誰も助けてくれない -Can you hear me?- 作:麒麟犬
-治安組織『ルックオーバー』尋問記録#056-
『……よしちゃんと動いてるよな……それじゃ始めるぞ。まずお前の名前だが『ピーター・ホーキンス』で間違いないな?』
『そうだけど、その前に確認させてくれ。捕まってここまで連れてこられる道中で君たちに情報を流すかわりにオレの安全を保障して欲しいって言った際にそれを二つ返事で了承してくれたんだ。それは守ってくれるよな』
『あ~、その話は一応聞いてるけど俺からでは何とも言えねえな。俺はあくまで雇われてる尋問官であってこっちの事情には関与してないんだ。詳細は向こうに聞いてくれ』
『話が違うじゃないか』
『俺は雇われている身であってもお前達犯罪者を取り締まる立場にいる人間だ。今回この場にいるのが俺じゃないにしても、この事実は揺るがねえ。俺は尋問官でお前は囚人、尋問で取引なんて成り立つと思うか?こっちから聞かれたことに全部隠さずに答えるのがお前の役目だろうが』
『……ふん、こんな朝早くから外部からの人員が来るのかい?だったらおめでたいことだね、ここも。それも自分の立場を理由に圧力をかけようとしている時点で尋問官に君は向いてないよ』
『なかなかおもしれぇことを言うじゃねえか、見た目とは裏腹に肝が据わっている奴は嫌いじゃねえぞ』
『でも間違ったことは言ってないね。たしかに僕達は敵意を持っていない一般人を傷つけていないけど、彼らを守る立場にあるここの隊員達を撃ったんだ。それを咎められるだけの罪を犯してはいる。だけど人員も多いとはいえず、その上自分達だけで犯罪者を制圧できない。そんな組織に雇われていて思うことは何もないのかい』
『仕事に見合った報酬は支払われる、俺はそれだけでもう十分だ。彼らの職務状態がどうであれ、そこに突っ込まなければならない理由は何もねえ。だったらそういうのには見て見ぬフリをするだけだ』
『だろうね。だけど無力な人達を君なりに守るためにそんな役割に就いたんじゃないのかい?それなのに金銭に目を眩ませているようじゃ君は矛盾しているよ?』
『無駄話をするつもりならその口に拳を叩きこんでもいいんだぞ。一応そういうのも許可はされているからな』
『手錠を掛けられた相手に対して一方的に殴るのかい?それじゃあ理由はどうあってもただの暴漢とあまり変わらないんじゃ?彼らだってどうであっても食いつなぐために暴力を振るうけど、君だって力づくで黙らせようとしている。その結果が金をもらえる、それのどこに大きな違いがあるのかな?』
『大昔みたいのテレビみたいに軽く叩く程度じゃ直ることはなさそうだな。そんじゃ考え方を改める下地として一発……』
《よせ、カーンズ。そいつの言ってることも間違っていない。それに今確認が取れたが安全保障についての命令も上から下りた。それでも手を出すのであれば相応の覚悟をしておけ。それとホーキンス、その気になれば用済みのお前をここよりも劣悪な刑務所に送ることだって吝かではないんだ、調子に乗るんじゃないぞ》
『……お互いに釘を刺された状態ですし、得をする話を始めましょうかカーンズさん。限られた時間を無駄にすることはそちらも本意ではないですよね?』
『ふぅ~……まあ確かにその通りだ。思うところが幾分どころかありまくりだが、ビジネスの一つとしてなら飲み込むことはできる。……さて、長くなったが始めるとするか。まずお前からはどういう情報がもらえるかの概要から話してくれ』
『一つ目は下っ端のオレでも知ることが出来た、昨日の襲撃での目的。二つ目は断片的だけど今回の依頼主について。最後が一応予定として計画されていたことの次の一手。これら三つだ』
『オーケー。とりあえずまずは一つ目について話してもらおうか。そもそもなんで銀行だとかの金融機関じゃなくレストランの方に向かったのかが疑問らしいしな』
『金が目的ではないよ。僕たちにいた張りぼてのリーダーが撃たれたみたいだけど、あの人は目的の物よりも金銭への執着もあったんだ。だから少しわかりにくかったかもしれないけど、必要なものは食糧庫の中にあったってバーンズさんは言ってた』
『……バーンズという人物に関しては後で聞くとして、回収した物は何だ?』
『詳しくはわからないけど、とあるデータが記載されたメモリーチップだって。それがなんで食糧庫にって聞いたけど、バーンズさんももちろんリーダーはわからなかったし、依頼主からはそれを奪取するようにしか言われてないとか』
『食糧庫から盗まれたのは麻袋に入った小麦粉という記載がたしか……あったあった。とりあえずそれに関しては良い。必要最低限ではあるが、聞かれたことに関してのことは答えてるしな』
『それは何よりだよ』
『二つ目だが、さっき言ってた『依頼主』つうのはなんだ?そもそもお前ら自体が目的をもって行動しているんじゃなかったのか?』
『オレ達は君のように雇われた身なんだよ。大昔でいうならマフィアと傭兵の間のような感じで、『自由に生きて自由に戦って死ぬ』ことを第一としている。オレはまだ入りたてだから忠誠心もなにもクソもないけど、目的があった状態で生きていられるのだからまだ良いやと考えてただけなんだ』
