不良優等生 上杉君   作:えぬに

6 / 7
奴隷な上杉君②

三玖「ただいま。」

風太郎「お邪魔します…」

 

いつ見ても立派なマンションに圧倒され、ついつい敬語になってしまった。

リビングに行くとそこには一花が居た。

一花「お、フータロー君、来てくれたんだ。」

風太郎「不本意だがな!」

一花「あははっ、ごめんね?」

風太郎「ったく。で、頼み事ってなんだ。」

一花「うーん、口で説明するよりみてもらった方が早いかなぁ。とりあえず私の部屋に来てよ。」

三玖「えっっっ」

 

なんだよ えっっっ て。

 

三玖「一花。」

一花「ん?」

三玖「ほんとにフータロー入れるの?あの部屋に?」

一花「そのつもりだよ〜。」

風太郎「なんか問題でもあんのか?一花の部屋に。」

一花「んー、説明するより見てくれれば分かるからとりあえず来て?」

風太郎「あ、ああ。」

 

嫌な予感しかしないんだが。

 

 

風太郎「なん…だ、これは…!?」

三玖「ね。酷いよね。」

一花「あっはは…」

 

予感的中。俺が連れてこられたのは一花の部屋

なのだが…

 

風太郎「思ったこと言っていい?」

一花「駄目。言われたら私悲しくなってお父さんにフータロー君の有る事無い事捏造してチクっちゃうかも。」

風太郎「害悪!」

 

だが言わせてくれ。言わなきゃ気が済まない。

 

風太郎「ゴミ屋敷じゃねぇか…」

一花「ゴミ屋敷は酷くない!?」

風太郎「いやいやいやいや。ゴミ屋敷は言い過ぎかもだがそれでも何このジャングル、こんなんで生活できんの?」

一花「余計に酷い言い方じゃないかな?でも、やっぱりそういう反応になっちゃうよねぇ…」

 

一花の部屋は足の踏み場もないぐらい散らかり放題だった。辺り一面に服、服、そして服、化粧品の群れに本が山積み、学校のプリントはそこら中に散らばっている。

 

一花「そこで風太郎にお願いがあるんだけど」

風太郎「用事思い出した帰る。」

一花「駄目ー。」

風太郎「通してー。」

一花「だから駄目ー。」

風太郎「…どうせここの部屋の掃除を手伝えとかいうんだろ。」

一花「さすがフータロー君よく分かってるぅ♪」

風太郎「分かりたくなかった…」

三玖「フータロー、頑張って。」

風太郎「手伝ってくれませんか?三玖さん…,」

三玖「勉強で忙しいから、ごめん。」

 

そう言って三玖はそそくさと自分の部屋に逃げ込む。おい姉様、おたくの妹様が逃げるほどおまえの部屋は酷い有様だったようだぞ。

 

一花「まぁまぁフータロー君。ここは、美少女の私物を物色できると思ってくれればいいから。」

風太郎「興味ねぇ。」

 

あと、自分で美少女言うなよ。否定はしないが。

 

一花「私の下着とか興味ないのかなぁ〜?」

風太郎「汚ねぇ。」

一花「汚ねぇ!?」

風太郎「部屋が。」

一花「今のはフォローのつもり???」

風太郎「あいにくただの布に魅力を感じる性癖は持ち合わせてないんでね。」

一花「むぅ」

 

というか、普通年頃の女子って部屋見られるの嫌とか思わないのか?むしろこいつの場合、面白がってるまである。

 

一花「前々から思ってたんだけど、フータロー君て不能?」

風太郎「どーゆー意味だ!」

一花「それ」

風太郎「指をさすな!違う!」

一花「じゃあホm」

風太郎「それも違う!!」

 

別にそういったものを否定するわけではないが俺は断じて違う。

 

風太郎「馬鹿なこと言ってないでさっさと始めるぞ。夜になっちまう。」

一花「やっとやる気になってくれたみたいだね。」

 

こいつぶっ飛ばしてやろうか。

なんでお前が、「やれやれ、フータロー君には困ったよ」みたいな口調で話してんの?普通逆だろ?

