珈琲   作:おたふみ

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十一話

今日も奉仕部は平常運転。

由比ヶ浜のスキンシップが多くなり、雪ノ下の罵倒が少なくなってはいたが。

 

「こんにちは~」

「いろはちゃん、やっはろー」

「こんにちは、一色さん」

「げっ!」

「先輩なんですか、その反応は!」

「お前は厄介事しかもってこないからな」

「そんなことありません!ブーブー!」

「あざといあざとい」

「あざとくないです!」

「で、今日はなんだ?」

「生徒会が終わって、サッカー部に行く前に寄りました」

「へぇ、そうなんだ」

「ここは休憩所ではないのだけど…。まぁ、いいわ。一色さん紅茶は?」

「紅茶ですか…」

「一色さん?」

「い、いえ、いただきます」

「?」

「?」

「?」

 

翌日

 

「こんにちは」

「いろはちゃん、やっはろー!」

「こんにちは、一色さん」

「あれ?先輩は?」

「ヒッキーなら、サキサキに引っ張られて、予備校行ったよ」

「まったく、私と言う……が居るのに…」

「ゆきのん?」

「な、なんでもないわ」

「?」

「?」

「一色さん、紅茶は?」

「あ、今日はもう行きますんで。ではでは~」

 

さらに、翌日

 

「比企谷君、説明してもらいましょうか」

「だから、川崎の妹が俺と遊びたいって言ってたから、川崎ん家に寄っただけだ」

「やっぱり、ロリコンだったのね」

「ちげぇよ!」

「まぁまぁ、二人とも…」

「こんにちは~」

「げっ!一色!」

「なんですか、先輩!」

「いろはちゃん、やっはろー!」

「一色さんが来たから、このぐらいで勘弁してあげましょう」

「へいへい」

「まったく、私の部屋に遊びに…」

「何か言ったか?」

「なんでもないわ」

「そうだ!ゆきのん!紅茶淹れてよ!リラックス出来るんでしょ?」

「そうね。そうしましょう」

「……が飲みたいです」

「一色さん?」

「いろはちゃん?」

「先輩の苦いのが飲みたいです!!」

「!!」

「!!」

「??」

「一色!それ、お外で言っちゃダメなヤツ!!」

「ヒッキー、いろはちゃんになに飲ませてるの!キモイ!マジキモイ!」

「無い無い、断じてそんなことはない!」

「由比ヶ浜さん、何をかしら?」

「え、えっと…」

「結衣先輩や雪ノ下先輩だけに飲ませて、私には飲ませてくれないんですか!」

「へ?」

「え?」

「?」

「ティーセットの横にあるじゃないですか…」

「一色、コーヒーのこと?」

「そうです!先輩が煎れたコーヒーが飲みたいんです!」

「お前、言い方考えろ…」

「勘違いしちゃったよ…」

「由比ヶ浜さんは、何とコーヒーを、勘違いしたのかしら?」

「それは、え~と、あはは…」

「雪ノ下、聞くな、頼む」

「で、飲ませてくれるんですか?」

「仕方ねぇな。お前らも飲むか?」

「うんっ!飲みたい」

「では、いただこうかしら」

 

「はいよ、お待たせ」

「いい香りですね。いただきます」

「先輩!美味しいです!」

「うん!美味しい!」

「比企谷君、また腕を上げたわね」

「そりゃ、どうも」

 

また一人、比企谷八幡のコーヒーに魅いられました。


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