『とりあえずお前自身のことはいい。そんで?』
『今回オレ達に依頼してきたのはどこかの組織のトップみたいだね。よくわからないけど、こちらからは裏方の人間を使って支援はするが、準備期間で実地に入るのは全面で任せるってさ』
『組織の最上で指示だけを飛ばして高みの見物を決め込んでる奴か。俺からすればいたぶり甲斐がある性格をしてそうだが気に食わねえな。本人は指示だけ出して高みの見物か』
『全く同感だね。全てを終わらせた後の報酬も破格だったし、オレが加入したその時は色々と困窮してたんだ。リーダーは素直に首を縦に振ったけど、バーンズさんは渋々って感じ。ここまでしかクソ野郎の事はわからないよ』
『バックに誰かがいるってことがわかったが、これは
『最終準備でオレ達の方からの犠牲が多いけど、あまり多大な打撃にはなっていないかな。だけど少なくとも確かなのは、本格的に依頼主の計画に必要な要素が揃ったことだろうね。だからきっと、バーンズさんを始めとした残りのメンバー全員も駆り出されて動くことになるかな』
『動くっていうと……具体的にどうするんだ』
『さあね、さっき言ったけど下っ端のオレもそこまで聞かされていないさ。……ただ、確実に言えることは血生臭いというよりかは銃弾が飛び交う事態になるだろうね。一応他の目もあることも気にしているようだし、他の組織の監視網が薄い所に極秘でね』
『無人地帯への進軍ということか。だがグリフィンのような十分な装備や人材がなければ、奴らとの戦いで勝つことは難しいはずだが……まあいい、その辺は彼らに任せるしかないしな』
『それと、バーンズさんに関してはオレもよく知らないんだ。戦闘技術だけじゃなく仲間に慕われるほどのカリスマもあるけど、過去のことまでは誰にも話したことがないようだしね』
『……治安組織の方にも調べてもらうとして今回の尋問の終わりではないが、録画は終了しようか』
『普通の取り調べがどういう事聞かれるのかよくわからないけど、ここまで聞かれたことはオプションだよね?なんか猛烈に嫌な予感がするんだけど』
『安心しろ、とりあえずそこまでエグい事は聞きはしないさ。ただ、お前さんの身の上のことはたんまりと聞かせてもらうから覚悟しておけよ?』
-再生終了-
――――――
再生が一通り終わり、イヤホンを付けて聞いていたローガンは座っていた椅子の背もたれに体重を預けて天井を見上げた。見慣れてきた白い情景がそこにあり、さきほどの映像記録から得られた情報をそこに書き出して文字が浮かび上がっている様を幻視したがすぐに霧散した。
「……面倒なことになってきたな」
体勢を戻すついでに椅子に座り直して頭をボリボリと掻く。目の前のコンピューターを操作して映像記録を映しているウィンドウを一旦液晶画面の隅にどかし、接続した記録媒体に他に保存させてあるデータ一覧を引っ張り出した。今回の件とは関係ない事件のデータに目もくれずスクロールしていき、要点をまとめた書式データを見つけるとそれを読み込ませた。数秒すると表示され、箇条書きで簡潔にまとめられている文書が一面に出てくる。
斜め読みでざっと目を通し、自分の認識が間違っていないことを再確認した時だった。
コンコンッと執務室の扉が外からノックされたので、自分の仕事をしていたM4が対応するために席から向かって行った。
「はい、どなたで……指揮官、どうしましたか……?」
「ヘリアンさんから、治安組織から送られてきたデータをローガンが持って行ったって聞いたんだよ。考察もするためにも来たけど彼は……」
「おーう、こっちだこっちー」
椅子に座った状態のまま、ローガンは片手を上げて自分の存在をアピール。『失礼するよ』とM4に言った後でAR小隊の執務室に足を踏み入れたハリーはこちらの方に歩いてくる。ローガンはコンピュータ本体の端子に挿していたイヤホンの接続を一旦切り、指揮官に耳から外して不在のM16の席の椅子に座るように勧めた。
「……酷い顔してるな。昨晩は大分盛り上がってたし二日酔いか?」
「薬は飲んだけど朝ご飯はほとんど手をつけれなくてね……うん、本当なら今日一日は非番なんだしゆっくりとしていたいんだけど、指令室の机の上に整理されて置かれてる書類の山を見ただけで休む気が無くなっちゃったんだよ……」
「俺も少し手伝ったけど、スオミが結構頑張ってたんだぞ。修復が今日の昼頃で終わるみたいだけど、その前にあいつに顔は見せたのか?」
「うん、昨日運び込まれた時と作業が一通り終わった後でね。正直なところ、彼女が被弾して搬送する必要がある報告を受けた時は肝が縮んだよ」
青い顔で溜息を吐くハリーにローガンは苦笑いをしながらコーヒーを啜る。久方ぶりに感じるこの指揮官との面を突合せた会話だが、見ない間に少々痩せてしまってるようであった。本部で拘束されて回された仕事でそこまで追い詰められたのかのかもしれないが、今こうして前のめりで座っている彼は職を失くした中年のサラリーマンのようにも見える。