 

かくして、俺と一花の大掃除が始まったのであった。

 

風太郎「まずは机の上の物からだな。勉強関連以外は全て捨ててしまおう。」

一花「普通にやめて?」

 

風太郎「とりあえず下着類は全部こっちに寄せて。」

一花「汚物を触るみたいな持ち方やめて?!」

 

風太郎「服をたたんで…」

一花「おおー、早い。」

 

風太郎「プリントはしっかりファイリング!」

一花「几帳面だなぁ。」

 

風太郎「本は本棚に!」

一花「それが入りきらないんだよね。」

風太郎「…」

 

風太郎「小物は空き箱に入れてまとめる!」

一花「なるほどなるほど。」

 

風太郎「…よくよく見ると、ゴミらしきゴミは無いのな。」

一花「偉いでしょ!」

風太郎「ワー、エラーイ(棒)」

風太郎「ふぅー。とりあえず8割型終わった。」

一花「あー疲れた!」

風太郎「お前何もしてねぇだろ?!」

一花「フータロー君の応援してました〜。」

風太郎「クソの役にもたたねぇ。」

一花「ちょっと今日辛辣じゃないかな?」

風太郎「イライラはしてる。」

 

疲れからくる苛立ち。早く帰って休みたい…

 

風太郎「とりあえず、ここら辺のものはちゃんと自分でやれよ。下着とか。」

一花「はいは〜い、今からやりま…うわっと!」

 

歩こうとした一花が足元にあった洋服の収納ケースに足をぶつけ、そのままバランスを崩してしまう。

 

風太郎「…え?、ちょ、うお?!」

 

そのまま俺は一花に押し倒され、二人でベッドにダイブする。

 

一花「ご、ごめんフータロー君!」

風太郎「あっぶねー。怪我はないか?」

一花「え?う、うん…」

風太郎「…」

一花「…」

風太郎「…?早くどけよ。」

一花「これ、フータロー君を襲ってるみたいでなんかいいね。」

風太郎「お前は何を言っているんだ?」

 

ガチャっ。

 

風太郎「は?ガチャ?」

 

ドアの方を見るとそこには二乃がいた。

…終わった。

 

二乃「一花〜、クッキー焼いた…何してんのよあんたたち!」

風太郎「何もしてねぇ!?」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

風太郎「もぐもぐ。」

ニ乃「…ちっ」

一花「うん、おいしい♪」

五月「もぐもぐ。」

四葉「あぐあぐ。」

三玖「もくもく。」

 

五つ子+俺で絶賛おやつタイム中。

 

二乃「なんであんたまでクッキー食べたてるのよ!」

風太郎「あ?いいだろ少しぐらい、毒味毒味♪」

二乃「味見って言いなさいよ!」

四葉「まぁまぁ、二人とも落ち着いて?」

風太郎「そうだぞ二乃、落ち着け?」

二乃「殴っていいわよね?こいつ。」

 

殴ってきやがったら容赦なくデコピンしてやる。

 

二乃「で?一花、こいつと何やってたわけ?」

一花「んー?えっとねぇ、フータロー君に頼まれて私がフータロー君を襲ってました!」

風太郎「ちっがうだろ!俺はこいつに頼まれて部屋の片付けをしてただけだ!見ただろ、あの汚部屋が綺麗になってるとこ!」

 

この姉妹は揃って俺を社会的に殺しにかかるな。本当にタチが悪い。

 

二乃「なに、あんた部屋を片付けるっていう建前で一花の下着とか服の匂いを堪能して、さらには一花に自分を襲わせていたの?ほんと最低。」

風太郎「最低なのはお前の解釈だ!今の話を聞いてどうしたらそうなりやがる!」

 

そうだとしたら俺とんでもない変態じゃねぇか。

 

五月「上杉君、それはいくらなんでも…」

風太郎「だから違う!」

四葉「上杉さんはそんなことやりませんよ!バスケが強い人に悪い人はいません!」

風太郎「おうよく言った四葉もっと言ってやれ!」

 

謎理論すぎるがな。

 

三玖「で実際どうなの、一花?」

一花「フータロー君ったら、私の下着に興味津々でさ、それはもう嗅ぎまくってました!」

 

風太郎 ‪‬ ◜◡‾

 

ああ、終わった。

 

四葉「う、上杉さん…」

五月「上杉君…」

三玖「フータロー…」

二乃「死刑。」

風太郎「死刑!」

 

ちょっと待て、本当にまずいぞ。というかどうせ俺がまた何かしなくちゃならなくなるパターンだ。これをネタに雇い主にチクられでもしたら終わる。

 

風太郎「ほ、本当にまってくれ…冤罪だ…許してくれ…」

一花「ほらほら敬語は?」

風太郎「下さい…」

一花「ドッキリ大成功♪」

風太郎「は?」

 

ドッキリだと?

