誰も助けてくれない -Can you hear me?-   作:麒麟犬

38 / 62
トリックオアトリートで菓子ではなくカップ麺を要求されました。


37.悩める者 -Groping march-

現代になって人間以外にまだ生存している動物といえば何がいるのか、と聞かれた場合はローガンもまず犬や猫、または鳥を例に挙げる。ローガンもいるグリフィン北米支部の基地に迷い込んで来たりして、暇さえあれば世話したり相手していることから存在は既に認知しているからだ。他にまだ根なし草として放浪していた時期に見た動物は鹿に熊など、後者であれば銃器を用いての戦いになりかねないのも目撃している。

とはいっても彼らが放射能による変異種になってたりもしながらも生存できているのは比較的に過ごしやすい、適度に日照りや雨が降り気温が穏やかな数値を示す温帯にいるからだ。彼らの生存本能が働いて生き抜くには厳しい環境下を避け、草を食むか木の実の殻を砕いて中身を食すか、それとも他生物の肉を自分の糧にさせている。

では、砂漠に生存している哺乳類に属する生物を見て何を思うかと聞かれれば、まずは驚愕しかない。

 

「おぉう……一応過去の資料を見てたりして姿形とか諸々知ってはいたが、本当に生きているとは驚きだな」

「ええ、さすがに犬猫とは違って臭いけど。いや、あの子達も臭いを発するけどそこまで強烈じゃなかった……それにしてもやっぱり臭いわ」

 

バルソクと416が恐る恐る近づいては手を伸ばそうとしては引っ込めている、その先には背にコブを成して首がやや長い生物、ラクダだった。

共有する物資を指定された場所にまで運び終わって小休止という流れになっていた。そこで腰を下ろそうとしたタイミングで、一応見ておけと話していて不快感を感じさせない腹太りの中年の男性から話し掛けられていたのである。

個体差はややあるが人一人が装備や荷物と一緒に乗るには問題ないだろう。円形の柵の向こうでズラリと並んでいるラクダを見てローガンはサングラスの裏側で目をやや見開きながら中年男に尋ねた。

 

「今回の俺達も加わる件で使わせてもらうことになっているのか?」

「おう、ハルカの嬢ちゃんから人数分用意してくれと言われてな。とりあえずあんたらの四人分、それもどいつよりも人懐っこい奴を選んでおいたよ」

 

導かれるまま全員でついていくと、隅の方にリラックスしている四匹のラクダが目につく。中年男とこちらの存在に気付いた途端、四足を立たせて寄ってきた。

柵の所まで来ると首を伸ばして鼻息を立てながらこちらの臭いを嗅いでくる。たしかにこうして接近されると416の言う通り鼻を突く、不快なカテゴリに入れられる臭いがあるがそれも時期に慣れるだろうとローガンは顔をこすりつけてくる個体の顎を撫でた。

そうしながら他を見てみれば、もう皆がそれぞれ違った反応を示していた。G11であれば臭いを嗅いでくる個体の鼻をつんつんとつつき、アイコンタクトをするように目を合わせて無言で何かを語っているようである。その隣にいるバルソクは両手でわしわしと頭から首と撫でまわし、表情の変化の無さを楽しんでいたりと方向性こそ違えど基本マイペースな二人は初めて目にする動物に物怖じせずに触れ合っている。

ローガンのすぐ近くで少々肩を震わせながら先程と同じアクションを繰り返している416にもその気楽さを分けてやって欲しいと思うぐらいだ。

 

「お前そんなキャラだっけ?『私は完璧』とか言って片手を当てながらカッコつけているのが俺のイメージなんだけど」

「うるさいわね……こんな生物なんてオールドネット上でしか知らなかったんだから仕方ないじゃない。得体のしれない、理解が及ばない物に対して警戒するのはおかしなことじゃないでしょ」

「いや、一応生態まで知れているんだからそんなことはないだろ。アホなことをしない限りは危害を加えてくることはないんだし、その言い訳は苦しいぞ」

「お黙り、ローガン。見た目には表れない変異種ということだって万に一にもあるかもしれないじゃない」

 

それらしい理由を並べてはいるが結局は互いに互いの様子を窺い合っているだけである。416にも興味を示しているラクダの方はバリバリスキンシップを取る体制ではあるが、肝心の彼女が地団駄を踏んでいるので平行線のままだ。

とりあえずどうにかした方が良いかと少々考え、荒療治としての方法が思いつきはしたもののこれはローガンの一存だけではできない。許可を得る為、中年男に416にバレないようにジェスチャーで伝えたみた。

すると彼の方からは満面の笑顔を浮かべてサムズアップして返してきた。あっさり下りてきたそれに拍子抜けしながら、ローガンは表情も混ぜて確認を取ってみる。

 

(マジでいいの?場合によっちゃ柵とか壊してしまいそうだけど)

(今修繕している箇所が終わったら今日中にここを次にやってもらうことになっているんだよ。急ごしらえで建てられている柵の一部が壊れるぐらいならまだ作業時間の短縮ができるってもんだ)

 