遠出する前でも愚痴を漏らしたり悩みを自分に明かしたこともあったが、今の彼はそれを口にするだけの元気や活力もないようである。
まずはそこからどうにかしないとだよな、と考えたローガンは立ち上がり、AR小隊用として割り当てられている冷蔵庫に置いてある飲み物を物色。
「たしかまだ残ってたよな~っと……お、あったあった。M4、M16が二日酔いで動けない時はどうしてる?」
「え~と、M16姉さんは基本机で突っ伏しているか自室で横になっているそうですけど……ああ、食べるものとしてはヨーグルトなら良いみたいですね」
「それだ。ここだったらどこで手に入る?」
「基本は配給の物資にありますけど、食堂のメニューにも単品であった気がします。今でも利用できるはずなのでちょっと行ってきますね」
任せた、と言うとM4はやや小走りで部屋から出て行った。ローガンとしても自分が行ってもよかったが、こちらの体調も調子が良いわけではない。やや遅くなってから顔を出したこちらを見て心配してくれていたので、なんとなくであっても察してくれたのだろう。
彼女の気遣いに感謝しつつ、ローガンは棚からコップ一つと冷蔵庫から取り出したスポーツドリンクを持って自分のデスクに戻った。
「ほれ、とりあえずこいつも飲んで落ち着いとけよ。本題に入る前にお前の体調がある程度でも回復してくれなきゃおちおち話もロクにできないからな」
「ごめん……」
「まあいいさ。遅くはなったけど、出張お疲れさん」
注がれたスポーツドリンクをもったハリーと軽く乾杯したローガンは、ちびちびと飲み始めた彼の様子を窺いつつ火傷をあまり気にせずに飲める程度に冷めた自分のコーヒーを飲んだ。
本来であれば二日酔いになったことを咎めてもいいのかもしれないが、昨晩での彼の状況をバーで見たローガンからだと文句の『も』も出てこなくなった。会話の内容は知らないが、あの場の雰囲気的には対応に困るものであったことには違いない。それにローガンにもそれを悪く言えないほどの訳もある。
「そういえば、まだパトロールの任期は今日も含めてまだあったよね?なんでここにいるんだい?」
「あぁ、いや……起きたら置いてけぼりを食らわされてな。ペア組んでたAR15がROを代役としてもう行ってしまっててもう追い付けなかったんだよ……」
「置いてけぼりって……寝坊した?」
「……う~ん、でもまあ説明すると長くなるしそうしてくれていいか。どの道あいつらから説教を食らうことはもう覚悟してるし、ヘリアンさんからは腹を抱えた状態で笑われたからな」
「……まあ、僕も非番とはいえこんな酷い有様だし言う事は何もないよ」
昨晩の記憶はちゃんと残っている。バーで45とどのようなことを話していたことも全て思い出せる。ただ、記憶の最後が身震いするほどの彼女の笑顔と一瞬で眼前に迫ったノックダウンパンチだ。
バーに備え付けられているソファの上で横になっている状態で起床したローガンは、まず目を開けた自分の視界が白くなっていることで首を傾げつつそれを剥がした。パラリと捲ってみると、そこには『あなたの代わりにROとパトロールに行ってくる。だから今日一日は右腕の怪我の療養でもしていなさい』とAR15からの書置きの文章があった。そこで何があったのかを思い出したローガンは、鼻をさすりつつ車庫に行って一応確認。そこでは思ってた通り、昨日民間人から拝借した大型バイクがあるだけでパトロール用の車両はもうなかった。
どの道、バイクの持ち主である当人に返すための手続きをしたりするだけでなく、高速道路に進入するのに利用したゲートの方にも対応しなければならないので、その為の時間が多く確保できたと思えばまだ少しだけ気が休まる。が、今日の夕方になってAR15が帰ってきた時がどうなるかがわからないのでどこか落ち着かない。
気分が顔色だけでなく落ち着きがある程度まで回復するまで、ローガンはハリーと他愛のない雑談をしていた。彼がいない間、基地内であったなんてことのない出来事やショッピングモールに関しての報告書では記載できなかったことなど、気を張り詰めるような必要がないことだ。徐々に元気と力のない笑顔から良くなってきた様子が見え始めた頃になって、食堂に向かってくれていたM4が帰ってきた。
「戻りました。指揮官、ヨーグルトだったらまだ食べやすい筈ですよ。M16のお墨付きです」
「ごめん、助かったよM4。それと何から何までありがとう二人とも」
「どういたしまして、大丈夫ですよ。ゆっくりでいいので落ち着いて一口ずつ召し上がってください」
使い捨てのプラスチックの容器に入ったヨーグルトを少量ではあるが口に運んでいくハリーを温かい目で見守っていたM4は、彼が食べ終わるまでずっと待っていた。ローガンも少なくとも急に吐くことはないだろうと察しコンピューターを操作して画面をさきほど自分も見た尋問記録を映し出し、いつでも再生できるようにして連結しているもう一つのディスプレイにはワープロデータを表示させておいた。
「……いいよローガン、もう再生して。聞き取れなかったりしたところは補足してもらうなりするけど、大方の事は頭に入れておきたい」
