不良優等生 上杉君   作:えぬに

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喧嘩と上杉君

風太郎「何…してるの…?四葉さん…。」

四葉「…」

 

勉強もせずにどこをほっつき歩いているのかと思ったら校庭の隅っこにいた。さっきから地面をじーっと見つめているが何かあるのか?と、しゃがんでいる四葉の後ろからのぞいてみると。

 

…蟻だ。なんの変哲も無い。日本中のどこにでもいるクロオオアリだ。

 

四葉「蟻って不思議ですよね。」

風太郎「何が。」

四葉「こうやってお菓子の破片を置いておくとですね、しばらくすると列になっていっぱいやって来るんですよ。凄いですね。見てて飽きないです。」

風太郎「そうか。で、勉強は?」

四葉「…」

 

…。

俺はガシッとリボンを掴んで

 

風太郎「ずいぶん余裕ですねぇ、四葉さん。勉強会は放課後すぐ始まるはずなんだがなぁ…何分遅刻してると思ってるんだ?それともあれか、お前の大好きな蟻について勉強するか?蟻が出すギ酸とか。」

 

高校三年生のしかも有機化学の範囲だが。

 

四葉「わー!わー!ごめんなさい〜〜〜!」

風太郎「今すぐ図書室だ、いいな?」

四葉「喜んで行ってきます!」

 

リボンを整えてやると、四葉は元気よく走って行ってしまった。

 

…何食ったらあんなに走れるようになるんだろうな。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

風太郎「何…してるの…?三玖さん…。」

 

屋上で目を閉じて音楽を聴いている三玖を見つけた俺はすかさず問い詰める。

 

三玖「…」←ヘッドホン装着で聞いてない。

 

…イラッ。

 

風太郎「話を聞け!」

 

そう言って俺はヘッドホンを思いっきり取り上げる。

 

三玖「…なに?」

風太郎「なに?じゃねぇ!何してるのか聞いてんだよ!?」

 

こいつぅぅ、不機嫌そうにしやがって!なんでお前が「フータロー、うざい」みたいな態度とってんだよ!不機嫌になっていいのは俺だ!お前じゃない。

 

三玖「抹茶ソーダを飲みながら音楽聴いてた。」

風太郎「なにそれ、味気になる。」

三玖「意地悪するフータローにはあげない。」

 

いらんわ。抹茶ソーダってなんだよ、不味そう。…いやでも、ソーダって甘いやつじゃなくて、苦味そのままの抹茶にしゅわしゅわ感を足した…?案外爽やかそう…?

 

いやそんなことはどうでもいい。

 

風太郎「勉強サボってティーブレイクですか?さぞかし試験勉強に余裕があるんでしょうね?」

三玖「うん、あるよ」

風太郎「ある訳ないだろ!」

 

どの口が言いやがるこのたわけが。

 

風太郎「わかったそんなに鬼ごっこがしたいか」

三玖「急にやる気が出てきた、先図書室行ってるね」

 

扱いやすくて助かる。

 

そう言って三玖は超の付く鈍足で走って逃げる。

 

 

…足遅っ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

風太郎「何…してるの…?二乃さん…?」

 

廊下で友達と楽しく談笑しながら歩いている二乃を見つけ、俺はすぐに声をかける。

 

二乃「それでねぇ〜あの子ったら____」

風太郎「いや無視すんな。」

二乃「チッ」

 

こいつ、舌打ちしやがった。

 

女子1「この人誰?」ヒソヒソ

女子2「え?知らないの?ほら、成績は学年一位でいつも学食で変な注文する…」ヒソヒソ

女子1「ああこの人が!二乃の彼氏かな?」ヒソヒソ

女子「確かに悪そうな感じとか二乃好きそうだよね(笑)」ヒソヒソ

 

二乃のお友達らしき2人がなんか言ってる。聞こえてるからな。あと断じて違う。

 

二乃「〜〜〜〜っ」プルプル

 

うわ真っ赤。二乃もバッチリ聞いていたようだ。

二乃はすかさず友達二人に言う。

 

