珈琲   作:おたふみ

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特別編4

はぁ~。夏休み登校日ってだけで面倒なのに、事務所にレッスンに行ったらレッスンルームが使えなくて、そのままとんぼ返り…。しかも、ボ~っとしてて降りる駅間違えるし…。今日はツイてないなぁ。気分転換に、この辺を散歩してみよう。

 

…。こんなところにコーヒー屋さんがあったんだ。雰囲気良さそうだし、入ってみよう。

 

「いらっしゃいませ」

「あの、ひとりなんですけど…」

「お好きなところへどうぞ」

 

なんかちょっと格好いい店員さんだな。目がウチのプロデューサーに似てる。ちょっと好みかも…。

さて、メニューはと…。基本コーヒーしかないんだ。ん?この『スペシャル』ってなんだろう。店員さんに聞いてみよう。

あっ、ちょうど近くで片付けしてる…。!!ちょっと待って!なんで鼻歌『DANZEN!ふたりはプリキュア』なの!!わ、私や菜々ちゃんと趣味が似てるの?

 

「あ、あの、すいません」

「はい、お決まりですか?」

「この、『スペシャル』ってなんですか?」

「あぁ、MAXコーヒーはご存知ですか?」

「はい」

「それに似た感じですよ」

「じゃあ、これを」

「はい、かしこまりました」

 

奥のマスターに声かけてる。マスターも渋いなぁ。

 

「お待たせしました」

「ありがとうございます」

 

あ、また片付けに戻った。…!!今度は『ラララ スイートプリキュア』だと!やっぱり、あの店員さんはこちら側だ。

 

…。甘っ!けど美味しい。なんかツイてないと思ったけど、当りの店に入れたからいいかな。今度、凛と加蓮も連れて来ようかな。

他にお客さんもいないし、私がアイドルって気がつかれないのもいいな。あの店員さん、私がアイドルって知らないのかな?私もまだまだだね。もっと頑張らないとな。

 

あっ、お客さんだ。綺麗な人だなぁ。店員さんと話してる。常連さんかな?声が楓さんに似てる…。澄んだ声だな…って、凄い暴言!でも、店員さんも満更じゃなさそう。ドMなの?

 

さてと、ゆっくり休めたし帰ろうかな。

 

「ご馳走さまでした。美味しかったです」

「またお越しください。神谷奈緒さん」

「なっ!知ってたのかよ!」

「ええ、まあ。声かけたら、休めないでしょうからね」

「ちくしょ~。私の決意返せよ!」

「なんでキレてんだ?」

「う、うるさい!」

「わ、悪かったよ」

なんだよ、そのはにかんだ笑顔は!反則だろ!

「ち、ちくしょ~!また来てやるからな!覚えてろよ」

「何そのツンデレ…」

 

くぅ~。知ってて声かけなかったのかよ。

覚えてやがれよ。次は凛と加蓮連れて来て驚かせてやる!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

「比企谷君」

「ん?」

「今、お客さんと何か話していたわよね?浮気?」

「ちげぇよ」

「では、何なのかしら?」

「アイドルの神谷奈緒だったから、声をかけてみただけだ」

「どこかで見たことあると思ったわ」

「やっぱり本物は可愛いな」

「やっぱり浮気じゃない」

「違うからね」

「今夜はしっかり教育してあげるわ」

「聞いてねぇし」







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更新遅くなって、すいません。

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