「あの指揮官、私もこの記録を見させてもらっていいのですか?」
「かまわないよ。話の規模は僕にはまだわからないけど、一筋縄ではいかなさそうな案件だ。場合によっては君のAR小隊の力も必要になる」
「……わかりました」
二人の視線がコンピューターの視線が一つに集中したことを合図に、ローガンは再生を開始。画面は暗転しており設置されていたらしいカメラの動作を確認するためのノイズ音から始まり、そのうち口の周りに髭を生やした体格が良い男性の顔面を大きく映し出した。
そこからはローガンも今回で三度目となる記録の再生だ。尋問記録がネット経由で送られたので確認も含めて来て欲しいとヘリアンから端末を通じて言われ、最初は彼女と一から最後までノーストップで聞いていた。再生が終わった後で、ローガンは情報整理も含めてコピーしたデータを執務室に持ち帰らせてもらったのである。まだ陽も空の頂点に達していない時間帯、脳の回転もまだ十分ではないので時間が必要だった。
ハリーが聞き逃したりM4が聞き間違いがないかの確認としての巻き戻しを何度かやって三十分ほど、一通りの再生が終了したのでローガンは一旦体のストレッチすべく椅子から立ち上がり、伸びをしたりして体を解した。
そのうち、昨日の事件の流れを大まかにメモしたローガンのメモをM4と読んで熟考を終えたハリーが口を開いた。
「うん、概ねわかった。捕虜の言ってた一つ目の情報についてだけど、心当たりがあるよ」
「さすが、情報通の指揮官の座にいるだけのことはあるな」
「とは言っても、確実性はないよ。あくまで可能性があるというだけであって、それが正解とは限らないことを念頭に置いて聞いてくれ」
ギィッ……と軋んだ音を立てた椅子に座り直したローガンはM4と共に彼の方に向き直る。
「何週間か前に、ここから管理区域よりさらに南にあるダム関係の調査記録をまとめたメモリーを紛失した報告がこっちにも来たんだ。ダムの老朽化のチェック、機器の数値、動作管理をしている人形の確認と交代。水質の確認もしているから、失くしたらわりとシャレにならないものをね。失くした職員はこっぴどく怒られながらも捜索したけど見つからなかったって」
「随分とやらかしたなその職員。つうか待て、管理区域より南ってことは無人地帯で鉄血が出てくることだってあり得るんじゃないのか?」
「その対処のためにこっちから護衛として何人か毎回派遣してるよ。僕のとこにも知らせが来た理由としてはまさしくそれだね。任せていた人形達が帰還報告したそのついでに雑談と一緒に教えてくれたのさ」
ハリーの言うダムというのは、ここグリフィン南アメリカ支部が管理する管理保護区域のS15からさらに南南西へ約三十キロで位置している。そもそもの話、まだ人々の営みが安泰していた頃に設立されたそのダムを放置しないで管理下に置いている理由はローガンには見当たらない。鉄血が湧いてくる可能性もある以上、保護域より外にあるそこを見放さずに人形を使って管理しているのはなぜか。
「一つ聞かせてくれ、俺達の手もすぐには届きづらいそこを手放さない理由は?」
「簡単な話だよ。もしそのダムの機能が停止した場合、この基地だけじゃなく民間区域にも影響が出るんだ。飲み水としては利用できないけど、日常生活で使われている水が停止した場合は三日と持たない。すぐに販売店に人が殺到して全区域がカオスなことになりかねないよ」
「事実、ローガンさんがこちらに来る前に一度だけダムの機能が停止して慌てる事態になりました。その時は各地で貯水していた水を使用することで大事に至りませんでしたが、もし本格的に跡形もなくなくなるほどの事になった時は想像もしたくないですね……」
水というのは自分達が無自覚で多用している物だ。生命活動を維持するために飲んでいるのに留まらず、身体を洗浄したり排便の洗い流し、植物や魚などの生命を育てているのであれば土や水槽に、芸術や工場での作業でも使うことはある。または温めて湯にすれば使い道など幾らでもある。もしすぐに使える状態になっているそれが枯渇した場合はどうなる?川に行って汲みに行こうとしても、現代は敵対するAIや各地で己のルールに従って生きているグループとの戦いだって十分にあり得る時代だ。そうなれば、グリフィンなどといった戦力を持つPMCなどには仕事こそ殺到するが抱えきれないだろう。むしろそうなった場合、我慢の限界に達した民間人がこちらが緊急時の為に保有している飲み水も奪取されかねない。そうなればこちらとしても見過ごすわけにはいかないし、盗人の行いに便乗する輩だって出てくる筈だ。言葉と取り押さえによる静止では抑えきれなくなった場合、銃器による実力行使も視野に入れなくてはならない。そうなればもう秩序も何も無くなってしまった、物資の奪い合いが始まってしまうことは必然だ。
人間というのは命の危機に陥った場合、常識や倫理を薄れさせていってしまい終いには捨て去ってしまうことだってある。ローガンもそうなってしまった人間を多く見てきた。