二乃「ごめん、こいつに少し話があるから先に行ってて」

女子1「はいはーい。」

 

あの女子生徒、絶対勘違いしたままだな。

そんなことはいいとして、俺は二乃に言う。

 

風太郎「おい、お前何してんの?このままだと試験やばいぞ。分かってんのか」

二乃「あんたこそ何してくれてんの?友達といるときに来ないでくれる?恥ずかしいから。」

風太郎「はいはいそれについては謝るよ。だが、それとこれとは別だ。今日勉強会なんだけど。」

二乃「家庭教師がある日はちゃんと授業受けてるからいいじゃない。あとちゃんと謝って。」

風太郎「よくねぇ、赤点回避できる実力が既にあるならまだしも、お前それすら無い上に自主的に勉強とかしないよね?試験があるの分かってる?あとごめんなさい。」

二乃「試験てなによ、馬鹿にしてんの?あと絶対許さない。」

風太郎「馬鹿にしてんのはお前だ馬鹿。あと謝らせた意味()。」

二乃「とにかく行かないから。じゃあね。」

 

…。

 

風太郎「そっかぁ、お前以外は集まってんだけどなぁ。」

二乃「…」ピクッ

風太郎「みんな頑張ってくれてるから、お前以外は赤点回避できちゃうんだろうなぁ〜」

二乃「…」ピクッピクッ

 

お、釣れそう釣れそう。

 

風太郎「二乃だけ赤点になってしまうかもなぁ〜。だけど仕方ないか!俺はお前にも来て欲しいんだが、お前がどーしてもやりたくないなんていうからなぁ〜。」

二乃「わっ、分かったわよ…行けばいいんでしょ…行けば…」プルプル

 

ふっ、チョロいな。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

ふぅ、疲れた。

 

 

ちなみに、あのお試し期間の続きを話すと、残りの1日を無事に終えたあと、一応家庭教師は存続する事となった。だが、お試し期間の最終日に二乃は

『家庭教師は続けてもいいけど、あんたを認めたわけじゃ無いから、そこんとこ勘違いしないでよね!』と言われたから、まだ完全には認められてはいない。

 

あれから数日間、俺は家庭教師がある日以外はこうして定期的に勉強会を開いている。

 

だがこいつら、勉強会になかなか来たがらない。

こうして俺からわざわざ出向いて呼びに行く始末である。今日なんてちゃんと時間通りに来たのは一花と五月だけだった。いい加減やる気出さないとやばいって気づけ!

 

風太郎「はい、全員集まるまでに開始予定時刻から42分と8秒かかりました。流石に時間がかかり過ぎててこれはかなりまずいで〜す。」

四葉「ちょうど428!私の名前ですね!」

風太郎「はいはいすごいすごい。」

四葉「雑っ!」

風太郎「そこで今日以降の勉強会に遅れた人には楽しい罰ゲームを受けてもらいまーす。わー。」

風太郎「5分遅刻するごとに家庭教師の日に出す宿題の量を1.1倍にしていきまーす。方程式にすると元の宿題の量×(1.1)^[t/5]でーす。(t=遅刻した時間、[]はガウス記号)ガウス記号は俺からの慈悲だ。」

 

*ガウス記号…[ ]←これのこと。簡単に言うとその中の数字の小数点以下は切り捨てる。例えば[4.283150]=4となる。これにより5分以内の遅刻ならノーペナルティになるぞ!

 

ちなみに40分の遅刻で約2倍となる。

 

一花「方程式難しっ?!」

五月「宿題をやらなかったらどうなるんです?」

風太郎「俺と鬼ごっこしてもらいまーす。」

二乃「とうとう武力行使に出たわね?!」

風太郎「それが嫌なら遅刻すんな。」

四葉「上杉さんと鬼ごっこ!楽しそうです!」

 

しまった、俺より足の速い四葉(体力馬鹿)には効かないか。むしろ喜ばれてやがる。

 

風太郎「特別ルールとして四葉だけはもし宿題をやって来なかった場合、家庭教師の日の授業では質問を全部四葉に当てまーす。やったー。」

三玖「罰が陰湿」

四葉「え、鬼ごっこがいいです!」

 

