珈琲   作:おたふみ

10 / 116
九話

仕切り直して、会話をする

 

「雪ノ下と由比ヶ浜の親父さんが同級生とは…」

「知らなかったわ」

「私も知らなかったよ」

「人の縁はわからんもんだな」

 

「いらっしゃい、久しぶりだな」

「う~す、ブレンドくれ~」

 

「お、親父…」

「八幡、なんでこんなところに…」

「こんなところで悪かったな。とりあえず、座れ」

「よぉ、比企谷!」

「雪ノ下に由比ヶ浜!お前らまで居たのか!」

「え?親父、知り合いなのか?」

「高校の同級生だ」

「マジか…」

「大マジだ」

「なんか目眩がしてきた…」

「ウチのパパと」

「私の父と」

「ウチの親父が…」

「そうだ。言ってなかったか」

「このクソ親父め…」

 

「ねぇねぇ、ゆきのん」

「何かしら?」

「近くの席に移動しない?楽しそうだよ」

「由比ヶ浜さんが、そういうなら」

 

「ヒッキー!こっちの席移動したからね」

「雪ノ下、お前まで…」

「何か聞かれたら不味い話でもあるのかしら」

「ねぇけどよ…」

 

「なぁ、八幡」

「なんだよ」

「お前、事故に遭った時、相手が見舞いに来ないのを不思議に思わなかったか?」

「まぁな」

「それに、示談がスムーズだと思わなかったか?」

「…そういうことか」

「察しが良くて助かる」

「ヒッキー、どういうこと?」

「この三人で事故の話をまとめたんだよ」

「お父さん、事故のことは何とかするって…」

「パパにまかせろって…」

「そういうことだったんだよ」

「比企谷君…」

「なんだよ」

「私も目眩がしてきたわ」

 

「そうだ、比企谷」

「なんだ?」

「八幡君の嫁にウチの雪乃はどうだ?」

「いやいや、ウチの結衣を嫁に」

「お父さん!」

「パパ!」

「まだその話、終わってなかったのかよ」

 

「俺達は、そろそろ帰るか」

「そうね」

「うん」

「親父、先に帰るぞ」

「おう。気をつけて帰れよ。犬と黒塗りの車に気をつけてな」

「そのブラックジョーク止めろ。殴るぞ。マスター、俺達の伝票は親父につけてください」

「おいおい」

「ブラックジョークの罰だ」

「はいよ、伝票書き換えておく」

「早く仕事終わったなら、早く帰ってこいよ」

「はいはい。いつも、遅くなる原因は雪ノ下のせいだからな。雪乃ちゃんからも言ってくれ」

「は、はい…」

「お前んとこの仕事は大変なんだぞ。残業と休日出勤の原因の半分は雪ノ下関係だからな」

「ウチの会社もそうだなぁ」

「雪ノ下無しでは、千葉の経済は回らないからな」

「お前、持ち上げ過ぎ」

 

 

「じゃあな、親父」

「では、お父さん。失礼します」

「パパも早く帰ってきてね」

 

 

「俺達の子供も大きくなったな」

「まったくだ」

「お前らと、あんなカタチで再会するとは思ってもなかったよ」

「八幡には悪いが、感謝してるよ」

「なぁ、ウチの結衣をもらってくれよ。料理はアレだが…」

「あんな愚息のどこがいいんだよ」

「愚息っていうなら、ウチに婿にくれ。立派な社長にするぞ」

「息子から仕事が来るなんて、ごめんだね」

「じゃあ、やっぱり結衣を嫁に」

 

父親達三人の会話は、夜遅くまで続いた。




――――――――――――――

ここで、一旦区切りです。
以降の話を書いたり消したりしながら練っていますので、次の更新は時間掛かると思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。