突発的に始めたこの作品を読んでくれている人が多くて驚きです
思わず職場で小躍りしました
さて、少しお知らせですが今回の話から
路線がギャグ全開になります
オリキャラが増えます
他作品ネタが増えます(主にガンダム)
好き嫌いが分かれるジャンルが増えますので、以上の内容が苦手な方はお気を付け下さい
それではどうぞ
「篠ノ之束……」
ISの生みの親にして箒の実の姉。
現在進行形で世界中から指名手配されているトップレベルの重要人。
篠ノ之束博士が俺の目の前に居る。
「そそ、天才の束さんだよー!初めまして、
妙に高いテンションで自己紹介すると、握ったままの俺の手をブンブンと揺らす。握手のつもりだろうか?
いや、重要なのはそこじゃない。今こいつなんて言った?
二人目の男性IS操縦者。
こいつ、既に俺の事を知っている……!?
俺は彼女に掴まれている手を離そうと思い切り腕を引き戻そうとするが、凄い力で掴まれているのか離れない。
待てよ、大人とはいえ相手は女性だぞ!?
「ふふふ、何処へ行こうというのかね?」
目の前の篠ノ之束ーー束博士と呼ぶことにするーーは、相変わらずニコニコと笑顔を浮かべている。
ただし、その目は決して笑っていないが。
そう、これはまるで養豚場の豚を見るような……。
「な、何が目的ですか」
勇気を出して束博士に質問する。
「別に取って食べる訳じゃないから安心しなよ。一緒に来て欲しい場所があるんだ」
一緒に来て欲しい、と言っているが恐らく俺に拒否権は無いだろう。態度で分かる。
くそっ、アニメを見る限りだとアホなお姉ちゃんキャラかと思っていたがそんなチャチなもんじゃねえぞこの人。
「分かりました……予定はいつですか?」
「今から♪」
「…………親に電話していいですか?」
「直ぐ済ませてね~」
これから俺はどうなるんだ……。
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ドナドナドーナー。
人間がーロケットにー乗せられてー拉致られてゆーくーよー(適当)
おっす、オラ鋼夜。絶賛現実逃避中。
束博士とエンカウントした後、親に束博士とエンカウントした事を正直に言った。親は納得していなかったが横から携帯を奪い取った束博士が半ば脅しをかけていた。
そして束博士に連れられるがままホイホイついていったら変なニンジン型ロケットに乗らされた。そして空の旅へ。今ここ。
と、思ったら少しの浮遊感を感じた。そしてロケットが少し揺れた。
「着いたよー」
「はやっ!」
まだ学校を出て数十分しか経ってないよ!?
「束さんは天才だからね!さ、かもんかもーん」
ロケットの扉が開く。俺の腕を強引に掴み、駆け出す束博士。引っ張られているため俺も走る羽目になる。
辺りは薄暗く、見渡すと照明が幾つかあり、それが光源となっていた。ここは地下のようだ。
少し走るとエレベーターの入り口を発見。束博士はボタンを押して中に入る。俺も入らざるを得ない。
そして彼女は最上階のボタンを押した。というかこれ、最上階らしきボタンと地下のボタンの二つしか無い気がするんだけど。
「ここは何処なんですか?」
「まぁまぁ、来れば分かるよ」
何処かのビルだとは思うのだが。
聞いてみるが束博士は先ほどから同じ返答しかしない。ロケットの中でもこんな感じでした。気まずかった。そして今も気まずい。
エレベーターがゆっくり止まり、チーンという音と共に扉が開く。最上階に着いたようだ。……助かった。
そして束博士にまたまた連行されて少し歩く。
そしてとある扉の前で立ち止まる。
その扉には「社長室」と書かれているがその文字は二重線で消され「あっくんのお部屋」と書かれている。
これ多分、束博士が書いたんだろう。扉いっぱいにハートとかそんな落書きが飛んでるし。
そして束博士はようやく俺から手を離すと勢いよく目の前の扉を開けて
「あっく~~~~ん!会いたがってた二人目を連れてきたよ~~~」
奇声を発しながら部屋に突っ込んでいった。
恐る恐る部屋へ入るとそこには
「そぉい」
「やぁん」
束博士を抱きながらくるくる回転するスーツの男性の姿が。
二、三回転するとその男性は束博士をストン、と優しく着地させた。
「なにこれカオス」
俺はそう呟くしか無かった。
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「見苦しいところを見せてしまったね」
「あ、いえ……」
部屋にあった応接用のソファに俺とスーツの男性は向かい合って座っている。
あのあと束博士と目の前の男性は二三言ほど会話を交わし、束博士は「終わったら呼んでね」と言い残して部屋を出て行った。
嵐のような人だった。天災の名は伊達じゃないな。
「彼女の事だ、半ば拉致みたいな形で君を連れて来たんだろう?彼女に代わって謝らせてもらうよ」
そう言うとスーツの男性は頭を下げた。
彼女というのは束博士の事だろう。
「おっとすまないね、まずは自己紹介でもしようか。私はこういう者だ」
目の前のーーパーマのかかった栗色の髪をした、二十代後半くらいーー男性は名刺を渡してくれた。
名刺には「ラビアンローズ代表取締役兼技術開発総責任者
えーと、ラビアンローズって確か数年前に起業したにも関わらず圧倒的な技術力で瞬く間に世界に名を知らせる大企業になった会社だよな。確かISも取り扱ってた。
緑色の巨大MSに撃墜されそうな名前だったから覚えてる。
で、そこの代表取締……え?
「しゃ、社長であらせられますか!?」
「うん、一応ね」
なんと!?目の前の男性があの大企業の社長ですと!?
「大変失礼いたしやがりました!」
「とりあえず落ち着こうか。あと、無理して敬語使わなくていいからね?」
な、なんてお優しいお方なんだ。
とりあえず社長さんから差し出されたコーヒーを口に含んだ。
何も入れて無かったからブラックだった。吐き出さなかった俺は偉いと思う。
でも、お陰で少し落ち着いた。
「落ち着いたかい?」
「ええ、ありがとうございます」
「なら、良かった」と、社長さんは微笑んだ。
そして一呼吸置いて話しだした。
「さて、まずは君をここに呼んだ理由から話そうか。本当なら日を改めて君の都合に合わせたかったんだけどね」
社長さんはすまないね、ともう一度謝ると話を続けた。
「私はずっと待っていたんだ。
社長さんが言った言葉が少し引っかかる。
これはまるで二人目が出現するのが分かっているような……。
そこまで思い至った瞬間にハッとする。
「どうやら気付いたみたいだね」
にっこりと笑いかける社長さん。
俺は彼の言葉と笑顔に反応出来なかった。
「私も君と同じ転生者なんだよ、如月鋼夜くん」
ああ、そうだ……
俺のサポートとして他の転生者を送る、と。
初っ端の伏線回収
実はクロエを出したかったがキャラが分からないから束さんでごり押しした罠
ていうかあの人参ロケット、本当どうなってんのかね?
あれおかしいな、主人公が一向にIS学園に行かないぞ?