ハルカ達から怒られることは絶対にないということにしてもらいたかったが、ここの責任者らしい中年男からそう言われたからには怒られる可能性は低い。それで踏みとどまるのであれば今しかないが、416の警戒を解くのとは別に嗜虐心が湧いて来た為に良心を心の戸棚にしまい込んで鍵を掛けた。

進展のないやり取りを動物と繰り返している416の後ろに回り込むと、ちゃっかりとこちらの様子を知っていたバルソクが便乗し同じように気配を消して近寄ってきた。

ニマニマとニヤけながら悪乗りに興じる彼女とアイコンタクトでタイミングを合わせ、三拍子を同時に刻むと416のそれぞれ脇の下から手を入れて持ち上げ、重量を腕で感じる前に一息で投げ入れた。

 

「そぉおおおおおおおおおおおおおおおい!!」

「よいしょおおおおおおおおおおおおおお!!」

「きぇええええええええええええええええ!?」

 

人形とはいえ淑女らしからぬ怪鳥のような悲鳴を口から発しながらミスパーフェクトが柵の方へと放られる。実際の所、ローガンが働かせた筋力はそうでもなくほとんどバルソクが脇と一緒に腰の方のベルトを掴んでいたので七割程度が彼女による腕力なのだがそれはもうあまり関係ないだろう。

「おっ、ぶっ!」

 

放られた被害者は油断していたので電脳の処理が間に合わないどころか対応できず、足から着地するのでなく身体全体の正面から不時着。ボフンッ!砂埃を舞わせながらその衝撃のまま顔面まで柔らかい砂に埋めて静止した。

やがてプルプルと震えながら勢いよく立ち上がり、砂まみれの顔のままこちらを睨みつけるようにして振り返ってきた。

 

「このワンパク共!一体何を……!」

 

416の声が尻すぼみに消え、怒りによる真っ赤な表情までもが真っ青でブルブルと震え始めた。それもその筈、一頭だけでも触れることもままならず何もできなかったというのに、その恐怖の対象が四倍の数になっているのだから。というより、その周囲にも見ぬ客人が来たということで興味を持ったのか違う複数の個体までもが寄ってきてくる。前からはローガン達にもしていたように臭いを嗅いでから気に入ったらしく顔を摺り寄せて来ていた。

己が知る中で最悪の部類に属する展開に直面したと察したらしい416は、すぐさま身体を屈めると犬などの四足歩行の動物よろしくラクダ達の合間を潜って走った。

 

「ぶっ……!」

「笑うなバルソク、あいつは真剣なんだぞっ。吹き出すだけならまだしも声出して笑ったら後でシバかれる……!」

 

その様相のまま右へ左と比較的に広い空間を経由してこちらに来ようとしている彼女を見て噴き出すバルソクをローガンは注意するが、そう言いつつも口角は上がって両肩の震えを止めれそうになかった。なにせ普段は気高いクールビューティーであるHK416という戦術人形が二足歩行から退化した歩行方法で四足をシャカシャカと動かしているのだ。それも表情は真剣そのもので邪念など表情から一切見当たらない。歯を食いしばりながらも目はカッと見開いて電脳に処理を全力で回してもいる416の顔を見て何も思うなというのは中々の無茶ぶりである。

初見殺しを強いられた416がラクダの群衆から抜け、柵の前までくる。高さは約一メートル六十センチで越えるには柵の間に足を掛けて地道に上るだけで良い。数秒で済み確実にラクダ達から離れられる越え方とすれば間違いなくそれだ。

しかしホモサピエンスという人間本来の姿勢に戻って立ち上がり前述した方法で越えるのではなく、かといってアウストラロピテクスよりも進化前の猿のようにして上るのでもない。薄らとローガンもどこかで期待していた、足をバネに地面を踏みしめてネコ科の動物を彷彿とさせる動作で一息に柵を飛び越えた。そこに各機関部の動力を最大出力で働かせている為か、スレスレで飛び越えているのでなくある程度は余裕残して、である。

実際にはそうでなかった筈だがスローモーションで流れていたように錯覚する。そう思うほど、416の跳躍は見事でありながら状況を知る者からすれば滑稽であった。

 

『ぶふぅ!!』

 

なんとか堪えていたがローガンもここで吹き出し、バルソクに至ってはそこで崩れ落ちた。45がここにいた場合はここまでだけでも腹を抱えて笑っていただろうが、今の416を(とど)めに笑い転げているに違いない。

束の間の窮地ではあったのだが、416からすればそうでもないのだろう。やっとこさ抜け出せたとばかりに息を荒げながら腰を下ろした。

 

「いやぁ~いいのを見させてもらった!戦術人形ってのはユーモアセンスもあるもんなんだな!」

 

いや違う。これは彼女が演技抜きに繰り広げた逃亡劇だ。

そうローガンは中年男に言いたかったのだが笑い声を漏らさないために口を結んでいるので声を紡ぐことができない。もう一人の主犯も肩を震わせながら地面の砂の方に顔を向けて時折拳を振り下ろしてはヒーヒー言ってるのが聞こえている。

 

「決めつけは良くないし一応聞いておこうかしら。私を放ったのはどこの誰……?」

 

犯人の確証があるというのに真っ向一番感情的に飛びかからないのは良いことだ。おかげでこの後の飛び火を別の人物にすべて受け流せる、とローガンは自身よりも怪力を発動させたバルソクを指差そうとしたが次に瞬きした瞬間には彼女に拘束されていた。