遊びじゃねんだよ罰ゲームの意味を理解してんのか?この子は。

 

風太郎「とにかく、無断遅刻しなければいい。用事があるなら姉妹の誰かに連絡を入れろ。ちなみに一花は来れない日は連絡入れてくれるし、五月は皆勤賞だ。お前らこの二人を見習え!あと、とにかく今日は残りの時間だけでも勉強して貰うぞ。」

 

5人「はーい(ふんっ)」

 

今のふんっは二乃か。相変わらず舐めやがって。

今に見てろよ、絶対に赤点回避させて俺の手腕を認めさせてやる。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

五月「上杉君、燃料電池の仕組みがよくわかりません…」

風太郎「あぁ、それ、今回の理科の範囲で一番ややこしいよな。まずは電気分解の式を立てて、そこから_____」

 

三玖「フータロー、この文法の問題が分からない。」

風太郎「み、三玖が苦手な英語を自らやっている…だと…?熱でもあるんじゃないか?」

三玖「失礼な…。ちょっと頑張ってみようと思っただけ。」

風太郎「いや、悪い…えっと、この問題はな、attendは後ろにある前置詞によって意味が変わるんだ。onだと_____」

 

四葉「上杉さん、現代文の問題なんですが…」

風太郎「えっと…この問題は人物の感情で選択肢を選ぼうとするとややこしくて間違えてしまう。そこで_______」

 

一花「フータロー君、これなんだけど…」

風太郎「ああ、これは_______」

 

二乃「…」

二乃(何よ、みんなして素直に教えてもらっちゃって…)

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

風太郎「お、もう時間だな。お前らお疲れ様。」

 

俺のこの一声を待ってましたと言わんばかりに皆勉強道具を片付け始める。

 

一花「ねえ、フータローくん。ちょっとお願いがあるんだけど…」

風太郎「ん、なんだ。」

一花「私達って引っ越してからまだ間もないから、ここら辺のことはよくわかんないんだけど、…フータロー君みたいにガラの悪い人多くない?正直なところ怖いんだけど…」

 

ぶっとばすぞ。なんだ俺みたいって。

だが気持ちはわかる。なんせこの学校の近くには不良高校があるからな。ちなみにここの一部の生徒はその不良高校の奴らにカツアゲされたり、絡まれたりと色々と被害に遭っていることを俺はよく知っている。

 

風太郎「実はこの近くに不良高校があるんだよ…で、それがどうしたんだ?」

 

一花「実は、最近そのガラの悪い人たちに絡まれてね、その時一緒にいたのが四葉だけだったから走って逃げられたんだけど、今日は人数も多いし、みんなに怖い思いをさせたくないから、何かあったときのために家まで送ってくれたりしないかな…?」

 

なるほどな。確かにそれは不安だな。噂によれば三玖はクラスで最も足が遅いとかなんとか…たまたま今日まで他の奴らは絡まれなかったから良かったものの、何かトラブルが起きて勉強に支障が出るのも嫌だし、仕方ない。

 

風太郎「そういうことなら任せろ。」

一花「これから勉強会の日は毎日だよ?」

風太郎「えっ、…まぁ、嫌だけど仕方ない。」

一花「フータロー君が素直に言うこと聞いてくれるなんて…お姉さん感激だよ。」

 

失礼な、俺をなんだと思ってやがる。

…正直面倒だがやるしかない。何かがあってからでは遅い。未然に塞がないと大変なことになる。

俺も一応、一端の不良だからな。不良(やばい奴)なんてゴロゴロ見てきた。

 

風太郎「一応何年も地元民やってるから不良高校の奴らの怖さは知ってる。流石に見て見ぬフリはできない。」

一花「ふふ、優しいね〜フータロー君は♪」

風太郎「わかったから早く帰るぞ。」

一花「はいは〜い。」

風太郎「…ところでお前、ちゃんとみんなのこと考えてんだな。」

一花「え?」

風太郎「この前一花が話してくれたことも、俺が四葉とちゃんと話すきっかけを作ってくれたんだろ?それに、今まで俺に協力的だったのは、他の姉妹が赤点になって欲しくないから、自分がまじめにやることで勉強する気にさせるためだったんだろ?」

