珈琲   作:おたふみ

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大学編・その29

八幡の部屋。

正座する八幡に対して、仁王立ちする雪乃。

 

「すいませんでした」

 

「私はこれは何かと聞いているのだけど」

 

「そ、それは、大人の男性のたしなみというか、楽しみというか…」

 

「具体的には?」

 

「アダルトDVDです」

 

「どんな内容なのかしら?一緒に観る?」

 

「そ、そんなレベルの高いプレイは…」

 

「私とは一緒に観れない内容なのかしら?」

 

「はい」

 

「では、タイトルを読みあげてもらいましょうか」

 

「い、いや、それは…」

 

「はい、読みなさい」

 

「…『おっぱいが大きい娘はアホでビッチって本当ですか?』」

 

「次はこれ」

 

「…『あざとい後輩が貴方にエッチなお願い』」

 

「はい次」

 

「『金髪ヤンキーにののしられながら襲われる』」

 

「次」

 

「『眼鏡っ娘は好きですか? 腐った私でいいの?』」

 

「…」スッ

 

「『無口で強気な女を責め立てる』」

 

「問題はここからよ、はい」

 

「『師弟愛 白衣の女教師』」

 

「これ…」

 

「『禁断の兄妹愛 八重歯が当たったらごめんね、お兄ちゃん』」

 

「これは由々しきモノよ」

 

「『やめて!ボク男の子だよ』」

 

「はぁぁぁぁぁ、最後よ」

 

「『高飛車黒髪スレンダー美女が夜にはデレデレ』」

 

「まったく…。どういうつもりなのかしら?しかも、誰かに微妙に似てるのよね」

 

「すいません」

 

「これ、処分するわよ」

 

「あ、いや、それはマズイ」

 

「私より、このDVDの方がいいと?」

 

「そんなことある訳ないだろ。ゆきのん、最高!」

 

「その言い方やめなさい!では、何故?」

 

「俺の物じゃないんだよ」

 

「では、誰の物なのかしら?」

 

「それはプライバシーがあるので」

 

「言うまで『しない』わよ」

 

「そんな殺生な…」

 

「では、言いなさい」

 

「…戸部から回ってきました」

 

「戸部君?貴方、戸部君と交流があるの?」

 

「たまにな。アイツ、フットサルやってるから助っ人にかり出されたりしてる。葉山も居たなぁ」

 

「お、驚いたわ」

 

「まあな。俺自身も意外だと思ってる」

 

「葉山君もこれを観たのかしら?」

 

「順番的に葉山の次が俺だったからな」

 

「後日、戸部君はお説教ね。あと三浦さんに報告ね」

 

(戸部、すまん。だが、ある意味ご褒美だぞ)

 

「ん?雪ノ下、三浦と交流あるのか?」

 

「ええ。由比ヶ浜さんと三人でお茶とか。それに海老名さんも加わったり」

 

「い、以外だな」

 

「そうね。案外、似ているのかもしれないわね」

 

(二人とも女王様ですからね。炎獄と氷雪の女王が手を組んだ!なんか格好いい)

 

「そ、それと…」

 

「ん?」

 

「最後のは、どんな内容だったのかしら?」

 

「へ?」

 

「その、私がしてあげるから…、こういうモノは観ないでほしい…」

 

「雪乃!」

 

「えっ!」

 

「愛してる!」

 

「バカ。こんな時ばっかり…。調子がいいんだから」

 

「愛してるのは本当だぞ」

 

「もう!ズルイわ。私も愛してるわ、八幡」

 

 

 

 

 




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よくある、AVが見つかる話でした。

もう爆発しろよ。

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