Fate/reselect   作:Fate/reselect出張所

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Fateシリーズの二次創作です。そろそろ終わりが見えてきました。
※これまでのあらすじ
バーサーカー「狂狼の魔剣(アイッツボウク・クヴェルドウールヴ)! はい、御一緒に!」
弓鏡レ「あいっつぼうく くう゛ぇるどうーるぶ」
バーサーカー「声もルビも小さいもう一度! さん、はい!」
弓鏡レ「あいっつぼうく くう゛ぇるどうーるぶ!」
バーサーカー「忘れるなよ? もう使わないけど」
弓鏡レ「(言葉にならない怒りの声)」


第四十五話『痕跡』

四十五話『痕跡』

 

 

 

 大勢は決した。

 分かっていて尚、止まれぬ自分がいた。

 

 

 

“……すまない、アーチャー”

 令呪を使ってのバーサーカーの打倒。それに失敗した鏡宮は自身のサーヴァントに謝罪を告げると彼に背を向け、窓からそっと離れる。

 鏡宮は書斎机の前に立つと溜息をつきながら引き出しに手をかけ、静かに開け放つ。そしてそこに雑に放り込まれていた拳銃――ドイツ製の小型拳銃を見下ろした。

 ……次の手を打て。そう、アーチャーは言ってくれたが……。

 ふん。と、鏡宮は自嘲気味に笑う。

 ……生憎、もう大した策など残っていないさ。

 残っているのはこんな頼りない駒と、悪足掻きのような下らない策ばかり。

 しかし、諦めるつもりなど毛頭ない。

 鏡宮は拳銃を引っ掴み、スライドを引いて薬室に弾が装填されたのを確認すると、無造作に机の上に置かれたノートパソコンへ弾丸を数発撃ち込んだ。

 発砲音と鈍い衝撃が男を叩く。しかしそれでも、その疲れたような眼差しは変わらなかった。

 そうしてハードディスクの破壊を確認すると、鏡宮は踵を返し、別れを惜しむように机の表面を撫でつつ書斎から立ち去った。

 常夜灯のみの薄暗い廊下へと出た鏡宮は、外で行われている激戦の余波を壁越しに感じながら歩を進める。気だるげに拳銃を手に提げ、それでも迷いなく裏口へと歩きながら彼は、次の一手に思案を巡らしていく。