 

「あれ~?なんかわからないけど拘束されてる~?身に覚えないのにおかしいな~」

「まさかだけどマスターは私を盾に逃れようだなんて考えてないよなー?あんなトンデモ展開を見た対価を共に払おうじゃないか私の師匠?」

 

『シャドー隊』に組み込むだけの見込みがあるということでローガンがバルソクに合った隠密行動を始めとした格闘術などの指南をして約一ヵ月。それだけの成果が出ているのは喜ばしいことではあるのだが、その教えが逆手に取られて牙を剥かれている現状からは目を背けてはならない。目の前には目を光らせて暗黒色のオーラを立ち上らせながら迫ってくる鬼に、背後には自分諸共生贄になりに行こうとしている強者。

嗜虐心が磨り減らされて冷や汗が止まらなくなってくるのを感じながらローガンは拘束を解こうとするがバルソク自身によるそれは固い。以前教えたCQCによる反撃を狙おうとしてもそれを許さないとばかりにガッチリと両腕を固められるだけに留まらず、後頭部による頭突きも防ぐように手前に引き寄せたりと教えを実践していた。

 

「おごごごご……そうだった、お前は見た目に反して飲み込みがいいのを忘れちまってた……!」

「へっへっへ、伊達にあんたからの訓練についてこれてないわけじゃないぜ。私だって強くなれるよう日々頑張っているんだからな!」

「その成長には嬉しく思いたいところだが今は無理だ。悪いけど頭を撫でまわしてやりたいから解いてくれねえかな、そうしてくれねえとお前の方に向けないんだけど!」

「後でもいいんだぜ?私だって傷ついたら癒しが欲しくなりもするんだし、一緒に怒られた後で慰めてくれていいんだぜ」

「こ の 野 郎 ! !」

 

良い感じに纏めて一緒に怒られようとしているが、結局は416を怒らせるのに十分な原因を作ったという点で同罪なのだから逃げずに地獄に墜ちようとバルソクは言っているのである。サムズアップしている彼女の為に弁解することがあるとすれば、ローガンだって悪さをしたのだから叱りを受けようということなので間違っていない。やりすぎたことがあればそれに対しての報いをその身で甘んじるのは当然のことだ。

ただローガンの場合、大欲怨霊事件でダムにいる間にあったことの収集作業による数日間の心労もあってそうした常識まで拒否したいという状況に陥っている。

それを理解しているのだろうか、ローガンを羽交い絞めにしている腕力にさらに力が加わり拘束されている両腕や首に痛みが生じ始めた。具体的に表現するとすれば骨が悲鳴をあげ始めているといっても過言ではないぐらいに。

 

「う~ん、力緩めてくれないと骨が歪むどころか折れてしまいそうなんだよな~!乗り越えるべき山場を見ずにこんなとこでぶっ倒れるのはご免なんだけども~!?」

「そ~かそ~か~。でもちゃんとした返事をもらえないようならもっとマゾりたいということで受け取らなければならないな~」

「マゾりたいって何!?いやニュアンスから意味は大体わかるけど辞典にない新しい単語だな、嬉しいよ新しいボキャブラリーを開拓してくれて!ていうか痛えから早く解いてくれわかったから早く早く!」

「嘘はなしだぞマスター?よからぬことがあった場合は実力行使も辞さないからな~」

 

節々に拘束すべく加えられていた力が緩められるのに比例して緩和されるのに一息つけるが、それらに反比例で絶望感が急上昇する。幻視なのだろうが、416頭から角を生やし鬼気迫る形相でこちらに一歩ずつ近寄ってきたからだ。

 

「さぁ~~~~~~~~~てぇ~~~~~~~~~~?もう言わずもがな、もう自分が犯人だと自供しているものね。あんな力による暴挙をされたのだか何をしても文句は言わないわよねぇ~~~~~~~~~~~~?」

「………………………………もう好きにしてくれ」

 

ローガンは項垂れながら堪忍し416による裁きを受けることにした。とりあえずこうして怒っていながらも後方にいる動物にまた顔を近寄られても動じなくなっているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目的地に向かうべく、ラクダに乗って数十分で出くわした砂嵐から抜け出せたローガンは一度スカルマスクを外し新鮮な空気を吸い込む。スオミに勧められたことのある基地内のサウナで深呼吸したのと同じく肺に送り込まれるのは熱気で熱されている酸素でしかないが生命活動を続けるには仕方ない。ベルトフックに吊るしている水筒を手に取って水分を取ってから後方に続いている三人を見てみた。

やはり暑さによる反応は人それぞれで汗を流しながらローガンと同じように可能な限り体力を消費しないべく無駄なことはほとんどしていない。朝からここに来るのにあたり、帽子なりターバンなり頭に着けては全身を覆いつつも通気性の良い服装にそれぞれ変えていたりもしているので幾分マシなのであろうが、元のままでは過酷以上のものだったことは間違いない。

 