無人地帯で鉄血から隠れて生きていたある民間人は食糧の備蓄が無くなったので、かき集めるように周辺の森から食用として口にできる野草などを集めた。しかしその中に見間違いで毒を含んだそれがあってもおかしくない。それに気づかず、腹痛による下痢や吐き気からの嘔吐を繰り返した。失敗から学ぼうにもどの野草が原因だったか分からなかったその民間人は、今度はキノコなどの別の食材にも手を出したりした。
一時は根なし草として同じく無人地帯を渡り歩いていたローガンが次に変わり果てたその者を見た瞬間、ナイフを持って襲われた。最終的にお互いに命を落とすことなかったが、一歩間違えれば発砲せざるを得なかった出来事だったことは間違いない。
思い出したくもない記憶を払ったローガンは現実の方に意識を戻した。
「ともかく、そのダムの重要性はわかった。仮にバーンズっていうあいつが持って行った麻袋の中にそれがあったことはどう考察できる?」
「……どうでしょうね。ダムの性能検査を行っていた複数の職員のうちの一人が、データを持っていた方から奪って隠した場所が食糧庫だった……ていうのは安直ですか?」
「逆に本当は紛失しておらず、隠し持っていたことも考えられるな。ハリー、その紛失したスタッフの居所はわかるか?」
「たしか責任を問われて辞めたと記憶しているけど、僕もその先までは把握できていないよ。時間をもらえれば辿っていけるとは思うけどね、調べておくよ。それと並行して、一応南のダムの方に偵察隊も出して周辺の様子を確認してみようか。もし今回で裏で糸を引いてる『依頼主』という奴の最終目的がそこにあるのだとすればゆっくりとしてはいられない」
「そうした方が良いですね。笑い話で済めばいいのですが……」
M4がそう切実に願うような台詞に同意しつつ、ローガンはもうすっかり温くなったコーヒーを飲み干した。
画面の向こうの奴の言う『依頼主』とは誰か。受諾した彼らからも良く思われていないんじゃ、相当性格が捻くれているんじゃないだろうかと考えながらまた新たにコーヒーを淹れるために立ち上がった。
――――――
昼休みになる少し前にハリーは偵察隊の編成と派遣を最優先でするということで指令室に向かって行った。考えが纏まらないので本格的な考察は後回しにした彼の体調を心配していたM4が昼休みを一部返上する形で補佐すべく共に向かっていくのを見送ったローガンは、食堂に向かう前にラボにいるスオミの元に向かった。
ハリーの体調とは別の心配要素があった為、早足で向かって行き、ここの角を曲がれば突き当りにある……というところで意外な来訪者がそこにいた。
「グローザか?あれ、お前なんでここに……?」
「あなたこそなんでここにいるの。今日のパトロールに出ている筈じゃ?」
「相方から放置プレイを食らったからってことであとは察してくれ。お前こそ何でここにいるんだよ」
「私は今朝『今日は代わってあげる』というメッセージが部屋の端末に来ていたから、ヘリアンさんと相談したけど結果的に任せることにしたわ」
総司令官殿はそのメッセージの送り主が誰か察しているんだろうな、とローガンはボンヤリと思いつつ、手荷物を持ちながら前を歩いていたグローザに追い付いた。出会った時からも変わっていない服装の彼女だが、敵車両のフロントガラスを砕くときに叩きつけた手の方には、損傷した人工皮膚の上から新品のを張り付けてじっくりと馴染ませるまでということで包帯が巻かれているという点だけが違っている。
この先は他の部屋もない以上、行先は同じだということを察したグローザは少し嫌そうにこちらを横目で半眼で睨まれはしたが、省かれたことも含めて結局は咎められはしなかった。そして横に並ぶほど気が付いたことが一つあった。
「……お前、昨晩十分に寝たか?」
「いいえ、寝てないわよ。戦術人形であるのだから、睡眠は人間と比べてそこまで必要性はないし時間の無駄よ」
「だからといって全く寝ないっつうのは問題あるだろ。人に言えたことじゃないけど、コンディションを整えておくのは兵士として基本的なことじゃないのか?」
「私に大きく出れないなら口を開かない方が良いし、余計なお世話。それにここが奴らに攻め込まれたって、私なら一人でも追い返せるわ」
「大した自信だよったく……」
半ば呆れたが、昨日のように味方車両から敵の方へと跳び移るという荒業をやってのけ、終いには情報を無事に押さえるために運転手もろとも制圧するといったコミックの異能ヒーローも真っ青な事実もある為口を閉じた。そしてもう一度横を歩く彼女を盗み見た。
昨晩ヘリアンから聞いた記録の通りであれば、彼女も過去に指揮官を亡くした。それも、誓約をしてお互いに唯一無二の存在であることを認め合った相手をだ。戦場であれば親しき誰かを失うことなどよくあることであり、ローガンも過去に背中を預け合った友人を何回も失った経験からその痛みもよくわかる。だが彼らはあくまでローガンが共に肩を並べて戦うのに信頼がおける、という人物たちだった。冷たい言い方だが、信頼以外にも親しい仲として『友愛』の情を持ててもあくまで『戦う場での相棒』というだけであって、それ以外ではなんの感情を持ったことがない。