風太郎「五つ子の産まれた順番なんて大して関係ないと思ってたが、案外重要だったんだな。ちゃんと長女してんな。」

一花「…やだなぁ、褒めても何も出ないよ?」

風太郎「別に何か欲しくて言った訳じゃない。」

一花「じゃあ頭なでなでしてあげる」

風太郎「じゃあってなんだ、触んな。」

一花「酷?!」

 

どこに頭なでなでで喜ぶ高校生がいるんだ…?

少なくとも俺は喜ばんな。鬱陶しいまである。

 

一花「うー、フータロー君、私結構傷ついたよぅ…」

風太郎「はいはいごめんごめん。」

 

そう言って俺は一花の頭を撫でる。

 

一花「…なに、この手?」

風太郎「仕返しだ。」

一花「セクハラじゃない?」

風太郎「ならお前がやったやつもセクハラだな。」

 

一応、被害者が男でもセクハラになるんだからな。

 

一花「…もうっ、ふんっ。」

風太郎「えぇ…そんなに怒ることかよ?悪かったよ。謝るから機嫌直せ、もう帰るぞ。」

 

そう言って俺は図書室から出る。

 

 

一花(私はちょっとドキッとしたのに、フータロー君は何も反応しないなんて…ちょっと悔しい。)

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

二乃「なんであんたがいるのよ、途中で別れるはずよね?」

風太郎「用心棒だ。」

二乃「あたしが居るから問題ない。」

風太郎「問題しかない。お前らじゃ絶対、不良に絡まれたら即アウトだから。」

二乃「それで?あんたが居て何になるの?」

風太郎「少なくとも居ないよかマシだ。悲しいことに俺の目つきって怖いから少しは威嚇にもなるし。」

 

本当に悲しいことにな。

 

風太郎「はぁ、俺と居るのはそんなに嫌か?だとしても我慢しろ。お前らの安全のためだ。そこは打算しとけって。」

 

なんて二乃と軽く言い争っていると、

 

三玖「…ねぇフータロー。あれ、不味くない?」

風太郎「ん?…げっ。」

 

三玖が指を指した方を見てみると、5人の不良が集まっていた。そんな奴らが集まって何をしているのかなんて想像に難くない。

 

 

不良1「おら、しね!」

???「ぐっ!」

不良2「お前誰にガンつけてんだよ、あ?おらぁっ!」

 

 

風太郎「…あれは酷いな、集団私刑(リンチ)してやがる」

四葉「え、リンチですか!?」

四葉「…ミンチ?」

 

言葉の意味を理解してなかったのかよ。

 

風太郎「お前は知らなくていいぞ。」

 

[[rb:四葉 >お子様 ]]の教育上悪いからな。

 

四葉「あれっていじめですよね?いじめは許せません!私、注意してきます!」

風太郎「やめい。」

 

俺は暴走しかける四葉を、リボンを掴んで阻止する。お前が行って状況が良くなるとは思えん。

 

五月「上杉君、なんとかできませんか…?あの人可哀想ですよ…」

 

うんうん、と五月の言葉に頷く姉達。

 

…お前ら、怖いからって俺の後ろに隠れるのやめてくれる?あの人を助けたいんだろ?おい、さっきまでの威勢はどうした二乃?俺は必要ないと散々言ってたくせに。

 

…まぁ、普通の女の子が怖がるのは無理もないか。

 

一花「あれ、あの殴られてる人見たことある。私と同じクラスの前田君って人だよ!」

 

マジか、うちの学校の生徒か!

