珈琲   作:おたふみ

105 / 116
大学編・その21

大学内のベンチ。

木陰になっていて、暑くもなくさむくもない。絶好の読書日和だ。

 

「お~い、比企谷く~ん」

「ん?城廻先輩、こんにちは」

「こんにちは~。こんな所で読書?」

「ええ、ここは過ごしやすいんで」

「で、隣の娘は誰かな?」

「隣?…おわっ!綾瀬さん!」

「はいっ♪比企谷様♪」

「いつからそこに?」

「う~ん、30分ぐらい前でしょうか」

「全然、気がつかなかった…」

「比企谷様、そちらの方は?」

「あぁ、高校からの先輩で城廻めぐりさんだ」

「こんにちは~」

「城廻先輩、こちらは綾瀬文子さん。俺と同じ一年です」

「はじめまして、綾瀬と申します」

「ご丁寧にどうも~。二人はお友達なのかなぁ?」

「いえ、ちが…」

「恋人です」

「えぇ!!比企谷君二股してるの!」

「違います!俺は雪ノ下一筋です!言い寄られてるだけです」

「比企谷様、そろそろ恋人にしてください」

「こんな感じで…」

「相変わらず、モテモテだね」

「相変わらずってなんですか?」

「高校の時からモテモテだったじゃん」

「いや、そんなことは…」

「さすが比企谷様!高校の時から女性を何人も…」

「綾瀬さん、誤解が甚だしい…」

「比企谷君はモテモテだったんだよぉ」

「城廻さん、是非お聞かせください、比企谷様の武勇伝を!」

「武勇伝無いからね」

「んとねぇ…」

「城廻先輩、やめてください」

「比企谷君…。何をやっているのかしら?」

「ゆ、雪ノ下!助けてくれ!」

 

夕方

コーヒーショップ

「そんなことがあって疲れましたよ」

「坊主の女難はまだまだ続きそうだな」

「勘弁してくたさい…」

「ほら、客だぞ」

「雪ノ下さん、いらしゃ…」

「比企谷君!綾瀬の娘に手を出したって、どういうこと!!」

「ちなみに、誰から聞きました?」

「めぐり。そんなことより…」

「はぁぁぁぁ、それは間違った情報です。コーヒー出すので座ってください」

 

「はい、どうぞ」

「じゃあ、説明してもらおうかな」

「はいはい」

 

~説明中~

 

「あはははっ!それは災難だね」

「笑いながら、バンバン叩かないでください…」

「あの娘、変わってないなぁ」

「雪ノ下さんは、以前から綾瀬さんのこと知っているんですか?」

「まぁ、親が同じ業界だから」

「…」

「比企谷君、どうしたの?」

「いや、彼女は天真爛漫のようで雪ノ下さんのような感じもするんですよ…」

「さすが比企谷君。私のことを『強化外骨格』と揶揄してるだけはあるわね」

「すいません」

「あははっ。私は的確にとらえてるから、その表現は嫌いじゃないよ。それで、私は意識的にやってるんだけど、彼女は無意識…、自己防衛なのかもしれないわね。あの家柄とあの容姿なら…。それに、人を見る目は確かよ」

「それはどうなんですかね?」

「どうして?」

「初見で俺の目を『素敵な瞳』って言いましたからね。この腐った目を」

「う~ん…」

「な、なんですか?そんなに、見つめないでください」

「比企谷君…」

「はひっ!」

「姉妹丼って、どうかな?」

「な、なななな、何を…」

「姉さん…」

「ゆ、雪乃ちゃん!」

「何を言ってるのかしら?」

「わ、私、用事思い出したから、帰るね」

「逃げたわね…」

「お、俺も仕事に…」

「比企谷君…」

「はい…」

「後でゆっくりお話ししましょう」

「俺は無実だ…」




――――――――― ―

原作、完結しましたね。
まだ、読んでないけど…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。