ではグローザはどうだろうか。彼女は戦術人形ではあるが、ローガンが主に関わってきたAR小隊や404小隊の皆のように人間とそう変わりがない感情の豊かさがあるのではないかと思える。自身に対しては厳しく辛辣な態度ではあるが、優しさも持ち合わせているのようだった。でなければ、パトロールで組んでいたスオミの元に足を運ぶことはないだろう。事務的なものであるのなら、修復がもうすぐ終わるであろう今頃になって手荷物として持っている物の中にシュークリームといった甘味な菓子がある筈などないのだから。指摘すれば睨まれて小言を言われるのが目に見えているのでなにも言わないが。
「さてっと……」
ローガンはグローザに倣って基地内で有効であるIDカードを順番で端末にかざし、扉が開くとラボの中に入った。
人形の修復を行うには、それに用いる資材や機材だけでなく人材も必要だ。目には見えない不調を起こしている人形がいたとして、体外スキャンができる機器があってもそれを操作する技師がいなければ意味がない。
ラボに入った二人はまず、ここの基地で人形達のメンテナンスなどを何人かの助手と一緒に行っている主任を探した。
「ふーむふむ、ここの配線が並列で繋がっているのだから、電力と作業の効率をさらに上げるにはここを変える必要があるな。でもこのままダイレクトに変えるだけじゃ機器そのものが機能しなくなるが……うむ、これならいける!やはり私は天才か!」
「主任、それ弄ったら負荷に耐えきれず回路がショートしてしまいますよ。電圧の数値が規格内に収まらずに焼き切れるのが僕にもわかりますしやめた方が良いです」
「はっはぁ、人生とは挑戦の連続!失敗を恐れて地団駄を踏んでいるだけではなにも進歩できないのだよわかるかねワトソン君!」
「わかりませんし僕は探偵助手ではありません。この間呼んだシャーロックホームズを読み終わったそのテンションで仕事しないでください死んでしまいますよ主任が」
……そういった機材のメンテナンスも可能である技師の主任の彼が今、仰向けになった状態でボードを滑らせて潜りこんでいるわけだ。
会話の内容で馬鹿なことをしているように思えるかもしれないが、要は電気の効率を上げるために内部構造を弄っているらしい。ローガンは端末を用いてのドローンなどの操作も可能としているが、その端末の詳しいことまで知っているのかと問われた場合は、『否』である。学はお世辞にもあるとは言えず、耳にした内容はともかく作業している二人の世界にはほとんど足を踏み入れられない。
ローガンからすれば彼らとは初対面となるが、色濃い個性を感じさせられたため声を掛けることもできずに呆けることしかできなかった。だが横にいるエリートの戦術人形は初見じゃないらしく、今尚も作業を続けている二人の方に歩いていった。
「すいませんお二方、ここで修復を必要としていたスオミはどちらに?」
「ああ、来ましたね。というよりようやく来てくれましたよ救世主が。ほら主任、もう修復が終わっている人形を迎えに来た方がいますから出てきてください」
「すぐにコンデンサと新品の回路と機械用ケーブルを持ってきてくれたまえワトソン君!天才としての名を後世に残すチャンスが来たぞ!」
「ツッコミどころが多すぎて嫌々ではありますがあとで存分に構ってあげます。それよりも先にこっちを優先してください。周りに目が行きにくくなるのは主任の悪い癖ですよ」
「むっ!計測している電流の数値が減少しているのか!?なぜだ、私はなにもしていないぞただ回路を組み替えただけで何も悪いことはしていない何故だ!?」
もうついていけない。ていうかスオミを連れてさっさとここから退散したい。キレッキレなツッコミをしている助手はともかく、一人でテンションのギアを上げている中年の男が残念すぎる。
主任という部下をまとめれるだけの手腕があるのだろうが、こんなことが起こり得るというのはまったく予想もできない。誰にでも性格面で一癖があるものだが、癖が強すぎる。過去に面を向かい合わせたことのある、民生組織の開発者たちは神経質で自慢したがりで相手するのが面倒ではあったが、会話が成立するだけの理性は人間としてあった。
対して、あの男はどうだろうか。『間違いなく一番めんどくせぇ……』とローガンは心の中で吐露するが、それに同意する人はどれだけいるだろうか。
斜め前に出ているグローザがどのような表情を浮かべているのかはわからないし、その心情も言わずもがな。それでもローガンがいう事には概ね同感であるだろう。
「資材を早く持ってきたまえ!我々の栄光をこの手に、だぞはっはっはぁ!」
「そうですね今よりも技術が発展しない中で法則を確立させたオームとジュールはさぞかしビックリするでしょうね。それと主任、今ここで電源スイッチを入れたらどうなるでしょう?」
「私に脅しは無効だぞきみぃ!たとえ火の中水の中、先人達が辿り着いたその先に私も行くのだよヒーハー!」
「では遠慮なく押させていただきますね~?」
