「お兄ちゃん、予備校?」
「ん?あぁ、そのあとバイト」
「まっすぐ帰って来てね。ケーキ買っておくから」
「ありがとな、小町。いってきます」
「いってらっしゃい」
8月8日、俺の誕生日。雪ノ下や由比ヶ浜はお祝いしてくれると言ったが、予備校とバイトだと断った。
今まで誕生日は友達と過ごすなんてなかったから、気恥ずかしいのだ。
誕生日なんて祝ってもらわなくても、雪ノ下や由比ヶ浜、みんなにはたくさんのモノをもらっている。これ以上望んだら、バチがあたる。だから、今日も普通の日でいいんだ。
「比企谷」
「え、えっと…、川…川田さん?」
「川崎だけど、埋めるよ」
「ごめんなさい、冗談です」
「アンタ…」
「ん?」
「誕生日なんだろ?おめでとう」
「お、おう」
「パーティーとかやらないの?」
「ガラじゃねぇんだよ。察してくれ」
「ふ~ん」
「川崎」
「何?」
「その…、ありがとな」
「う、うん。じゃあ、私は先に帰るよ」
「お疲れ」
「さて、俺はもうひとがんばり…」
予備校が終わりバイトへ。
店の裏口から入る。
「お疲れで~す」
「坊主、着替える前に店来い」
マスターに呼ばれたので店内に向かう。
「マスター、なんです…」
「HAPPYBIRTHDAY 八幡!!」
みんなの声とクラッカーの音に驚く…。
「なっ…」
「何を驚いているのかしら、比企谷君」
「今日はヒッキーの誕生日だよ」
「まぁ、そうなんだが…」
「比企谷のことだから、『俺の誕生日なんて、祝わなくていい』とか思ってたんだろ?」
「これだから、ゴミぃちゃんは」
「次はヒッキーの番って言ったよね?」
「私は覚悟しなさいと言ったわよね?」
「負けたよ、降参だ」
「ほら、座りなよ」
「川崎~、芝居しやがったな」
「さてね」
「さがみん、折本さん…」
「何?」
「なにかな?」
「なんでヒッキーの隣に座ってるの?」
「いいじゃん、席決まってないし」
「マジウケるんですけどwww」
「留美さん」
「何?」
「比企谷君の膝から降りなさい」
「嫌」
「比企谷君が困るでしょ?」
「八幡、嫌?」
「嫌なわけないだろ」
「ほら」
「ぐっ!」
「はーちゃんとこ、けーかもすわりたい」
「けーちゃんもおいで」
「先輩は年下に甘いんですから。じゃあ、私も…」
「いろはちゃんはダメ!」
「一色さんはダメ!」
「チッ!」
「八幡、誕生日おめでとう!これプレゼント」
「戸塚!ありがとな。開けていいか?」
「どうぞ」
「マリオパーティじゃねぇか」
「材木座君と選んだんだよ」
「うむ」
「みんなで遊ぼね」
「ありがとう、戸塚、材木座」
「比企谷!」
「折本。お前まで居るとは思わなかったぞ」
「あの頃の私が見たら、ウケてただろうね」
「まったくだ」
「これプレゼント。使ってよ」
「このペン…、高かっただろ?」
「そんなことないよ」
「さ、さんきゅな」
「なに、その言い方、ウケるwww」
「ウケねぇよ」
「比企谷」
「相模…。なんか不思議だな、相模に祝ってもらえるなんて」
「きっかけは、比企谷に迷惑かけちゃったけど、許してもらえたなら、この繋がりは大事にしたいな」
「そうか」
「これ、大したモンじゃないけど、プレゼント」
「モバイルバッテリーか。実用的だな」
「だって、何がいいかわからなかったから…」
「嬉しいよ、ありがとな」
「はーちゃん、これぷれぜんとぉ」
「けーちゃん、ありがとな。また似顔絵描いてくれだんだ。嬉しいよ」
「えへへっ。さーちゃん、はーちゃん、うれしいって!」
「良かったね、けーちゃん。私からはこれ…」
「ん?服じゃねぇか」
「古着を改造してみたんだ」
「おぉ、いいよ。新品みたいだ。ありがとな」
「八幡…これ」
「ハンカチ…。留美、ありがとな」
「うん」
「ではでは、私と大志君からは、これです」
