今日のバイトは夕方からなので、図書館で勉強。野生のバニーガールとか居ないかなぁ…。
イヤホンをして外界と意識を切り離して勉強に没頭する…。
問題集の項目が変わるタイミングで一息。イヤホンを外し外の世界へと戻る。
「こんにちは、比企谷君」
「うっ!…。脅かすなよ」
「こんにちは、比企谷君」
「こ、こんにちは。どうしたんだ、こんなところに」
「小町さんに聞いたわ」
「俺のプライバシー&プライベート…」
「あるわけないでしょ」
「ですよね…」
「お昼はどうするのかしら?」
「コンビニかな」
「お弁当を作ってきたのだけど…」
「何故?」
「小町さんにお願いされたの」
「図書館のどこで食うんだよ」
「司書の方に確認したら、中庭なら大丈夫だそうよ」
「わかった。先に行っててくれ。マッカン買ってくる」
「ブラックではないの?」
「頭使ったからな。雪ノ下は紅茶でいいか?」
「ええ、お願いするわ」
「ご馳走さま。相変わらず旨かった」
「お粗末様でした。午後はどうするのかしら?」
「夕方からバイトだから、もう少し勉強していくよ」
「そう…。私も本を読んでいこうかしら…」
俺は勉強、雪ノ下は読書に没頭する。
勉強に集中していると、雪ノ下に肩を叩かれる。
「比企谷君、時間は大丈夫?」
「あっ、ヤベ!」
図書館の玄関を一緒に出る。
「悪いな、雪ノ下。弁当もらったのに、何も相手をしなくて」
「気にしないで、私がやりたくてやったことだから」
「そうか、じゃあまたな」
「比企谷君」
「ん?」
「いってらっしゃい」
「お、おう。行ってきます」
昼は小町に頼まれて弁当作ったって言ってたけど、今は…。言葉の綾かな。しかも、いってらっしゃいって…。
店に着き、着替えて髪をセットして店内へ出る。
「坊主、今日からも頼むぞ」
「うす」
「あ~、比企谷く~ん♪」
「城廻先輩、いらっしゃいませ」
「はぁぁ」
「どうしたんですか、ため息ついて。俺の顔がキモイですか?」
「ち、違うよぉ。比企谷君は…だから…」
「?」
「今から合コンなんだよぉ」
「さすが女子大生ですね」
「お酒はまだ飲めないし、男の人が絡んでくるのが…」
「城廻先輩、苦手そうですね」
「そうだぁ!比企谷君、写真撮らせて」
「あぁ、虫除けですか。俺で良ければいいですよ」
「…なんで、隣に来たんですか?」
「2ショットで撮らないと信憑性がないからね。もっと寄ってくれないと入らないよ」
近い!いい匂い!柔らかい!
「比企谷君、ありがとう♪」
「どういたしまして」
翌日、城廻先輩が友人とやってきた。
「いらっしゃいませ」
「へぇ~、君がめぐりの彼氏なんだ」
城廻先輩がペロッと舌を出して視線をこちらに送ってきた…。すげぇ可愛い。この人の彼氏になる男か羨ましい!
察しましたよ、城廻先輩。
「ええ、まあ」
「比企谷君は、おしゃべりが苦手だから、勘弁してあげて」
「めぐりのこと、大事にしてあげてね」
「うす」
城廻先輩と友人はしばくコーヒーを飲んでいたが、城廻先輩の顔が終始赤かった…。冷房弱かったかな…。