はぁ~。夏休み登校日ってだけで面倒なのに、事務所にレッスンに行ったらレッスンルームが使えなくて、そのままとんぼ返り…。しかも、ボ~っとしてて降りる駅間違えるし…。今日はツイてないなぁ。気分転換に、この辺を散歩してみよう。
…。こんなところにコーヒー屋さんがあったんだ。雰囲気良さそうだし、入ってみよう。
「いらっしゃいませ」
「あの、ひとりなんですけど…」
「お好きなところへどうぞ」
なんかちょっと格好いい店員さんだな。目がウチのプロデューサーに似てる。ちょっと好みかも…。
さて、メニューはと…。基本コーヒーしかないんだ。ん?この『スペシャル』ってなんだろう。店員さんに聞いてみよう。
あっ、ちょうど近くで片付けしてる…。!!ちょっと待って!なんで鼻歌『DANZEN!ふたりはプリキュア』なの!!わ、私や菜々ちゃんと趣味が似てるの?
「あ、あの、すいません」
「はい、お決まりですか?」
「この、『スペシャル』ってなんですか?」
「あぁ、MAXコーヒーはご存知ですか?」
「はい」
「それに似た感じですよ」
「じゃあ、これを」
「はい、かしこまりました」
奥のマスターに声かけてる。マスターも渋いなぁ。
「お待たせしました」
「ありがとうございます」
あ、また片付けに戻った。…!!今度は『ラララ スイートプリキュア』だと!やっぱり、あの店員さんはこちら側だ。
…。甘っ!けど美味しい。なんかツイてないと思ったけど、当りの店に入れたからいいかな。今度、凛と加蓮も連れて来ようかな。
他にお客さんもいないし、私がアイドルって気がつかれないのもいいな。あの店員さん、私がアイドルって知らないのかな?私もまだまだだね。もっと頑張らないとな。
あっ、お客さんだ。綺麗な人だなぁ。店員さんと話してる。常連さんかな?声が楓さんに似てる…。澄んだ声だな…って、凄い暴言!でも、店員さんも満更じゃなさそう。ドMなの?
さてと、ゆっくり休めたし帰ろうかな。
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
「またお越しください。神谷奈緒さん」
「なっ!知ってたのかよ!」
「ええ、まあ。声かけたら、休めないでしょうからね」
「ちくしょ~。私の決意返せよ!」
「なんでキレてんだ?」
「う、うるさい!」
「わ、悪かったよ」
なんだよ、そのはにかんだ笑顔は!反則だろ!
「ち、ちくしょ~!また来てやるからな!覚えてろよ」
「何そのツンデレ…」
くぅ~。知ってて声かけなかったのかよ。
覚えてやがれよ。次は凛と加蓮連れて来て驚かせてやる!
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「比企谷君」
「ん?」
「今、お客さんと何か話していたわよね?浮気?」
「ちげぇよ」
「では、何なのかしら?」
「アイドルの神谷奈緒だったから、声をかけてみただけだ」
「どこかで見たことあると思ったわ」
「やっぱり本物は可愛いな」
「やっぱり浮気じゃない」
「違うからね」
「今夜はしっかり教育してあげるわ」
「聞いてねぇし」
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更新遅くなって、すいません。