 

五月「流石にこれが一花の嘘ってことぐらい分かりますよ。」

四葉「ごめんなさい上杉さん。悪戯心でつい…」

 

…ああ、なるほど。こいつら始めから俺がそんなことやってないって分かってて俺を有罪だと言い張り、ゴミを見る目で見てたのか。俺を困らせるために。

 

一花「ごめんね?フータロー君。」

 

ぶちっ。俺は、俺の中で何かが切れたのをはっきりと感じた。

 

風太郎「せっかく来たんだ、勉強会でもやるか。」

5人「えっ」

風太郎「えってなんだ。」

二乃「今日は無いはずよね?」

風太郎「そのつもりだったが、何もしないで帰るってのも勿体ない。」

二乃「帰って。」

風太郎「…うるせぇよ。」

5人「?!」

風太郎「お前らみたいなのが居るから世の中痴漢冤罪だの何だのはびこるんだよ…分かってんのか?男にとっては冤罪でも痴漢って言われたら文字通り死ぬしかねぇんだよ…」

三玖「え、フータロー…?」

五月「こ、怖いです…。」

二乃「え、関係なくない…?」

一花「ふ、フータロー君。さっきのことは謝るから…」

風太郎「黙れ。」

一花「はい…。」

風太郎「まぁ、心の広い俺が勉強会一つで許してやるって言ってるんだ。今から全員、特別勉強会でいいよな?」

5人「…はい。」

5人(あ、圧力で断れない…!)

 

四葉「上杉さん!」

風太郎「なんだ。」

四葉「絶対値とはなんでしょう!」

風太郎「この前散々教えただろ!」

四葉「忘れました!あははは!」

風太郎「あはははじゃねぇ!」

 

今期の範囲は絶対値を使いまくるベクトルなので、こいつの数学が既に終わっていることを俺は悟った…

 

前途多難である。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

ラジオ『9月30日、今日は東町で待ちに待った花火大会が_____』

 

青い空、白い雲。清々しい快晴。今日はいい日になりそうなそんな日。

 

風太郎「ふははっ!今日は日曜日!あいつらを忘れて思いっきり勉強できるぞ!!」

 

今日は平和な休日。勉強せずに何をすると言うのか。

 

頭が冴えわたる!手が止まらない!瞬時に答えが思いつく!何人たりとも俺を止められる奴はいない!!!

 

風太郎「…おっ、この問題は知ってると差がつくな。今度あいつらに教えといてやるか。」

風太郎「…あいつらはここの内容わかるかなぁ、まとめプリント作って渡しておくか…。」

風太郎「…よしっ、とりあえず内容はこれとこれを今度教えるか」

 

…あれ?

 

風太郎「…何やってんだろ俺。」

 

あ、ありのまま起こったことを話すぜ。

気付いたらあいつらの為のプリントを作成していた…

職業病とはなんと恐ろしい…

 

風太郎「…勉強しよ。」

 

気をとりなおし、いざ勉強しようとしたそのとき、ピンポーンとインターホンが鳴る。

 

風太郎「…タイミング悪いなぁ。」

 

気が進まないが無視するわけにもいかないので玄関に向かう

 

風太郎「はーい、どちらさ…ま…」

 

ガチャっとドアを開けるとそこには

 

五月「こ、こんにちは。」

 

バタン

 

五月「ちょっ、なんで閉めるんですか!入れてください!」

風太郎「嫌です!」

五月「入れてください!!あと口調を真似しないで下さい!」

風太郎「嫌です!!」

五月「…あ、もしもしお父さん?」

風太郎「はーい、嘘です嘘でーす。どうぞ入ってください頼むからやめてください」

五月「もう、最初からそうして下さい…」

 