 ……佐藤真波(かのじょ)はここに置いておくしかない。このまま単騎でマリオを殺すべく動くのも悪くないが……より堅実な一手は、彼に会って再契約をすることだろう。

 そうすれば、アーチャーを失っても鏡宮はこの舞台から降りずに済む。

 ……そう、彼――マスターのいない、八騎目の……。

 その時だ。

 外の轟音とは違う、酷く乾いた音が廊下に響き渡った。

 途端、鏡宮の足が不意にもつれる。

「………ッ」

 身体はそのまま前のめりに倒れこもうとするが、鏡宮は咄嗟に壁際にあったキャビネットに両腕を掛けて転倒を拒んだ。

「………」

 背中から殴られたような衝撃。その直後に来る虚脱感。

 下がった視界に映った、腹部に広がる赤い染み。痛みと熱さ。

「……そう、か」

 撃たれた。

 鏡宮がその事実に辿り着くまでに、随分と時間を要した。

「……ぐぅっ!」

 鏡宮は食いしばった歯の間から唸り声を漏らして身を捻り、背後にいるであろう敵へと銃口を向けた。

 しかし途端、体の表面に次々と銃弾が叩き込まれる。

 体の表面が次々に爆ぜるような衝撃に成す術なく、鏡宮はどうとキャビネットへと倒れこんだ。

「………ッ」

 鏡宮は痛みに顔を歪ませながらも、冷静を強いて自身の置かれた状況を確認する。そして自身が重傷を負ったことと、拳銃が手元からなくなってしまったことを知った。

「……まったく」

 鏡宮は痛みに堪えながらも苦笑した。

 ……これで使える駒が、一気に二つも減ってしまった。

 鏡宮はキャビネットに背中を預けたまま、ゆっくりと顔を上げた。そしてチカチカと点滅する視界の中で、佐藤と……その隣に立つ男の姿を確認する。

 その男はスーツを身に纏っており、硝煙の上がる回転式拳銃の銃口をこちらに向けていた。また下げられたもう一方の手には、何故か二つの穴が開いた紙袋が握られている。

 そして、その男の顔……その顔を、鏡宮は知っていた。

「……君は」

 そうか。と、鏡宮は感嘆を漏らす。

理由はキャスターと同じか(・・・・・・・・・・・・)……しかし、これで探す手間も省けた……」

 交渉の余地もないようだが。と、皮肉を吐き、次いで嗚咽のような痙攣をして口から血の塊を吐く。

「鏡宮さん……」

 そんな鏡宮を見て、佐藤はいたたまれないように声を上げた。

「もう……もう止めましょう。もう終わりです」

「そう、だろうね……たしかに。だがまだだ……」

「鏡宮さん!」

「佐藤君、離れてなさい」

「……っ!」

 静かに、しかし有無を言わせぬ鏡宮の物言いに言葉を詰まらせる佐藤。

「………」

 隣に立っていた男も、そんな佐藤の肩に手を添えて離れるように促す。そして鏡宮の前に立つように、男はゆっくりと歩を進めた。

 その様子を見て、鏡宮の口元が微かに緩んだ。

 ……そうだ。まだ、終わってない。

 ……まだ、俺が生きているじゃあないか。

「さあ……続けようか」

 鏡宮は投げ出されていた四肢に立ち上がろうとするも、支えが利かずに廊下の真ん中で転倒。無様に這いつくばってしまう。

「……彼女の言う通りだ。もう、終わりにしよう」

 その様子を見て、初めてスーツの男は口を開いた。同時に銃口も下げてしまう。

「鏡宮悟、君の復讐をこれ以上見過ごす訳にはいかない……やり過ぎたんだよ。その復讐は、聖杯戦争の行為から余りにも逸脱している」

「………」

「令呪を彼女に譲渡し、身を引け。そうすればこちらも追いはしない……その傷も身を潜め回復に専念すれば、治癒できる範疇なんだろう?」

 動かぬ四肢に苦心する鏡宮に、スーツの男は告げた。

「時勢に応じ、生き方を変えること……それは決して悪いことじゃあない。君には、選択の余地がある」

「……ふっ、くくっ」

 頭上から告げられる彼の提案、救いの手を、尚も足掻く鏡宮は一笑に付し、払いのけた。

「何を馬鹿な……もう黙れ」

 鏡宮は右腕を床から何とか引き剥がし、前方へと伸ばす。そして、微かに呻き声を漏らしながら、その右手を力強く前の床へと叩きつけた。

 途端、彼の右手を起点に魔法陣が床に浮かび上がった。

 展開された魔法陣は周囲に隠されていた他の魔法陣を連鎖的に発動させいき、廊下の端に立っていた佐藤とこちらを隔絶する結界と化していった。

「……あくまで、抵抗する気か」

 スーツの男は嘆息する。しかし銃口は未だ下したままだった。

「当たり前だ……止まれるはずがない」

 そう気炎を吐く鏡宮は、展開した治癒魔術で応急処置を施し、体を左右に揺らしながら憤然と立ち上がった。

「十年。先の見えない暗闇で、弛み無く積み上げた決意と犠牲、日に日に増していく後悔と謝罪……それらを重ねて、重ねて十年だ! ここまで、夜明けが見えるところまで来てしまった!」

