Fate/reselect 作:Fate/reselect出張所
私はどこにでもいる無気力系天才美少女、佐藤真波!
ある日、いつもどおりの日常を送っていると左手に不思議な痣が浮かんだ!
そしてそれは、日常の終わり・・・非日常の、始まりの合図だった!!
それから、私は死霊術師に誘拐されたり、ライダーを召喚したり、亜種聖杯戦争に堂々参戦したり、調子に乗って同盟を作ろうと提案したり、左腕をチョキチョキされて死にかけたり、目が覚めたらライダーを失ってたり、
魔女に誘拐されたり、キャスターに救出されたり、バーサーカーに誘拐されたり、アーチャーに誘拐されたり……。
佐藤「街を滅茶苦茶にしてる中年の話を聞かされたり……」
ドラゴン先生(以降、D先生)「………」
佐藤「なーんてたのしい、非日常なんだろーって……はっはっは」
D先生「………」
佐藤「……笑えよ、先生」
―――
SS『ドラゴン学校 ~これで君も亜種聖杯戦争マスターに~』
D先生「という訳で、今回はいよいよ日坂聖杯戦争の核心。『欠片』を巡る物語をダイジェストに纏めるよ」クワー
佐藤「ついにこの謎時空も三学期かぁ……」
D先生「さあさあ、佐藤さんも席について。時間がないからパパっと始めるよ!」
佐藤「はーい。この聖杯戦争も終盤、そろそろ私達の出番が来るってことですね……あれ? いま私、催眠アプリってやつで寝かされてるんだっけ?」チャクセキッ
D先生「アプリじゃなく魔術……いや、まだ気づかないでね? そういうの……」
―――
『第三回、ダイジェストで語る日坂杯戦争 ~反省しろ、おじサー~』
D先生「ではまず物語の鍵を握る聖杯の『欠片』……聖堂教会が言うところの第二百七十四号聖杯について解説していくよ」カツカツ
D先生「第二百七十四号聖杯は中世ヨーロッパで発見された、ひとかけらの木片だ。そして人々はそれを、長い時の中で砕けた聖杯の一部であると信じていた」
D先生「だから人はその『欠片』を聖なるものとして信仰し、求め、奪い……殺しあったんだ」
佐藤「何かのっけから、血生臭い話になりましたね」
D先生「人類史に刻まれた、血で濡れた歴史のお話だからね。けど、そうやって積み重なった歴史があるからこそ、『欠片』という聖杯は、強固な魔術基盤と神秘を有するに至ったんだよ」
佐藤「なるほど。『欠片』が本物かどうかはさておき、その効果は本物並みということですね。鰯の頭も信心からってやつですね」
D先生「うーん、その例えは世界の多くを敵に回すからやめておこうか。しれっと流してるけど、この時点で数千、数万の屍を築いているだろうしね……まあそんな『欠片』だけど、第二次世界大戦の末期、色々あって南米に渡ったんだ」
佐藤「先生、色々って?」
D先生「それはね……」スゥー
D先生「第三次聖杯戦争でダーニック・プレストーン・ユグドミレニアに『冬木の大聖杯』を盗まれしかも戦争に負けそうなドイツ第三帝国が、世界中から搔き集めた遺産まで他国に奪われるのを恐れ亡命先に遺産を持ち去り秘匿したからだよ(早口)」カツカツ
“元を辿れば、やっぱりダーニックおじさんが悪い”
