたような表情となる。

 

「シャルルの事情を知ったラビアンローズ……俺の所属してる会社が協力してくれる。でも、それはシャルルを利用する形になってしまう。よく考えて、それから返事をしてくれ」

 

シャルルによく考えるよう促し、今日は解散となった。

シャルルが去り際にお礼を言ってきたので軽く手を振って答えた。

 

 

 

ラビアンローズの件は武道場を出てすぐにかかってきた着信の内容だ。

輝さんが言うには「裏付けその他もろもろの準備はあるから、ちょっくらデュノア社を落とそうぜ」らしい。

入学前にシャルルの正体に気付いてたからなぁ、ラビアンローズは。

 

 

 

……なーんかヒロインのフォローをしてばっかりだよな、俺。

普通、こういうのって主人公の役目じゃないのか?

 

俺ははぁ、とため息をつくとテーブルの紅茶を一気に飲み干した。

 




誰がデー!ダデルート進んでも!オンナジヤオンナジ ヤオモテー! ンァッ↑ハッハッハッハーwwwwwwア゛ン!

このニこの小説ンンンッハアアアアアアアアア↑↑↑アァ ン!!!!!!アゥッアゥオゥ ウア゛アアアアアアアアアアアアアーーー!

コノ小説ァゥァゥ…… ア゛ー!テンプレを…ウッ…ガエダイ! オリ主の行動はぁ…グズッ… ISのみンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑ D×Dのみンゥッハー↑ 遊戯王のみならずぅー! ハーメルン……二次創作の問題やないですかぁ… 命がけでッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛

アダダニハワカラナイデショウネエ…



シャルはパパパッとラビアンローズに任せて、終わりっ!
正直、遺恨なく物語を進めるにはこうするしかないと思うんだ

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