「………」

「選択肢などない……道半ばで倒れようと、今さら変わる気などない! そうだろう!? そんな連中を、貴方は何人も見てきたはずだ……!」

 きっと、その末路も。

 そう、鏡宮は口端から血を流しながら彼に言った。

 その言葉に、スーツの男は顔を伏せて押し黙る。そして、それからゆっくりと顔と銃口を上げる。

 その口元には先ほどの余裕と慈悲は消え、人を殺す者の冷たさと覚悟が備わっていた。

 ……ありがたい。

 鏡宮は微かに口端を上げた。ここまでやってきたのだ、そうこなくては困る。

 そして、暫しの沈黙の後。

「……うおおおおおおおおッ!」

 鏡宮は腹の底から雄叫びを上げた。

 瞬間、彼の全身から外へと魔力が走った。展開された魔法陣は連鎖的に展開され、津波のようにスーツの男へと迫る。

「……来い、鏡宮――」

 スーツの男はその決死の攻撃に応え、腕を横に振るうようにして鏡宮に向けていたリボルバーを床へと捨てる。

「――本領でやってやる」

 

 そして、クラス本来の得物――()を実体化させた。

 

 

 

 弓手の放った黒い閃光は狂戦士の心臓を貫き、狂戦士の牙が弓手の首筋を噛み切った。

 そして狂戦士は両膝をついて沈黙し、片や弓手は仰向けに倒れ伏した。

 一連の決着を、狂戦士の主人ただ一人が見届けた。

「……バーサー、カー……?」

 荒い息を吐いていたレオポルディーネは目を見開き、呆然とした様子で呟く。

 このまま命まで奪われると覚悟していた、尋常でないバーサーカーの魔力消費。それがまるで嘘のように消えてなくなり、身体の負担が軽くなった。

 それは即ち、彼を支えていた宝具が機能しなくなったことを……バーサーカーと自身の繋がりが途切れたことを意味していた。

「………バーサーカーッ!」

「……まだだ、レオ!」

 レオポルディーネは相棒のもとへ駆け寄ろうしたが、理性を失っていたはずのバーサーカーが突如叫び、もがれてない左手でレオポルディーネを制す。

「まだ、終わってねえ……」

「バーサーカー……貴方、意識が……」

「ああ……へへっ、宝具(とっておき)が、壊されちまったからかねぇ……知らんけど」

「いや知らんのかい……!」

 思わず口をついたレオポルディーネのツッコミにバーサーカーは笑い、フラフラと立ち上がりアーチャーへと向き直った。

「先に行け……俺はこいつと決着(カタ)をつける」

「バーサーカー……」

「行けよ、相棒」

 逡巡するレオポルディーネ。バーサーカーはそんな彼女を一瞥し、口端を上げて見せた。

「……友達が、待ってんぞ?」

「………っ」

 バーサーカーの、その優し気な声色の後押しにレオポルディーネは息を呑む。そしてゆっくりと頷き、よろめきながらも踵を返し洋館の方へと駆けだす。

「……バーサーカーっ!」

 しかし階段を上り切り玄関に手を掛けたところで、レオポルディーネは堪え切れずに叫んだ。

「……ありがとう! 貴方のこと、死んでも忘れない! だから、貴方も……!」

 振り返ることなく告げた、涙ぐみ、上擦ったレオポルディーネの感謝の言葉。それを聞き受けたバーサーカーはほんの僅かの間、心地良さそうに目を伏せた。

 そして、いつもの品性の欠片もない笑い声をあげる。

「当たり前だろうが! こっちゃあ英霊だ! ここで消えたところで、何も終わりゃあしねえさ!」

 背中越しに轟く、バーサーカーの返答。その心強い言葉に後押しされたレオポルディーネは扉を開け、今度こそ屋敷の中へと踏み入った。

 

 

 

「………」

 バーサーカーは階段を上がっていくレオポルディーネの背中を、黙って見送っていた。

「……彼女が心配か?」

 そんな彼に、アーチャーは仰向けに倒れたまま口を開いた。

「安心しろ。この屋敷には、俺と鏡宮……俺のマスターしかいない」

「………」

「そして、そのマスターも……もう」

「……そうかい」

 その言葉に、バーサーカーは一安心といったように肩をすくめた。

「……んじゃ、決着といこうか」

 そして、バーサーカーはそう告げると一歩一歩、踏みしめるような足取りでアーチャーのもとへと歩み寄る。アーチャーはそれに対し、倒れたままただジッとバーサーカーを睨むだけだ。