佐藤「ダーニックおじさん……前の話にも出てましたね。亜種聖杯戦争といい、この世界線の元凶過ぎない? この人……」
D先生「その辺は、前回の話を読んでね」
―――
『第三回、ダイジェストで語る日坂杯戦争 ~ナンバリングがゼロとかになる倫理観ゼロのヤツ~』
D先生「それから時は流れ、西暦1992年! 戦火の中へ消えたと思われた『欠片』は、南米にて行われようとしていた亜種聖杯戦争で再び姿を見せることになる!」
佐藤「おお、ハイテンション……50年近く、ずっと誰が持ってたんですか?」
D先生「ある、年老いたドイツ人……だそうだよ。そして彼はこの非公式の亜種聖杯戦争で、あろうことか『欠片』を英霊召喚の触媒として使用しようとしたらしい」
佐藤「触媒って……あれ? それってつまり……」
D先生「そうだね……実際、彼が英霊として何を召喚しようとしてたのか。そしてそれが成功したかはさておき……この南米で行われた亜種聖杯戦争はね、件の老人が率いる人造英霊兵団、タカ派の神父が指揮を執る第八秘蹟会、亜種聖杯戦争に好機を見出した商業連合という三つ巴の戦いによって開戦宣言すらなく終わったらしいよ」
佐藤「え……聖杯戦争すら成立せずに終わったんですか?」
D先生「破壊工作に暗殺、買収やら裏切りやら……色々あったみたいだねえ」カツカツ
“言えそうなことは大体ドンパチ 想像のヤツと大体同じ”
佐藤「酷すぎる……!」
D先生「そんな訳で、この聖杯戦争は勝者どころか参加者すら曖昧なままご破算。それを機に『欠片』も焼失……だったらまだ良かっただったんだけど、実はごたごたの最中に二人の日本人が回収したんだ」
佐藤「……それって」
D先生「そう。『バルーンスパロー(ふくら雀)』という、触媒のレンタル会社をやっていた若き二人の魔術師……鏡宮悟と、読水奏馬だよ」カツカツ
佐藤「………」
―――
『第三回、ダイジェストで語る日坂杯戦争 ~悪に墜ちる。聖杯のために。~』
D先生「さて……南米での火事場泥棒で『欠片』を回収した鏡宮悟と読水奏馬は、故郷の日坂市に戻り『欠片』の研究を開始したそうだ」
D先生「当初、その『欠片』の正体は掴めなかっただろうけど……それもすぐに分かる。自分達がどれだけの物を手にしたか、どれほど危険なものを故郷に運び入れてしまったかを理解するのに、時間はかからなかったろう」
D先生「話によると、読水は数年で『欠片』の研究から離れ、逆に鏡宮は『バルーンスパロー』の事業拡大と研究にのめり込んでいったらしい」
D先生「読水奏馬が鏡宮から離れたのは、鏡宮の強引な事業拡大と……子供が生まれたことが理由だそうだよ」
佐藤「……それが、読水竜也さん?」
D先生「そうみたいだね……」
佐藤「………」
D先生「ちなみに鏡宮の方は、それから数年後に結婚してる。夫人……旧姓、弓口青音(ゆみぐち あおね)さんは『バルーンスパロー』設立の出資者で、且つ社名の命名者らしいけど、当時は何と中学生だったそうだよ」
佐藤「……ほぉ、なるほど」
D先生「……ちなみに、結婚についてはそれなりに揉めたらしいよ?」チラッ
佐藤「ふむ……あ、いや、その辺は聞かない方が良いかな?」
D先生「そうだね」ザンネン!
