仕切り直して、会話をする
「雪ノ下と由比ヶ浜の親父さんが同級生とは…」
「知らなかったわ」
「私も知らなかったよ」
「人の縁はわからんもんだな」
「いらっしゃい、久しぶりだな」
「う~す、ブレンドくれ~」
「お、親父…」
「八幡、なんでこんなところに…」
「こんなところで悪かったな。とりあえず、座れ」
「よぉ、比企谷!」
「雪ノ下に由比ヶ浜!お前らまで居たのか!」
「え?親父、知り合いなのか?」
「高校の同級生だ」
「マジか…」
「大マジだ」
「なんか目眩がしてきた…」
「ウチのパパと」
「私の父と」
「ウチの親父が…」
「そうだ。言ってなかったか」
「このクソ親父め…」
「ねぇねぇ、ゆきのん」
「何かしら?」
「近くの席に移動しない?楽しそうだよ」
「由比ヶ浜さんが、そういうなら」
「ヒッキー!こっちの席移動したからね」
「雪ノ下、お前まで…」
「何か聞かれたら不味い話でもあるのかしら」
「ねぇけどよ…」
「なぁ、八幡」
「なんだよ」
「お前、事故に遭った時、相手が見舞いに来ないのを不思議に思わなかったか?」
「まぁな」
「それに、示談がスムーズだと思わなかったか?」
「…そういうことか」
「察しが良くて助かる」
「ヒッキー、どういうこと?」
「この三人で事故の話をまとめたんだよ」
「お父さん、事故のことは何とかするって…」
「パパにまかせろって…」
「そういうことだったんだよ」
「比企谷君…」
「なんだよ」
「私も目眩がしてきたわ」
「そうだ、比企谷」
「なんだ?」
「八幡君の嫁にウチの雪乃はどうだ?」
「いやいや、ウチの結衣を嫁に」
「お父さん!」
「パパ!」
「まだその話、終わってなかったのかよ」
「俺達は、そろそろ帰るか」
「そうね」
「うん」
「親父、先に帰るぞ」
「おう。気をつけて帰れよ。犬と黒塗りの車に気をつけてな」
「そのブラックジョーク止めろ。殴るぞ。マスター、俺達の伝票は親父につけてください」
「おいおい」
「ブラックジョークの罰だ」
「はいよ、伝票書き換えておく」
「早く仕事終わったなら、早く帰ってこいよ」
「はいはい。いつも、遅くなる原因は雪ノ下のせいだからな。雪乃ちゃんからも言ってくれ」
「は、はい…」
「お前んとこの仕事は大変なんだぞ。残業と休日出勤の原因の半分は雪ノ下関係だからな」
「ウチの会社もそうだなぁ」
「雪ノ下無しでは、千葉の経済は回らないからな」
「お前、持ち上げ過ぎ」
「じゃあな、親父」
「では、お父さん。失礼します」
「パパも早く帰ってきてね」
「俺達の子供も大きくなったな」
「まったくだ」
「お前らと、あんなカタチで再会するとは思ってもなかったよ」
「八幡には悪いが、感謝してるよ」
「なぁ、ウチの結衣をもらってくれよ。料理はアレだが…」
「あんな愚息のどこがいいんだよ」
「愚息っていうなら、ウチに婿にくれ。立派な社長にするぞ」
「息子から仕事が来るなんて、ごめんだね」
「じゃあ、やっぱり結衣を嫁に」
父親達三人の会話は、夜遅くまで続いた。
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ここで、一旦区切りです。
以降の話を書いたり消したりしながら練っていますので、次の更新は時間掛かると思います。