「出発してから一時間か。ハルカ、今のペースを維持したままだと大体あとどれぐらいで到着する?」

「ラクダ達のコンディションが突然崩れたりしなければあと二時間ぐらいだな。向こうに到着した時は数人をこいつら(ラクダ達)の世話を任すとして周辺の偵察を先に行うぞ」

「異論はねえ。でもとにかく一刻も早くここ一帯を抜けたいとは思うよ」

 

並び歩いているハルカと話して苦笑いをすると、ローガンは端末を操作しながら今回のチームメンバーがそれぞれで所持している大容量のポータブルバッテリーを無線機に接続する。サングラスのHUDにローガンが登録している接続する先の周波数が表示されたので、手始めに自分達の指揮官に接続しようと端末に表示されている数値を変えた。そしてそこで予め渡されていた予備のイヤホンマイクにもリンクさせ、

一連の作業を見ていたハルカに投げ渡し耳に取りつけるように言うと呼びかける。

 

「定時報告。こちらはグリフィン北米支部所属の派遣部隊。コールサインはアルファ1、聞こえていたら応答してくれ」

『――――――っとようやく来たね。彼女達と合流したと416からの報告で状況は窺っていたけど、別にそうでなければならないわけじゃないけど君自身がするべきじゃないのかいアルファ1?』

「悪い、こっちも良くも悪くも色々とあってな。一応今回の協力者たちの代表とも無線は繋げられているから留意しておいてくれ」

『了解。それで現状は?』

 

ハルカに選び抜かれた前方にも後方にもいる彼女の部下たちを、そして作戦を共にしている戦術人形の彼女達も見た。ローガン自身も含めて全員で三十名による行軍は今のところ問題ない。少々暑さだけではない別問題でめげているような少女もいるのだが、それでもまったく触れることが出来なかったあの時と比べれば成長したと言えるだろう。

自分と一緒にラクダに運んでもらっている自身の装備に欠落がないことを確認しながらスカルマスクでまた顔半分を覆い、ありのままハリーに報告した。

 

「今のところ問題なし。慣れない環境下にいるということで苦労はしているが、誰かが動けなくなったり交戦するような事態にもなってない」

『それはなにより。彼女達も厳しい環境下でコンディションを保つ方法を心得てはいるけど、一応目を配らせておいてアルファ1』

「了解、プロフェット。それとだが頼んでいた情報収集はなんとかなりそうか?」

『何とも言えないのが正直なところだよ。中身を悟られないかつ保護する目的で持ち出しているんだしね。それ以前に防弾ボックスに入れて物資を運びいれている鉄血なんて聞いたことないよ』

 

これまでローガンも交戦してきた鉄血の様子からは見たことのない様子であった。ハルカの兵から渡された写真を見た時は内心自分の記憶を疑ったが、そこで自問自答を繰り返しても仕方ないとして一旦切り捨てている。

とにかく詳細は不明だが、勝手に自分達で構築している枠組みとは外側の行動パターンを取っていることは確定している。これまでにも鉄血は随所においそれとは持って来れない砲台を設置したりと鉄血兵が自ら武力でもって戦いに来ることはあった。ただ、わざわざなにかを鉄血兵がなにかを持ち寄っている事例をローガンは聞いたことない。絶対の敵として見据えてきたあの連中が破壊活動をする場合はひたすらに銃を撃つというのが定石だと思ってきてたのは自分だけではないだろう。

 

「中身は何だと思う?爆薬か何かか?」

『どうだろうね。でも僕達が目的としている『ある物』の位置を彼らも知って競争に来たのもあり得る。わざわざ厳重に持ち出して来ているのだしよっぽど見られたくないかデリケートな代物、それかその両方だろうね』

「一つ質問だそっちのコマンダー。この際だからそっちが抱えている事情は置いておこう。こんなクソみたいなとこで鉄血のクソ共が行動して得をすることがあるとすれば何が思いつく?」

『言葉が汚い、ということは深く突っ込まないでおくとして回答するよ。今としてはやっぱりまだ何とも言えないけど、最終的には僕達人類に対しての害意はある筈だ。今回でどういった結果で終わることを演算してイメージにしているのか知らないけど、指を咥えて見ているままでは取り返しのつかないことになりかねない』

 

鉄血がどう行動するにしても最終的には『人類抹殺』という目的に帰結する。彼らの人間に対し殺戮する理由は自然界では起こりえない、『ただただ、殺さなければならない』というだけ。例として、生存本能や子孫繁栄といった本能による行動の一つの弱肉強食による自分の糧にしなければならない理由は奴らにはない。生身の体ではなく適宜バッテリーの充電が必要ではあるが、人間とは違って食料や水の摂取を必要としてはいない、ある意味完成した存在だ。奴らは人間達の営みを良しとしない、そうした大仰しい訳があるのかどうかはローガンは知らない。

とはいえ、ハリーの言う通りこのまま何もしないという選択肢を取った場合は、世界中が大打撃を受けることはない、そうした可能性を否定できない。万に一の確率の事なのかもしれないが、ロシアの急進派も『アネクドート』を利用してまで『オアシス』を得ようとしているのだ。どれだけの価値があるのかは知らないが、それは『パンドラ』による災厄に繋がる手掛かりの一歩である。

限られた人物にしか口外出来ない理由を裏付けたが、どちらにしても先日のダムの件並かそれ以上に失敗は許されない。

 

