一色の依頼…。体育祭を盛り上げたい…。
「却下!無理!帰れ!」
「先輩、ヒドイです!考えてくださいよ」
「去年と同じでいいだろ」
「民衆は常に新しい娯楽に飢えてるんですよ」
「なにを、それっぽいこと言ってるんだよ」
「雪ノ下先輩、結衣先輩、お願いしますよ~」
「ねぇねぇ、ゆきのん」
「毎年、新しい競技をするのは難しいわね…」
「ほらみろ」
「せめて、考えるだけでも…」
「仕方ないわね。会議に参加するぐらいなら…」
「さすが雪ノ下先輩!」
「会議に参加するだけだからな。意見が出なくても、文句言うなよ」
「はい♪」
「良かったね、いろはちゃん♪」
翌日、生徒会室での会議に出席することになった。
「う~す」
「あ、先輩、適当に座ってください」
「よお、雪ノ下。相変わらず早いな」
「貴方は教室で話す相手が居ないのに、遅いわね」
「ほっとけ。マッカン買ってたんだよ」
「そう」
「由比ヶ浜は教室で三浦達としゃべってたから…。ほかの連中は?」
「すぐに来ますよ」
「お疲れ様です」
「副会長、お疲れ様です」
「よお、本牧」
「比企谷…。いや言うまい…」
「なんだよ」
「なんでもない」
「あそ」
「やっはろー!」
「由比ヶ浜、うるさい」
「由比ヶ浜さん、静かに」
「結衣先輩、静かにしてください」
「なんでこんなにアウェイ!」
「適当に座っとけ」
「うん」
「すいません、遅くなりました」
「書記ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です」
「じゃあ、席について」
「は、はい」
「…ねぇ、書記ちゃん」
「はい」
「なんで、先輩の隣に座ったの?」
「ごめんなさい。席、決まってたんですか?」
「そうじゃないけど…」
「では、ここで。比企谷先輩もいいですか?」
「あ、別にかまわん」
「くっ…」
「で、では体育祭の新競技の会議を始めます」
「中止がいいと思います」
「先輩、マジメに」
「はい、すいません」
「去年の新競技はどうするのかしら?」
「出来れば、継続したいですね」
「なるほどね~」
「コスプレでリレーするのはどつうかな?」
「騎馬戦でコスプレしてるだろ」
「ふたつあってもいいじゃん」
「それも案としては有りですね」
「かなり出尽くしているから、難しいわね」
良い案が出ないまま、下校時刻。
「では、明日もよろしくお願いします」
「じゃ、お疲れ」
「ヒッキー、帰るの?」
「あ、コーヒー飲みながら一考してから帰る」
「私も行く~」
「私も行こうかしら」
「お前らも行くのかよ」
「先輩、私も行きま~す」
「一色まで来るのかよ」
「僕は行ったことないから、興味がある」
「本牧まで…」
「比企谷先輩、私もいいですか?」
「結局、全員じゃねぇか」
「こんばんは」
「おう、今日は大勢だな」
「生徒会の役員も一緒なんで。アイスコーヒー6で」
「坊主、ちょっと手が離せないから、頼む」
「了解です。適当に座っててくれ」
「ほい、お待たせ」
「先輩、ありがとうございます」
「本牧と藤沢は初めてだよな?ここのコーヒーは旨いぞ」
「比企谷が饒舌だ…」
「い、いただきます」
「ほい、雪ノ下に由比ヶ浜…」
「ヒッキーって、こぼしたりしないよね」
「そうね、バランス感覚かしら…」
「ステルスモードの応用だ」
「なるほど」
「それなら、納得出来るわね」
「…ん。これって、競技に出来ねぇか?」
「どういうことですか?」
「マスター、プラスチックとか落としても割れないカップありますか?」
「子供用のカップがいくつかあったな」
「ちょっと借ります」
「これでよし。由比ヶ浜、お盆に載せて運んでみてくれ。出来るだけ早くな」
「わかった。…意外と難しいね」
「結構、こぼれたな。一色は運動神経は?」
「サッカー部のマネージャーなめないでください」
「じゃあ、やってみな」
「よっ、ほっ、あれ?」
「どうだ?」
「難しいですね」
「藤沢は運動は?」
「あまり得意では…」
「やってみてくれ」
「はい」
「こぼさないようにすると遅くなりますね」
「でも、こぼれてないな」
「本牧もやってみてくれ」
「わかった」
「こぼれてないようにするのと、早く運ぶことの両立は難しいな」
「これで競技の…」
「待ちなさい」
「なんだよ、雪ノ下。不服か?」
「私にもやらせなさい」
「お前、出来ちゃうだろ」
「視線をぶれないようにすれば、こぼれてないわね」
「もう攻略法見つけちゃったよ…」
「ハイスペックの雪ノ下が出来たのはイレギュラーとして、競技としてはどうだ?」
「ゴールする順番じゃダメですよね…」
「タイムを競う。規定量より少なければ、ペナルティでタイムをプラスする」
「なるほど…。プラカップとかでラインを書いて、その線より少なくなっていたら、ペナルティ10秒とか…」
「さすが本牧。キレるな」
「比企谷に言われてもうれしくないな」
「まぁ、そう言うなよ」
「…」
「どうした?」
「先輩と副会長って、仲が良いんですね」
「いや、別に」
「顔みたら、少し話す程度だけどな」
「まず、比企谷の顔をなかなか見ないけどな」
「ほっとけ」
「いやいや、普通に会話してるじゃないですか。先輩が普通に会話してるのが、珍しいですよ」
「よく話すぞ、戸塚とか戸塚とか戸塚」
「全部、彩ちゃんだし」
「先輩、キモイです」
「まったく、比企谷君は…」
「比企谷先輩って…」
「比企谷…」
新競技決定!!
コスプレリレー?採用されました。