雇い主にチクられそうになったので俺は渋々ドアを開ける。五月め、いつの間に余計な知恵をつけやがって…

 

風太郎「なんで住所知ってんだよ。」

五月「お父さんに聞きました。」

風太郎「納得はしないがなるほど。で、何の用だ。」

五月「貴方にお渡しするものが…」

 

五月が自分のバッグの中身から俺に渡すものを取り出していると

 

らいは「ただいまーって、あれ?お客さん?」

風太郎「げっ」

五月「?」

らいは「あ!もしかしてお兄ちゃんの生徒さんですか?はじめまして!上杉らいはと申します。」

五月「こ、こちらこそはじめまして。中野五月です。(か、かわいい…)」

らいは「五月さんですね。狭い家ですがどうぞあがってください!」

五月「はい、お邪魔しますね。」

 

good-by、俺の休日…

もうこのブラックバイトやめよっかな。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

風太郎「で、俺に渡すものって?」

五月「はい、これです。」

 

五月から差し出されたのは給与と書かれた茶色い封筒だった。

 

らいは「お兄ちゃん頑張ったね!」

風太郎「まぁ、今月五月達の家に行ったのはまだ2回だけだし、そんなに期待出来ないだろ…」

 

俺はあまり期待せずに封筒を手に取る。

 

風太郎「ん?厚くね?」

 

中身を取り出してみると

 

風太郎「」

らいは「」

 

五月「家に来ていなくても、図書館で行った授業も合わせると4回、一人一日5000円で計10万です。」

らいは「お兄ちゃん、やったね!この調子なら借金なんてあっという間になくなるね!!」

五月「!、借金…」

風太郎「」

らいは「?、お兄ちゃん?」

風太郎「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

らいは「お兄ちゃんが壊れた!?」

五月「なぜ封筒を投げ捨てるんです!?」

 

は?!俺は一体何を…

 

風太郎「す、すまん、なんか五月から渡された封筒の中身が10万円だった幻を見てしまって、つい、な…」

らいは「いやいや現実だって」

五月「はぁ…。給与の詳細は知っていましたよね?」

風太郎「いやそうなんだが…実感が湧かなくて。」

 

いろんな意味で辞めたくなってきたぞこのバイト…。

 

五月「そんなに驚くことですか?」

風太郎「10万手にして驚かない高校生なんてほとんどいないだろ…」

 

例外は俺の考えうる限りでは約5名ほどいらっしゃいますが。某お嬢様な五つ子が。

 

…はっ!まてよ、ここで俺の天才的な頭脳が一つの仮説を導き出した。

 

高額な給与で圧力→辞めるに辞められなくなる→頑張って勉強を教えるも努力むなしく留年→長女の責任+次女の責任+三女の責任+四女の責任+五女の責任→死

 

…これは非常にまずいぞ!!!

こんな高額な金をポンと出せるような親だ、もし留年なんかさせてみろ、物理的に首が弾け飛ぶに決まってる!

 

風太郎「…五月」

五月「はい?」

風太郎「俺、家庭教師辞めるわ。」

五月「え!?どうしてです!?」

風太郎「俺はまだ、死にたくない。」

五月「何馬鹿なこと言ってるんです?」

風太郎「お前に馬鹿って言われたら俺ももうお終いだな。」

五月「ほんとに失礼な人ですね?!」

 

事実だからしょうがないだろ。

 

五月「まったく…。貴方には一応、期待しているんですからね?」

風太郎「だとしても10万はやり過ぎじゃね?」

五月「そうですか?家庭教師の日以外でも勉強会を開いてくれているではありませんか。」

風太郎「それだけでか?ただ俺は座って見てるだけだぞ?」

五月「もう、素直に受け取ってください!私は相応の報酬だと思いますよ?」

風太郎「むっ…お前が言うならそうなんだろうが…」

 

…だが、こんな金渡されても使い道なんか無い。全額借金返済に充ててもいいが、それはそれでなんか惜しいことした気分なんだよな…

 

風太郎「…なぁ、らいは。」

らいは「ん?」

風太郎「どっか行きたい場所無いか?」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

らいは「わーっ!こんなところがあるんだね!」

 