「誰にでもわかる回答をありがとよ。それに力押しばかりでなんとかならない、それに磨きがかかってきていることは覚えているよな」

『ああ、覚えている。単純に陽動まで加えて回り込んで攻撃する戦法までを実践するのではなく、そこ一帯をまとめて吹き飛ばして焦土にするんだって』

「冗談みたいに聞こえるかもしれないが、第一に信用できるうちのサブリーダーが辛くも帰還して言っていたことだ。旧市街地にて物資の確保から離脱する際にヴェスピドやブルートの襲撃に合い、追い込まれた書店にてあいつの部下ごとドカン。報告受けた翌日にあたしも加わってその一帯を調べてみたらC4爆弾の残骸が微かに散乱していたよ」

『予め罠を仕掛けておいてそこに誘導したのか。鉄血兵のハイエンドモデルはいなかったのかい?』

「聞いた限りでは見ていないようだな。ただ十年以上交戦経験も積んでいる奴が初見だったと言うからにはきっと何かある」

 

行末を見据えながら言っているリーダーを見てみれば確信めいた様相だった。それにローガンも思うことがあったので少々思考を巡らせてみる。決して難しいことではなく、正面から戦うのを可能な限り控えて誘い込む鉄血、それに引っ掛かるハイエンドモデルがいたからだ。

やがて思い出したローガンはハリーとハルカに無線機を通じて言った。

 

「やっていることがまるで鉄血のハイエンドモデルのハンターだ。俺は奴の手口を資料による情報しかあまり知らないが、プロフェットはどう思う?」

『……なるほど、模倣をしているという事だね。鉄血兵は命令系統を通じて従順に指令を受けれるようにしている影響で奴らの学習能力は低い。だけど効率的かつ完全には出来なくともそれに近い真似事はできる、て考えられはするね』

 

単に感覚的な発想による仮説でそれを実証する手段が無ければ根拠すらもない。ただ以前にCQC絡みの話をハリーとしたように、効率よく戦うだけの手段を普通の鉄血兵の戦術に加えただけ、ということがまず最初に出てくる。だがそれが組織立って連携を取る、それも所定の場所に追い込んで起爆することなど、その戦闘手段を鉄血が生まれる以前の昔から駆使してきた人間の兵士でもおいそれとできることではない。その戦術を教科書で読み込んだだけで生じるリスクも何も知らないというのが大きい。

それを解決する手段があるとすれば、その道の戦略を繰り返してきた熟練の人形のデータをダウンロードするか、それが無理なら直に教鞭を受けるかだろう。前者の手段はともかく、後者の方に利点があるとすれば時間がかかる分必ずしもその道に長けたハイエンドモデルから教わる必要はない。例えば、そうした戦闘模様を直に何度も見てきた人形などがいれば、などだ。

 

『それなら大分絞り込めてくる。これから行く現地にいるかどうかはわからないけど、ハンターと互いに得意不得意を補いながら戦っているエクスキューショナー、別命『処刑人』として名を轟かせている奴が関わっているかもしれない。これからこっちは急ぎでフロリダを始めとした周辺の情報を収集してみるよ』

「何かわかれば教えてくれ。今回はUAVの支援が望めない分、そうした情報をこっちにすぐに回してくれると助かる」

『言われなくてももちろんそうするよ。それじゃあまた後で。プロフェット、アウト』

 

そこで通信が途切れてイヤホンマイク越しにハルカの息遣いが僅かに聞こえてくるだけになった。返すべきかどうか迷っている彼女にそのまま持っているように言ってからローガンは双眼鏡を通じれば地平線の向こうに目的地が浮かんで見えてこないかと思い、そうした一連の行動をするが思った光景が見えず無駄に終わる。

溜息をつきながら腰のポーチに戻していると、後方から416の声が聞こえてきた。

 

「そんなことしても何も解決しないのはわかっているでしょー?視認できたとしても距離が一気に縮まるわけじゃないんだからー」

「それでも突発的にやってしまうのが悲しい(さが)だよ、深く突っ込まないでくれでくれやー」

「ローガンは忍耐力も足りないんじゃないー?ここにいる間にもフィジカルトレーニングを合間にやっておくのを勧めるわよー?」

「あんにゃろ……さっきの仕返しとばかりに嫌味たっぷりに言いやがって……」

 

ラクダに対しての荒療治をされた仕返しとばかりにニヤニヤとしているのが言葉とそのニュアンスで感じれるのにローガンは溜息を吐いた。たしかに彼女からの了承を得ぬままに、良心に鍵をかけたのだから幾分仕方ないしこれもまだ許容範囲。立て続けに416から言いたいことを言われ続けはしても深く考えずに思考を別にシフトしようとしたところで、なんとなくすぐ後ろにいるG11の方を見た。

 

「……なに、ローガン?」

「あー……まあなんだ、失敗したとか思っているんなら今回だってそこまで落ち込む必要はないからな」

 

相変わらずの内面を探ることが出来ない、ボーッとした顔をしているが眉を僅かにピクリと動かしたことからローガンは内心溜息をついた。ここしばらくの彼女がどうにも自分が関わっていることの顛末がよろしくならぬように危惧するのはまだしも、過敏に臆病になってしまっているようにも感じれていた。