 そして、とうとうバーサーカーはアーチャーの足元までやってきた。

「……聞け」

 と、バーサーカーが口を開く。

「遥か彼方……異なる世界に、人類史の観測・保持を使命としている者達がいるらしい。そこじゃあ俺達英霊も召喚され、肩を並べ人理の為に戦っていると聞く」

「……ああ?」

 突拍子もない説明に怪訝な顔をするアーチャー。そんな彼に、バーサーカーは犬歯を剥き出しにして笑みを浮かべ。

「次会った時は、そこで仲良く共闘と洒落こもうぜ……なあ? アーチャー」

 そう言って、アーチャーへと手を差し伸べてみせた。

 アーチャーは呆気にとられた様子で、目の前にあるバーサーカーの掌を見つめていたが。

「……ふん。馬鹿野郎が、お断りだ」

 そう吐き捨てると、アーチャーは残された僅かな力を振り絞るようにしてバーサーカーの手を払った。

「不本意ながら、お前のお陰で俺は先に進めた」

 アーチャーは倒れ伏しながら、バーサーカーのことをそう認めた。彼の体は手を払ったのを機に、ゆっくりと光の粒子へと変わっていく。消滅が始まったのだ。

「次こそは、お前に勝ってみせる……だから俺達は、このままの方が良い」

 バーサーカーは振り払われた手を地に落とし、消滅しながらも再戦を望むアーチャーの言葉を黙って聞いていたが。

「へっ……へっへっへっ、そうかよ、クソ野郎」

 と、バーサーカーは苦笑し、やれやれと肩をすくめた。

「フラれちまったのなら、しょうがねえ……またな、アーチャー。あ、次はお前も全力でやれると良いなぁ?」

「……うるせえよ、狂戦士が……」

 そんな軽口を最後に、アーチャー――迷妄より覚めた射手、逢蒙は完全に消滅した。

 バーサーカーは静かに、彼の消滅を最後まで見送る。そして暫しの静寂に耳を澄まし、次なる戦いなど起こりえないことに確信を得ると、彼は安堵したように息を吐いた。

「危ねえ……ギリギリだったわ」

 そう呟くや否や、彼のボロボロの体も静かに光に包まれ、淡い粒子となって消え始めた。

 そう、本当にギリギリだった。

 もう少しで、アーチャーより先に消滅するところだった。

「まったく……あそこで手ぇ払うかね? 限界ギリギリ、死の淵で耐えていたのにトドメになっちまったじゃねえか……まったくよう」

 そう、一人ごちるバーサーカー。

 彼は自身の体が消滅していく中、ふと思い出したように周囲の滅茶苦茶な有様を見渡した。

「……へへっ。見ろよ、レオ……この有様を」

 正門は支柱から砕け、中庭は爆撃でもされたかのような荒れ様。その余波は屋敷の壁にまで及び、敷地内に無事な部分はきっとないだろう。

「これ全部、俺達がやったんだぜ? この滅茶苦茶が、俺達が残した痕跡……爪痕だ」

 レオポルディーネが声をあげ。

 バーサーカーが応じ。

 そして二人で暴れまくった結果が、この大惨事だ。

「まっっったく気分良いぜぇ、へっへっへっへ……満足だ」

 バーサーカー――鬼才のベルセルク、エギル・スカラグリームスソンはそう呟き、天を仰いで目を瞑る。

 そして消えゆく中、思う。

 ……願わくば、生きて先へと進むあの小さな主君に、幸多からんことを。

 ……何せ、ここまで共に好き勝手やった仲だ。

 ……つまらない終わり方で台無しにされちゃあ、堪らない。

 

 

 