らいはの要望により、俺たちはゲームセンターに来ていた。のだが…

 

風太郎「なんでお前がいるの?」

 

なぜか五月もいる。

 

五月「仕方ないじゃないですか、らいはちゃんに一緒に来て欲しいって頼まれたんですから。」

風太郎「断れなかったのか。」

 

らいは『ダメ…ですか?』

 

五月「こんな頼まれ方されて、貴方は断れますか?」

 

らいは『お兄ちゃん、ダメ…?』ウルウル

 

風太郎「うん、無理だな。」

五月「ですよね。」

風太郎「俺が間違ってた、すまんな。」

五月「らいはちゃんに免じて許します。」

 

らいは「お兄ちゃん、五月さん!あれやってみたい!」

風太郎「…ふっ、あんなものではしゃいでんだからまだまだ子供だな。」

五月「…」

 

 

俺達はゲーム名『太鼓のオワタツジン』の前まで来ていた。このゲームは相当有名なので流石の俺でも知っているが一応説明しよう。太鼓のリズムゲームだ。以上。

 

らいは「お兄ちゃん、一緒にやろ?」

風太郎「おう。」

 

俺は投入口に200円入れる。

 

『モードを選ぶンゴ!』

 

バチで思いっきり殴りたいぐらい口調がうざいなこいつ!

ンゴってなんだンゴって

 

らいは「あ、この曲にしよ!」

風太郎「難易度は…どうしよう…」

らいは「私は普通でいいかなぁ。」

風太郎「とりあえず俺が実験台として難しいをやってみるか。」

 

『この曲で遊ぶンゴ!』

 

らいはと俺は画面に映る右から左へ流れてくるキャラクターの顔面(^o^←こんな感じの)を◎←こんな感じのマークに重なったタイミングに合わせて太鼓を叩く。

 

らいは「よっ、ほっ」ドン.カッ.

風太郎「…」ドンドンカッドン

 

ふむ、出来ないことはない。

 

らいは「一曲目終わった〜。意外に腕が疲れるね…」

風太郎「そうだな。」

らいは「次は難易度を鬼でやってみよっかな!」

風太郎「やめとけやめとけ、どうせ出来ないって。」

 

『この曲で遊ぶンゴ!』

 

らいは「む〜やってみないとわからないじゃん!」

風太郎「あーあ。鬼選択しちまったよ。」

 

まぁ、何事も挑戦だ。案外出来ちゃうかもしれないし。

 

らいは「…え、え?あれ?ちょっ、む、難しすぎー!五月さん代わって!」

五月「ええ?!む、無理です〜!」

 

…哀れなり。というかこのゲーム、こんなに難しいものだったんだな。意外だ…。

 

 

 

 

太鼓のオワタツジンを終えた俺達は次のゲームの前に立っていた。

 

らいは「あ、あのくまのぬいぐるみ可愛い!お兄ちゃん、あれ当てられる?」

 

射的か…やったことないが、まぁ、いいだろう。

 

風太郎「俺に任せろらいは、あのくまさんの脳天をこの銃でぶち抜けばいいんだろ?くくっ、血祭りに上げてやるぜ…!」

らいは「そこまで言ってない。」

五月「ゲームの趣旨が変わってますよ。」

 

数分後

 

風太郎「今ので倒れないなんて物理の法則に反してやがる!くまさんめ!絶対に倒してやる!」

らいは「お兄ちゃん、もういいよ!」

五月「そんなんではしゃぐなんて子供ですね。」

風太郎「俺のさっきの言葉を引用しないでくれ。」

 

だが、このまま諦めるのはシャクだな。

 

風太郎「五月、まだ玉残ってるだろ!不正を暴いてやれ!」

五月「私ですか?あんな大きいもの無理だと思うんですけど…」

風太郎「頭でダメだったから今度は胴体をぶち抜いてやれ、この照準器で狙いを下に定めてだな…」

 

俺は五月の側から照準器を覗き込む。

 

五月「!!、きゃあ!!」

風太郎「あ!全然駄目じゃねーか!」

五月「き、急に近づかないでください!もうっ!」ドキドキッ

風太郎「えぇ…、そんなに怒んなよ、悪かったって。」

 

てか、そんなに怒るほど嫌だったのかよ…ちょっとへこむ…

 

風太郎(俺って思うほど好感度良くないのか?)