「まて小町。大志と買いに行ったのか?」
「お兄ちゃんが心配することはありませんよ~。お友達だもんね、大志君」
「そ、そうッスよ、あはは…」
(少し大志が不憫に思えてきた)
「ん?Tシャツ…。ウサミンじゃねぇか」
「ウサミン星(千葉)在住アイドルの安倍菜々ちゃんTシャツ!それと、悠木碧のDVD!」
「悠木碧、マジ天使!さすが小町。わかってるな…。みんな若干引いてる?」
「仕方ないよ、ゴミぃちゃんなんだから」
「比企谷、私からはこれだ!」
「餃子無料券て…」
「その、あれだ、ラーメン屋に比企谷を誘う機会も減るだろうから…」
「平塚先生…。ありがたくいただきます」
「君が成人したら、ピッタリの酒があるからそれをプレゼントしよう」
「はいはい『ぼっち』ですね」
「チッ!もうやりつくされたネタか…」
「先輩!わたしからはこれです!」
「おっ!クッキーか。ありがとな。お菓子作り得意な設定だからな」
「設定って、なんですか!」
「冗談だよ」
「比企谷君、私からはバイオリンの生演奏だよ」
「雪ノ下さん、ありがとうございます」
「何かリクエストある?」
「やなぎなぎの曲は出来ますか?」
「リサーチ済み。お姉さんに任せなさい」
「ヒッキー!私からはこれ!」
「ありがとう、由比ヶ浜。開けていいか?」
「どうぞ」
「…おい、由比ヶ浜」
「なに?」
「トマトって…」
「ヒッキーが苦手を克服出来るようにだよ」
「参考書の意趣返しか?」
「いしゅがえし?よくわかんないけど、こっちが本当のプレゼントだよ」
「Bluetoothイヤホンか」
「よく教室で聴いてるから」
「由比ヶ浜、ありがとな。嬉しいよ」
「比企谷君、私からはこれを」
「ありがとな、雪ノ下。…おい!」
「なにかしら?」
「お前もトマトかよ!」
「冗談よ。それはあとで料理に使うわ。こっちが本物よ」
「まったく…。お、桜島麻衣のサインだ。…それと、豊浜のどかのサインもあるぞ」
「何!八幡、我にも見せよ!」
「ヒッキー、桜島麻衣はわかるけど、もう一人は?」
「スイートバレット知らないのかよ」
「うむ。絶賛売り出し中のアイドルグループよ」
「材木座、説明ありがとう」
「うむ」
「あと、白銀さんとかぐやさんから伝言よ。秀知院に遊びに来いと」
「嫌だよ」
「ヒッキー、私も一緒に行くから行こうよ」
「由比ヶ浜、お前は藤原さんだっけ?仲良くなったからいいけど、俺には無理ゲーだ。一色、お前行ってこい。生徒会運営の意見交換出来るぞ」
「私だって嫌ですよ」
「比企谷君、どうするのかしら?」
「…善処します」
ワイワイとパーティは盛り上がり、いい時間になった。
「いいのか?片付け任せて」
「貴方は主賓よ」
「そうだよ、ヒッキー!小町ちゃん、ヒッキーお願いね」
「はーい、小町にお任せあれ」
「比企谷君」
「なんだ?」
「これを…。一人の時に開けて」
「お、おう」
帰り道。
「お兄ちゃん、どうだった?」
「あぁ、良かったんじゃねぇの」
「もう、素直じゃないなぁ」
「こんな、誕生日は初めてでな」
「お兄ちゃんには、こんなにたくさん、誕生日を祝ってくれる人が居るんだよ」
「あぁ…」
「もうボッチ返上だね」
「…かもな」
「お兄ちゃん?」
「ん?」
「泣いてるの?」
「ば、バカ。泣いてねぇよ」
「お兄ちゃん♪」
「なんだよ」
「なんでもない♪」
部屋に帰り、雪ノ下から渡されたモノを開けると、雪ノ下とお揃いのPC眼鏡が…。
布団を被って悶絶してると、小町にゴミを見るような目で見られました。
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誕生日と花火は逆だったかな?逆だな、うん。ごめんなさい。
夏休み編は、そろそろ終わりですかね。