D先生「あ、それと鏡宮が研究を続けているこの時期に、さっき話に出てたダーニックおじさんはこの世から退場するよ」カツカツ
佐藤「結構長生きでしたね、おじさん」
D先生「しかも『冬木の大聖杯』までこの世界から消え去っちゃう」カツカツ
“2000年、しかもその光景を海上にいた魔女が目撃する”
佐藤「……アレ? ナンダロー。補足的な解説だったのに、左腕が疼くのナンデダロー」フニャ
D先生「ナンデダローネー……?」ソッポムキ
―――
『第三回、ダイジェストで語る日坂杯戦争 ~イ・ピ・カ・イ・エ(ブチ切れ)~』
D先生「そんな訳で鏡宮悟が研究を進めていた『欠片』だけど、2008年……日坂亜種聖杯戦争の10年前に大きな事件が起きる」
D先生「南米での聖杯戦争に関わっていた第八秘蹟会のマリオ神父が『欠片』の行方を知り、独断で強奪に踏み切ったんだ」
D先生「『クランプス作戦』と名付けられたその奪還作戦は、聖堂教会の承認を待たずに強行された。クリスマスで賑わうはずだった12月25日の夕方、マリオ神父率いるシプレス碑炎騎士団が山中に建てられた研究所(工房)を襲撃。結果、無関係な民間人を含む多くの死傷者を出した……既に無関係な立場であった読水奏馬、その妻の読水サラを含むね」
佐藤「………」
D先生「ただ、この作戦は完全に失敗だった」
D先生「『欠片』こと第二百七十四号聖杯は、戦闘中に内包していた霊力を放出してしまったんだ。霊力は日坂市全域に散らばり、山の麓まで続く大規模な地滑りまで起こった……つまり『欠片』は聖杯として機能しつつも、肝心の霊力が空っぽのただの器となってしまった訳だよ」
佐藤「ざまーないですね……けど、何でそんなことが起きたんですか?」
D先生「聖堂教会も色々仮説はあげてるみたいだけど、真実は定かじゃあないみたいだね……」
D先生「……ただ時を同じくして、地滑りに巻き込まれながらも奇跡的に生還した少年がいたそうだよ。彼は後の調査で、後天的に魔術回路を獲得していたらしい」
佐藤「……奇跡的に、ですか。それがあの、セイバーの……」
D先生「……そうだね。その少年は後にマリオ神父の養子となり、聖堂教会の代行者シュウジ・アルバーニとして生きることになる。しかもマリオ神父は彼の特別さに気づいており、その覚醒を狙っているそうだよ」
佐藤「………」
D先生「何はともあれ、十年前に行われた『クランプス作戦』は失敗。『欠片』は生き残った読水奏馬の息子、読水竜也に託され国外へと持ち出された」
D先生「その頃、襲撃から生き残った鏡宮の方は神父と取引し、聖杯戦争を通じて『欠片』を復元することを提案していた。そうして後十年と続く関係を作り上げたんだ」
佐藤「つまり……えっと、今回の亜種聖杯戦争の魔力源は『欠片』にあった霊力で、その目的も『欠片』を聖杯として復元する為に行われているってことですか?」
D先生「花丸大正解。少なくとも、主催者と監督役の間で結ばれた取り決めの上ではね。もちろん二人とも、そのうえで色々な思惑なり感情なりがあるんだろうけど」カツカツ
“復讐とか、聖人のこととか”
佐藤「うーん。この……この……絶対仲良くできないのに、どうしてこういうことするのかなぁ!?」
D先生「政治の世界じゃあ、よくあることだよ……まあ、勝先生のようにはいかなかったみたいだけどね」
佐藤「………?」
D先生「おっと……本編へぇ、続くぅ!」クワッ
佐藤「えー……」
―――
『第三回、ダイジェストで語る日坂杯戦争 ~放課後~』
D先生「ここまでが日坂亜種聖杯戦争以前に起こった『欠片』に関わる出来事だね」
佐藤「先生ー、本編までの経緯が長すぎると思いまーす」
D先生「誠に申し訳ございません……!」ビシィ
佐藤「まさかのマジ謝り!?」
D先生「………」
佐藤「そして、何て綺麗な平謝り……」
D先生「………」
佐藤「……えっと、先生?」
D先生「……こうして夢の中で毎度授業を行ったのは、君のこれからにどうしても必要な知識だと思ったからだ」
佐藤「え?」
D先生「君はこれから、大きな選択を求められる。それは君にとって……そしてこの日坂聖杯戦争の結末を決める上でも、とても大きな選択となる。僕も、相応の覚悟が必要にだろう」
佐藤「………」
D先生「さ、今度は本編で会おうか……あ、これ見て見て」
佐藤「え?」
D先生「今だ! スマホで催眠解除!!」シュビビビ
佐藤「ニ゛ュア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」クワッ
D先生「うわすっごい声」
佐藤「( ゜ω゜)」ガバッ
鏡宮「うわびっくりした……」ビクッ
佐藤「( ゜ω゜)………」
鏡宮「あ、いや……よく眠れたかね?」
――卒業式に続く