珈琲   作:おたふみ

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二十七話

奉仕部部室

 

「もうすぐ夏休みだね。海とか行きたいなぁ」

「雪ノ下」

「何かしら?」

「由比ヶ浜が現実逃避してるんだが…」

「そうね…」

「夏祭りもいいよね」

「そろそろ、現実に戻した方が、いいか?」

「そうしましょう」

「おい、由比ヶ浜

「聞きたくない…」

「由比ヶ浜さん、現実から目をそらしてはダメよ」

「嫌だ」

「夏休みの前には期末試験があるんだぞ」

「ヒッキー、なんで言うの!キモイ!」

「キモイ関係ないからね」

「由比ヶ浜さん、比企谷君は気持ち悪いけど、期末試験は事実よ」

「おい、キモイ肯定するなよ」

「ゆきのん、助けて!」

「雪ノ下、由比ヶ浜の勉強見てやれよ」

「そうね。由比ヶ浜さん、勉強会する?」

「わ~い」

「現金なヤツだな」

「ヒッキーは来ないの?」

「俺は呼ばれてない」

「ねぇねぇ、ヒッキーは呼ばないの?」

「誠に遺憾だけれども、ひ、比企谷君も来るのかしら?遺憾だけど」

「なんで、二回言ったの?大事なことなの?遺憾なら行かねぇよ」

「そ、そんなつもりでは…」

「ヒッキーも一緒に勉強しようよ~」

「わかったよ。雪ノ下、悪いが俺の理系科目も見てくれると助かる」

「そ、そうね」

「三人で勉強会だね」

「遊びじゃないからな」

「由比ヶ浜さん、私が教えるからには、上位を目指しましょう」

「え?ゆきのん?目が怖いよ」

「良かったな、由比ヶ浜」

「ひ、ヒッキー、助けてくれないの…」

「比企谷君、貴方もよ」

「マジか!」

「ふふふっ」

「怖ぇよ」

 

「こんにちは」

「いらっしゃい」

「マスター、ブレンド3つ。また勉強させてください」

「好きなトコ使いな。コーヒー持っていってやるから」

「ありがとうございます」

 

「う~ん、ゆきのん、もう無理…」

「そうね、今日はこれくらいにしましょうか」

「もういい時間だしな」

「こんばんは」

「平塚さん、いらっしゃい」

「平塚先生、こんばんは」

「な!お前たち、何をしている…」

「試験勉強ですけど…。雪ノ下、由比ヶ浜、帰るぞ」

「え?ヒッキー?」

「比企谷君?」

「平塚先生、ごゆっくり」

「ひ、比企谷!違うんだ!」

「まあまあ。お前ら早くしろ」

「ヒッキー待ってよ」

「比企谷君、説明しなさい」

「後でな。マスター、ご馳走さまでした」

 

「ヒッキー、どうしたの?」

「比企谷君、説明を」

「平塚先生は、おそらくマスターに気がある…」

「やっぱり…」

「そうなの、比企谷君」

「この前、雪ノ下さんとも話したけど、どうやらそうらしい」

「そう、それで…」

「ま、俺にはこれぐらいの気づかいしか出来ないがな」

「貴方にも、そういう気づかいが出来るのね…」

 

数日後

 

「う~す」

「こんにちは、比企谷君」

「由比ヶ浜は、三浦達とカラオケだとよ。期末試験の打ち上げだとか…。さすがリア充」

「そう…」

「あ~、雪ノ下」

「何かしら」

「数学のテストとかな、ペンが思いの外進んだよ。ありがとな」

「そう」

「その…なんだ…、俺達も打ち上げやるか?コーヒーぐらいなら奢るぞ」

「どういう風の吹きまわしかしら…」

「嫌なら断ってくれ」

「そうね。依頼もないし、行きましょうか」

「でも、店に平塚先生が来る前には帰るぞ」

「ふふっ。そうね」

 

数日後

 

「やっはろー!」

「う~す」

「由比ヶ浜さん、比企谷君、こんにちは」

「ゆきのんのおかげで、赤点回避どころか、結構好成績だったよ。ありがとう♪」

「由比ヶ浜さん、暑いわ」

「えへへ」

「比企谷君はどうだったの?」

「理系もそこそこ良かった、ありがとな」

「貴方は、やれば出来るのに…」

「ちなみに、国語は一位だった」

「あら、奇遇ね。私も一位よ」

「ヤダこの二人…」

 

「これで夏休みは遊べるぞ~!」

「何を言ってるのかしら、由比ヶ浜さん」

「お前、受験生だろ」

「私がしっかり見てあげるわ」

「うわ~ん、ゆきのんの目が怖いよ~」

 




―――――――――――――――

次回から夏休み編です。

関係ないけど、青ブタ劇場版面白かった

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