珈琲   作:おたふみ

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四十一話

一色が生徒会に戻る時間がきたので、記念撮影をして見送る。

午後も働くのかぁ…。

 

「お兄ちゃ~ん!」

「小町~!」

「誰?」

「小町!ヒドイ!お兄ちゃん、泣いちゃうよ!」

「え?お兄ちゃん!!」

「そう!小町のお兄ちゃん!」

「でも、目が腐って…。はっ!眼鏡!」

「眼鏡でそんなに変わるのか?」

「そうだよ、お兄ちゃん!眼鏡かけたらモテモテになるSSは山ほどあるよ!」

「そのメタ発言はやめなさい」

「小町ちゃん、やっはろー!」

「結衣さん、やっはろー!結衣さん、可愛い!ね、お兄ちゃん?」

「ん?あぁ」

「えへへ~」

「小町もこんなの着て参加したかったなぁ」

「さっき、いろはちゃんが時間限定でウエイトレスやったよ」

「いいなぁ」

「小町の衣装はないぞ」

「えぇ~」

「小町が着るなら、ピンクの魔法少女だな」

「お兄ちゃん、またアニメネタ?これだから、ゴミぃちゃんは」

「まぁ、休んでな」

「小町さん、いらっしゃい」

「雪乃さん、着物可愛い!」

「そ、そう…」

「お兄ちゃん、売上の棒グラフはわかるけど、写真撮影の棒グラフは?」

「一回100円で写真撮影してるんだよ」

「ふむ、結衣さんがトップで雪乃さんが二位かぁ」

「バカ!言うな!」

「え?なんで?」

「私が二位…。由比ヶ浜さん、私も積極的に接客するわ」

「ほら、火がついちゃった…」

「あちゃ~」

 

あっという間に、閉店時間。

「お疲れ様~」

「疲れた~」

「あとは、私達でやるから、川崎さんと相模さんと戸塚君は帰って大丈夫よ」

「いいの?」

「大丈夫だ。それに…」

「ヒッキー?」

「そろそろ来るだろう…」

「そうね」

「ゆきのん?」

「私は京華のお迎えがあるから」

「じゃあ、ウチも帰るね」

「また明日ね八幡」

 

「ゆきのん、ヒッキー、誰か来るの?」

「や、やぁ…」

「来たか」

「遅かったわね」

「隼人君…」

「姫菜が売ってた同人誌なんだが…」

「俺は何も言うことはない。あれを見てお前やおまえの周りがどう思うかだ」

「そうね。私も言うことはないわ。あえて言うなら、私の中の貴方への評価がさらに下がった…」

「隼人君、優美子や戸部っちは知ってるの?」

「それは…」

 

「ヒキタニ君!」

「ヒキオ!」

「ドアは静かに開けろ」

「ごめん。でも、これ…。あ、隼人君…」

「隼人…」

「俺は知らん。お前らで話してくれ。俺達を…、奉仕部をこれ以上巻き込むな」

「そうね。葉山君、貴方の不始末よ」

「私も隼人君と戸部っちの依頼を受けたのは軽率だったと思ってる。隼人君、知ってたなら教えて欲しかった…。優美子ごめん、何も話さなくて…」

「結衣…」

「そういうことだ。俺らの中では終わったことだ。あとは、お前らで話してくれ」

「平塚先生には、話をしてこの場所を提供するわ」

「だそうだ、海老名さん。アンタも当事者だろ?」

「さすが比企谷君。バレてたんだ」

「ボッチのサーチスキルなめんなよ」

「じゃあ、私達は出るわね」

「優美子、姫菜、私は友達だと思ってる…。今までも、これからも…」

「結衣、ありがとうね」

「結衣…」

 

「ヒキオ」

「あん?」

「あーし達のために、その…、ありがとう」

「俺は依頼を解消したまでだ。気にするな」

「それでも、ありがとう」

「おう」

 

「比企谷、俺は…どうすればよかったんだ…」

「お前のことなんぞ知らん。自分で考えな」

「そう…だな…」

「葉山、お前は千葉ポートタワー登ったことあるか?」

「あぁ」

「上から見ると、沢山の人が見える。それこそ例のセリフを言いたくなるほどな」

「…」

「だが、その人達が笑ってるのか怒ってるのか泣いてるのかなんて上から見たらわからん。ちゃんと下へ降りて表情を見ないとな」

「!!!」

「広い視野も結構なんだが、一人一人をちゃんと見ないヤツに『みんな仲良く』なんて出来ないと思うんだがな」

「…」

「ま、ボッチの俺の意見だから気にするな。じゃあな」

 

 

「貴方…」

「あん?」

「本当に甘いわね」

「まぁ、マッカン大好きだからな」

「はぁ…。でも、嫌いじゃないわ。貴方のそういうところ」

「お、おう。ありがとよ」

「でも…」

「ん?」

「明日、姉さんがアレを見たらどうなるのかしら…」

「俺の管轄外だ。知らん」

「そうね。私も知らないわ。ふふふ」

 




――――――――――――

もしかして、葉山と戸部って初登場?

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