五月(う、上杉君の顔があんな近くに…)ドキドキ

らいは(…乙女心を分かってないなぁお兄ちゃん。)

 

 

 

 

次に俺らはエアホッケーをやることにした。

 

らいは「五月さん、一緒にチーム組みませんか。2対1です!」

五月「わかりました。」

らいは「打倒お兄ちゃんです!」

五月「ふふっ、頑張りますね。」

 

…手加減してやるか。

 

らいは「はっ!」

風太郎「ほれっ」

らいは「…お兄ちゃん、手加減してない?」

風太郎「してないしてない。」

らいは「嘘」

風太郎「バレたか」

らいは「もうっ!本気できてよね!」

風太郎「…スゥーっ」

 

俺はここで深呼吸をする。

 

らいは「?」

風太郎「本気で…いいんだな?」

 

 

らいは「〜〜っ」プク-

風太郎「悪かったって…ごめんな?強すぎて。」

らいは「嫌味?!」

五月「全然反省してませんね。」

 

結果は俺の圧勝。本気を出したのにらいはが拗ねた。解せん。

 

らいは「…お兄ちゃんなんて嫌いっ!」

風太郎「」

五月「…?どうしました?」

風太郎「五月、どうしよう、らいはが俺のこと嫌いだって。もう生きていけない。」

五月「自業自得です…」

 

上 杉 風 太 郎 は 目 の 前 が ま っ 暗 に な っ た…

 

 

それから俺達はクレーンゲームにレーシングゲーム、シューティングゲームなどを遊んだ。

 

風太郎「ふはははははははっ、ゾンビめっ。殲滅してくれるわっ、ふはははははははっ、ふはははははははっ!」

らいは「お兄ちゃんがおかしい!?」

五月「銃を持つと性格が変わるんですか貴方は…。」

 

 

らいは「えいっ!」

五月「あっ!甲羅を当てるのはずるいです!」

風太郎「ほいっ」

らいは「ああっ!バナナの皮!」

 

 

五月「…ここ!」

らいは「おお!ドンピシャで取れた!」

風太郎「クレーンゲームという意外な才能…」

 

 

風太郎「おら!」ドゴン!

五月「120キロ…」

らいは「す、凄いパンチだね…。」

 

 

 

風太郎「…付き合わせちまって悪いな。」

五月「別に貴方のためではありません。」

風太郎「分かってるよ。でも、ありがとな。あいつには、家の事情で苦労させてるから、せめてあいつの望みだけでも全て叶えてやりたいんだ。」

 

そう言って前を歩くらいはを見ると、俺は自然と笑みを浮かべる。

 

五月(…上杉君のこんな優しい笑顔、初めて見ました…。よっぽどらいはちゃんが大事なんですね。)

五月「…家の事情とは、その、言いにくいですけど、らいはちゃんが家を出る前に言っていた…」

風太郎「…そうだよ、借金のことだよ。」

五月「…」

風太郎「せめて、あいつが進学するための費用ぐらいは頑張って貯めないとな。だからお前らの家庭教師を受け持ったって訳だ。」

五月「…ふふっ、ほんとに妹思いなんですね。」

風太郎「まぁな。」

 

ここでらいはが立ち止まり、後ろを振り返って、

 

らいは「お兄ちゃん、五月さん!最後に3人であれやりたい!」

 

と、プリクラを指差して言ってくる。

 

…絶対嫌だ。何が悲しくてカップルがやる代名詞みたいなものをやらなくちゃならないんだ。そんなに顔を盛りたいのか。

 

風太郎「そ、それよりあっちの方が面白そうだぜー…」

 

そそくさと別の場所へ行こうとすると、五月が俺の肩を掴む。

 

風太郎「なんだよ、離せよ。」

五月「全て叶える…でしょう…?」

 

ぐっ、そう言われても、こっぱずかしいんだよ…

俺はもう一度プリクラの方を見る。

 

風太郎「…」

プリクラ「コッチニオイデヨ!」ゴゴゴッ

風太郎「…」

プリクラ「コワクナイヨ?」ゴゴゴゴッ

 