何度かの呼びかけが効果を生まないこと、そういったことにG11本人に対し憤りや呆れは感じてはいないが、大欲怨霊事件を経ても好転しないことには抱いてしまっている。

自分の何が悪いのか、それとも足りないのか。苦々しい経験を積んでいくことでその命題を抱え込むことは誰にでもあって然りであっても、時を経ても緩和した様子を見せないことには重症である。

 

「どうしたもんかな……」

 

一人苦々しげに呟きながらローガンは空を仰ぐ。HUDサングラスが視界の明度までを調節し映す便利さを憎々しく思いながら行軍をそのまま引き続き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<十二日前>

 

 

 

ナビに従って治安組織の本部に車輛乗ったまま近付くと、ゲートの近くにいる職員がタブレットのような端末を持ちながら近くに来る。ローガンはそれに合わせて窓を下げて直に声が良く聞こえるようにするとわかりやすいように自身のグリフィンのIDカードとバッチを見せるようにして言った。

 

「グリフィン北米支部所属のローガン・ブラック。二時間前のカイル・ローズ巡査からの要請でここに来た」

「わかりました、少々お待ちを……」

 

治安組織『ルックオーバー』の職員がローガンのIDに記載されている使命と端末の画面を交互に見ながら入力していく。必要な手続きが全て済むまで掲げたその姿勢のまま待っていると後部座席から連れとしてついてきた404小隊の隊員であるUMP9がひょいと顔を出してきた。

 

「その場しのぎの仮設基地、みたいにちゃっちいものじゃないね。ゲートはボタン押しての手動操作だけど建物はもちろん駐車場とかも整ってるし」

「俺も初めて見るけどたしかにそうだな。これでも所々最低限の物しか揃えている程度って聞くけど……おい9、そうやって無理して物を取ろうとするな。言ったらそっちに寄越してやるって」

 

噛んでいたガムを吐き出すのに助手席側に置いているちり紙を取ろうとしていたので、ソーシャルネットワークを始めとした数々の情報源に接続している少女の代わりに一枚掴むと9に手渡してやる。手渡されたそれを口に当てている9から目を逸らし、目を閉じたまま作業に集中している45に一瞬だけ視点が止まったところで車両の外にいる男性から声を掛けられた。

 

「確認取れました。後にカイル巡査がお迎えに上がりますので車輛の駐車が終わり次第中に入っていただいて結構です」

 

ローガンは頷きIDとバッチを胸ポケットに戻すと開けられたゲートの隙間に車輛を滑り込ませた。徐行の速度のままアスファルトに刻まれているガイドに従って走らせていきながら周囲を観察していったが、この治安組織に属している職員の中にも車を有している者はいるらしくダッシュボードの上にナンバーカードが置かれていたりと一般人が駐車しているのと違いがある。とはいってもやはりそうしなければならないのは人間というのもあって、時折裏返したまま置かれていたりもしていた。

やっぱり運転なりなんなりと車が関わってたりするだけでなく、こういった細かい所でも性格が出てくるよな、としみじみ思いながらローガンは客人スペースにバックで駐車しエンジンを切った。『P226』などの最低限の装備が身につけられていることを改めて確認していると9が助手席にいる、ローガンの本来の連れであるUMP45を起こした。

 

「45姉、もう着いたよ。一旦ネットの情報収集はやめて行こうよ」

「――――――ふぅ、そうね。これが済んだら気分転換で甘いの食べに行きましょうよ、ローガンの奢りで」

「おぉう、聞き捨てならないことを言ってくれたの。俺の財布も地味に寂しいことになってるんだし自腹を切ってくれよ」

AR小隊(かのじょたち)ばかりだけでなく私達にも少しは甲斐性を見せてよローガン。お金は寂しくても心は満たされるでしょ?」

 

車輛から下りると一足先に下車していた45がボンネットに両手をつきその上から顎を乗せて見上げてくる。9は笑顔を浮かべながらこちらの腕を取ってくるが、姉と同じくこちらの財布を揺すろうとしているのがみえみえである。

 

「そうしてやりたいのは実は山々だけど勘弁してくれ。こっちは手一杯でそっちまで気を割ける余裕はねえよ」

「根詰めてあれこれ考えてばかりじゃ身が持たないよ。こうして外に送り出されたのもボスから出された一時の休暇だと思って羽目を外したら?」

 

そう言う9を少々強引に振り払い、ローガンはつかつかと『ルックオーバー』の建物へと歩いていく。自分を呼ぶ二人の少女の声が追いかけてくるのに振り返らずに押戸を開けると、そこは複数の人が行き交う待合室。職員だけでなく一般人もいるがそう呼ぶにはいささか狭い空間にローガンは中に入ると奥の廊下の方から知っている顔が出てきた。

こうして顔を合わせるのはローガンからすれば久しぶりだが、後ろにいる45と9はそうでもないだろう。

 

「すまない来てもらって。そっちも暇じゃないだろうに」

「気にするな、この件に関することを回線やネットを通じてでなく直接伝達するように言ったのはこっちだ」

 