「……え、マジで言っちゃってる?ああいや、感電死することはないけどその寸前まで人体に電気を流されるから後遺症もあったりしてシャレにならないんだけど。あぁそういうことかわかったぞ~、本当はするつもりはないけどそう言って妨害しようとしてるんだな可愛い所があるじゃないかこいつめ~はっはっは。……あ、ごめんなさい、マジでごめんなさい。やめて超やめてください、内部ハッチで閉じ込められると本当に真っ暗なんです!もうなんかバチバチと耳元で鳴り始めてて暗いの狭いの怖いよですまないから!開けて開けろ開けてくださいお願いしますぅうううううううううううううう!!」
快活というよりかはマッドな雰囲気を醸し出していた声色から真面目な焦りを含んだそれになって、大の大人でも発することのない涙声で命乞いよろしく叫び続けていた。青筋浮かべた助手が仕方なさそうにハッチを開け、ボード全体重を預けていた男が涙ぐみながら出てくる。
「ほら、さっさと応対してください。そうじゃなきゃ彼らもいつまでもここに拘束されることになりますから」
「……わかったわかった。まったく、冗談も分からないというの君の……うん、ごめん。もう何も言わないからその電動工具をこっちに投げつけようとはしないで」
背後にいる助手に涙目でそう言いながら主任の男はこちらに歩いてくる。人相までを把握できていなくとも先程はマッドな雰囲気を言動から思わせていたが、オーバーロードした状態から通常運転に戻った機械のようになった現状だけを見ると一般的な常識人のようにしか見えない。人間の腹の底で眠らせている本能というか、もう一つの人格に似た何かとは恐ろしい物だな、と思いつつローガンはグローザの横に立つべく歩を進める。
「グローザは今回で二回目の対面でええと、そちらの方は?」
「無視してくれていいわ。新手のストーカーだけど私は気にもしていないから。スオミを迎えに来たから案内して」
「わ、わかりました。ではこちらに……」
「おおう、本人にも聞こえる新手の罵倒で俺も涙腺が崩壊しちまいそうだよ……つうかおとなしく『わかりました』って……」
毅然とした佇まいで先を歩いていくグローザの背中を睨みつつ、言い返したい衝動を鎮めて作業服の主任の後に自分も続いた。
工作機械からの高い機械音がそれぞれ独立した作業部屋から微かに聞こえてくる程度で、鼓膜を不快なほどに刺激してくるほどの音はない。丸く切り取られている扉の窓から見てもわかるほど、火花を散らすほどの作業で他に支障が来さぬように防音処理がそれぞれにされていることが察せられる。
それにすれ違ったりしているここの作業員を見て気付いたこともあった。
「ここで修復する為に訪れる人形の中には騒音を極度に嫌うのもいます。我々も昔の工場のように声をわざわざ張り上げなくても良いと言うメリットもありますし、なによりもそれぞれの作業部屋を設けることで自分の仕事に集中できますのでここ数年はこの体制を維持しています」
「さっきすれ違ったあの作業員は耳栓じゃなくて無線型のイヤホンをしていたな。作業内容によっては、っていうか人でそれぞれの違いがあると見ていいのか?趣味嗜好はともかく、『仕事するのであれば音楽やラジオを聴きながら~』ていう人もいればそうじゃない人もいたりするんじゃないのか」
「その通りです。単純に異常がないか、機械音に耳を澄ませるために単純な耳栓をしている方が多いですが、製作した物の研磨などをして形を整えるだけということで音には気を払わなくていいというような作業には好きにさせています。まあ、こちらからそうしてもいいのかを確認するために一連の作業にミスなどがないかを事前に見ておきますがね」
各個人が保有しているポテンシャルを最大限に発揮できるように執り行っている措置なのだろう。人によりけりだが作業中は手元に集中力を収束させるために雑音を失くしたいという人もいれば、疲労などを感じにくくしたいという狙いも含めているのも言わずもがな。音に限らず他人からの目線も気にする人もいるのだし、そう考えていけばこういった作業も千差万別だ。
「負傷した人形の修復もこういった感じで、それぞれで分けられた作業をするのか?」
「戦術人形の修復は一つの作業を複数人でやることがほとんどなので、こちらでするのは銃器の不良となった部品の修理やそのものの製作です。ハリー指揮官から依頼されたドローンやキットの作成もしますよ。最近の最高傑作といえば、シーカーマインと新型のガスグレネードです」
「あいつ、ここでダイレクトに装備の製作ができるようにしていたのか……」
ROが使っている装備の中にシーカーマインというのがある。以前夜間での偵察任務で同行してきた彼女が持っていたあの追尾型グレネードがどこで開発されたのかと思いながらも結局はグリフィンの本部から取り寄せたのだとばかり思っていたが、そうではなかったらしい。M4がAR小隊内で行われる演習で使ったりしているガスグレネードの供給源がここであるのであれば、基地内での訓練で使おうとはあまり思わなかっただろう。