…仕方ねぇ。これは助けてやらないとな。

 

風太郎「おい、そこのお前ら。いい加減にしないとここにいる姉妹がお前らを許さないってよ。」

一花「ええっ?!そこ普通、俺が許さない!とか言う場面じゃないの?!」

風太郎「うるせー!人の陰に隠れといて文句言うんじゃねー!お前らが助けたいとか言ったんじゃねーか!」

二乃「男でしょ!?」

風太郎「お前一人で大丈夫なんじゃなかったけ?」

二乃「くっ…」

 

ねぇ、不要だと思ってた男に言い負かされるのってどんな気持ち?1時間くらいかけてじっくり聴きたいですねぇ。

 

不良4「あ"?てめー、舐めてんのか?」

不良2「調子乗ってると殺すぞ?」

不良3「やんのか?お?」

 

はいはい、やられ役のテンプレな台詞ありがとね〜。

 

風太郎「ククク、俺に喧嘩を売るとはいい度胸だな。お前ら、逃げんのなら今のうちだぜ?もっとも、逃げなくても俺の必殺技を見たらビビって逃げちまうけどなぁ!」

五月「う、上杉君がいつもより悪い顔に!」

三玖「なんか普段より生き生きしてない?」

四葉「何が起こるんでしょう!ワクワク。」

 

ふ、しっかり目に焼き付けておけ、お前ら。

 

不良1「おいおい、あいつ厨二病かよ。」

不良3「だははっ、腹痛ぇ!」

不良4「だっせー!」

 

ハハハッと爆笑し始める不良ども。

 

…イラッ。マジでぶっ飛ばす。

と思ったが、この五姉妹がいるから殴り合いの喧嘩は出来ない。抑えろ、俺。

 

殴り合いができないならどうするって?よく見とけ。

 

風太郎「ふっ、これが俺の奥義だ、必殺!_____」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は携帯電話を手に取ると、

 

風太郎「…あ、もしもし?○○交番ですか?今○○ショッピングモールの近くで高校生が喧嘩してるんですが…はい、そうです。…お願いします。はーい失礼します。」

 

必殺技を出し終えた俺は携帯電話をしまう。

 

風太郎「警察呼びました〜逃げるなら今のうちだぞ〜」

 

全員「…へ?」

風太郎「え?」

 

ん、俺何かおかしなこと言った?

 

不良1「てめえ!舐めてんのか!」

風太郎「おおっと!俺に手を出すなよ!もし俺を殴りでもしたら警察が黙っちゃいないぜ!傷害で逮捕されて(パクられて)も知らねえぞ?」

一花「うわぁ、本当に悪い顔…」

三玖「どっちが悪者かわからないね。」

 

どう見ても俺が正義に決まってんだろ。

 

不良1「くっ…お前ら、逃げるぞ!」

 

そう言って不良どもは逃げていったとさ。

 

風太郎「ふ、宣言通り、俺の必殺技を見て逃げ出したな。めでたしめでたし!」

 

二乃「いや、めでたくないわよ!この肩すかし感どうしてくれんのよ!」

一花「あはは…フータロー君らしいっちゃらしいけど…」

二乃「…呆れて物が言えない…」

三玖「虎の威を借る狐…でも丸く収まったね…」

四葉「上杉さんのカッコいいところ、期待していたのに…ちょっとガッカリです…」

五月「必殺技とは。」

 

いちいち注文が多いな。平和的に解決しただろ?これ以上何を望むんだお前らは。

 

風太郎「俺が殴り合いの喧嘩でもすると思ったか?ないない。あと、お前らは襲われそうになってもすぐ電話かけようとすんなよ。携帯奪われて終わりだからな。なんとか逃げ延びた後、安全な状態で電話を掛けろよ。」

五月「必要ありませんよそんな喧嘩知識…」

一花(にしても、フータロー君落ち着きすぎじゃない?地元民だから慣れてるってのもあるんだろうけど…ますます怪しい…と、そんなことより)

一花「前田君、大丈夫?」

 

と、先程不良どもに殴られて倒れている前田とやらの元に一花は駆け寄る。それに俺ら5人も後に続く。

 

前田「う…、あ、あれ?!中野さん?!」

一花「え?そ、そうだけど…大丈夫?けっこう殴られてたけど…」

前田「これぐらい余裕ですよ!心配無用っす!」

 

と言いながらすぐさま立ち上がる前田。案外元気そうじゃん。よかったよかった、救急車呼ぶ手間が省けて。

 

風太郎「大丈夫そうだし、帰るぞ一花。」

一花「う、うん。」

 

俺はすかさず歩き始める。

が、

前田が回り込んで俺の前に立ちはだかって来た。

俺に物凄い睨みを効かせてくる

 

こいつ、誰に向けて[[rb:睨みつけて> メンチ切って]]んだ?あ"?