カイルはローガンと握手をかわすと、そのまま45達の方にも手を差し出す。彼女は相も変わらず営業スマイルを浮かべてはいるが内心表に出ている感情のままではないだろう。現に差し出されたその手を取らずに9とニコニコとしているだけ。

ここでローガンはカイルが45達の404小隊の事を知らないことにようやく気付き注釈した方が良いかと思い口を挟もうとした。しかしそれを片手を上げた彼女に止められて口を噤む。

 

「私達と仲良くしようとしても無駄ですよ。仕事を共にしたとはいえあなた達には腹を開くつもりなんて微塵もないのですから」

「それは薄々感じていたさ。だから無理してこの手を取る必要はないし、こちらから力づくで取らせるつもりだってない。単にこれは仕事とは別であんなことを言ってくれたことの礼だ」

 

ローガンは心の中でクエスチョンマーク出していたが9は心当たりがあるようで感嘆に似た感情を表している。当人たちの一人はすぐに思い当ったようで額に手を当てながら深い溜息を吐いた。

 

「あれを真に受けたというのですか?だというのならとんだおめでたい頭ですね。あなたを振り切る為の嘘だったというのに」

「言った当人が嘘だったというのならそうなんだろうな。だけど今のその発言が本当だという証明はできるか?」

 

その言い返しに45はやや苦々しげに顔を逸らす。それにローガンは9と共に予想していたのとは違う会話の流れになり始めていることにも気づく。単純な好奇心が働くままに、悪意なくニヤリと口角を上げているカイルと珍しくマウントを取られている45、そんな二人の様子を見守った。

 

「嘘つきと認識されたら本当の事を言ってもそれが真実だと証明する必要も出てくる。俺に言われなくてもわかっているだろうがな」

「随分と捻くれたこと言ってくれるじゃない。それを考え付く私も同類なんだろうけど他人に言われると頭に来るわ」

「だろうな。こっちはこじつけるなりなんなりして言い逃れようとして来る連中の相手をしていると嫌でもそういった考え方が染みつく。まともに相手しなければならなくなりもするし大変なもんだよ」

 

単純なひったくりなどならまだしも、魔が差して非人道的な犯罪に手を染めた相手の場合は違ってくる。それぞれが自分が中心の価値観を持ち俯瞰的に物事の正否における判断が鈍ってきているので、深く掘り下げるのなら同じ目線に立たなくてはならない。それはつまりその当人に同じような境遇に自分を落とし入れる、ということだ。

カイルがどのような経緯を経てこの治安組織『ルックオーバー』に加わったかはローガンの知るところではないが、こんな職に就いている以上は誰かに敷かれたレールを走っているわけではないだろう。深く考えないままに続けているにしても、グリフィン北米支部が取り持つ広い保護区の治安活動は割と少ない人員で行っているので決して易しいものではない。そうである以上は生半可な忍耐ではやっていけないことは確かだ。彼が今しがた言った取り調べのことだって、相当の体力もなければすぐに心が折れてしまってもおかしくない。

 

「お前の努力の賜物と先達のおかげ、てな感じだな」

「そうかもしれないが、大部分は先輩方が見捨てないでくれていたのが大きいさ。なにせ自分の事だけでも精一杯なのに、新人の頃の俺から目を離さないでくれていたんだしな」

「ひたむきに頑張り続けた姿勢を忘れないようにな。俺なんて―――」

 

そう言い掛けたローガンは脳内で恩人達を思い返そうとするが、まず最初に浮かんできたのが彼らの死に様だった。死因がどれもバラバラで見たくないものをずっと見させられてきた、その胸の痛みが総じて突いてきた。何よりも一番痛々しく思ったのが、少年時代の自分を矯正してくれた、顎など至るところがモサモサの髭面であった『教官』だった。彼が亡くなるのに至った要因は銃に撃たれたのでもなく、ナイフに急所を突かれたのでもない。だからといって事故で圧死したのでも、高所から落ちたのでも、因縁のある相手に謀られたのでもない。ただ、知らぬ間に身体を蝕んでいた病によって亡くなった。

『教官』が亡くなるその時、その死に様が他の死よりも痛々しかったとローガンは思う。安らかに眠るよう、たしかにそうした比喩は当てはまる。

だがそれが一番看取る人の心が苦しまない、ということはない。多少はマシなのかもしれないが、ローガンからすれば生き方を変えてくれた人生の恩人が亡くなる、そのような大きな違いがあるだけで無気力になってしまいそうだった。今になれば笑い話になってる記憶を忘れても、同じく忘却の彼方に飛ばすことはローガンにはできない。

 

「おい、どうした?」

「もしも~し、ローガン?」

「……ローガン?」

 

ゼンマイによる動力が切れた人形のようだったローガンにカイルは疑念を首を傾げ、9は屈託のないままに手を振り、45はやや心配そうに様子を窺った。

自分が束の間の思考にトリップしていたことに気付き、現実に意識を戻すと呼び出してきたカイルに尋ねた。

 

「それで、俺達にも報告しておきたいことってなんなんだ?」

「ああ、それなんだがまず俺のチームのオフィスに来てくれ。見やすいようにデータを纏めてもあるから」

 

先導する彼に従い三人で移動すると、曇りガラスで仕切られた部屋に通される。中は六つの事務の机があり、その上には書類やら機材やらが散乱していて整理整頓が行き届いているとはとても言えない状態になっていた。

