大学内のベンチ。
木陰になっていて、暑くもなくさむくもない。絶好の読書日和だ。
「お~い、比企谷く~ん」
「ん?城廻先輩、こんにちは」
「こんにちは~。こんな所で読書?」
「ええ、ここは過ごしやすいんで」
「で、隣の娘は誰かな?」
「隣?…おわっ!綾瀬さん!」
「はいっ♪比企谷様♪」
「いつからそこに?」
「う~ん、30分ぐらい前でしょうか」
「全然、気がつかなかった…」
「比企谷様、そちらの方は?」
「あぁ、高校からの先輩で城廻めぐりさんだ」
「こんにちは~」
「城廻先輩、こちらは綾瀬文子さん。俺と同じ一年です」
「はじめまして、綾瀬と申します」
「ご丁寧にどうも~。二人はお友達なのかなぁ?」
「いえ、ちが…」
「恋人です」
「えぇ!!比企谷君二股してるの!」
「違います!俺は雪ノ下一筋です!言い寄られてるだけです」
「比企谷様、そろそろ恋人にしてください」
「こんな感じで…」
「相変わらず、モテモテだね」
「相変わらずってなんですか?」
「高校の時からモテモテだったじゃん」
「いや、そんなことは…」
「さすが比企谷様!高校の時から女性を何人も…」
「綾瀬さん、誤解が甚だしい…」
「比企谷君はモテモテだったんだよぉ」
「城廻さん、是非お聞かせください、比企谷様の武勇伝を!」
「武勇伝無いからね」
「んとねぇ…」
「城廻先輩、やめてください」
「比企谷君…。何をやっているのかしら?」
「ゆ、雪ノ下!助けてくれ!」
夕方
コーヒーショップ
「そんなことがあって疲れましたよ」
「坊主の女難はまだまだ続きそうだな」
「勘弁してくたさい…」
「ほら、客だぞ」
「雪ノ下さん、いらしゃ…」
「比企谷君!綾瀬の娘に手を出したって、どういうこと!!」
「ちなみに、誰から聞きました?」
「めぐり。そんなことより…」
「はぁぁぁぁ、それは間違った情報です。コーヒー出すので座ってください」
「はい、どうぞ」
「じゃあ、説明してもらおうかな」
「はいはい」
~説明中~
「あはははっ!それは災難だね」
「笑いながら、バンバン叩かないでください…」
「あの娘、変わってないなぁ」
「雪ノ下さんは、以前から綾瀬さんのこと知っているんですか?」
「まぁ、親が同じ業界だから」
「…」
「比企谷君、どうしたの?」
「いや、彼女は天真爛漫のようで雪ノ下さんのような感じもするんですよ…」
「さすが比企谷君。私のことを『強化外骨格』と揶揄してるだけはあるわね」
「すいません」
「あははっ。私は的確にとらえてるから、その表現は嫌いじゃないよ。それで、私は意識的にやってるんだけど、彼女は無意識…、自己防衛なのかもしれないわね。あの家柄とあの容姿なら…。それに、人を見る目は確かよ」
「それはどうなんですかね?」
「どうして?」
「初見で俺の目を『素敵な瞳』って言いましたからね。この腐った目を」
「う~ん…」
「な、なんですか?そんなに、見つめないでください」
「比企谷君…」
「はひっ!」
「姉妹丼って、どうかな?」
「な、なななな、何を…」
「姉さん…」
「ゆ、雪乃ちゃん!」
「何を言ってるのかしら?」
「わ、私、用事思い出したから、帰るね」
「逃げたわね…」
「お、俺も仕事に…」
「比企谷君…」
「はい…」
「後でゆっくりお話ししましょう」
「俺は無実だ…」
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原作、完結しましたね。
まだ、読んでないけど…