珈琲   作:おたふみ

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二十五話

休日のららぽ入口10:00…。

待ち合わせの30分前…。

なんで、雪ノ下さんもう居るの?なんかもじもじして、楽しみにしてたの?しかも、去年と同じツインテール…。

 

あ、ナンパされてる…。

男が半泣きで去っていく。御愁傷様です。

通りすぎる男達がチラチラ見てる…。行きずれぇ!

 

あっ!気付かれた!仕方ない行くか…。

 

「おはようさん、早いな」

「おはよう。時間前に来るのは当然よ」

「あ~、その、なんだ…。ツインテールもやっぱり似合うな」

「そ、そう…。ありがと…」

「い、行くか」

「え、ええ」

 

「さて、先にキッチン用品を見るか」

「先にペットコーナーでもいいわよ」

「ダメだ。雪ノ下が仔猫から離れなくなるからな」

「う!反論出来ないわ」

「と、いう訳だ。行くぞ」

 

「良いものあったか?」

「えぇ、これにするわ」

 

「少し休むか」

「ええ」

「あれ~。雪乃ちゃんと比企谷君だぁ」

「何、この嫌な既視感…」

「まったくだわ…」

「ねぇ、デート?デートなの?デートだよね?」

(雪ノ下さんは俺達を動揺させようとしてるはず。ならば…)

「ええ、そうですよ」

「え?」

「で、で、で、デート…。比企谷君とデート…」

「ゆ、雪ノ下?」

「雪乃ちゃん?」

「うふふ…。比企谷君とデート…」

「誤爆したぁぁぁ!」

 

「…と、いう訳ですよ、雪ノ下さん」

「な~んだ」

「雪ノ下、落ち着いたか?」

「まったく…。ひ、比企谷君とデートなんて、嬉しくないわ」

(何、このツンデレのテンプレなセリフ)

「ねぇねぇ、私も参加していいかな?」

「どうする?雪ノ下」

「余計なことをしないと約束出来るかしら?」

「しないわよ。したこともない」

「雪ノ下さん、場所はいつものコーヒーショップですよ」

「うっ!本当に余計なこと出来ない…」

「どういうことかしら?」

「なんでもねぇよ。じゃあ、雪ノ下さんも参加だな」

 

ペットコーナーで犬用のガム・ボール等を購入。

雪ノ下はというと…。

 

「にゃ~」

「…」

「にゃにゃ?」

「…なぁ」

「にゃん」

「…雪ノ下」

「にゃにゃにゃ~」

「…そろそろ飯にしないか?」

「にゃ!」

「雪ノ下さん…」

「にゃにかしら」

「ぷっ!」

「忘れなさい」

「いや、それは…」

「わ・す・れ・な・さ・い!!」

「はい!忘れました!」

「それで、何かしら?」

「いや、昼飯にしないかと…」

「そうね」

「簡単なモンでいいか?」

「ええ、いいわよ」

 

「さて、買い物も終わって、飯も食ったし、俺は本屋に行きたいんだが、どうする?」

「そうね、私も!行こうかしら…」

 

「嘘…。ヒッキーとゆきのん…」

「あ、由比ヶ浜」

「由比ヶ浜さん、これは違うのよ…」

「だって、休みに二人で…」

「由比ヶ浜さん、誤解よ!」

「誤解じゃないよ!だって…」

「あ~、由比ヶ浜」

「なんか、聞きたくないよ…」

「そう言わずに、まず聞け」

「…何?」

「一年前にも、同じ様なことなかったか?」

「…あったかも」

「その時、俺達が何を買っていたか知ってるだろ?」

「あっ!」

「ネタばらしになっちまったが、そういう事だ」

「由比ヶ浜さん、私がこの男と、で、で、で、デートなんてするわけないでしょ!」

「へいへい、俺で悪かったな」

「こほん。それとこの男は置いといて」

「俺、置いてかれるの?」

「由比ヶ浜さん、誕生日パーティーも考えているから」

「うわぁ、ありがとう、ゆきのん!」

「三浦さんたちとも、パーティーはあるでしょうから、また日時を調整しましょう」

「うん、わかった!」

「じゃあな、由比ヶ浜」

「また、明日。由比ヶ浜さん」

「ばいば~い」

 

「なんか、疲れたな」

「えぇ」

「帰るか」

「えぇ」

 

 

 

 




―――――――――――――――

あっ!コーヒー出てこなかった!

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