どうしよう、殺意が俺の内側から溢れてくるのがわかるんだが。

今ここでぶっ飛ばしておくか。

 

おおっと危ない危ない、五つ子の前だ、喧嘩は出来ない。抑えろ、俺。

 

前田「なんだお前コラ。中野さんとどーゆー関係だコラ。なんで下の名前で呼んでんだよストーカーか?」

風太郎「何故そうなる。」

前田「じゃあなんだよ?」

 

急にどうしたこいつ。

でも、こいつらとの関係か…

んー、なんだろうな?

生徒と教師?友達?同級生?…

本当になんだろうな?

 

あっ!

 

風太郎「俺はこいつらの保護者だ!」

5姉妹「何故そうなる(んですか)。」

 

え、なんかおかしいこと言った?

 

風太郎「あ、そーいや警察に通報したの忘れてたわ。おい前田、早く逃げ(フケ)ないと事情聴取とか面倒なことになるぞ。」

 

めんどくさいから、こいつも早く退場してもらおう。

 

前田「ち、今日のとこは勘弁してやるよ!」

 

と言ったのち前田は行ってしまった。

…あのさ、俺一応お前のこと助けたよな?何を勘弁するのだろう。ムカつく野郎だな、今度会ったら一発ぶん殴ってやる。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

前田も退場した後、再び歩き始める俺と五つ子。

 

三玖「…そう言えば、あの場にいたみんな逃げちゃったけど、警察の人にはなんて言うの?」

風太郎「あー、通報したの嘘だから。」

5人「えっ」

風太郎「するわけないだろ?警察沙汰に巻き込まれるなんざごめんだ。」

二乃「じゃ、全部ハッタリってこと?」

風太郎「正解。」

五月「じゃあ、相手がもし逃げなかったらどうするつもりだったんです?!」

風太郎「お前らを置いて逃げる!」

一花「フータロー君には人の心が無いのかな?」

 

俺を盾にしてた君たちは悪魔の心があるのかな?

 

風太郎「冗談だ。その時は、まぁ…。」

四葉「まぁ?」

 

 

 

風太郎「俺が守るしかないだろ…」

 

それを聞いた五つ子は…

 

 

一花「カッコいい〜♪」

二乃「あんたが?本当にできるの?(笑)」

三玖「頼りない」

四葉「無理しないでくださいね!」

五月「ふふっ、か、カッコいいですよ…ぷふっ」

 

 

と、馬鹿にしたようにからかってくる。

はははっ、そっかぁ、そんなに頼りないか。

こいつら、いいこと言ってやったのにな?俺のおかげでさっきも無事に解決したのにな?馬鹿にしてきやがる。ほんといい性格してるぜ。

 

 

四葉「ねね、このまま帰る気分でもないしちょっと寄り道していかない?」

二乃「そうね、今日ぐらいはいいんじゃない?」

一花「じゃ、パフェでも食べに行く?」

五月「大賛成です!」

三玖「私はそれでいいよ。」

 

などと楽しそうに話している五つ子達を遠巻きに見ながら俺は思ってしまった。

 

こいつらといる日々は悪くないと。

 

 

 

四葉「うーえすーぎさーん!早く一緒に行きましょー?置いてっちゃいますよー!」

 

 

 

夕焼けを背に、俺を待ってくれている五つ子を見ると自然と笑顔になる。俺は一つの決心をしながらこう言ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰る。」

 

もし不良に襲われても、俺の親切心を馬鹿にしやがったあいつらは絶対に助けないで置いて逃げてやると密かに誓った。

 




原作の第4話で四葉が蟻を見てるシーンがあったから使ってみた。
次回以降、前田君参戦。風太郎君にも喧嘩させる予定。
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