 

「あれ、他に人はいないの?」

「別件で出動がかかってな。その時俺はこれを最優先で纏めるように指示を出されていたからお役御免だったんだよ」

 

比較的紙束や道具を所定の場所に置いてある机の上でカイルは付箋が貼られている一つのファイルをこちらに差し出した。先頭に立っていた9がそれを受け取って中身を取り出し、45もそれを覗き込む。

彼女達よりも背が高いローガンは後ろから目を通そうと思ったが、後で渡してもらうとしてあることをカイルに聞いた。

 

「そういやカイル、この間俺が頼んだ氏名からの人物照会はできたか?」

「ん~……あぁ、あれか。ちょっと待ってろ」

 

そう言った彼は机の引き出しを開けてA4サイズの茶封筒を取り出して中身の書類を取り出す。白紙になっているそれの裏面をこちらに見せながらローガンを見た。

 

「確認するが、あんたが探したい人物の名は『グレイ・カーンズ』で性別は女性、だったな。そんでここの保護区内のどこかにいると」

「ああ。グリフィンの権限でデータベースにアクセスしてみたが、更新は大分前に止まってしまってから当てにならない」

「そりゃあそうだ。ありゃあデータ容量が圧迫されて紙の方に新しい情報が移されたんだ。最新のが欲しいのなら地区管理局に問い合わせないとだし面倒だよな」

 

先日の事件の真っただ中にグレイという女性から貸し与えられた『レミントンM700』を返却する為、使用した弾薬諸共完璧に整備された状況で菓子折々と一緒に持って行こうとしたが彼女の所在がローガンはわからなかった。当時の身分証明を見た時は急いでいたのもあって氏名の部分しか確認できていなかったのである。

事件に関わった人形達と共に後処理をする、それだけなくローガン自身は後日の方針会議の準備で多忙の時期に入り彼女の所在を調べることまで手が回らなくなってきていた。頼りになる人形達も忙しく余計な仕事を彼女達に寄越すのが悪いと思ったローガンは、グリフィン北米支部と密接的に連携している他組織に頼むことにしたのである。

そしてその白羽の矢が立ったのは、保護区内で発生した銃撃戦を始めとして事件解決に関わった『ルックオーバー』のカイルだった。

 

「こういうのを済ますのに電話一本で手続き完了、じゃなかったからな。まあ個人情報の流布なんだし、そう易々と渡せるものじゃないのは理解しているけど」

「本来ならそうだな。だけど奇妙なことに書類上の本来の手続きをすることなくこれが送られてきたんだ」

「どういうことだよ?」

「まあ見てみろ。論より証拠、てな」

 

渡されたその書類にローガンは目を通す。その一字一句を読んでいった末にローガンは思ったことを口にしていた。

 

「頼んでおいてなんだがこれは本当か?管理局やお前を疑うわけではないけど隠しているんじゃと思ってしまうぞ」

「彼らの面子の為にも言うが、大マジにそんなことはない。こっちも一応再度問い合わせたが嘘偽りなど一切なくそちらに送ったのが全てだと言われた」

 

カイル自身に恍けたような様子はないが疑っていても仕方ないのでもう一度視線を紙面に落とす。それでもそこに記されていることが真実だとは信じがたい。

グレイ・カーンズという名前の人物は存在しないと、気分転換を経て45と9連れて基地に帰っても尚、ローガンは自身に言い聞かせるように脳内で反芻していた。




そうか~今度は宇宙に行っちゃったか~……、てな感じで別のスマホゲーのイベントを読み進めて行ってイベントを一旦済ませましたが、ドルフロもこんなぶっ飛んだイベント来るのかなと思ってたりもします。基本このゲームはシリアスメインなので少々考えにくいですが、逆にアニメみたいにはっちゃけるのもいいんじゃないかと思うんですよねぇ。ストーリーを自分なりに読解していくと少々心が痛んだりしますから、一部だけでも明暗をわかりやすく分けるのもいいというのが私の持論です、はい。
物資も十万代に上り詰めましたし、今度はヤバいロシア銃の二人組の実装に備えて製造契約の貯蔵にも入ろうとは思っています。しかし未だに手に入らない人形を見てしまいます。中でも手を焼いているのが、MGの最高レアリティのあの子。いや邪険にするつもりなんて一切ないし、来た暁には一気に最大までの編成拡大を済ませるつもりなのですがなんで来ないのかなぁ……。やっぱり無欲、無欲で何も考えないのがいいのか。今までそれで最古の英雄王とかマハーバーラタの大英雄が来たし、それが一番なのかな。
てな感じで今は絶賛別ゲーに勤しんでいますが、ドルフロの方も抜かりなくFNCのハロウィンスキンも手に入れました。地道に物資を集めて戦力を育成、ストーリーも進行させるつもりですが生半可なまま突破できないでしょうね、あの山脈は。とにかく第四部隊まで主戦力部隊を組み上げてますし、あとはそれを強化するだけ。こちらの二次創作はもちろんのこと、忘れずにやっていくつもりです。
では今回はこの辺で―――


『感染症とかそういうのは置いといてます』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。