珈琲   作:おたふみ

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大学編・その26

雪乃の部屋

 

「ねぇ、由比ヶ浜さん」

「なに、ゆきのん」

「もうすぐ比企谷君の誕生日なのだけど」

「そうだね」

「今年はね、その…」

「二人で過ごしたいんでしょ」

「なっ!え、ええと…」

「恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。私だって、来年は彩ちゃんと過ごしたいから」

「そ、そうなのね…」

「ゆきのん、可愛い!」

「だ、抱きつかないでくれないかしら」

「ゆきのんだって、嫌じゃないクセに」

「ゆ、由比ヶ浜さん、そ、そこは…」

「ゆきのん、少し大きくなった?」

「ほ、本当?」

「たぶん…」

「そ、そう…」

「さては、ヒッキーに揉んでもらってるな!じゃあ、私も」

「だ、ダメよ、由比ヶ浜さん」

「おぉ、これはこれは」

「ゆ、由比ヶ浜さんこそ、えいっ!」

「ひゃっ!」

「ま、また大きくなったわね…」

「えへへ」

「悔しいわ。こうしてやる!」

「きゃぁ!お返し!」

「ひゃん!」

 

三十分後

「はぁはぁはぁ、少し…、ふざけすぎたわね」

「はぁはぁはぁ、そうだね」

「そ、それでね、由比ヶ浜さん」

「うん、…なに?」

「比企谷君に何をプレゼントすればいいかしら?」

「う~ん、本人は何か言ってた?」

「『あん?プレゼント?んなもん気にすんな、雪ノ下が祝ってくれたら、それでいい。あ、手作りケーキは頼むな』ですって」

「ぷっ!ゆきのん、ヒッキーのモノマネ上手いね」

「そ、そうかしら…」

「じゃあ、ゆきのんがリボン巻いて『私がプレゼントよ』って」

「そ、それは、どうなのかしら…」

「きっとヒッキー喜ぶよ」

「まぁ、それはベッドの上でやるとして…」

「やるんだ…」

「何がいいのかしら…」

「何か会話でヒントになるようなものはなかった?」

「あっ!二輪の免許が欲しいと言ってたわ。そうね、父さんに頼めば…」

「ゆ、ゆきのん、それは無理だよ」

「そうかしら?父の権力(ちから)で」

「いやいやいや、無理だよ」

「そう…。じゃあ、バイクを…」

「高過ぎだよ!ヒッキービックリしちゃうよ!」

「そう…。それなら…」

………

……

「うん!それなら、いいと思うよ」

「では、それにしましょう」

 

8月8日八幡の部屋

 

「さすが雪ノ下。料理もケーキも最高だったよ」

「ひ、比企谷君」

「ん?」

「こ、これを…」

「気にすんなって言ったのに…。開けてみてもいいか?」

「ど、どうぞ…」

「指輪…」

「私がしてる指輪、わかる?」

「ペアリングか…」

「貴方、お揃いのモノが欲しいって言ってたでしょ?」

「覚えててくれたんだな。嬉しいよ」

「つけてみて」

「ん、ピッタリだ」

「良かった…」

「最高のプレゼントだよ」

「じ、実はもうひとつあるのだけど…」

 

この後、ベッドでリボン姿の雪乃が現れました。


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