珈琲   作:おたふみ

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二十六話

「小町さん、生クリームを泡立ててくれるかしら」

「アイアイサー!」

「一色さん、クッキーの方は順調かしら」

「任せてください!」

 

女性陣がキッチンで忙しく働いている。

う~ん、働きたくないでござる。

「比企谷君、出来た料理を並べてくれるかしら」

「へ~い。戸塚、手伝ってくれ」

「わかった」

「八幡、我は?」

「届いてるピザを持ってきてくれ」

「承知した!」

「ひゃっはろー!」

「雪ノ下さん、まだ早いですよ」

「いつもはピアノだけど、今日はバイオリン持ってきたから、練習したくてね」

「…さすが、上流階級」

「邪魔しないから、練習させてね」

「はいはい」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪

 

「なんで、曲のチョイスが『ライオン』なんですか、ヲタリストですか?」

「Y〇uTubeで見たからね。比企谷君、好きでしょ?」

「俺も好きですが、材木座が感涙してます…」

「八幡、この曲知ってるの?格好いい曲だね」

「少し前のアニソンだ」

「へぇ。そのアニメ面白い?」

「面白いぞ」

「今度、一緒に見てくれる?」

「お、おう」

 

「こんにちは」

「おう、相模」

「もう準備出来てるんだ。ウチは手伝わなくて大丈夫だったの」

「大丈夫だ。それとも、雪ノ下の下で準備したかったか?」

「…遠慮する」

「とりあえず、くつろいで待っててくれ」

 

「こんにちは~」

「城廻先輩、こんにちは」

「卒業生の私も参加していいのかな~?」

「ノリノリの卒業生に聞かせたいですね…」

「比企谷君、なんか言った?」

「なんでもないです」

「はるさんも居るなら大丈夫かな」

 

「こんにちは」

「こんにちはッス」

「こんにちは!」

「川崎兄弟も来たな」

「はーちゃん!」

「けーちゃん、よく来たね」

「うん!」

「お兄さん、俺も居るッス」

「俺をお兄さんと呼ぶな!埋めるぞ」

「ヒドイッス!」

「その前に、私がアンタを埋めてやる」

「ちっ!命拾いしたな」

「ゴメンね、手伝えなくて…」

「気にするな。それに、雪ノ下と川崎が同じキッチンに居たら、バトルになりそうだしな」

「私はしないよ」

「…雪ノ下が対抗心燃やしそうだからな」

「何かしら、比企谷君」

「ナンデモアリマセン」

「まったく…。そろそろ由比ヶ浜さんのエスコートを…」

「了解」

「平塚先生はまだなのね」

「静ちゃん、メイクに手間取っているかな」

「ぷぶっ!そうかもしれませんね」

「どういうことかしら?」

「そのうち、わかるさ」

「?」

「じゃあ、行ってくる」

 

 

「ふぇ~。ここでやるんだね」

「あぁ。そのおかげで、俺の夏休みが…」

「ヒッキー?」

「なんでもない、入れよ」

 

「誕生日!おめでとう!!」

 

「雪ノ下、ケーキを」

「えぇ」

「すごい!ゆきのんの手作り?」

「小町さんと一色さんにも手伝ってもらったわ」

「ありがとう!!」

「由比ヶ浜、ろうそくの火を」

「ふ~~~~~~~~~!」

「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「おめでとう!」

 

「由比ヶ浜、俺からのプレゼントだ」

「ありがとう!なんだろう」

「開けてみな」

「えへへ。…ヒッキー、何これ?」

「参考書」

「ヒッキー!ヒドイ!キモイ!」

「キモイ関係ないよね?冗談だよ。こっちが本命」

「もう!…これは…」

「サブレのオモチャとか詰め合わせ」

「ヒッキー、ありがとう!」

「由比ヶ浜さん、これは私から」

「ゆきのん、ありがとう!何かなぁ…。ゆきのん?これ…」

「参考書よ」

「ふふっ」

「くくっ」

「もう!ゆきのんまで!」

「冗談よ。こっちが本物よ」

「これは…。キッチン用品?」

「えぇ、お菓子とか頑張っているのでしょう?」

「ゆきのん、ありがとう!」

「参考書もちゃんと持って帰れよ」

「えぇ~!」

 

「いいな、若いモンは」

「みんな、いい生徒達です」

「平塚さん、生徒に慕われてるね」

「はい、教師冥利につきます」

「みんな、気持ちのいい連中だ。今日は肩の力抜いたらどうだい?」

「いえ、そんな…」

「ちょっと早いが、飲むかい?」

「え、あ、あの…。頂きます」

 

「雪ノ下さん」

「なに、比企谷君」

「平塚先生がスカートなんですが…」

「うん、そうだね」

「やっぱり、そういうことなんですよね?」

「静ちゃんも、わかりやすいなぁ」

 

「ねぇ、さがみん」

「なに?」

「なんで、ヒッキーの隣に座ってるの?」

「え?あの、なんとなく…」

「由比ヶ浜、どこに座ってもいいだろ」

「ヒッキー!こっちに座って!」

「へいへい」

「えへへ」

 

「由比ヶ浜、京華がこれを」

「ゆぃちゃん、これあげる」

「けーちゃん、ありがとう」

「おっ、似顔絵か。お団子頭が由比ヶ浜そっくりだな」

「そうね」

「ゆぃちゃん、こんどあそんでね」

「わかったよ、けーちゃん。遊ぼうね」

 

 

「諸君、そろそろいい時間だ」

「お、もうこんな時間か」

「名残惜しいけどな」

「比企谷君、由比ヶ浜さんをお願い」

「おう、じゃあ行くぞ、由比ヶ浜」

「みんな、ありがとう。またね」

 

 

「楽しかったなぁ」

「楽しんでもらえて、何よりだ」

「次はヒッキーの誕生日だね」

「俺はいいよ」

「ダメだよ!絶対にやるからね」

「お手柔らかに」

「えへへ」

 

「戻ったぞ。悪いな先に片付けてもらって」

「大丈夫よ」

「大人組は飲んでますけどね」

「マスター、その肴はどうしたんですか?」

「雪ノ下の嬢ちゃんお手製だ」

「雪乃ちゃんは料理上手だからね」

「姉さん、飲み過ぎないでね」

「平塚先生もですよ」

「問題ない」

「雪乃さん、今度料理教えてください」

「小町さん、出来てるじゃない」

「いやいや、雪乃さんの料理は小町より美味しかったですから」

「そうね、今度一緒に料理しましょう」

「やったー!」

「小町、ほどほどにな」

 

「比企谷君」

「ん?」

「次は貴方の誕生日ね」

「由比ヶ浜にも言われたよ」

「ふふっ、覚悟しなさい。逃がさないわよ」

「怖いよ、何されるんだよ」

「しっかりお祝いしてあげるわ」

「お手柔らかに頼む」

 

 




―――――――――――――――――――

なんか、難しかった…

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