案内に従いながらもよくよく見てみれば、ピンセットやらなにやらで細かい部品を摘まんでは特定の箇所に持って行ってる作業員もいる。その者は電気回路かなにかの板に向かって神経を使う作業をしていることから電子機器に対しての理解があるのだろうが、その作業員が白髪も失くしている老人であることに気付いた。……たぶん大丈夫だろうが、万が一組まれた電気回路による誤りでこちらが怪我してしまった場合はどうなるだろうか、とローガンはそこまで考えたところで掘り下げずに忘れることにした。
初めて見るラボを眺めつつ歩いていたが、修復室に到着したらしく前を歩いていた二人が止まったのでローガンも倣った。
「さてここですね……おーい班長、彼女の修復は終わったかい?こっちに迎えでお仲間さんが来たんだが」
「あ~、終わってるよ~……。こっちは一睡どころか二徹してて寝れないんだしもう休ませてくれ~……」
気だるげに机に向かって欠伸混じりに話しているその班長らしき男がそう言った瞬間、糸が切れた人形そのもののようにして机に突っ伏した。
こうなることがわかっていたのか、一人の戦術人形が手に持っていたタオルケットを丁寧に肩にかけた。その人形に関して、ローガンどころかグローザだって名前を知っている。
「大丈夫だとは思ってたけど、実際に元気になった様子を見れて嬉しいわ、スオミ」
「あの時は私のミスでしたしグローザさんが気に病むことはありませんよ。でも心配してくれてありがとうございます」
疲労と睡眠欲が限界に達した彼を気遣ったのはいうまでもない、スオミだった。
ローガンは負傷した時の彼女を直接見たわけではなかったが、昨晩現場を共にした人形達からは酷さは見た目だけであったが損傷した箇所にコアとは違う重要部品が破損していた場合でも、修復完了には時間を大分要すると聞いていた。ローガンとしてはまだ顔を直接合わせたことがないここにいる職員たちが信用できるかどうかは置いておくとしてもスオミの容態を聞いた時は少々心配になっていたので、こうして問題なく歩けている様子を見れて払拭できた。
「ようスオミ、快復したようでなによりだ」
「ローガンさんも来てくださってたのですね。あの後は大丈夫でしたか……?」
「今こうして自分の脚で立っているんだから言わずもがなだろ。まだ全面で解決に至ったわけではないけど、お前にとっての挽回のチャンスはまだあるってことだし頑張ろうな」
グローザから割と厳しい視線もあったりしたが、一応まず第一に言っておかなければならないことは声に出せた。
本心から出たそのローガンの台詞に笑顔で頷いたスオミの性格を顧みてみても、素直に首を縦に振ることがあっても頑固な面があると思う。そう考えてみると、これから言う事に彼女がどのように気分を動転させるか恐ろしいのだが、もし言わなかったときの後が怖いので逡巡するのを途中でやめて口を開いた。
「まあ言いたいことはいくつかあるわけなんだがな……」
そのような口上から始まり、彼女にとっても無二であろう存在が今どうしているのかを言った瞬間、浮かべていた笑顔が打ち消された。
口は災いの元、ということわざを昨晩45からのパンチで身をもって経験したが、こればかりは『どうすればよかったのか』と頭のどこかで悩むローガンだった。
『ドールズフロントライン』のサントラが発売されました。私は当日に購入することが出来なかったので、発売日の三日後、つまりこれを投稿する日に買ってくることが出来ました。数年ぶりにアニメイトに寄って来ましたけど、相変わらずのアニメグッズの品揃えに圧倒されそうになったりなんだったり。それで特典としてジャケットのAR15と同じ絵の壁紙をDLし、それをスマホの壁紙だとかPCのデスクトップに適用したり……あ~いいっすね~。新刊のアンソロジーは残念ながら置かれていなかったし、どこかの書店で買ってこよう……。
さてさて、今回の終わりはわりと強引にぶっちぎったのですが、次回の流れに関わってくるのでこういう中途半端な物にさせてもらいました。以前話したかもしれませんが私の場合、ストーリーの流れに集中しすぎて登場するキャラクター達のほうに焦点を当てることを忘れてしまいがちなので、ガッツリと内情に触れるような話もどこかで挿し込んでおきたいと考えていたので……。私としましても、サントラから流れる曲からも聞き取って想像できる世界観がある原作をおざなりにしたくはないですね。
話をまた百八十度(?)戻しまして、前書きでも言いました日本版ドルフロの一周年イベが始まるとのことで。任務達成でもらえるポイントを条件にAUG獲得とか、期間内に一週間ログインすることで好きなキャラを一体選べる、特定のステージでAA-12などといったキャラがドロップするようになる……おごご、頑張らないと。最近になってようやく、AR小隊でまとめれたり404小隊で組めたりとしてキャラクターの構成を楽しめてたりしてますが、ステージをクリアすることを前提にしなければなりませんし、他のキャラも育てないとですね。う~む、AUGと選んで交換するあいつ、それとグローザも掘り当てるとしたらコアが足りない……問題が山積みですがね。
まあこういった二次創作も一周年を迎える本編も、皆様がどちらも楽しんでいただければいいなと思います。
ではでは―――
『実はあの名前、本文に出すのを今回まで忘れていました』