珈琲   作:おたふみ

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大学編・その28

夏休みも終わり、講義の合間に図書館でノートPCをひろげ雪ノ下さんに出された宿題を見ている。

 

(これをメールに添付して送信…。よし、一息だな)

 

「比企谷様、終わりましたか?」

「うおっ!綾瀬さん」

「ここは図書館です。お静かに」

「お、おう、すまん」

「かなり集中されてましたが、終りましたか?」

「ん?ああ、終わった」

「では、わたくしとお茶でもいかがですか?」

「い、いや、それは…」

「夏休みの間、お会い出来なくて、一日千秋の思いでした」

「だ、だからといって…」

「…八幡?」

「ゆ、雪ノ下」

「八幡?」

「!なんだ雪乃」

「よろしい。綾瀬さん、わ・た・し・の!八幡に何か御用かしら?」

「はい、比企谷様をお茶に誘っておりました」

「はぁぁぁ。文子さん、お父上から言われませんでしたか?」

「ええ、言われましたわ」

「だったら、お引き取りを」

「お茶に誘ってはいけないとは言われていませんので」

「比企谷君、彼女は天然でこれよ」

「マジか?」

「ええ、マジよ」

「天然とはなんでしょう?」

「文子さん、私もご一緒するわ」

「ええ、いいですわよ」

「あぁ、天然だわ」

 

「…」

「比企谷様、どうかなさいまして?」

「いや、紅茶の美味しい喫茶店だと思ってたから」

「どこの柏原芳恵よ。甘味処だっていいのではないかしら」

「雪ノ下、お前いくつだよ」

「比企谷様、雪乃さん、こちらのあんみつとっても美味しいのよ」

「じゃあ、俺はあんみつを」

「私も同じものを」

「では、あんみつを3つで」

「あん『みつ』を『みっつ』…。ぷふっ」

「おい、雪ノ下大丈夫か?」

「だ、大丈夫よ」

 

「ん、旨いな」

「えぇ、上品な味だわ」

「比企谷様、雪乃さん、お願いがありますの…」

「ん?なんだ?」

「比企谷君は渡さないわ」

「いえ、あの…。お二人に私のお友達になっていただけないかと…」

「ん?どういうことだ?」

「はい、父から『交際相手がいるなら無理強いはダメだと』言われました。ですが、せめてお友達には慣れないでしょうか?わたくしは、こんな容姿で家も大きいので寄ってきてくれる人はいるのですが…」

「雪ノ下」

「…まぁ、いいわ。なりましょう、友達に」

「まぁ、嬉しいですわ」

「過度に比企谷君に密着してはダメよ」

「それは残念ですわね。腕を組むぐらいなら、よろしいですか?」

「ダメよ」

「まぁ。比企谷様、愛されてますわね」

「ん?まあな」

「羨ましいですわ。わたくしも、いつか比企谷様のような男性を見つけますわ」

「そうしてくれるかしら」

「それか…、比企谷様と雪乃さんが別れたら…」

「絶対別れないわ」

「まぁ。うふふ」

 

「あんみつ旨いなぁ。小町に食べさせたい…」

 

八幡、現実逃避。

 

 

 




~~~~~~~~~~~~~~~~~


私の脳内で綾瀬さんは(CV・ゆかな)です。

更新、遅くなって、すいません。

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