 今の彼女にブレーキと呼べるような感情はなかった。

「んっだらぁ! ここか、鏡宮ぁ!?」

 屋敷中に声を響かせ、レオポルディーネはスカートの裾など気にせずドアを蹴り破った。そして指さし魔術――ガンドを荒々しく構えながら部屋へと突入する。

 しかし、一向に誰かと遭遇する気配はない。鏡宮を最後に見た書斎には彼はおらず、並ぶ他の部屋へと次々突入するもどこももぬけの殻だ。

「はぁ……はぁ……ふふっ、いやどこよ? 佐藤さーん!?」

 レオポルディーネは酸欠気味に佐藤を呼び、フラフラと廊下へと出る。

 そして次の部屋へと向かおうとした最中……廊下の角を曲がったところに、それはあった。

「かっ……え?」

 背中より赤い花を咲かせ、薄暗い廊下の中央で前のめりに倒れる男――鏡宮悟の死体。廊下は床と言わず壁と言わず血の海となっており、そしてそれ以上に魔術による戦闘の痕跡が色濃く残っている。

「………ッ」

 想像していなかったその光景に、レオポルディーネは絶句する他なかった。この聖杯戦争の支配者と考えていた魔術師が、つい先ほどまで生きていたはずの男が、まさかこんな風に呆気なく、人知れず死んでしまうとは。

「どうして。いや、誰が……?」

 レオポルディーネは疑問を口にしながらおろおろと周囲を見るも、その疑問に答えてくれる者はどこにもいなかった。

「……そうだ。佐藤さん! 佐藤さん!? 返事をして!」

 レオポルディーネの動揺した思考は佐藤の安否へと至り、止まっていた足が一歩ずつ前へと進んでいく。

 そして鏡宮の横を通り過ぎ、再び廊下の角を曲がるところで……レオポルディ―ネは振り返り、動くもののないその光景をもう一度見つめた。

 

 ここはきっと、鏡宮悟という一人の魔術師の、野望の末路。

 あるいは未だ影に潜む者による、始末という名の暗殺の現場。

 いずれにせよ、ここは既に終わった場所。

 レオポルディーネには想像さえできない、何かの跡地なのだろう。

 しかしそれでも分かることがある。

 廊下に残された痕跡、死傷と破壊の痕。

 それらが物語っていることがある。

 血の海の真ん中に倒れたこの男は、きっと戦ったのだろう。

 相手が誰でも、何であっても。

 己が想いを遂げんと、死ぬ最後まで抗い続けたのだろう。

 だからこそ彼の死に顔、その表情は……。

 

「……さようなら、鏡宮悟」

 去り際。

 レオポルディーネの声は響くことなく、廊下の暗闇へと沈む。

「裏切った私が言えることじゃないけど……敬服するわ、その最期は」

 

 

 

 鏡宮悟。

 南米にて行われた亜種聖杯戦争の最中にて得た第二百七十四号聖杯――『欠片』によって運命を狂わされた魔術師。

 『欠片』を巡る争いによって友と夢を失った彼は十年という時を費やし、故郷である日坂市にて亜種聖杯戦争の開戦を宣言した。

 聖杯戦争という儀式を経て日坂市に散った『欠片』の霊力を回収し、聖杯を完全な形へと復元する――そんな計画を餌に、鏡宮は仇である第八秘蹟会のマリオ神父を監督役として呼び寄せ、日坂聖杯戦争という復讐の主催者となったのだ。

 ところが二〇一九年一月三〇日、彼は同盟関係にあったバーサーカー陣営による裏切りによってサーヴァントを失い。屋敷内にて道半ばでの死を遂げる。

 監督役の第八秘蹟会、マリオ神父。

 主催者の魔術師、鏡宮悟。

 亜種聖杯戦争という戦いの影で行われていた、二人の『欠片』を巡るもう一つの戦争。それは酷く呆気のない終わりを迎えた。

 しかしこの予想外の裏切りで発生したアーチャーとバーサーカーの消滅は、結果として聖杯復元の為に足りなかった分の霊力を満たすこととなった。

 そしてアレクシア・ブロッケンとキャスターの暴走の中で紛失した『欠片』は、破壊された街のどこかで静かに本来の姿――聖杯へと復活を果たす。

 

 運命が、動き出す。

 

 

 

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