プリクラの圧がやばい…。なんかゴゴゴッってなってるし。どうやら俺にはあの中に入ることが出来ないみたいだ…

 

風太郎「…写真なら証明写真の機械があっちにあるからそれにしy」

らいは「逃がさないよ?」ガシッ

風太郎「えっ」

 

そう言ってらいはは俺の服を掴む

 

五月「観念して下さい。」グイッ

 

五月まで俺の服を掴んで引っ張ってきた。

 

風太郎「え、ちょっ、まっ…嫌だぁぁ!」ズルズル

 

俺はそのままズルズル引きずられていく。

女性陣は強かった。

 

 

『モードを選択してね☆』

 

風太郎「スリープモードにしよう。」

らいは「そんなのないよ。」

 

『プリティモード!』

 

風太郎「プリティモード…」

五月「…」

 

『素敵な笑顔で決めちゃおう☆』

 

風太郎「なぁ五月。」

五月「なんです?」

風太郎「素敵な笑顔ってどうやるんだっけ」

五月「私もわかりません…」

風太郎「こうか?」

五月「殺意のこもったいい笑顔ですね。」

 

 

『カメラを向いてね』

 

らいは「二人とも手、繋ご?」

風太郎「お、おう。」

五月「は、はい。」

 

『3、2、1』

 

らいは「なんかこれ、家族写真みたいだね!」

二人「えっ」

 

パシャ!

 

 

風太郎「ふはは!お、お前なんて顔してるんだ!」

五月「ふふっ、貴方の顔も負けず劣らずの酷さですよ!」

 

撮った写真を見ると、二人とも苦虫を噛み潰したかのような笑顔になっている。

お互いの顔を罵りあっているとらいはが、

 

らいは「お兄ちゃん、五月さん!これ、一生の宝物にするね!」

 

…。

 

風太郎「お前の笑顔、よく見ると素敵だな…」

五月「あ、貴方の笑顔も、よく見るとかっこいいですよ…」

二人(らいは(ちゃん)に申し訳ねぇ(ないです)…!)

 

らいはの一生の宝物になるのに不細工な笑顔をしてしまったことをちょっと後悔。

今度笑顔の練習しとこ…

 

 

五月(あれ?そ、そういえば、う、上杉君とのプリクラ…)カァァ

風太郎(…?なんで顔真っ赤にしてんだこいつ?)

らいは(お兄ちゃんの鈍さ、どうにかなんないかなぁ。)

 

 

らいは「今日は楽しかった〜!」

風太郎「結局日曜日が潰れてしまった…いや、まだ夜がある。おい五月、お前らも夜は勉強しろよ?宿題出てただろ」

五月「あっ」

風太郎「あ?」

五月「…わ、私はこの辺で失礼します!また明日学校で〜…」

風太郎「おい、ちょっと待て、あってなんだあって。お前宿題やらないつもりだろ。」

らいは「お兄ちゃん、五月さんが5人いる!」

風太郎「は?」

 

何を言ってるんだと疑問に思い、らいはが指差す方を見ると、なるほど理解した。そこには浴衣姿の五月の姉どもが全員いた。

 

二乃「あーっ!!五月、なんでそいつといるのよ!」

一花「二人ともごめんね〜、デート中に邪魔しちゃって〜。」

風太郎「違う!」

五月 「違います!」

三玖「じゃあ、何してたの?」

風太郎「五月はただ、俺の妹の遊びにに付き合ってくれただけだ!」

三玖「ふ〜ん。」

四葉「上杉さんの妹ちゃんですか?!一緒に花火大会に行きましょう!」

風太郎「おいお前ら、勉強は…」

 

らいはの攻撃。

 

らいは「ダメ…?」ウルウル

 

あ"あ"あ"あ"あ"あ"

急所に当たった!

 

風太郎「勿論いいさ…」

 

俺の妹は強かった。

 




次回からやっと花火大会編。

ちょっと説明。

今期の数学の範囲はベクトル
→何話か忘れたけど風太郎が持ってたテスト範囲表に「B 平面上」とあったので「数B 平面上のベクトル」だと予想できる。


あと今更ですが沢山のお気に入り登録、高評価を下さった方々、ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。