珈琲   作:おたふみ

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三十話

予備校の後、バイトに入る。

今日はバイトの後に店の一角で雪ノ下と由比ヶ浜と勉強会の予定だ。

夕暮れ時、お客は雪ノ下と由比ヶ浜のみ。由比ヶ浜の話に雪ノ下が相槌を打つ。

そんな静寂を破るお客様が来店しました。

 

「比企谷君!」

「あ、雪ノ下さん、いらっしゃいませ」

「どういうことか説明して!」

「何をですか?」

「めぐりと付き合ってるって、どういうこと!」

「!!」

「!!」

「?」

「ひ、ヒッキー…?」

「ひ、比企谷君、どうやって城廻先輩を脅したのかしら?」

「由比ヶ浜、何故に半べそなんだ?雪ノ下、まず携帯をしまってくれ。雪ノ下さん、なんですかそれは?知らないですよ、胸ぐら掴まないでください。落ち着いてください!」

 

「雪ノ下さん。どういう経緯で俺と城廻先輩が付き合ってることになってるんですか?」

「めぐりと共通の知り合いから聞いたんだけど、めぐりに彼氏が出来て、それがこの店の男の子だと。写真も見たって言ってた」

「あぁ、そういうことか」

「比企谷君、一人で納得してないで、私達にわかるように説明しなさい」

「雪ノ下、睨むなよ」

「ヒッキー、早く説明してよ」

「いやな、城廻先輩が合コンの虫除けが欲しいってことで、写真を撮ったんだよ。それが彼氏って話に誤変換されてるだけだ」

「な~んだ、ヒッキー驚かさないでよ」

「奉仕部から犯罪者を出さなくて良かったわ」

「めぐりったら…」

 

もう一人、騒がしい来客が…。

 

「先輩!なんですか、あの城廻先輩との写真は!」

「一色、今その話は終わったところだ」

「二人でくっついて、鼻の下のばして」

「…比企谷君?」

「…ヒッキー?」

「だから説明しただろ。虫除けに写真を撮ったって」

「『二人で』とは言ってないわよね?」

「言ってないが、何か問題があるのか?」

「ヒッキー、ズルイ!キモイ!」

「今、めぐりに連絡したら、近くに居るから来るって」

 

「こんにちは~♪」

「城廻先輩、助けてください」

「めぐり、写真見せて!」

「は~い」

「こ、これは…」

「見方によってはラブラブカップル…」

「先輩、何やってるんですか…」

「城廻先輩の要望通りに写っただけだ」

「比企谷君、助かったよ~」

「ヒッキー!私とも撮って!」

「比企谷君、私と撮りなさい」

「先輩!私と!」

「なんでだよ」

「こ、告白されたりして、断るのに」

「そ、そうね。私は美少女だから、虫除けが必要なのよ」

「せんぱ~い、私も断るの大変なんで」

「お前らに悪評が拡がるから出来ん。それに、相手が3人同じって、可笑しいだろ」

「うっ!」

「確かに…」

「むぅ…」

「その論法だと、私は大丈夫だよね」

「ゆ、雪ノ下さんは、ほら、これがあれだから…」

「大丈夫だよね?」

「…はい」

「ヒッキー!やっぱり私とも撮って!」

「私も!」

「私もです!」

「はぁ~、わかったよ」

「比企谷君、ごめんね~」

 

この後、勉強会にはならず、写真撮影会でした。

 

 




―――――――――――――

長いなぁ。こんなに長い連載になってしまって、良いのでしょうか…

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